ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所

ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所

小説・文芸
1,012円 (税込)

5pt

お待たせしました!伝説の英国コメディSF「銀河ヒッチハイク・ガイド」の故ダグラス・アダムスが遺した、もうひとつの傑作シリーズがついに邦訳。前代未聞の奇想ミステリー。

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ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    なんとなく面白そうで選んだが、探していたのはこれだ!と確信した。複数の視点の切り替えにより物語を構成する手法はありふれていると思うが、こんなに上手いのは他に思い付かない。寸断された各エピソードの再接続も見事だ。全体は一本の映画的で、最初の方は『マグノリア』という映画を思い出した。とにかく洗練された毒のある軽妙な文章そのものが面白いので、何が描かれていてもずっと面白い。完璧、文句なし。2026本屋行かない人大賞。
    翻訳も古さを感じずつい最近の発表かと思うほど自然で良かった。

    ナンセンスでふざけていても下品ではなく、一見不可解なタイトルの通り、どことなくジェントルな雰囲気が漂っている。別にコメディーに傾倒しているわけでもなく、鍵はPKD的な奇怪なSFエッセンスであり、更にミステリーやオカルトの不穏さもある。それらのコンセプトが狙い通りに紡がれていく完成度の高いプロットが素晴らしい。これならば忙しくて本が読めない人も大丈夫だろう。

    捻くれて辛辣なユーモアセンスはいかにもイギリスっぽい。正面から世の中を見ていない感じというか。そういう感覚に接したい需要に日本の作品はあまり答えてくれない。無理矢理例えるなら全盛期の藤子・F・不二夫と水木しげると糸井重里を足した感じ。突如なにかが間違って笑いに目覚めた森博嗣っぽくもある。自由意志を信じ運命論的なものを否定しているところが両者に共通している。

    むしろ最近の(昔から?)日本の小説はシャツを裏返しに着て、「この精巧な縫い目のほつれには真実性が宿っている」みたいなことばかりやっているが、それにぐったりしてしまう者からすると、「寝ぼけてシャツ裏返しに着てる阿呆がいるぞ」と言ってしまうこのような作品は、ある種の清涼剤になり得てしまう。

    作品の感想から外れるが、例えば「お年寄りを大切にしましょう」とか「この老人の不幸に着目せよ」というのは一種の信仰だが、「ボケた老人がいる」というのはただの説明である。日本の作品にはこの説明が不足、または過剰のように思う。その一因には“信仰が足りない者=性格が悪い”としてしまう国民性が影響しているのではないかと考える。つまり信仰を否定すると売れないのだ。そしてこのような文化の差が最終的に創作物の違いになる。

    感心したのは、“この世に存在しない音楽”の描写だ。並の作家なら色や自然現象で例えたりするだろうが、それでは曖昧な感覚だけ残り納得感があまり無い。言ってしまえばそれは、どんなに美しい比喩を重ねていたとしても、はっきり想像できない時点でつまらない文章なのだ。感受性や教養の高い人は作者の美学に共鳴出来て感銘を受けるかもしれないが。
    しかしこの作品の場合、その音楽がどのように鳴っているかの具体的な説明を丁寧に重ねていて、詳細ではないがなるほどと想像できる。その想像できることが説得力になる。表現力とはこういうことではないだろうか。

    冒頭、馬のところは完全に同意。馬の気分まで語るセンスや電動修道士のアイデアも天才的だ。主要キャラも存在感を確立しており、シリーズでもっと読みたかった。早逝が惜しまれる希有な才能の傑作。

    0
    2026年07月06日

    Posted by ブクログ

    ダグラス・アダムズの『ダーク・ジェントリー 全体論的探偵事務所』を読み終わってしまった。ダグラス・アダムズの作品が読めるとは!!! 面白かった。かなり笑った。すばらしかった。2017年から読み始めたので、2017年最後の読書だったけど、ベストだったな。さいこう。

    0
    2018年10月21日

    Posted by ブクログ

    まったく、面白くて不思議。
    意味不明な話がスルスルと繋がってく面白さ。
    それも意味不明の度合いがメチャメチャなのがすごく良い。
    Netflixでドラマも観れますが、小説とはダークの雰囲気が違いますが、すごく面白いです。全体論的ドラマ版ダーク・ジェントリーもおススメです。

