安原和見のレビュー一覧
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ネタバレ全然違い異文化と価値観の、それでも親しみと共感を感じる人々の生活を通して、古代ギリシャの実態を立体的に体感できる本。時々今の時代にも名を残す歴史家や哲学家が出てくるが、他の人たちに厄介がられたり、あきられたり、自分も悩んだりと身近なのが面白い。またこうして実際の資料に出てくる人や有名人も多いことはより躍動感を感じる。
特にアテネの住民たちの身分とそれぞれの関係、低い身分のものの多くが富を持つものだったり、くらいの高い正式な民のほとんどが農民だったりなどは実際にこうした本を読まないと中々掴みにくいような複雑なものであり、本書を読んでよく理解できる部分の一つだ。また特に奴隷は面白い部分で、奴隷は中々大変な身分だが、それよりも酷い自由民がいたり、奴隷にも地位の変動があったりするし、いい生活をしてほぼ普通の人と同じ奴隷もいれば、まさに地獄のような環境に晒される奴隷もいるのだ。奴隷と言っても一括りに悲惨とも悲惨でないとも言えないのである。
主人の新作劇で遊んだり、支配者を割と市民が馬鹿にしたり ソクラテスの意外な戦士としての一面、少年レスラーとしてのプラトンなとイメージを覆される描写ばかりだが、凄まじく天才の多い壮麗な都市としてだけでなく、下ネタ満載の劇だったり、女性がトイレをしている絵をかいた陶器だったり、割としょうもなくてアホくさい部分も描いているのが、古代文化に対して真摯だと思う。あと自分たちでもいうくらい非常事態を起こしやすいとか。あとついでに古代都市だから仕方ないが、随所に治安の悪さが滲み出ている。こうした部分こそアテネのリアルで立体的な姿を表す一番の要素なのだろう。
また生き生きとしているが、傲慢かつ残酷な他者からの搾取で成り立つ華やかなら古代ギリシャの生活や経済や軍備には、今の社会も似たようなものかもしれないが…色々考えるところはあった。アテネの技術や文化は今の人間社会にも大きく貢献してあることを考えると、それが血と涙なら生まれていることに戦慄を覚える。
ここからは一つ一つの回の感想を書いてみる。
まず初めに神殿を警備する複雑な一人の兵士の半生と権力闘争の話だ。一人の人生を丸ごと伝聞されるセレモニーに相応しい。
次に劇作家の奴隷達が主人の劇で遊ぶ話。比較的楽しそうで自由民に近い奴隷の姿だ。作家自身のキャラクターも面白いし、ソクラテスとの悪友感もいい。
次に神殿に呼ばれた医者の話。アテネの信仰とサスペンスじみた事件の話であり、中々緊張感がある。
次の船隊の監督の話。アテネの軍事と技術には驚かされるし、漕ぎ手がイメージと違って奴隷ではないのは驚いた。信用の問題である。またアテネの周りの都市への横暴さもここで顔をのぞかせる。
次に過酷極まりない鉱山奴隷の話。アテネを支える酷い環境の労働の話であり、読んでいて鬱々しくなるほど。アテネの負の側面だ。
次の壺職人の現代の我々に目を向けるような最後の言葉には感動した。彼自身も多くの前例を参考にしているからこそ、自信を超えることを後世の人々に挑戦するという姿はかっこいい。依頼者の虚栄心やそれを自然に誤魔化そうとする職人の工夫、特に凄まじい視線誘導の工夫もみどころ。
次に女魔術師の話。あらゆる意味でしょうもない居酒屋と店主と、薬と幻覚を巧み扱う女魔術師は対照的。魔術が信じられた時代のやりとりは中々に興味深い。
次にレスラーとしてのプラトンと当時の人々の教育理念の話。
その次は外国の魚屋の回 。観光客がすでにこの時もいて、商人がこれを狙うという今とかわらない営みがある。モブキャラとしてソクラテスが出てきたのには笑ったし、さらにそれを魚屋が値踏みするのもおかしかった。魚の好みで値踏みする文化も面白い。高級かつ好まれる魚介としてタイやマグロ、イカやウナギが出てくるが、昔の人もこれらか好きなのかと親近感。口の中にスリ対策に金を隠すという文化は中々面白いまた最後のオチには笑った。まさか鰻を買い損ねただけで今に残るまでの物語を作られてしまうとは!
