黒川博行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母の遺品であり疫病神シリーズ第七弾でありシリーズ最新作。
歯科医院による診療報酬不正受給事件が起きた。
逮捕されたのは大阪府警OBら11人、しかし8人は不起訴に。
事件の背後に「白姚会」の存在を嗅ぎつけたイケイケ極道の桑原は、建設コンサルタントの二宮を連れ、組事務所を訪ねるが――
良くも悪くもいつもの展開である。が、馴染んでくるとそれが楽しい。
例によって桑原と二宮の会話は漫才のようであり、お互いきらいきらいと言いながら楽しんでいるようですらある。
で、今回は警慈会とかいう警察OBの碌でもない団体の悪どい金儲けから掠め取ろうと桑原が動き出すのだが、いきなり二宮が(いつもの如く)ボコボコにされる。お、早いなという酷い感想を持ったのは内緒である。
その後は例によって桑原がじゃんじゃんカチコミに行っては相手をぼこぼにしたり、上手いことお金を巻き上げられなかったりと言った展開。
今作品のハイライトはなんと言っても桑原が撃たれてしまう所であろう。(もう文庫の帯にも書いてあるのでネタバレにもならない)
シリーズファンはここでの二宮の会話がちょっとグッときたりする。
疫病神だし悪魔だと思っているが、軽く扱ってはいない事が良く分かるのである。
それにしてもこんな桑原の後始末をする嶋田は大変だ。でも昔の自分と似てるから可愛がるんだろう。
このシリーズ、最初はヤクザ用語や関西弁が満載で読み進めるのに苦労したが、4作品も読んでるとすっかり慣れるものである。
非常に楽しめた -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりの黒川博行さん。
疫病神シリーズと同じく、関西弁コンビのバイオレンス系作品!騙し合いを繰り返す、ドンドン変わる展開に読む手が止まらずに一気に読み切りました。
にしても、黒川作品の登場人物は本当に魅力的ですねー。私が関西出身というのもあり、関西弁なのも親近感。
熊谷と正木の普通の教師コンビがドンドンやばい展開に巻き込まれていくハラハラ感(早く逃げて!とか)と、ドンドン真相に近づいていく達成感がよかった。
あと、感想
・騙しあってる4.5人のその時点の事件の情報、認識が違うので結構頭の中整理するのが大変!
・熊谷は菜穂子の過去の男を気にしすぎ!気持ちは分かる。うん、分かるけども。
・小山田小物感満載すぎる。
・理事長はラストで半周回ってまだマシな悪という印象ね。
・最後は二人がくっつきそうで良かった。けど、菜穂子は無邪気すぎて一緒にいるのは大変そう! -
Posted by ブクログ
ネタバレ母の遺品にあった一冊。直木賞受賞作家である黒川氏のデビュー作、とのこと(知らずに読みました)
三協銀行新大阪支店で強盗事件が発生。犯人は現金約400万円を奪い、客のひとりを拳銃で撃って人質として連れ去った。大阪府警捜査一課が緊急捜査を開始するや否や身代金1億円を要求する脅迫状が届き、そこには切断された指が同封されていた。刑事の黒田は、相棒の“マメちゃん”こと亀田刑事とともに、知能犯との駆け引きに挑むが…
お恥ずかしながら黒川博行という作家がどのような作品を書くのかも知らず、その凄さも知らないという状態で読書開始。
他にも黒川作品が読まれずに積んである中でこの作品を最初に手に取ったのは
・シリーズものじゃない(裏表紙の説明で判断)
・さほど厚さがない
というだけ。
で、読んでみると…読むのが遅い私が1日で読み終わる快挙となった。
無論、長くないというのもあるが、これだけ夢中になって読み続けられた事自体が稀な事である。
(小説読むのが久しぶり&何もやる事がない休みの日だった、というのもあるが)
なにが面白かったのかというと、やはりその会話のテンポというか、緊迫しているはずなのにどこかノンビリしてるような空気感か。
主人公・黒田はある程度の常識人だが、取り巻く捜査一家の面々が個性的なのである。
特にマメちゃん(亀田)のキャラはとても良い。有能なのに冷遇されてる感もあって応援したくなった。
一方で村橋や神谷と言った上層部の無能さに、黒田を通して読者もイライラさせられる。
この辺はおそらく描写の巧さであろう。
それにしても単純ながらとんでもない真相だった。例によって深く推理したりせず、文章を追って普通に驚けるタイプの人間なので全く想像していなかった方法であった。
とともにタイトルの意味もジワジワと理解でき、気持ちよく「やられた!」と思える作品であった。
執筆された時代的に描写の古さは多少あるものの本質に関わるところではなく、個人的には特に気にならなかった。
関西弁の会話がちょっと付いていけなかったり、最後のオチが沈んだものになってしまう所はやや難があるが、警察モノが嫌いではなければ読んでみて欲しい一冊。 -
Posted by ブクログ
限りなく5に近い4
読み応えバッチリな作品。
徹底的な悪女の小夜子を中心に描かれているが小夜子のコントロール役の柏木と彼等の所業を調べ尽くし、挙げ句の果てに強請ろうとまでするする本多も主役級に描かれている。
三者三様とも一筋縄ではいかず、追いつ追われつする様に手に汗握る感じが止まらない!
小夜子と柏木はチームではあるのだがお互いを全く信用していないことがよくわかるやり取りを読んでだからこそここまで後妻業を続けられたのかなと妙に納得してしまった。
ただ、最後がかなりあっけなく拍子抜けだったので梯子を外された感も否めなかったので☆5にはできなかった。
黒川作品としては軽妙さが少なくかなり硬派な作品。
映画もいつか観てみよう。