黒川博行のレビュー一覧
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ネタバレ後妻業 (文春文庫) 文庫 – 2016/6/10
2019年5月31日記述
黒川博行氏による著作。
2016年6月10日第1刷発行。
初出別冊文藝春秋2012年3月号~2013年11月号
単行本2014年8月 文藝春秋刊
参考文献
黒い看護婦 福岡四人組保険金連続殺人 森功 新潮社
木嶋佳苗法廷証言 神林広恵+高橋ユキ 宝島社
装画・黒川雅子
デザイン・多田和博
社会的な事件となった婚活詐欺とも呼べる事件を調べ作品化している。
舞台が大阪を中心とした場所で個人的に大阪市在住なのでよりリアリティを持って楽しめた。
作者曰く知らない土地に関しては匂いと言ったものを
文章で表現しにくいからとか。
表紙の男性の絵もインパクトがある。
業深き人間ばかりが出てくる。
ビートたけし氏のアウトレイジではないが、
全員悪人という言葉が似合うなと読後思った。
元大阪府警の探偵業本多もまとまった金が必要で
柏木、小夜子両人を脅していくが・・・
後妻業という単語を一般化させた意味でも大きな影響を世の中に与えた作品と言える。
後妻業をやっている女も許しがたいが、
冒頭で登場する中瀬耕造という爺にも殆ど同情できない。
実際にニュースになった後妻業の犠牲になった男性が
地元で普段、俺はこの町一番の金持ちだと公言してはばからないという解説をニュースで聞いて、何を言うてるのや?と強い疑問を持った。
やっぱりかという感じもする。
全体を通してみて、思いやりを持って正しい適切な言い方、伝え方でコミュニケーションを取りましょうねという結論が浮かび上がってくる。
人を騙さず、正直に生きる。(バカ正直ではなく)
そんな人物は一人もいない。
柏木も本多を殺さなくてはならないと覚悟したなら
下手に小夜子の弟(クズ)にやらせるのでは無かった。
突き詰めるとプロの丁寧な仕事は細部に渡っているのだ。
素人仕事では駄目だ。
普段やるような事ではない為、無理が出る。
そして失敗する。
何事も十分な準備、情報収集、適切な判断が必要。
小夜子の死体をそのまま深夜に運び出そうとしたのも
ミスだった。冷静に考えれば職務質問される危険性も
ありえる時間帯なのだ。
普段しない慣れない仕事ほど慎重に丁寧にこなす必要があるという教訓を示している。
印象に残った部分を列挙してみると
ヤクザが代紋をなくしたら、あっというまに行き詰まる。
それまで五分のつきあいをしていた仲間が反目に立ち、貸した金も踏み倒される。
ターゲットは女より男。それも妻に先立たれた老人だった。
彼らはイベントやパーティにせっせと参加し、紹介された相手の容貌や気立てがどうあろうと、一言優しい言葉をかけられれば、ほぼ例外なく交際を望んで驚くほど容易に金を出す。子供や孫に資産を残してやろうという考えは薄く、老い先短い現世に固執し、孤独が癒やされれば、あとはどうでもいい。
たとえ老人でなくても、主導権と選択権は常に女のほうにあり、寂しい男ほど騙しやすいものはないと思い知った。
もし朋美が死んだら、司郎は半年で誰かと付き合いはじめて、二、三年後にはいっしょに暮らすだろう。
男とはそういう生き物だ。
(ここは思わず突っ込んだ。そりゃ一部とちゃうんかと。大半は新しい女と一から関係を築くエネルギーはない。それか全く出会いがないと思う)
(朋美の設定も細かい。大阪府立天王寺高校卒。大阪 市立大学の建築学科出身と。
高校時代の友人、弁護士の守屋は阪大法学部
司法試験合格まで4年かかったと。
実に細かい。
ただ検死に出てくる医学部は全て架空だった)
柏木は小夜子から空気注射の手口を聞いたことがある。
なぜ、それが凶器になり、殺しの痕跡が残らないかを。
静脈内に注射された空気は血液の流れとともに心臓の右心房から右心室にたまっていく。大量の空気が心室にたまれば、心臓のポンプ機能が損なわれ、心臓から肺動脈に血液を送れなくなって酸欠状態を招く。そうして、その状態が長くつづけば、ひとは窒息して死に至る
爺さんの左腕は点滴の穴だからやし、注射のあとなんか分からへん。それに、わたしが帰って容体が変わったんやから、ほんまの完全犯罪や。
後妻業の必須三条件 住民票、家具持ち込み、顔出し
