あらすじ
《黒川博行警察小説コレクション》 宅配業者を装い、若い女性を狙った猟奇的な殺人事件が発生した。犯人は被害者をマネキンのようにしてセーラー服に着替えさせ、派手な化粧を施し屍姦に及んでいた。続いて女子大生、OLに模した同様の事件が起こり、大阪中が騒然となる。第二の遺体が着用していた手編みのセーターには、ANNIEと編み込まれていた。はたしてその文字が意味するものとは……? シリーズ第八弾。
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異常な連続殺人事件。同時進行の詐欺事件。じわじわ進む殺人計画。
少しずつ進む警察の捜査に早く!早く!と焦る思い。
最後の最後までドキドキハラハラさせられました。
とにかく先へ読み進むのが楽しみな作品でした。
Posted by ブクログ
セーラー服を着せられ体毛を剃られ、乳首や陰部にファンデーションが塗られた若い看護師の遺体。女子大生、OLの格好をさせられた被害者たち。被害者たちをアニーと呼ぶ犯人。捜査にあたる谷井刑事。教師の足立由美が出会った大迫。大迫に引かれる由美。大迫につれていかれた大迫の友人・江角の経営する宝石屋でルビーを購入した由美。大迫の行動に不信を感じた由美の調査。由美の疑惑。デート商法の被害にあっていた被害者たちの共通点に気がついた谷井刑事。
Posted by ブクログ
狂気が行間から立ち上るような、ぞくぞくする逸品。著者らしい無駄のない訥々とした筆致で犯人の行動が淡々と描写されていて、逆に描写されていない犯人の心理のおぞましさが際立っている。全体的なテンポの良さは相変わらずで、警察・被害者・犯人の各視点から描かれた章からなる構成もそのまま映画やドラマに使えるぐらい巧みさです。黒・豆コンビに比べると影の薄い主人公コンビですが、クライマックスでは“太陽に吠えろ”ばりに渋い活躍を見せているのもいいですね。