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元地図学者のネルは、ニューヨーク公共図書館の高名な地図学者である父の急死を知らされる。父はなぜか、平凡な一枚の道路地図を大切に隠していた。だが、価値がないはずのその地図の複製は、あらゆる所蔵機関から失われていた。父の死の翌日に図書館を襲い、煙のように消えた殺人犯の狙いもこの地図らしい。ネルは地図の秘密を探っていく。その地図は、隠された世界への招待状だった──新鋭が放つ傑作幻想小説。2023年ミソピーイク賞候補。/解説=渡邊利道
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Posted by ブクログ
ファンタジーミステリで普段読まないジャンルだけどめちゃくちゃおもしろかった 一気読み 映像化されそう 地図の著作権を巡る実際の裁判を基にしたそうで読後調べたらその裁判自体も地図のウォーターマークも街の話もすごくおもしろかった
地図にしか存在しない街が、実は存在する、という設定の、男女七人夏物語。 地図上にあれば存在することになるのか、実際にはあるけど地図になければ存在しないことになるのか、とある種の認知論みたいな話になってくる。 登場人物のセリフでもあるが、実際、我々は街を歩くとき、スマホの地図ばかり見て、眼の前の状況...続きを読むをあまり見ていない。そしてスマホ上で到着したとき、初めて到着した気になっている。これは発展すると、自分で認識した情報より、外部から与えられた情報を信じてしまうのはどうなんだっけ、ということにつながると思う。 とはいうものの、登場人物が全員、他人と協調できない、他人に相談する事ができずに暴走するバカしかいない。皆さん優秀な地図学者のはずなのに。特に主人公。もうアラサーなのに。
なんとも言い様がないのだけど、ミステリーと思って読んでたら、最終的にミステリーじゃなくなっててモヤモヤしてたら、あれ?これ創元海外SF叢書じゃないのと気づく。SFなら納得はできなくはないが、どちらかと言えばファンタジー寄りで、諸々の出来事の根本がファンタジーでしたとなれば、謎解きも拍子抜けとなってし...続きを読むまった。いずれにせよ、主人公の女性がとてもウザくて嫌いだ。
コピーライト・トラップとして架空の町アグローが書き込まれた地図を巡るミステリー。地図を入手するため殺人事件までもが連続して起こる。高名な地理学者の父親にパージされて地図学界から追放された地図学者の娘が謎に挑む。 架空の町のはずが、その地図をたどるとアグローに行き着くことができる。
非在の街を読んだ。この本は少々お高く普段なら買わなかっただろう。旅の勢いで買ってしまった。 旅先では普段と違う発想になれるので、思い切ったことをするにはいいチャンスだろう。 旅先でいろいろなことをしたり、買ったりするために多めに旅の予算を考えておくことは重要かもしれない。 この本を読んだ感想とし...続きを読むては、買ったことを後悔しない内容の本であった。 SFを期待して読むと多少イメージとしては違うかもしれないが、ミステリーとしては良い本だと思う。また、地図に対する専門家たちが中心に話が進んでいくので、地図に対して今までよりも親しみを感じられるようになった。 この本では、人間模様がすごくよく書けているなと感じた。事象に対する複雑な感情が表現されていた。 加えて、どの人物にも役割を与えられていてミステリーとして多くの驚きがあった。 全体として、せつなさがあり、そして最後もあっさりと前向きに終わって読後感も良かった。 一気に読んでしまったので、時間をあけてまた読みたいと思う。
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