次は外国から天才的医者がくる話で、最初の方にも出てきた医者の再登場、自分でも知る名医ヒポクラテスとの話であり、先進的な医療仮説には驚かさせる。怪我人がいると聞いて脇目も振らずに駆け出す二人には尊敬を禁じ得ない。テキパキと処置を行い後輩を教え自らの哲学に従って行動する姿もすごい。最近k2という医療マンガを読んだ影響かもしれないが強く印象に残った章だ。 最後に患者の元に飛んでいった時に落としたお菓子の代わりを求めるのもクール。
次は政府高官の妻が浮気する話。高官家族でもあくまで市民なので水汲みをするのは中々面白い 当時の価値観は現代とは異なっているが、それらが古くなった今はそれを比較する楽しみもある。そきて浮気相手役はアルキビアデスであろうか?彼もまた随所で顔をのぞかせる名キャラクターとなっている。
次は訓練する騎兵隊長の話。それぞれの都市に得意な兵科があるのはゲームみたいで面白い。また跳躍乗りはスタイリッシュでかっこいい。
次は評議員達の話。剣呑かつ皮肉な貴族議員と歩兵階級の議員の会話でたり、歩兵階級の方は浮気の章の主人公の夫である。途中で現れた奴隷が評議員にぶつかっても平然としており、評議員だけがキレているのも面白い。身代金で捕虜奴隷が解放される制度があり、そのために結構待遇がいいのである。自分もやり返されないためだ。また奴隷にも財産を溜め込むものが多く、そしてそれを盗めば窃盗になるため、ある程度害を与えられることはないと知っているのである。同じ奴隷でも最上階級だと市民と同格だと自認しているものがいるくらいらしい。奴隷と一口にいってもやはりいっしょくたにするべきではないのだろう。
しかし次の章の女奴隷はそうした身分であるとは言えないだろう。彼女やその周りの奴隷達は売春宿に売り払われたり殺人の容疑をかけられたり拷問されたりと、主人の政治的な思惑や気まぐれに翻弄されてしまっているのだから。そして最後に明かされる真相には実に肝が冷えた。アテネの裁判は公平とは言えないが、別に被告達も公正とは言えないのである。
次はスパルタに飛ぶ伝令の話。信じられない非常に長距離を走り抜けるプライド、人間業とは思えない長距離走の力!あまりに過酷で現実とは思えないおそらく幻覚のような体験をしている昔話も出てくるが、それもまた極限まで鍛え抜かれた人間の特権だろうか?過酷な仕事の中で生きる人間の生の感情だ。
次に重装歩兵の話。二つの都市をつなぐ長壁の歴史と当時の同性愛感が出てくる。しかしいつの時代もセクハラ親父のようなそんざいはいて、それが今でも演じられる劇作家だというのだから不思議だ。
次に外国船の船乗りの話。アテネでの貿易のもうけやアテネの貿易関係の優遇策はその繁栄を伺えさせる。船旅の楽しさに取り憑かれた老いた船乗りとその死にかけの相棒の話の話は面白く。モデルが実在する面白い人物、トラシュロスも気に入った。
次に居酒屋で都市計画者が愚痴を漏らす話。奴隷から市民、外国人まで集まる居酒屋で、町をけなす外国人と自分たちの町が好きでむっとする客達は緊張感が走ったが、なんと外国人と思われたのはかつての町を作った張本人だったのである。居酒屋の主人とソクラテスの弟子が即興で教室の小芝居する部分が好き。一目でわかるくらい欠点だらけだが都市計画者としてはとても優秀なヒポダモスが居酒屋で講釈をするのは少し侘ししげな光景だ。また最後の引用部分のプラトンのアンティステネスに対する辛辣な評価には笑った
次はヘタイラの話、すなわち売春婦な近い存在(決まった愛人がいるなど妾に近い)のことだ。なかなか波瀾万丈な経歴を持つアテネの政治家の妾とその弟子(これは昼1時の女魔術師だ)の話で、したたかで政治的な見識の深い女性アスパシアが強烈。ソクラテスの師とも言われるし、夫を育てた教師ともされ男性社会の中でも尊敬される女傑の政治的悩みと準備であり、そしてタルゲリアの秘密を暴き遠回しに脅迫してコントロールする恐ろしさ!まさしく彼女こそ魔女!また彼女らの先輩のタルゲリアは名前だけだがその経歴だけでも強烈な印象だ。アテネでは一人の人間によって常傭いされるのが恥なので、別に売春婦でも軽蔑はされないというのは中々面白い価値観だと思った。また、ヘタイラ同士で男を奪い合う熾烈な自由市場とうのは面白い。いまの婚活にも近いかも?
