黒川博行のレビュー一覧

  • 破門

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    建設会社と暴力団の間に入る「サバキ」を得意とする建設コンサルタントの二宮と二蝶会の桑原。

    今回、二蝶会の下部組織の嶋田組が映画製作に出資した金の回収にまつわる話。

    Vシネマを得意とする小清水なる映画プロデューサーに1500万円出資した嶋田。映画の内容に北朝鮮が関係するので過去に渡航歴がある桑原と二宮にアドバイスせよと二蝶会若頭の嶋田から指示が出る。

    が、途中で小清水が出資金を持って姿を消す。取り立てに行き、小清水のガサで桑原が同じ直系の組筋とトラブルを起こす。

    果たして出資金は取り戻せるのか?直系と揉めた桑原はどうなるのか?

    相変わらず小気味の良いストーリーで長編ながらサクサク読める

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    2024年03月17日
  • 破門

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    シリーズ疫病神、5作目。直木賞受賞作。
    映画製作の出資金をプロデューサーの小清水に持ち逃げされた桑原と、いつものごとく巻き込まれた二宮。小清水の行方を追ううちに、同じ組の本家筋の構成員が裏で糸を引いていることが発覚し、邪魔をしてきたチンピラを桑原が半殺しにしてしまい、それが組同志の込み合いに発展していく。

    3作目の暗礁をすっ飛ばして5作目を読んでしまったけど問題なかったです。
    ヤクザの同じ組でも枝別れした組織があって、その中でも格上とか格下とか色々あってちょっとややこしかったけど、とにかく逃げた小清水を地獄の果てまで追いかけまわしてぼこぼこに殴り飛ばして金を取り返すっていう今までのシリーズの

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    2024年03月03日
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―

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    ネタバレ

    快調の疫病神シリーズ第4作。巨大寺院の宗宝をめぐるシノギに、金の亡者たちが乱戦を繰り広げる。
    タイトルの「螻蛄」は、無一文を意味する「おけら」と、人を蔑んで呼ぶ「虫けら」のWミーニングでしょうか。

    信者五百万人を擁する伝法宗慧教寺。その宗宝『懐海聖人絵伝』を巡るスキャンダルに金の匂いを嗅ぎ付けた、相性最悪の"疫病神"コンビ、建設コンサルタント・二宮啓之と二蝶会幹部のイケイケ経済ヤクザ・桑原保彦。巨大宗派の蜜に「虫けら」のごとく群がるのは、大阪府警の腐敗刑事・美濃、新宿系極道・勢羽組、怪しい画廊の美人経営者・稗田涼子ら有象無象の金の亡者たち。金満坊主から金を分捕るのは誰か。

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    2024年02月24日
  • 国境(下)

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    ネタバレ

    疫病神シリーズ第2作は、前作から遥かにスケールアップした巨編でした。

    建設コンサルタントの二宮啓之と二蝶会幹部の桑原保彦は、自分たちを嵌めた詐欺師の趙成根(チョウソングン)を追って、中国との国境から再び北朝鮮に入った。北朝鮮の凄まじい現実と極寒の中、趙を追い込んだ二人だったが、脱出にはさらなる困難が待っていた…。

    詐欺師の趙をひっ捕らえるまでが長い道のりでしたが、実は趙も詐欺師の親玉に切り捨てられた駒に過ぎなかった…。趙も知らない金主を追って日本で再び"疫病神"コンビが奔走する。金欲にまみれた曲者たちのオンパレードに腸が煮えくり返ること必至ですが、圧倒的面白さも折り紙付

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    2024年02月11日
  • 後妻業

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    映画を見たのでストーリーも結末も分かっているはずなのにサクサク進んでおもしろかった!

    関西弁でザクザクと切り捨てるような会話が好きなのか黒川さんの小説ハマります!

    結婚相談所の会員のおじいさんを騙して遺産を奪うというはなし

    まぁお年寄りで奥さんもいなくて寂しい毎日に、演技とは言え自分を好きと言ってもらえたら騙されちゃうのかなー
    人の弱いところを突くのがうまいのかなー

    やっていることは悪いが、小夜子のように思ったことを思ったままに言ったり行動できればストレスないだろうなーある意味うらやましい

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    2024年02月08日
  • 国境(上)

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    ネタバレ

    シリーズ最高傑作との呼び声も高い疫病神シリーズ第2作。舞台はまさかの北朝鮮。

    「疫病神」コンビこと、建設コンサルタントの二宮啓之と二蝶会幹部の桑原保彦は北朝鮮に飛んだ。
    二宮は重機の輸出で、桑原は組の若頭・嶋田がカジノ建設の投資話でそれぞれ趙成根(チョウソングン)の詐欺に遭い、高飛びした趙を追ってのことだった。平壌に降り立った二人だが、そこには想像以上に厳しい現実と監視が待っていた…。

    腐れ縁の疫病神コンビが北朝鮮に飛び出し、前作から一層スケールアップ。北朝鮮には入国することはもとより、その実情を把握することすら難しい。
    エンタメを真ん中に据えながら、綿密な取材に裏打ちされているのが黒川作

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    2024年02月07日
  • 喧嘩

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    シリーズを重ねるほど面白くなるなぁ。
    2人のコンビが堪りません。
    複雑な筋を掛け合いながら解決していく。
    面白いなぁ

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    2024年01月16日
  • 桃源

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    帯から『関西弁やな』と思い、本の厚みはあるが読みやすいだろうと。
    舞台は沖縄。大掛かりなトレジャーハント 大阪府警が模合、沈船詐欺、殺人、死体遺棄を捜査していく。正統派警察捜査小説。
    食べることと映画が好きな相棒。読んでると沖縄料理を食べてみたいと思わせる(実際沖縄料理は食べたことがない私)
    刑事は忙しいのか自由すぎるのか?
    実際こんな刑事さんはいないであろう…ユーモアある二人の刑事の掛け合いが面白いのであっという間に読み終えるでしょう