提訴のとき、弁護士が地裁の司法記者クラブに声かけるんや。
記者は訴状に興味があったら、会見場に集まる。
警察は世論で動く。三浦事件、愛犬家殺人事件、婚活殺人事件、どれも始めは週刊誌やテレビが取り上げたんや。
「女は強いですよ。いくつになっても、ここで稼げる」
金井は股間に手をやって、「男はバカだから、からめとられて金を吐き出す。騙されてると分かっていても、ずるずる貢ぐのが男です」
「結婚はやっぱり経済力ですか」
(結婚は)「生計を維持できる定収入です」
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Posted by ブクログ
なんでこの本読むことになったんかは、よう覚えとらん
直木賞作品
たぶんそれが理由や
内容はやくざのはなしや
飛田新地やら新世界やら釜ヶ崎やらジャンジャン横丁やら
大阪のディープな場所がようさん出てくる
アメ村、心斎橋、道頓堀、よ~お知っとる場所も
尼の七松町や立花や、兵庫でもガラの悪い場所も
そこらにも組の事務所があるんやな~
ええんかどうか知らんけど、親近感湧くわ
なんか血が騒ぐんやな
文章のほとんどが「○○○○。。。」
なんせ8割ぐらいかっこつけた文章
格好ちゃうで、「」やがな
シナリオかいな?潔くシナリオゆうたらええのに
それもどぎつい大阪弁ばっかりで
わしは、ここちよかったわ
会話のリズム感がたまらんわ
癖になるし、なんやったら日常の会話もそれでいっとかんかい、ってなもんや
実際ここんとこ影響されてそっち寄りのしゃべり方や
「なんか柄悪い」言われてたからのう(^o^)
仕事も健康面も生活面も、災難続きやしうまいこと行っとらん
それで、余計にこんな口調になってるんも有るかもしれん
さ~けどまあええわ
この本のリズムもノリもたまらんのや(^o^)
単純におもろかったわ
ほんで、調べたんやけど
なんやまたやってもたわ
これ!シリーズもんの最終作や(^o^)
疫病神シリーズ
1「疫病神」
2「国境」
3「暗礁」
4「螻蛄(けら)」
そして第5弾が今回の「破門」
なんやねん
ま、最初から読みなおしたらんかい
ってことや
逆に楽しみ増えたわ(^o^)
この話に出てくる桑原っちゅのが、頭の回転クリクリでイケイケや
面倒くさいやつやけど、ちょっと憧れるわ
なんせ勢いとテンポが真髄の内容や
これじゃわからんわな
せやけど、どや、ちょっとぐらい興味湧いたんかい
ほな、みつけて読んどかんかい -
Posted by ブクログ
前作「繚乱」でヤクザに刺された堀内は運良く一命をとりとめた。が、片足に障害が残り、杖が欠かせなくなる。妻、自宅、職、愛人も失い障害者となった堀内だが、そんなことで落ち込む男じゃない。
不動産屋で反社会勢力の窓口を担当する伊達と再びタッグを組み、突入するのはパチンコ業界。客へ還元される手玉の操作制御から、警察とヤクザとの癒着など、リアルなパチンコ業界の裏事情が描かれ、その世界観で堀内と伊達の元悪漢警官コンビが縦横無尽に暴れ回る。そして、2人は仕事にキリがつけば、美味い飯を食べながら、反省会兼スケジュール確認。
よく食べて、よく働き、行動に無駄がないし、記憶力も抜群。ここ一番の判断力も正確だし、打たれ強さも備える。非の打ち所がない裏社会のビジネスマンであり、理想の上司かもしれない。
そんな2人が優秀すぎるせいか、読者をハラハラさせる場面も少なく、あっさりとハッピーエンドに行き着いてしまうところが物足りない。が、それがこのシリーズの特徴。 -
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大阪を舞台にした作品らしく、「何を食べるか」とか「いくら儲かったか、あるいは損をしたか」ということについて描写を決しておろそかに
していないのも、私が、黒川作品で好きだと思うところの一つだ。桑原や、二宮も結構金遣いが荒いところが、やはり一般人でないという -
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今までとはちょっと行動パターンや思考が異なっているようにも思える。友達のいない桑原(二宮曰く)はきっと二宮が大好きなんだろうという
場面が何度も出てくるが、相変わらず金にはシビアである。いつも金欠病の二宮は少しでも分け前が欲しいが、この二人の金に纏わるやり取りが
