安原和見のレビュー一覧
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ネタバレやはり映画作家だからなのか、構成がとてもうまくてパーティーの行程を追体験するような感覚になる。資料写真も多く、彼らの人となりの描写も詳細で、アルバムを見ながら話を聞いているよう。
パーティの行程と当時の捜索の様子と現代の調査が入れ替わり立ち替わり語られていく。著者の生活や、アメリカンジョークというか、ふきんし…陽気さが滲むので、凄惨さの割には暗く沈み込まない。
結末は冒頭に記されているのだが、旅は始まりから不穏。大学生の中に大人が闖入。何と言っても放射性物質の検出が否が応でも国家的な背景を感じさせる。おまけに多数の光球の目撃情報、現地の少数民族、不可解な軍の態度。怪しみだしたらどうとでも言えて -
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ネタバレ1959年1月、ロシア西部ウラル山脈の一帯で起きた遭難事故の真相を地道な調査で解き明かしたドキュメンタリー。ディアトロフ峠事件と呼ばれている。真冬のウラル山脈に学生登山部9名が入山後消息を断つ。1ヶ月後全員の死亡が確認された。その死に様が異様で凄惨なであったため、未解決遭難怪死事件として知られるようになる。氷点下の雪山のテントから1キロ以上離れた場所で発見された死体は、衣服や靴はなく、頭蓋骨折したものや、舌を喪失したもの、遺体から異常な濃度の放射能が検出されていた。最終事故報告書には「未知の不可抗力によって死亡」との記載で終わっている。ソビエト連邦時代に起こった未解決事件をアメリカ人である著者
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研究テーマを変える必要ができて困っている時に、読んだ。
研究するということは、単に論文を書く技術を学ぶとか、何が研究として発表に値するものなのかとか、そういうことはさておいて、
自分と向き合い、自分をまず研究することから始まるんだなということが感じられ、
大学院に入った理由をもう一度考え直そうというところまで引き戻してくれた。
特に、自分と違う分野の人たちに、自分の課題について理解してもらえるようにくるがこの本における重要なポイントというのがとても、とても、心を打たれた。
ざっとアウトラインを読んだので、今度もう一回読み直して、今度は紙に書いて実践する。 -
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ドニー・アイカー『死に山 世界一不気味な遭難事件《ディアトロフ峠事件》の真相』河出文庫。
1週間の海外出張で、なかなか読書が捗らなかった。4日も掛かってようやく読み終えた。
テレビなどでも紹介された『ディアトロフ峠事件』の真相に迫るノンフィクションである。
遭難した9人の若者たちの視点と事故現場と遺体を発見した捜索隊の視点、事件の真相を明らかにしようと関係者へのヒアリングを行い、事件現場まで赴いた著者の視点とが交互に描かれる。
旧ソ連時代の状況や様々な制約の中で、過酷なトレッキングに挑戦した若者たちの様子、事故後の混乱などがリアルに描かれる。
冷戦下のソ連、1959年にウラル山脈で -
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何万年・何十万年前には、今の人類=ホモ・サピエンス以外にも、ホモ・エレクトス、ホモ・デニソワ、ホモ・フローレシスエンシス、ホモ・ネンデルターレンシスたちが存在して、生息していた。
火の使用は人類と他の動物を隔てる最初の大きな溝になった。
この力はいつどこで使うか選べるから、無数の仕事に利用することができた。
さらに重要なのは、肉体的な限界が関係ないってことだ。
火打ち石があれば、女性1人でも数時間で森を丸ごと焼き払うことだってできる。
火を手なずけたのは先触れだった。これが原子爆弾に到る最初の重要な一歩だったんだ・・・
7万年ぐらい前、サピエンスは急激に世界中に広がっていった。
でもアフリ -
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中学3年生の「課題図書」の一つとして紹介された書籍です。
「女性が手から電撃を出せるようになる」という設定ひとつで、ここまで現代社会を風刺した小説を書くことができるのか、という驚きに満ちた読書体験でした。
力を得た女性が、それまで自分たちを征服し、虐げてきた男性社会にたいして叛旗を翻すという流れ自体は想像できるものですが、今の世の中に「当たり前」にあると考えられている「女性ならではのやさしさ」という幻想を打ち破るような激しい攻撃性を目の当たりにすると、私自身、男として居心地の悪さや一抹の恐怖を感じます。
大いなる力には「責任」が伴い、それを無視して濫用すると「歪み」が生まれること。人間は -
