黒川博行のレビュー一覧
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大阪の警察官2人が関西弁をしゃべり、メシを食いながら、犯罪事件解決に奔走する、いつも通りの黒川博行作品。相変わらずブレない。そして、犯罪につながる現代社会システムのヤミにも迫る。本作品のヤミは金取引と宗教法人。さらに警察が犯罪捜査に多用するNシステムの説明は教科書ともいえるくらいの詳しさ。車を使った犯罪を考えている人は、絶対に知っておくべき。ITを使った車両ナンバー検索はここまで進んでいるのだ。
主人公2人の警官が追うのは連続強盗殺人犯。単独で緻密で残酷な計画を実行し、殺人と大金取得を繰り返す冷酷な犯人。と、その犯人に対して、組織の行動力と推理力で勝負する警察。この一進一退の攻防による緊迫感 -
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『破門』:直木賞受賞作
テンポとリアリティが炸裂する、
極道×カタギの凸凹バディ。
1.物語
建設コンサルタントの二宮と、イケイケヤクザの桑原。この「疫病神コンビ」が、映画製作への出資金詐欺被害をきっかけに、関西からマカオまでを詐欺師確保にむけて奔走する物語です。
2.選考委員(東野圭吾さん・浅田次郎さん)の書評
●浅田次郎さんの評
細密なディテールの集積は、まったく映像の表現しきれぬ、小説ならではの世界である。(中略)強く推した。
●東野圭吾さん
普通の人間社会の常識が通用しない異世界を見事に描いている。会話の練り方も半端ではない。(中略)作者にしか描けない独自の世界で、それを貫くこ -
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黒川博行の長篇ミステリ作品『二度のお別れ(英題:The Second Goodbye)』を読みました。
黒川博行の作品は、4年前に読んだ『文福茶釜』以来ですね。
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《黒川博行警察小説コレクション》
4月1日午前11時34分、三協銀行新大阪支店に強盗が侵入。
400万円を奪い、客の一人をピストルで撃ったのち、彼を人質にして逃走した。
大阪府警捜査一課は即刻追跡を開始したが、強奪金額を不服として犯人は人質の身代金1億円を要求、かくして犯人と捜査陣の知恵比べが始まる。
名手の記念すべきデビュー作となった、シリーズ第1弾!
解説=池崎和記
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