また面白い。この疫病神シリーズ、もう次回作「泥寧」が刊行されている。文庫になるのが待ちきれない(二宮みたいにせこくなってきたなあ)。 -
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黒川作品「疫病神」シリーズと肩を並べる「堀内伊達」シリーズは、同じ大阪を舞台とする不思議な時系列。
どこかでこのコンビ同士がすれ違っているのでは?と想像するとさらに面白い! -
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テンポが小気味良くて、いつのまにか作品に引き込まれます。これも同じで、大阪弁で交わされる互いに引かない会話が面白くて読み進んでしまいます。癖になりそうなのであまり読まないように気を付けている昨今です。
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異常な連続殺人事件。同時進行の詐欺事件。じわじわ進む殺人計画。
少しずつ進む警察の捜査に早く!早く!と焦る思い。
最後の最後までドキドキハラハラさせられました。
とにかく先へ読み進むのが楽しみな作品でした。 -
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ストーリーの展開、人物造形、そして読後の哀しさ、切なさ、爽やかさ。秀作ぞろいの大阪府警シリーズの中でも一番の傑作ではないだろうか。
もうこういうの書かないのかな?今のアングラすっとこどっこい大阪人達も大好きだけどさ。 -
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何度目か読み返して、漸く理解しました。
この小説の真骨頂は、最後の七行にあります。
そしてこの小説は、ミステリーではなく、この作者特有の、家族愛に対する賛歌なのです。 -
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ホームタウンの大阪を飛び出て、二宮と桑原が東京で活躍する物語。お互いに毒づきながらも最高にして最強(凶)のコンビ。こんなに面白いシリーズは、そうはないと思う。大阪の風俗・文化と大阪弁がベースにあるので、やっぱり関西系の人が読んだほうが面白さ倍増だと思う。
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内容から行けば、凄惨なシーンも多いのだけど、文章でそれを感じさせない。人の心の奥底に潜む執念のようなものを克明に描写されてるけど、それがまた重苦しさを感じさせない。それだけ黒川博行さんの執筆がそうさせるのでしょうけど、読みながら次は、次は、とぞくぞくさせられました。単行本と文庫本ではラストが異なるので、両方読むのも細やかな楽しみでもあります。
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主に荻原の推理と暴走で真相へと到る過程はスリルに満ちている。ここで上述した伏線が活きて来る点も巧み。読んでいて、真相への道筋を二転三転させる作者の手腕には幻惑された。また、この当時の作者はミステリ作家だったのだと初めて知った。
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大阪府警シリーズである。狂言回し役の黒さんと探偵役のマメさん。
大阪弁で繰り広げられる二人の珍妙なやりとりが楽しい。
遺跡で起こる連続殺人の謎解きが本筋であり、スパイスとして考古学界の権力争いの暗部が描かれている。どんな業界でも人間の醜さを露呈する部分があることを黒マメコンビは教えてくれる。
黒川氏の作品は総じてハズレがない。一冊読んで面白かったら全部読むべきである。 -
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おかたい刑事モノとは一味も二味も違い、また人情刑事モノとも違う。
黒川刑事モノとでもいえば良いでしょうか。
劇画タッチでもない人間的な刑事が出てきます。脇役で出てくる人も、
犯人も皆、人間的です。そのへんにいそうな人ばかりです。
それがために、気持ちが入ります。