安原和見のレビュー一覧

  • 非在の街

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    地図にしか存在しない街が、実は存在する、という設定の、男女七人夏物語。
    地図上にあれば存在することになるのか、実際にはあるけど地図になければ存在しないことになるのか、とある種の認知論みたいな話になってくる。
     登場人物のセリフでもあるが、実際、我々は街を歩くとき、スマホの地図ばかり見て、眼の前の状況をあまり見ていない。そしてスマホ上で到着したとき、初めて到着した気になっている。これは発展すると、自分で認識した情報より、外部から与えられた情報を信じてしまうのはどうなんだっけ、ということにつながると思う。
     とはいうものの、登場人物が全員、他人と協調できない、他人に相談する事ができずに暴走するバカ

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    2025年08月14日
  • フレドリック・ブラウンSF短編全集1 星ねずみ

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    書かれた時代が古いせいか、私の理解力が足りないのか、ほぼ「落ち」がわからなかった。

    繰り返し意味がわからない短編を読み続けるのはちょっと苦痛だった。ただ、「最後の決戦」は非常に面白かった。

    ・最後の決戦(ハルマゲドン)
    ・いまだ終末(おわり)にあらず
    ・エタオイン・シュルデュル
    ・星ねずみ
    ・最後の恐竜
    ・新入り
    ・天使ミミズ
    ・帽子の手品
    ・ギーゼンスタック一家
    ・白昼の悪夢
    ・パラドックスと恐竜
    ・イヤリングの神

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    2025年08月03日
  • 銀河ヒッチハイク・ガイド

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    ◼️ ダグラス・アダムズ
     「銀河ヒッチハイク・ガイド」

    ハチャメチャなSFコメディ。思い切って飛ぶ先行きにお笑いと文芸的期待をする。

    もはや古典ともいえる1979年の作品で、シリーズもあるとのこと。いやー寡聞にして存じませんでした。ズバン、と展開が早い。

    地元ラジオ局で働いている青年、アーサー・デントは友人で地球人に身をやつしているベテルギウス系惑星人のフォード・プリーフェクトに連れられ、地球から宇宙へと脱出する。還るべき地球はヴォゴン星人の手によりほとんど瞬時に消滅させられてしまったー。

    最初、アーサーはバイパス道路建設のため、住んでいる家をブルドーザーで撤去しようとする役所に対抗

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    2025年07月26日
  • 非在の街

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    なんとも言い様がないのだけど、ミステリーと思って読んでたら、最終的にミステリーじゃなくなっててモヤモヤしてたら、あれ?これ創元海外SF叢書じゃないのと気づく。SFなら納得はできなくはないが、どちらかと言えばファンタジー寄りで、諸々の出来事の根本がファンタジーでしたとなれば、謎解きも拍子抜けとなってしまった。いずれにせよ、主人公の女性がとてもウザくて嫌いだ。

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    2025年07月13日
  • 銀河ヒッチハイク・ガイド

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    人生、宇宙、万物の究極の答えとは何なのか? この本はそうした人間の根源的な苦悩を笑い飛ばす。といっても、単に茶化しているだけではないのかも。終始続くナンセンスな文章を禅問答と捉えれば、その先にあるものは悟り、である。宇宙の真理とはナンセンスの極みなのかもしれない。

    この話の元は1978年のイギリスのラジオドラマだそうで、当時は荒唐無稽な SF だったのだろうが、昨今の現実社会で AI を妄信している人たちを見ていると、妙なリアリティを感じてしまう。社会風刺としても現役だ。

    難をいえば、文章がふざけ過ぎか。日本人が翻訳で読んだのでは、ブリティッシュ・ジョークは理解できないのかもしれないが…

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    2025年06月15日
  • 死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相

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    ネタバレ

    1959年2月、ソ連で起きた学生たちの謎の冬山遭難事件。冬山のトレッキングには慣れている9人の学生が遭難した。全員がテントの外で、暖かい衣服や靴も履かずにバラバラな場所で遺体で見つかった。直接の死因は低体温症がほとんどなのだが、なぜベテランの学生たちが冬山の戸外で防寒もせずにいたのか…?
    2012年、米国人の作者は、この事件の真相を求めて舞台となったロシアの山を訪れる。

    学生たちが冬山の夜にテントの外へ飛び出した原因は、事件当時ではわからなかった気象現象が原因だった。まさに、事実は小説より奇なり、であった。

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    2025年06月07日
  • リサーチのはじめかた ――「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法

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    研究の進め方とその技術を高めるトレーニングについて、実践的に書かれている…のだが、口語体で読みやすいように見えて読みにくい。個人的に英書和訳が苦手なのが原因だろう。

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    2025年03月12日
  • ほとんど無害

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    最後はこんなある意味現実的で静かな形で終わるのかと少し意外だった。SFを絡めた皮肉たっぷりのドタバタが好きだったので物足りなさがあり、面白かったかどうかと聞かれると微妙である。

    しかし、それも含めてタイトルの付け方は好き。
    解説にて、BBCラジオではオリジナルの終わり方をしたらしくそのあらすじが紹介されたが、そっちの方が大団円で好き。

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    2025年02月01日
  • さようなら、いままで魚をありがとう

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    ネタバレ

    著者が続編を急かされて3週間で書いたらしい本書。著者が当時恋愛中なのもあって、反映されたのか?今作はSF要素少なめでアーサーとフェンチャーチのやりとりがメイン。
    破壊されたはずの地球が復活しており、アーサーの家も元のまま存在し、旧友との再開、ガイドにも地球が復活。
    しかし何やら、地球が爆発したような幻覚を見たとみんながいう。フェンチャーチは、イルカも消えたという。p156