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ネタバレ全然違い異文化と価値観の、それでも親しみと共感を感じる人々の生活を通して、古代ギリシャの実態を立体的に体感できる本。時々今の時代にも名を残す歴史家や哲学家が出てくるが、他の人たちに厄介がられたり、あきられたり、自分も悩んだりと身近なのが面白い。またこうして実際の資料に出てくる人や有名人も多いことはより躍動感を感じる。
特にアテネの住民たちの身分とそれぞれの関係、低い身分のものの多くが富を持つものだったり、くらいの高い正式な民のほとんどが農民だったりなどは実際にこうした本を読まないと中々掴みにくいような複雑なものであり、本書を読んでよく理解できる部分の一つだ。また特に奴隷は面白い部分で、奴 -
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「銀河ヒッチハイクガイド」のダグラスアダムスによる、絶滅危惧種を訪ねる本。
ダグラスアダムスなので、期待して読んだ。そして期待通りだった。さすがダグラスアダムス、ユーモアが素晴らしすぎる。生息地に行くまでのドタバタとか、熱心すぎる研究者の先生たちとのやりとりとか。何度読んでいてクスッとしたことか。このユーモアのおかげで、「絶滅危惧種を守ろう」というメッセージがお説教くさくならずに、人々の心にスッと響く。
でもこの本を読んでて強く感じたのは、「人間って愚かだ」ということ。自慢したい、暇つぶししたい、邪魔だ…そんな理由で動物を絶滅に追いやってきたんだな。野生のコーヒーノキっていう植物は、絶滅し -
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ネタバレ「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズ二作目
英国ジョークてんこ盛り
■シリーズの並びはこうらしい
正篇
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
『宇宙の果てのレストラン』【これです】
『宇宙クリケット大戦争』
続篇
『さようなら、いままで魚をありがとう』
『ほとんど無害』
●名台詞
“はじめに宇宙が創造された。これには多くの人がたいへん立腹したし、よけいなことをしてくれたというのがおおかたの意見だった。
“説明しよう。宇宙のありとあらゆる物質は、宇宙のありとあらゆる物質から何らかの影響を受けている
“トリン・トラギュラ(というのがその男の名前だった)は夢想家だった。思索家にして思弁哲学者だ -
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ふざけ倒した英国ジョーク
でも知的でもある
●名場面
「宇宙のありとあらゆる知的生命体のみなさんこんにちは。そして、知的でない生命体のみなさんもこんにちは」
●古き良き時代
時のかなたにかすむ太古の時代、先の銀河帝国の大いなる栄光の日々、世界は荒々しく、豊かで、そしておおむね非課税であった。
勇猛果敢な時代、賭け金は高く、男は真の男であり、女は真の女であり、アルファ・ケンタウリの小さい毛玉生物は真のアルファ・ケンタウリの毛玉生物であった。
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「ちょっとだけあなたのエゴをわきに置いとけない? 大事なことなのよ」
「おれのエゴより大事なものがあるんなら、いますぐひっつかまえて -
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本の最初にこんな言葉が。
「絶滅し、失われ、忘れられたものたちへ。
集まって形をなしたものは、いずれかならず崩れて塵と消える。」
ーユヴァル・ノア・ハラリ
これは過去形で書かれているが、
全ての存在に当てはまる普遍的なことなのでは?
ホモ・サピエンスだけがこの法則の例外・・・
なんていうことは考えられない。
「本の流れ」
600万年前
ヒトとチンパンジーの祖先が分かれる
250万年前
アフリカで人が出現。最古の石器
200万年前
ヒトがアフリカからユーラシアへ広がる
ヒトが複数の種に進化する
50万年前
ヨーロッパから中東でネアンデルタール人が出現
30万年前
火が日常的に使用され -
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ネタバレ目次
・不まじめな星
・ユーディの原理
・闘技場
・ウェイヴァリー
・やさしい殺人講座全十回
・夜空は大混乱
・狂った惑星プラセット
・ノックの音が
・すべての善きベムが
・ねずみ
・さあ、気ちがいになりなさい
・一九九九年の危機
・不死鳥への手紙
・報復の艦隊
・最終列車
訳文にそれほど違和感を抱かないのに、タイトルの変更がとにかく気になってしまう。
「不まじめな星」は「シリウス・ゼロは真面目にあらず」だし、「夜空は大混乱」ではなくて「狂った星座」でなくては。
「狂った惑星プラセット」は別に旧タイトルの「気違い惑星プラセット」にはこだわらないけれど、「狂った」だと、最初から狂っていたとも途