黒川博行のレビュー一覧
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ネタバレ感想
強盗シーンよりも警察が地道な足取りで捜査をするシーンが長いが、こちらがとてもリアルに書かれているように感じた。
最後は箱崎が逃げ切れるか〜!?ってやっぱりとなったが、最後まで盛り上がれた。
あらすじ
箱崎は探偵業を隠れ蓑にして世の中の悪党から強盗をする。最初のターゲットは詐欺を行い、金塊を溜め込んでいた大迫。外国人の犯行に見せて殺害する。大阪府警は足取りを追うが手掛かりがないことから捜査は難航する。
二人目は、仮想通貨などの詐欺を行っていた成尾。自宅の壁裏に隠していた現金を奪う。こちらは多数の物証が残されており、大迫とは別の犯人と見立てられ、警察の捜査が進められる。
三人目は滋賀 -
Posted by ブクログ
黒川氏の小説の面白さはズバリ「大阪弁」。自分は小学5年性まで関西だったのでスルッと入るし、本書を読んでいると自分の頭での呟きが関西弁になってしまう。
これまでは面白さはそれだけだった(失礼)感じだったが、本書は当初から犯人を主人公の一人にすることで追う側と追われる側が同期してそれぞれに感情移入しながら読むことができた。どうやって犯人を追い詰めるか?これが残り数ページまで全然分からないのだが、多少「まぁそれね」という感じがないわけではない。
しかし大阪弁で(漫才のように)ツッコミ合う二人の刑事。一方の犯人は理知的な標準語。この対比が面白かったのか、止まらなくなった。 -
Posted by ブクログ
以前、テレビドラマで「後妻業の女」として木村佳乃主演のドラマがあったが、原作はもっとエグい
ドラマのラストは主役2人がフェリーで逃げ切ったが、原作のラストはまた違う これ以上は言わないが…
資産家の老人が不審死を遂げる… 結婚詐欺とは違う
籍を入れたり内縁の妻だったり
戸籍に書き足されることは厭わない
何とも恐ろしい限りだが、それがいつまでも続くとは限らないのが世の常なわけで、そこを探偵が追い込んでいくところが興味深い
元々は相続人の弁護士から依頼された案件なのに、元刑事の探偵がその性格からかどんどん操作にのめり込んでいく
もちろん探偵はお金も家庭も全て幸せな境遇では共感できないわけで、そこそ -
Posted by ブクログ
読みやすさ★★★
学べる★★★★
紹介したい★★★★
一気読み★★★★
読み返したい★★★
関西の闇社会を画かせたら天下一品の黒川ワールド。カネと欲望が行動原理の登場人物たち。女は何歳になっても身体を張れるようだ。
元より、結婚詐欺は立証が難しいと聞く。死人に口無しならなおのこと。被害者家族は恥ずかしくて大きな声を出せない。死というナイーブな事象だからこそ、きっちりと死ぬ前に書類を整えなければならない。
業の深い人間が画策するカネ勘定は、最初は面白いように計画通りに上手く行く。途中から歯車が少しずつ崩れて行く様子も楽しませてくれる。
本作に感化され、両親や自分の死を考えて、この度相続・贈