    ゼイフォードやマーヴィンのやりとりが好きだったため、物足りなかった。
    終わり際に突然マーヴィンが登場したかと思えば、スっと退場した。

    ビスケットの話は実体験らしい笑p144

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    2025年01月24日
  • 宇宙クリケット大戦争

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    冒頭から、アーサーへの侮辱、そして宇宙への侮辱と始まり、飛び跳ねるソファーを押さえつけて現代?の試合会場のど真ん中に出現。空を飛ぶコツをガイドから学んだり。
    種目としてクリケットなのがイギリスらしくて良いのだが、日本人にはあまり馴染みがないのもあり、ちょっと拾いにくい。

    マーヴィンとマットレスの会話がなんだか和む笑

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    2025年01月23日
  • パワー

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    ナオミ・オルダーマンの小説。
    ベイリーズ賞を2017年に受賞。

    女性が男性よりも権力を握るようになった世界において、ニールという作家が考古学説をベースに創作した小説を、本書の作者であるナオミがレビューするという設定になっている。

    小説では、ある日突然女性が手から強力な電流を放電できるようになり、既存の男性優位の社会を塗り替えはじめた「大変動」時代が描かれる。

    その中で特に大きな役割を担う4人の人物の視点を切り替えながらストーリーが進む。
    キリスト教の新しい亜流を立ち上げて教祖として信仰を集めていくアリー、マフィアの娘で最強の放電能力を持つロクシー、アメリカで勢力を増していく政治家のマーガ

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    2025年01月21日
  • ほとんど無害

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    ついに最終巻となってしまった。
    そして最後なんだというある意味残酷な終わり方だった。
    そして作風が本巻だけかなり異色なのがびっくりした。
    解説を読んで納得。
    楽しませてもらった。

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    2024年10月21日
  • さようなら、いままで魚をありがとう

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    今までのSF路線とは違ってラブストーリー主体でびっくりしたが、意外と読みやすかった。
    いつもの人たちもそれぞれ出演しており、微妙に謎が残ったまま、次の最終巻が楽しみな終り方だった

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    2024年09月22日
  • 宇宙クリケット大戦争

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    さらにドタバタが過ぎて、若干話が入ってこなかったが、最後はなんとか落ち着いたし、笑えた。
    せっかくなので残り2冊も読んでみようと思う

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    2024年08月29日
  • リサーチのはじめかた ――「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法

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    自分の知的好奇心に忠実にして、研究内容を固めてレポートに仕上げるまでのガイドブック。付箋びっしり。おびただしい量の演習があり、大変。

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    2024年08月26日
  • 宇宙の果てのレストラン

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    前巻が面白かったので、今巻も期待したが、
    どうも自分的にはイマイチだった。
    でも、内容的には次巻に繋がる感じがアリアリだったので、仕方ないのかも。
    次巻が楽しみなのには違いない。

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    2024年08月15日
  • 宇宙の果てのレストラン

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    ネタバレ

    ヒッチハイクガイドに続き。
    マーヴィンの扱いが酷い。

    さてタイトルなのだが、英語では『The restaurant at the end of the universe』と言うことで確かに『宇宙の果てのレストラン』なのだが、日本語だと物理的な果てに思えてしまう。物語上では時間的なEndで物理的移動はしていないので、ややミスリードな気が。

    前作より★が一つ少ないのは、何となく全体的にネガティブだった印象があるため。正確にいうと、ネガティブというより、マーヴィンはじめあらゆる登場人物に不幸が襲いかかって救いがない点。プライベートで嫌なことでもあったんだろうか、というくらい救いがない。
    一応コメ

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    2024年07月20日
  • 死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相

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    前半は登場人物たちの名前が長くなかなか覚えられず読み進められなかったが、後半からぐいぐいと惹きつけられていった。丁寧に丹念に取材された結果、導かれた一つの説。9人の行動がありありと目に浮かぶ描写。

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    2024年06月10日
  • リサーチのはじめかた ――「きみの問い」を見つけ、育て、伝える方法

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    歴史学者が書いた本
    具体例や資料の扱い方はガッツリ歴史や人文系だから理系研究には向かない部分も多い
    けど、テーマを絞っても研究にはならないこと、問いの立て方や検証の仕方、テーマ(→分野)と問題集団の違いやそれぞれの意義は研究に対する混乱を整理する手助けになりそう。
    先行研究に対して「この人の『問題』は何か」を考えるのは良いやり方だと思う。

    1~2章に含まれる、雑多な問いから自分を駆り立てる「問題」を発見する部分が最も難関
    全てがどうでも良くなる瞬間をどう乗り越えるのか知りたい

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    2024年06月06日
  • アダムス・ファミリー全集

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    「明るい世界をよしとする人々と同様の生活をしつつ、その一方で暗黒面に走りがちな人たちがもしいたら、社会一般にどう受け止められるか」p.8
    あーこれまさに私の好みを的確に説明してくれてるわー。what we do in the shadowとか。アイロニカルなコメディー共通の美点。

    ・アダムスファミリーは、1940-50sという品行方正でAmerican dream的な家族像の時代のもう一つの写し鏡かも。
    ・21歳で早くも代表作により成功してるなどスヌーピーのシュルツさんとも重なる。
    →国民的作品とすれば、サザエさん(スヌーピー)⇔いじわるばあさん(アダムスファミリー)的な対比かしら。つまり国

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    2024年05月17日