次は密輸業者の話。さっきまで都市計画者が演説していた居酒屋にやってきた怪しい農家の男と、それに合う男と船の章で登場した船乗りがやってくる。イチジクを好むアテネ人やそれを育てる農家、そして彼らの政策への不満、市民にしか向けられない政治などは現代にも根深い近似例ありそうである。
次はスパイ。再び件の居酒屋に現れたのは元スパルタの亡命者しかしその正体はスパイだ。脳筋と思われるスパルタだが実際にはいろんな面で高度な軍事国家なのだ。そしてそれすらも上回るアテネの陰謀、スパイに情報を渡すことも計画だったのだ。
次は結婚式の話。結婚式の準備の様子を客の1人、広名な海軍提督の視点から描く。政策の余波で月が伸び縮みするので色々困るというのは時代特有の困り事だ。また未婚男性が年頃の娘を持つ母親に群がられる図は一昔前には日本でもあったことであり面白い。また戦争に乗り気で古い将軍達を見下し戦争にも勝てると思う若者とそは思わないベテランの戦間期ならではの雰囲気も好き。若者が疫病とそれを招いた政治家、アスパシアの夫について怒りを向けてる様子は過激だが、最後に彼こそその政治家とアスパシアの息子であり、責任を感じているという言及は印象を反転させる。彼はのちの戦争で処刑されることになるというのも侘しさを感じさせる。
次は件の結婚式の花嫁の視点。結婚への不安と期待、家を移すという中々重い意味の儀式などが見どころだ。またソクラテスの悪妻で知られる配偶者がサプライズ出演もあり、語られるエピソードからはソクラテスのわがままに振り回され、おまけに悪妻呼ばわりされるクサンティッペの苦労が伺える(それはそれとして2人は結構仲良さげだ)。いまの時代も女性が楽で男性と対等とは中々言い難いが、やはり古代はそれにも増して大変だったようだ。そして、アテネにはコモスという飲んだくれ行列が名前がつくくらいいっぱいいるらしいのが驚く。突如始まった喧嘩にワクワクする花嫁には思わず釣られてワクワクしてしまった。
最後の章は前々から話されていた宗教的酒宴に出席する芸人達の話だ。ずっと憎まれ役として出てきていたアルキビアデスが酒をヤケクソ気味にがぶ飲みし眠りこける姿には侘び寂びを感じる 妻のことをそれなりに評価しているし擁護するソクラテスも印象的。2人は噛み合わないが仲が悪いわけでは無いのだ。ソクラテスは道化役をやったり、芸人達に次の出し物の提案をしたり、口がうまかったり、なるほど煙たがれつつも妻や信奉者を惹きつける男なのだな、ということがよくわかる。またプラトンとクセノポンというこれまでで見知った中になった2人の描いた古典の合作的パートであり、今も昔も結構変わらないところも変わるところもあるのだなぁ、と思ったりするのだった。
エピローグにはアテネのその後の顛末が、いくつかの人々の顛末と共にが描かれる。のちに新たなアテネとして復活するにしてもかつてのアテネが滅びゆく最後を我々は観たのだと寂しい気持ちにさせられる。 -
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「銀河ヒッチハイクガイド」のダグラスアダムスによる、絶滅危惧種を訪ねる本。
