黒川博行のレビュー一覧
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580頁の厚本だが一気に読めた.刑事の舘野と玉川が連続殺人事件を追う物語だが、玉川の的確な捜査と彼の大阪弁が何とも奇妙な取り合わせで楽しめた.周到な準備で獲物を確実に処理する犯人の実力は侮れないものがあり、捜査陣もアタフタしていた.犯罪を支援する闇の組織が大手を振って跋扈している世界があることを認識できた.最初の大迫健司に続いて成尾聖寿が無残に殺される.犯人の手口が詳細に記載されているのが面白かった.これまでの被害者は資産家で次が宗教家の田内.犯人が盗品の金塊を売に行った当たりから捜査陣が次第に的を絞り始め、元刑事の箱崎が犯人と見定めた.それでも箱崎は松山で海棠を殺す.玉川らの地道な捜査で箱崎
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「一体、なんなんだこの話は?!」
読みながら、そんな言葉が何度も頭に浮かぶ。とにかく面白い、でも、訳がわからない。
元はと言えば、母のおすすめ本ということで手に取りました。
読み始めたものの、ヤクザの世界に興味はない。登場人物が多くて名前が覚えられない。そもそも、テーマである産業廃棄物処理事業というのにまったく魅力を感じない…。
なかなか興が乗らず、読むのを途中でやめようと思ったくらいでした。でも、オススメされた義理もあるので辛抱強く読む。面白くなってきたのは、堅気の主人公と組むのが、どうやら極道のこの桑原という人物らしい…と分かりかけてきたころ。
そこからは、あれよあれよという間に物語が -
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本屋で新刊の棚で目に止まった本作。「脅す、騙す、殴る、蹴る」。
帯に書かれたこれらの言葉が不穏すぎて。
内容は確かにそのままだった。
競売屋を生業としている(に勤めている)伊達誠一が管理している空き家かあった。伊達はそこを占有しだしたちょっと迷惑な人物を立ち退かせに出向く。追い出したはいいものの、ソイツが新たに組者のようなふたり組を揃えてまだ占有していた。これも物騒なやり方で追い出すもその人物からなにやら金塊の匂いをかぎつけた伊達。そして最近不正に輸入された金塊が何者かに強奪されたというニュースに思い当たる。今回の件との関係性を追うため(儲け話になるか)元同僚の堀内信也に連絡を入れるが。
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感想
後妻業恐ろしいな。保険金がないと殺人しても警察が調べないとかあり得そう。
あらすじ
中瀬耕造は91歳。妻に先立たれ、後妻として小夜子を迎えた。ある日、耕造は脳梗塞で倒れる。小夜子が血液凝固剤を飲ませていたのだ。
耕造の二人の娘のうち、妹は小夜子を怪しんでいる。小夜子は資産家の老人の資産を奪うべく、それを目的とした柏木が経営する結婚相談所から派遣された女だったのだ。
小夜子は、耕造が脳梗塞で入院している間に、金庫を開けて株や投資信託を現金化する。その後は耕造を空気注射で殺したのだった。
中瀬の娘たちは同級生の弁護士を頼って、探偵社に依頼して小夜子のことについて調べ始める。小夜子が -
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感想
二宮もお金がないのに美味しいもの食べたり、博打したりどうしようもないな。
いつも桑原は最後の最後までお金を騙し取ろうとして失敗するパターンだな。
しかし、桑原の今後はどうなるのか?二宮も廃業か?
あらすじ
二宮は暴対法の影響でサバキの仕事が減って青息吐息であった。そこに、二蝶会の嶋田がVシネに出資することになったので、桑原と二宮に脚本家にアドバイスするように言う。
プロデューサーの小清水は出資された金を持ち逃げする。小清水を追ううちに桑原は同じ川坂系の上部団体の滝沢組とモメる。
二宮が手に入れた情報で、小清水を追いかけて、マカオへ行く。二人は小清水を香港で捕らえて、詐欺の絵図 -
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探偵社で擬態しながら殺人を犯す箱崎と、主に館野(大阪府警捜査一課)と玉川(箕面北署刑事課防犯係)ペアの応酬劇。お互いの目線で語りが変わっていくが、箱崎が残忍な殺しと鮮やかな手口で大金を奪っていく。前半は箱崎の完全勝利で進んでいくのだが玉川の経験豊かで老練な捜査が少しずつ実っていくのが面白い。また、箱崎の深淵は本人側から語られないが正体がわかっていき驚かされる。玉川が館野とご飯を食べるときのゆるっとした空気管やコロンボを思わせるかみさんトークがびりびりした内容に良い緩和剤となっていた。最後の最後まで息をつかせぬ展開で、これは映画やドラマになったら面白いだろうなあと感じた。
実際の現場をのぞいてい