    0
    2018年06月15日

    Posted by ブクログ

    銀河ヒッチハイクガイドの作者が書いたミステリ。なんと1987年の作品。30年も経っているけれど、古びていない。主人公がコンピュータのプログラマなのに、やっていることは、それほど古ぼけてはいない。強いて言えば「ロータス」という社名が出てきたときに、そんな会社があったなぁと不思議な気分になったくらい。
    ハチャメチャ小説だろう、行き当たりばったりな冒険譚だろうと思っていたら、そんなことはない。ちゃんと然るべきところに収まっている。訳者が親切にも前書きと後書きで、日本人にはわかりにくいコールリッジという英国の詩人の詩を解説してくれているのが、ありがたい。これがなければ、収まっていることにも気づかなかったかもしれない。(まだ、わかっていないところもありそうだけれど。)
    私は銀河ヒッチハイクガイドよりも好き。

    0
    2018年02月18日

    Posted by ブクログ

    ロジャー・ゼラズニイにダグラス・アダムズに…初訳モノが新刊で手に入るなんてビックリだなー。
    あれれ?ってところが、モンティ・パイソンでドクター・フーかぁ~でなんか納得。^^;
    コールリッジを別の作家がきっかけで、読んだことがあったのでラッキーだった。古典や名作と称されるものは好みじゃなくても、読んどいて損じゃないなー。

    0
    2017年12月17日

    Posted by ブクログ

    ジャンルはSFミステリでいいのかな?
    カオスに続くカオスで「なんのこっちゃ」と思いながら読み進めてたけど、それらが一気に氷解するのがめちゃくちゃ爽快だった。詳細を忘れた頃にまた頭こんがらがりながら読みたい

    0
    2025年07月06日

    Posted by ブクログ

    変な人たちが繰り広げる変な出来事をおかしげな文体で描いてて、読んでて飽きない。変なまま終わっても良かったけど、それなりに理由づけして着地するのでスッキリ感もある。総じて最高。

    0
    2021年04月14日

    Posted by ブクログ

    ダーク・ジェントリーという探偵が、ある事件の謎を解明していく話。大抵の探偵物で同様の説明ができちゃうけれど、これは作者がダグラス・アダムスですから。

    最初の50パーセントは意味がわからない。何これ…と読んでて呆然となる。意味わからなすぎて読むのも亀のようなペースになってしまった。だけど、50パーセントを過ぎたあたり、ダーク・ジェントリーが出てきて推理し始めると、読むペースはジェットコースター。前半の訳わからないエピソードたちがあれよあれよと言う間に意味を持ち始める。あれだけの意味わかんないエピソードの伏線を見事に回収していくなんて、ほんとダグラス・アダムスは天才だと思う。正直もう1回以上読み直して、「あ、あれはそういうことね」と確認したい衝動に駆られる…

    だから、これから読む人(と再読する自分)に言いたい。本の半分まではとにかく読め。半分過ぎたら、読み終わるまで本が手放せなくなるから。

    0
    2018年10月23日

    Posted by ブクログ

    D・アダムスの名も「銀河ヒッチハイク・ガイド」も寡聞にして知らず、タイトルから探偵小説だと思って手に取り、裏表紙の抱腹絶倒の奇想ミステリーという言葉に危ういものを感じながらも読み始めたら、これがモンティ・パイソン(本当に脚本を担当していた!)を彷彿とさせる英国風味満載の快作で、1987年発表という時期も現代ものに倦んでいた頭に心地よく、結果としてとても楽しく読めた。数々の伏線の回収もシュルシュルとあっという間にピタリと着地し、SFなんだろうけど、これなら代表作も読んでみたいと思えた。映像も楽しそう。

    0
    2018年08月04日

    Posted by ブクログ

    「銀河ヒッチハイクガイド」よりも、好みだった。
    恥ずかしながら「ドクター・フー」の、作者であることを知らずゆ読んでいて、あれ?これ?
    と思う場面があったがあとがきで納得

    訳者の方が苦心しているのが、前書きの解説
    説明がないとわからないニュアンスもカバーされていて楽しい。

    ただ、「ものすごくわかりづらくバラバラに配置されたピースが最後には全て繋がっていく」と言うことを事前に理解していないと序盤でリタイアする人もいるかもしれない。

    一番好きだったのは、馬が主人とはぐれて自由に時間を潰して過ごすアイデアを思いついて、そのアイデアを破棄することが選択肢としてあることに歓喜する場面。そして直後に樹上から主人が飛び降りて馬にまたがる場面。
    自由って一瞬だよね。

    0
    2018年03月02日

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