ダグラスアダムスなので、期待して読んだ。そして期待通りだった。さすがダグラスアダムス、ユーモアが素晴らしすぎる。生息地に行くまでのドタバタとか、熱心すぎる研究者の先生たちとのやりとりとか。何度読んでいてクスッとしたことか。このユーモアのおかげで、「絶滅危惧種を守ろう」というメッセージがお説教くさくならずに、人々の心にスッと響く。
でもこの本を読んでて強く感じたのは、「人間って愚かだ」ということ。自慢したい、暇つぶししたい、邪魔だ…そんな理由で動物を絶滅に追いやってきたんだな。野生のコーヒーノキっていう植物は、絶滅しそうだから柵で覆ってたのに、「ちょっとぐらいいいだろう」っていう人々に少しずつ取られていって絶滅しそうなんだという。なんだそれって思うけど、自分も絶対やらないとちゃんと自制しなきゃいけないと思う。自分のやってるちょっとしたことが他の種を絶滅させるかもしれない。この本に出てくる動物の最新情報もしっかり載ってて、切なくなったり安心したり。絶滅危惧種を心の片隅に置いて生きていきたい。 -
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ネタバレ「銀河ヒッチハイクガイド」シリーズ二作目
英国ジョークてんこ盛り
■シリーズの並びはこうらしい
正篇
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
『宇宙の果てのレストラン』【これです】
『宇宙クリケット大戦争』
続篇
『さようなら、いままで魚をありがとう』
『ほとんど無害』
●名台詞
“はじめに宇宙が創造された。これには多くの人がたいへん立腹したし、よけいなことをしてくれたというのがおおかたの意見だった。
“説明しよう。宇宙のありとあらゆる物質は、宇宙のありとあらゆる物質から何らかの影響を受けている
“トリン・トラギュラ(というのがその男の名前だった)は夢想家だった。思索家にして思弁哲学者だった。あるいは、妻に言わせればただの馬鹿だった。
“若い構造言語学者がこれをテーマに研究しようとすると、老いた構造言語学者は怒り狂う。若い構造言語学者は大いに発奮し、とてつもなく重要な発見も間近だと信じて夜も寝ないで研究し、結局なにもわからないまま老いた構造言語学者になって、若い構造言語学者に怒り狂うようになる。
“人生の意味を知りたいと思う人々にとって、『銀河ヒッチハイク・ガイド』はなくてはならない伴侶である。どんな問題についても役に立つとか、ためになるとは言わないが、少なくともこう請け合って安心させてはくれる。ー不正確な部分があっても、少なくともそのせいで改訂版が出ることはないと。重大な食い違いがある場合、まちがっているのは常に現実のほうなのだ。 -
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本の最初にこんな言葉が。
「絶滅し、失われ、忘れられたものたちへ。
集まって形をなしたものは、いずれかならず崩れて塵と消える。」
ーユヴァル・ノア・ハラリ
これは過去形で書かれているが、
全ての存在に当てはまる普遍的なことなのでは?
