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Posted by ブクログ
面白かったな〜!
まずあらすじが良い。宇宙でヒッチハイクしながら旅するなんてワクワクする。ただ、ヒッチハイクする場面は最初だけで、ヒッチハイクしながら次々と…といった感じではなかった。
でもシュールでブラックで途方もなくバカバカしい、との触れ込みより全然良いちゃんとしたSF冒険譚な気がした。
銀河バイパスを通すために突然知らない宇宙人から地球を消滅させられるなんて何か現実世界でもいずれありそうな予感がしちゃう。地球で起こることは宇宙規模でも同じようなこと起きちゃうんじゃない?みたいな。
フォード君めっちゃいいヤツ。アーサーも地球人代表としてなんか愛おしい。キャラクターがとても良い。
言い回しも好きだなぁ、私も「ここをどいて欲しいなら条件があって、私の代わりに通せんぼしておいて欲しい」みたいなこと言って混乱させてみたい。
過去にあった哲学者2人の掛け合いもコントみたいで好き。
Posted by ブクログ
高校生の時ヴィレッジヴァンガードで購入してから十数年、読み進められなくて断念していたのに3日で読み切った。
読めなかった理由もはっきりわかる。
意味のない言葉が多すぎる。
そして意味がないことが素晴らしいと今の自分だからこそよくわかる。
誰よりも芸術の力を信じている宇宙物理学者と、皮肉屋でバカバカしいことしかしない小学生がお互いの言い分を通そうとする漫才のような、奇跡のバランス。
何か困難が生じた時、人は「何か理由があるのではないか」と自問する。
原因を自分や社会に求める。
でもそもそも宇宙全体が大いなる意味のない偶然に支配されているのだから、その偶然の意味なさをつぶさに観察してみよう。
そして意味のない偶然に意味のない悪態をついて偶然生き延びたやつらの珍道中について行ってみよう。
なんて皮肉っぽくも真摯な人間讃歌。
「自分の生活は無意味だ」と考えている人にオススメ。本当に無意味です。
Posted by ブクログ
サンリオSF文庫のような表紙に心惹かれて手に取ってみたが、果たして本書はSFであった。しかも世界中探しても同類の作品は見当たらないであろう珍品だった。
大森望が「バカSFの歴史に燦然と光り輝く超弩級の大傑作」と評価した本作だが、紛れもなくバカSFである。ただ、薬漬けかそもそも底抜けのアホな奴が吹っ切れて自由奔放に書いたような荒唐無稽さはなく、『空飛ぶモンティパイソン』のような知的なアホさが随所に散りばめられていて、読み進めていくごとに深みが増してくるのである。気づけばこう呟いているだろう、「これを書いた男は只者じゃないな...」と。
パイパス建設のために主人公の家が潰されたと思ったら、更に大きな勢力によって地球ごとバイパス建設によって消されるというシンプルなギャグから始まり、「事実上」不可能ということは限りがあるのだ、と如何に不可能かを確率に当てはめることで実質起こりうることにしてしまうというトンデモジレンマを利用してトンデモ装置を作り出すなんて数学的なシュールギャグまで披露してみせる。愚鈍で人生に楽しみも見出さずただ言われたことだけを行ったり怒鳴ったりすることを快感とする種族を出して現実の官僚を最大限皮肉って見せたりするのはお手のもので、本当にあげればきりがない程に珠玉のギャグが巧妙に配置されているのだ。
中でも面白いなと思ったのが、無限分の1ほどの確率で宇宙空間に飛ばされてきた鯨についてのギャグだ。クジラは海の中から宇宙空間に放り出されたことでそれまでの生き方を変えなければならなくなり、アイデンティティを喪失する。自己の存在のあり方を失った彼は自分を再定義するために、自らの体に改めて名前をつけ始めるのだ。けれどもそこは宇宙空間で、程なくして鯨は爆烈して死ぬことになる。この間たった10秒ほどだ。自己の喪失と再定義という哲学的な題材をユーモラスに消化し、ほんっとくだらねえなと思わせるレベルまで落としていながらエスプリを効かせることは忘れない。こんな高等テクニックをやってのけるとは恐れ入る。惚れ惚れするような文章力である。
「生物はなぜ生まれ、死んでいくのか」といった究極の疑問を解決するために、超高性能コンピューターを作って計算させようとしたら、「俺たちの仕事がなくなるだろ!」と哲学者が猛抗議してくるといった微笑ましいネタも仕込まれていたりと、本当にページをめくるたびに笑ってしまう。本当にここでは紹介しきれないし、結末に至る展開は直接目で追わないと最大限楽しめないと思う。是非手に取って読んでみてほしい。
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