あらすじ
《黒川博行警察小説コレクション》 頭部は腐乱、脚部はミイラ化、大阪東南部の橋梁工事現場で奇妙なバラバラ死体が発見された。後日、大阪北部で心中事件が発生。現場にはバラバラ事件の切抜き記事が――。“ブンと総長”でおなじみ、大阪府警捜査一課の文田巡査部長、総田部長刑事に、京都人の五十嵐刑事も加わって事件を追う。“本格ミステリ”の醍醐味に、大阪弁の会話が織り成す、軽妙なタッチも魅力な傑作!
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何度目か読み返して、漸く理解しました。
この小説の真骨頂は、最後の七行にあります。
そしてこの小説は、ミステリーではなく、この作者特有の、家族愛に対する賛歌なのです。
Posted by ブクログ
ブンと総長シリーズの2作目。
前作は大阪VS東京という感じだったが、本作は大阪VS京都のやりとりがおもしろかった。
頭部は腐乱、脚部はミイラ化したバラバラ死体が見つかり捜査していくが怪しい人間が次々に死んでいく。
バラバラ死体の謎やその後の殺人事件のトリック明かしは読んでて楽しかった。
Posted by ブクログ
「ブンと総長」シリーズ。
頭は腐爛、足はミイラといふ、奇妙なバラバラ死體の謎を追ひかける。
相變らず、大阪弁によるリズミカルな會話が秀逸。
本格的な警察小説?でありながら、輕妙な味はこの作者ならでは。
2004年7月24日讀了
Posted by ブクログ
黒川博行さんの警察小説シリーズ。
この間読んだ「海の稜線」に出てきたブンさんこと文田くんと、総長こと総田部長コンビの第2弾。
工事現場のパイルからバラバラ死体が発見されることから始まるミステリー。工事現場のパイル、殺人、浮び上がる高名な建築家の名…と、刑事コロンボの「パイル3-D」を思い出させる展開(小説中でも自ら指摘(笑))。
「海の稜線」では、東京から来たキャリア組の若造との東西文化対決での会話が面白かったけれど、今回は京都から来た新米刑事との京阪文化対決な会話が軽快でシャレた関西弁で要所要所に散りばめられていて楽しい。ブンさん、大阪にこだわりがあり過ぎ!(笑)だからこそ、キャラとして愛おしいんだけど(笑)
刑事たちのキャラクタがしっかりしていて読みやすいうえに、捜査によって明らかになっていく事実が意外な展開を見せるところもさすが。
安心して読める警察小説。黒川さんのは全部読もう〜!と思っている今日この頃。