ホモ・サピエンスだけがこの法則の例外・・・
なんていうことは考えられない。
「本の流れ」
600万年前
ヒトとチンパンジーの祖先が分かれる
250万年前
アフリカで人が出現。最古の石器
200万年前
ヒトがアフリカからユーラシアへ広がる
ヒトが複数の種に進化する
50万年前
ヨーロッパから中東でネアンデルタール人が出現
30万年前
火が日常的に使用される
20万年前
ホモ・サピエンスがアフリカに現れる
7万年前
認知革命。物語の発生。歴史の始まり。サピエンスがアフリカの外へ進出
5万年前
サピエンスがオーストラリアに移住。オーストラリアの大型動物相の絶滅
3万年前
ネアンデルタール人の絶滅。ホモ・サピエンスが唯一のヒトとなる
1万6000年前
サピエンスがアメリカに移住。アメリカの大型動物相の絶滅
1万2000年前
農業革命。栽培作物と家畜の誕生
5000年前
初の王国と文字と貨幣。多神教
4250年前
初の帝国ーサルゴンのアッカド帝国
2500年前
硬貨の発明ー普遍的な通貨
ペルシア帝国ー普遍的な政治秩序
インドの仏教ー普遍的な教義
2000年前
中国で漢帝国。地中海でローマ帝国。キリスト教
1400年前
イスラム教
500年前
科学革命。人類は自己の無知を認め未曾有のパワーを獲得し始める。
ヨーロッパ人がアメリカと大洋を征服し始める
地球全体が単一の歴史舞台になる。資本主義の台頭
200年前
産業革命。家族と共同体に代わるものとして国家と市場が登場。
動植物の大量絶滅
現在
人類が惑星・地球という限界を越える
核兵器が人類の存続を脅かす
生物が自然選択でなく知的設計によって生み出される割合が高まる
未来
知的設計が生命の基本原理になる?
初の非有機生命体?
人類が神になる? -
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ネタバレ目次
・不まじめな星
・ユーディの原理
・闘技場
・ウェイヴァリー
・やさしい殺人講座全十回
・夜空は大混乱
・狂った惑星プラセット
・ノックの音が
・すべての善きベムが
・ねずみ
・さあ、気ちがいになりなさい
・一九九九年の危機
・不死鳥への手紙
・報復の艦隊
・最終列車
訳文にそれほど違和感を抱かないのに、タイトルの変更がとにかく気になってしまう。
「不まじめな星」は「シリウス・ゼロは真面目にあらず」だし、「夜空は大混乱」ではなくて「狂った星座」でなくては。
「狂った惑星プラセット」は別に旧タイトルの「気違い惑星プラセット」にはこだわらないけれど、「狂った」だと、最初から狂っていたとも途中で狂ってしまったようにも取れるので、「イカれた惑星プラセット」でもいいと思うのだが。
そして、「ウェイヴァリー」はダメよ。
確かにWaveriesを発音通りに書くとそうなるのかもしれないけれど、ここは「ウァヴェリ地球を征服す」よりもっと古い「電獣ヴァヴェリ」が断然良い。
若い頃にはピンと来なかったけど、今の時代にこそ読まれてほしい作品。
新しいタイトルがよかったのは「報復の艦隊」。
「報復宇宙船隊」だといまいち重量感に欠ける気がするので。
でもって、これこそSFのとある分野の金字塔と言ってもいい作品だと思っていますが、それしか書きようがないのがもどかしい。
解題でも”テンポの良い語り、閃光のようなアイデア、皮肉な結末。ショートショートの見本のような作品である。ネタをわってしまうので、うっかり内容紹介ができない。”と書いてある通り。
多分私が初めてブラウンの短編を読んだのはこの辺りの作品。
作品としては長編の「発狂した宇宙」が最初だけど、短編がめっぽう面白かったので、手当たり次第に短篇集を買ったのでした。
特に「狂った星座」とか「ノックの音が」が好き。
「さあ、気ちがいになりなさい」は、タイトルのインパクトもさることながら、結構内容も衝撃的で、読後しばらく放心しました。
そして、その中に出てくる「明るく輝くもの」は、「明るく輝けるもの」でお願いします。
何十年もそれで刷り込まれているので。 -
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猫に色々な種類がいるように、以前は人間にも多くの種類がいた。しかし現在地球上にいるのはそのうちのサピエンスだけだ。この謎と影響を教えてくれるサピエンス全史の漫画版。やはりビジュアルが有ると理解しやすい。
