黒川博行のレビュー一覧

  • アニーの冷たい朝
    疫病神シリーズ以外を読んでみようと、手に取った
    若い女性を狙った同じ手口の猟奇的な殺人
    デート商法で着物、宝石などローンを組ませ、女性を次々に騙す
    高校教師の由美だけは、からくりに気づいてしまった 勇気ある行動だが、怪しいと調べた内容は、明かさないほうがよかった 
    本当の黒幕は、私が思っていた人と違...続きを読む
  • 後妻業
    本を読んでいるというよりセリフを追っかけてるみたいな。勢いが。というか行間が端折られてるのを空気を読むみたいな。
    というわけで婆さんと爺さんの壮絶なる戦いである。老いてなお盛んと言葉にすると簡単だけど、特に舟山と小夜子とかもうなかなかのもの。いやあっちが良いから昨日は2回もやったのよと言われましても...続きを読む
  • 桃源
    上坂が通風になるところを読んでいる時、大阪から来ている同僚が通風を起こしリンクを感じ、のめり込むように読んだ。
  • アニーの冷たい朝
    氏の作品は大阪弁の会話がテンポ良く楽しめる作品が多い。
    今作は珍しく猟奇殺人事件を扱った作品。犯人は意外な人物で氏らしくない洒落たセリフのない結末。
    と言っても読み出したら止まらないエンタテインメント作品であることに間違いないです。
  • てとろどときしん 大阪府警・捜査一課事件報告書
     大阪府警の捜査員を描いた短編集。

     2話目と6話目は容疑者や事件関係者の視点で、残り4話は捜査員の視点で描かれている。全6話。再読。

         * * * * *

     個人的に気に入っているのは「黒マメ」コンビが捜査に当たる話。(1・4・5話)

     マメのマメさと卓越した推理力が痛快なのはもち...続きを読む
  • 後妻業
    ロードショーされてる時に映画を見に行ったことがありすごく面白かった記憶があるが、原作もかなり面白かった。


    欲に塗れた悪人たちを徐々に追い詰めていく展開はスカッとしたが、追い詰めていく側の人間も実は...。

    金銭に突き動かされる人間って、ここまで罪悪感なく罪を犯してしまうのか。逆に清々しいという...続きを読む
  • 文福茶釜
    こないだ吉本興業がつくった映画『文福茶釜』を楽しく見ちゃったんですが、わりと評価低くてね。駿河太郎の熱演とぽっちゃり小芝風花ちゃんが可愛くて良かったんですよ。そしたら原作が素晴らしいっていうんで、これ。

    言っちゃえば古美術を小道具に人の騙し合いを愛でるといったところでしょうか。もうやんなっちゃう。...続きを読む
  • キャッツアイころがった
    タイトルは派手目だけど内容は結構地味。ただ地味だけどしっかり筑前煮のような味がついてるので美味しくいただけた。3府県警の捜査と探偵ごっことして楽しんでいる女子大生の2つの視点で描かれている点がユニークで良かった。啓子は口が達者で軽い感じもするけど、芯がしっかりしてるからこそ頭の回転が速く、機転も効く...続きを読む
  • 泥濘
    コロナ、ウクライナ、知床遊覧船…なんか、スカッとできる一冊!と、「疫病神」(笑)
    いやースカッとしましたぁ!桑原の容態は心配やけど、二宮との蜜月感は”過ぎる“と要注意です。
  • 破門
    ヤクザと建設コンサルタントのコンビ
    サクサク進む展開と読みやすい文体

    まさに娯楽小説、気軽に読める
  • 果鋭
     刑事のママの方が、読物としては安心出来た気がする。しかし、このように元になっても、2人の快進撃は止まらない。
     全くミステリーではなく、ユーモア・ハードボイルドやけどね。
  • 熔果
    久しぶりに堀内&伊達の元マル暴刑事コンビが(本当に)大暴れする物語。
    もちろんシノギをめぐる本筋は面白いのだが、ある意味命も金よりも二人で組んで活動することの面白さを優先している姿勢が素晴らしい。
    4.0
  • 熔果
    堀内と伊達のコンビはシリーズが進むにつれて円熟味を増していている。さしずめ月と太陽の関係を思わせる。物語も西日本を駆けまわった挙句、海外にも展開して休む間もなくしっかりと楽しめた。短期間にこれだけあちこち駆けまわるなんてかなり働き者だよね。ヤクザや半グレにカタギが何の迷いもなくカチ込むなんて伊達じゃ...続きを読む
  • 切断
    病室にて、血の海の中無惨にも首をほぼ切り落とされた状態で発見された男。耳は削がれ穴には別人の小指が詰められていた。その後、舌を切られその耳を咥えさせられた死体が発見される。この猟奇的な連続殺人は本当にヤクザ抗争故の惨劇なのかーー。
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    日文では中々お目にかかれない大胆且...続きを読む
  • 蒼煌
    登場人物多すぎ!
    ・・・って読み始めてまず思ったこの作品の感想だが、
    読み進めていくと複雑に絡み合うこの登場人物たちが面白い。
    出世欲に駆られた主人公、その腰巾着の画家、実弾(現金)を受け取って一票を投じる芸術家etc・・・
    どいつもこいつもクズばっか。
    画家なら絵描いてろよ!って言いたくなる。

    ...続きを読む
  • 熔果
    元大阪府警暴対課でヒマラヤ総業の調査員の伊達、堀内コンビが織りなすしのぎ話。。
    競売物件の占拠屋立退でのいざこざから金塊密輸ネタを耳にしてそこから警察に没収されていない行方知れずの金塊の行方を昔の同僚等の情報協力を得ながらヤ印、半グレグループを相手に回して探しまくり最後は上手く手中に納める。昔の桑原...続きを読む
  • 喧嘩
    「螻蛄」のあと「破門」と続き、本作という順番です。くーさん、破門されてもうて本作ではカタギということになってるのですが、イケイケ度はまったく変わらず。ただ、数十万のシノギにも手を出すくーさんに、二宮が「こんなはした金のシノギ、以前の桑原なら鼻もひっかけんやった」的な慨嘆があって、ニコとしてもちょっと...続きを読む
  • 海の稜線
    筆者の執筆時に綴った文を読み 海運業に従事していたこと、実父が船のブローカーをしていたとあり納得。事件の進展に伴う犯人グループの転変にまつわる手練手管の詳細に唸ったのも当然だ。

    直木賞を手にする時期に至る道のりの中 初期の傑作とあるのも然り。筆者は東西文化の温度差云々を書きたいとあるが、それを超え...続きを読む
  • 破門
    軽妙な語り口で陰惨な内容をそう感じさせない。ポイントは主人公の二宮をどうみるかによる。わたしは、他人として話を聞く分には楽しい輩だと思う。でも、身内や友人には持ちたくない。
  • 喧嘩
    大好きな疫病神シリーズの第6弾。前作で二蝶会を「破門」された元極道の桑原と「サバキ」を生業とする建設コンサルタント二宮が巨大利権を背景に、悪徳議員秘書を追い込む姿を描きます。
    今回もテンポ良く読め、一気読みでした。このシリーズの読みどころは、イケイケ極道の桑原と桑原から逃げようとあがく二宮の微妙な関...続きを読む