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    2023年12月21日
  • 後妻業

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    みんな悪いなー。
    映画を先に見ていたので、大竹しのぶと豊川悦司の顔を思い浮かべながら読んだ。
    守屋弁護士が誠実で唯一まともな印象。

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    2023年12月07日
  • 後妻業

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    序盤はあまりのゲスっぷりにドン引きしていたが、本多が登場してから物語が一気に加速し調査を進めていくなかで小夜子や柏木の正体が判明していき点と点が線になる瞬間がミステリの種明かしをされたときのように気持ちよく、そこからは夢中で読み進めた。
    ハードボイルド要素を含むサスペンスとエンタメの中間のような小説で非常に面白いが、読んでいる途中でこの小説に類似した例の事件報道を思い出して背筋が凍った。

    また、登場人物の話す関西弁から生み出される独特の雰囲気と本多の人物造形の上手さがこの小説の面白さを底上げしているように感じた。

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    2023年12月03日
  • 疫病神

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    さすが直木賞受賞作 関西なまりにイマイチなじみが持てないのですんなりと読み出せなかったが 少し読み進めるとすぐに物語に引き込まれた 残念だったのは大阪にほぼ土地勘がないため迫力にリアリティーが伴わなかった事 それがあれば”星五つ” だったかも

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    2023年11月22日
  • 疫病神

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    普段、絶対接することのない、ヤクザの世界を垣間見れる。こんなアプローチの仕方があるのか!確かに、ここは穴だな、、、気づきが満載。

    二宮と桑原のコンビは、こうして生まれたんだね!

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    2023年11月03日
  • 煙霞

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    黒川さんの作品は、スピード感のある展開と登場人物達のユーモア溢れる会話が特徴。本作も十分楽しめました!記憶には残らないかも知れませんが、それはそれで、読書の楽しみ方の一つだと思います

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    2023年09月01日
  • 勁草

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    ネタバレ

    オレオレ詐欺の実態を描いた作品

    描写がリアリティーがあり、刑事はかっこよくはないが地道に犯人に迫っていく過程が詳細に語られており面白い

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    2023年08月23日
  • 国境(下)

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    こういうことに関わりたくないねん。嫌やねん。いつのまにか二宮になってしもうてるから、ページを開けるのは気が重い。せやけど、読み出したら止まらんようになる。でもしんどなって休憩したら、もう読みたくなくなるねん、やけど、やっぱしジャンキーのように(ってジャンキーになってもないから分からんけど)手を伸ばしてしまう。もう次の話には手を出さんとこと思うねんけど、ちょっとしたら薬切れのように(って、そんなことなったことないから知らんけど)ポチッとしてしまうねんやろな。ほんま桑原、嫌い。

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    2023年08月14日
  • 破門

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    疫病神シリーズ 第5段

    二宮(にのみや)と桑原(くわはら)、2人の掛け合いに引き込まれる
    口がよく回り憎めないキャラクターの二宮、頭がキレ計算高いが人情味のある桑原、2人の魅力が存分に発揮された作品

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    2023年08月12日
  • 勁草

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    ネタバレ

    映画化が決まったのを知り読みました。スピード感ある作品であっという間に読めました。ラストのあっさり感が正直物足りなくも感じたので、マイナス⭐︎1つ。安藤サクラと山田涼介がどんな風に演じてどんな仕上がりになっているのか楽しみ。

    映画を観たので追記
    映画は全くの別物エンターテイメントに仕上がっていた…笑

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    2024年01月24日
  • ドアの向こうに

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    1989年の書き下ろし作品であるが、この頃はバブル絶頂期であったことを思い出しながら読む。

    工事現場から発見されたバラバラ死体。
    それに続きマンションでの密室心中事件が発生。
    その2つが実は繋がっていて…という流れが。
    密室殺人の謎、、難解だったな。

    若手の文田とベテランの総田の掛け合い漫才のような大阪弁のコンビは最高に面白く、地道な捜査ながらも退屈さを感じさせない。
    それに加えて京都出身である五十嵐との会話で大阪と京都の違いをスパッと明確に表現しているのも面白くさせている。
    生活感を漂わせているのは、文田と母との事件考察のやりとりだがそれもテンポが良い。

    事件を追いながらもふっと笑いが

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    2023年06月30日
  • 勁草

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    ネタバレ

    面白かった。
    最後の行を読み終えて「え?」ってなって、あまりの驚きというかあっけなさというか情報が少なすぎて、思わずいつもは読まない解説を読んだくらい、何事かと思ったけどね。
    テーマ的には、それこそ映画原作でもなかったら読まないし、序盤もまーまー内容がしんどかったので読むのやめたいくらいだったけど、涼介のお芝居を楽しむためだけにがんばった!!www
    おかげで楽しく過ごせましたけどね。
    何より、文章が良い。テンポとか展開とか表現とか、端々でてくる身近さとかそういうの全部計算されてるんかなーって思うくらい、とにかく読んでいて面白い!お話として本当によくできていて面白かった。
    だからこそ、きっと個人

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    2023年06月26日
  • 切断

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    大阪の病院で発見された「他人の指を耳に突っ込まれ、耳が切り取られた死体」
    その死体の耳が次の殺人現場の死体がくわえており…
    続けて発見される異常な連続殺人事件。
    その犯人は?そしてその目的とは…

    最後まで読み終わった時にタイトルに納得
    そうか…そういうことか…

    関西在住の私としては舞台が大阪なのでまるで映画を観ているような…そんな感じで楽しめた~。

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    2023年05月17日