自然界は通常何万年もかけて変化に対応してきた。しかし、サピエンスは余りにも急速に世界中に進出・対応し、その為地球をがらりと変えてしまう事となった。
人間は当初サバンナの負け組であり、その為人間は今でも不安でいっぱいであり、いつでも自分の立場を気にしている。
こんな人間が生態系のトップに躍り出たため、人類は二倍も残酷で危険な生物になってしまった。戦争も生態系の破壊も、歴史上の大惨事は人類が急に頂点に飛び出したことが原因だという。
そんなサピエンスが世界を支配している理由は、「自分達で生み出した虚構」を信じることが出来る動物が他にいないから。神も国家も会社やお金も、全員がそれを信じていなければ成り立たない。十字軍に命を捧げたり、お金を貯めることに夢中になったりすることは虚構を信じた結果だ。昔の御神木に宿る精霊も、今の株式市場に宿る精霊にも、人間が抱く気持ちは何も変わっていないという事なのだ。
アフリカの片隅で生まれたホモ・サピエンスがユーラシアからアジア、太平洋、北アメリカから南アメリカまで全世界に進出したことで、哺乳類・鳥類をはじめ多くの種が絶滅した。ガラパゴス諸島は多様な生物が暮らしているが、これはたまたまこの島への人間の進出が遅かっただけの理由であり、他の全ての大陸や島ではガラパゴスとは異なる多様性が存在していたのだろう。
続編はこれほどの暴君ぶりを発揮したサピエンスが、小麦の奴隷となる歴史が描かれるらしい、楽しみである。 -
Posted by ブクログ
上下巻になってる本編の方も読んだけれど、
歴史が始まって人間の経済活動の記述もあったような。対してこちらは、ホモサピエンスが地球上に広がって…の方がウエイトが大きかった気がした。先に読んだ本編の方もまた読み直したくなったし、まぁ、とにかく幅広く楽しめてアカデミックな気持ちになれるし学んだなぁという自己満足が得られる。
あちらを読んだときにも感じたことだけれど欧米文化を中心としても描いてあり、(もちろんこちらもだけれど)違和感に気が付くかも。
マンガ形式だけれど読みにくい(それはコミックの文化の違いもあって)のだけれど、慎重にじっくり少しずつ読み進めて堪能できた。 -
Posted by ブクログ
面白かった。火の鳥をハラリさんが書いたって感じ。ハラリさんの本読んでみようと思う。
グローバリズムっていうのかな?
「虚構のために現実の人間を苦しめてはいかん」
印象に残ったのは、ゴリラかな?は一夫多妻制で、ボノボだっけかな?はシングルマザーだったかレズビアンが多いってとこ。サピエンスはヒトって意味とか、全世界中の人たちがホモ・サピエンスという同じ種?であることとか。
ヒトに近い霊長類ですらさまざまな夫婦?形態、恋愛?形態だし、
本とは別だけど、カクレクマノミなんかは、雌雄転換するわけでしょ。
自然界の動物みれば、同性愛もシングルマザーも性転換も何ら不自然なことではなく自然なんだなあと勉強になった。みんな生きるための生存本能でやってるんだよねー。同性愛とかを批判する人たちって一体何様どちら様仏様神様なのですかねぇ -
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SF。ファンタジー。短編集。
『未来世界から来た男』『天使と宇宙船』『さあ、気ちがいになりなさい』と読んでいるので、何作も既読。
タイトルが変わっていて、読むまで分からない作品も多々。
既読では、やはり「天使ミミズ」(旧題「ミミズ天使」)がとても面白い。
初めて読んだ作品では、「星ねずみ」「白昼の悪夢」「イヤリングの神」がどれも好き。
ショート・ショート好きには「いまだ終末にあらず」「最後の恐竜」、ミステリ好きには「白昼の悪夢」、ホラー好きには「ギーゼンスタック一家」、パズル好きには「エタオイン・シュルドゥル」と、SFファン以外にも楽しめる、多才な作家さんです。
ここ数年、バラード、ヴォネガット、コードウェイナー・スミスあたりの短編全集が出版されていて、更にブラウンと、新規のSFファンとしてはとても助かる。次作にも期待。