黒川博行のレビュー一覧

  • 絵が殺した
    ストーリーの展開、人物造形、そして読後の哀しさ、切なさ、爽やかさ。秀作ぞろいの大阪府警シリーズの中でも一番の傑作ではないだろうか。
    もうこういうの書かないのかな?今のアングラすっとこどっこい大阪人達も大好きだけどさ。
  • アニーの冷たい朝
    異常な連続殺人事件。同時進行の詐欺事件。じわじわ進む殺人計画。
    少しずつ進む警察の捜査に早く!早く!と焦る思い。
    最後の最後までドキドキハラハラさせられました。
    とにかく先へ読み進むのが楽しみな作品でした。
  • 疫病神
    テンポが小気味良くて、いつのまにか作品に引き込まれます。これも同じで、大阪弁で交わされる互いに引かない会話が面白くて読み進んでしまいます。癖になりそうなのであまり読まないように気を付けている昨今です。
  • ドアの向こうに
    何度目か読み返して、漸く理解しました。
    この小説の真骨頂は、最後の七行にあります。
    そしてこの小説は、ミステリーではなく、この作者特有の、家族愛に対する賛歌なのです。
  • 八号古墳に消えて
    大阪府警シリーズである。狂言回し役の黒さんと探偵役のマメさん。
    大阪弁で繰り広げられる二人の珍妙なやりとりが楽しい。
    遺跡で起こる連続殺人の謎解きが本筋であり、スパイスとして考古学界の権力争いの暗部が描かれている。どんな業界でも人間の醜さを露呈する部分があることを黒マメコンビは教えてくれる。
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  • 切断
    内容から行けば、凄惨なシーンも多いのだけど、文章でそれを感じさせない。人の心の奥底に潜む執念のようなものを克明に描写されてるけど、それがまた重苦しさを感じさせない。それだけ黒川博行さんの執筆がそうさせるのでしょうけど、読みながら次は、次は、とぞくぞくさせられました。単行本と文庫本ではラストが異なるの...続きを読む
  • てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書
    おかたい刑事モノとは一味も二味も違い、また人情刑事モノとも違う。
    黒川刑事モノとでもいえば良いでしょうか。
    劇画タッチでもない人間的な刑事が出てきます。脇役で出てくる人も、
    犯人も皆、人間的です。そのへんにいそうな人ばかりです。
    それがために、気持ちが入ります。
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―
    ホームタウンの大阪を飛び出て、二宮と桑原が東京で活躍する物語。お互いに毒づきながらも最高にして最強(凶)のコンビ。こんなに面白いシリーズは、そうはないと思う。大阪の風俗・文化と大阪弁がベースにあるので、やっぱり関西系の人が読んだほうが面白さ倍増だと思う。
  • 海の稜線
    主に荻原の推理と暴走で真相へと到る過程はスリルに満ちている。ここで上述した伏線が活きて来る点も巧み。読んでいて、真相への道筋を二転三転させる作者の手腕には幻惑された。また、この当時の作者はミステリ作家だったのだと初めて知った。
  • 大博打
    誘拐された老人のためにその息子が20億円もの金塊を用意するところから物語は始まる。黒川作品らしいユーモアとペーソスあふれる人物描写と
    漫才のような大阪弁のセリフのやり取りは相変わらず面白い。そして、この誘拐作品では、WhyとHowが最後まで謎として残る構成にしている。
  • 雨に殺せば
    半沢直樹とライアーゲームを一緒にしたようなストーリー、亀田刑事が実はメインだというのが大きな意外性を持つ。どんでん返しの連続と登場人物の丁寧な描写にハードボイルドな警察機構のやりとりも相まって一気に読めた。このミステリー大賞に相当する名作と思う
  • 泥濘
    発売日の前に発注し、発売となった頃に手元に届いた。そして紐解き始めて夢中になった。
    あの「二宮」と「桑原」のコンビが還って来た!
    二宮は大阪の通称“アメリカ村”の辺りに小さな事務所を構えて「建設コンサルタント」と称して“仕事”をしている。“仕事”というのは「前捌き」が転じて“サバキ”と呼ばれるモノで...続きを読む
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―
    桑原と二宮のコンビ

    今回は宗教ネタで「懐海聖人絵伝」を求め人、金、ヤクザが踊り出す
    騙し騙され、殴り殴られ、遂に無敵の桑原が、、、

    二宮の桑原相手に駆け引きと金をせびる姿は到底堅気とは思えない根性が好き


    疫病神シリーズ第4段
    今回もテンポが良く読んでて飽きが来ない。このシリーズはコンプリート...続きを読む
  • 二度のお別れ
    誘拐殺人を扱う刑事たちの、正義感の希薄さが妙に先きたいさせます。黒まめコンビも現実味があって、無理に読ませようとせず、おかげでラストのやっぱりそうくるか感も受け入れやすかった。
    黒田ファンとして納得の処女作です。
  • 破門
    黒川博行さんの疫病神シリーズの5作目。めちゃくちゃな面白さ。

    映画製作への出資金を持ち逃げされた暴力ヤクザの桑原と建設コンサルタントのダメ男二宮。失踪した詐欺師を追っているうち、桑原は邪魔するゴロツキを病院送りにします。ところが、なんと相手は本家筋の構成員。本書は、組同士の込み合いの中で危険な状況...続きを読む
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―
    いつも登場人物の多さに混乱しそうになっちゃうけど、桑原と二宮の会話のキャッチボールのリズムの良さが相変わらず楽しかった。クールないとこの悠紀ちゃんとのやりとりも大好き。そして、主役2人がどこまでもゲスい。気持ちよくなるくらいにお互いに自分のことしか考えておらず、あっぱれ!
  • 果鋭
    アクション映画のようなドキドキハラハラ感があり、予想できないようなストーリの展開もあり、かなり面白かった!
  • 左手首
    小悪党が犯罪を犯し、決してハッピーエンドで終わらない短編集。
    黒マメコンビや桑原・二宮コンビの作品とは一味違った黒川作品としてサラっと読めました。
    黒川作品らしい、登場人物のセリフのやりとり、好きやなぁ・・・
  • 螻蛄―シリーズ疫病神―
    極道の桑原とカタギの二宮がコンビを組む疫病神シリーズの第4弾。いつも通り大阪中心にカネを追って様々な土地を訪れるハイテンションでスピーディーな展開。その中で2人のボケツッコミ会話が絶妙なタイミングで挿入される。今回はそれに加えて二宮が飼うオカメインコがいい味を出している。

    今回の2人のターゲットは...続きを読む
  • 後妻業
    こないだツタヤでレンタルDVDを見てからどうしても原作を読みたくなって注文しました。
    久々のホームランという出来で、今日の午後三時から七時半までかかって完読しました。いやー、面白かったです。