安原和見のレビュー一覧
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市立本。活字版の『サピエンス全史』とは少々趣が違うようで、マンガ用に再構成されたもののようだ。ちなみに活字版は未読。
A4サイズの大きなマンガで、ページの紙も厚めで重厚。オールカラー。で値段は2000円くらいとくれば、だいぶ安く感じる。内容はマンガながら、かなりの情報量。ビジュアルが伴ってイメージ的な理解の助けになる。
作画はダニエル・カサナヴというフランスのバンド・デシネ作家。オシャレな絵柄とカラーリングは見ていて楽しい。
話は人類に農業革命が起こる1万2000年前までの、サピエンスの歩みについて。7万年前に、「認知革命」と称される、他の動物とサピエンスを決定的に隔てる変化があった。それ以降加速度的に他の生物を絶滅に追いやり、生息域を広げていったらしいサピエンス。
しかしあまり証拠が残っていないので、彼らが何を思いどのように生活をしていたのかはほとんどわかっていない。 -
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リサーチを自分中心に考える、という視点は研究者になると分かるものかも知れないが、研究をこれから始める場合には、自明ではないのかも知れない…と目を開かれた。ステップバイステップで、どのようにリサーチを捉えるかを教えてくれるので、方法としては分かりやすい。
反面、仕方ないとはいえ、自分の分野ではどうやるべきか、と言う個別事情には答えてくれないし、また、問いと問題の関係、問題と問題集団の関係については、やはり分野の壁があるように思う。
それでも、リサーチは準備が大切なので、この本を読んで、自分の中の疑問を糧に、リサーチの準備(実験計画の前の前くらいまで)は進んでもらいたい。 -
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「ディアトロフ峠事件」。1959年、冷戦下のソビエトで起こった未解決遭難怪死事件。氷点下の雪山、テントから離れた地点で登山チーム9名の遺体が発見された。皆衣服や靴を脱ぎ、頭蓋骨や肋骨を骨折する重傷。遺体からは高濃度の放射能が検出。最終報告書には、「未知の不可抗力によって死亡」と記された。
ディアトロフ峠事件の全貌と真相を描くノンフィクション。
若く、友情と幸福に満ちていた経験豊富なトレッカーたちは、なぜ遭難し異常な状況で死亡することとなったのか?
おそらく世界でも1,2を争うほど有名な遭難事故、「ディアトロフ峠事件」の真相に迫るノンフィクション小説です。
正確には、遭難したトレッカーたちの様子、その後出された捜索隊たちの様子、事件の取材をする作者の記録が代わる代わる語られる形式ですので、厳密にノンフィクションとは言い難いのかもしれませんが、事件当時のトレッカーたちの様子なども日誌や病気で途中で引き返したグループ唯一の生存者の話などをもとにして推定・補完したものとなっています。
旅の途中でトレッカーたちが撮った写真が何枚も載っており、それがまた普通の仲良し大学生グループのように笑いあったりはしゃいだりしている写真ばかりなのが悲しい。あったこともないのに、彼らの間に確かにある友情が見えるようです。
実際に事件が起こった現地に行ったり、関係者から話を聞いたりとかなり詳細に調べている印象ですし、作者さんがその結果出した一応の結論(真相)も語られていますが、それでも実際の所真実がどうだったのかは分かりません。事実、本作(の単行本)出版後の2021年に、小規模な表層雪崩が事件の原因だとする論文もでています。
それでも、明らかになった情報や出された結論が、少しでも遺族の方の心のよすがになればと願わずにいられませんでした。 -
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銀河ヒッチハイクガイドシリーズ完結〜
全五作の中でダントツ深い〜〜!ほぼ脳内、ACID食って考えが突き詰められまくって、昨日すっごいとこまでイッテもうてたなーオレ、て翌日思うけど結局何を考えてたか覚えてないみたいな自分だけ哲学、そのもの。
あとがき読んで知ったんやけど、この完結編、ファンの中では最高傑作か、最悪かでバチバチ別れてるんですね、確かに〜それ分かる。
私もまだどちらか分からんもん。読んでる時は最高〜と思ったけど、読後はえー!ちょっとこんなん銀河ヒッチハイクガイドちゃうやーん、勘弁してよ〜フォードのキャラもよー、となったし。
ラストもびっくりやでしかし。
でもマーヴィン出てこないのに、やっぱこんなにおもろいなんてズルい、そして途中出てきた陽気なロボットもかわいい。ロボットのキャラ設定世界一素敵なんずるい -
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こちらを含めてシリーズ4作品を読んできましたが、これが一番読んでいて情景が浮かびやすい。
SFではなく地球で起こるラブストーリー。
アーサーが彼女の家に辿り着くまでの前半に関しては、わりとトリップ感あって、ダグラスアダムスはけっこうジャンキーだったんでは?の疑いをまた強める羽目にw
でもナチュラルにこれ書けるんだったらほんまうらやましいし、楽しいだろうなぁ。世の中こんなふうに見えて考えられたら。
最後マーヴィンが登場してからの、マーヴィンのひとことひとことが沁みます。
自分の中で一つだけ交換せずにいる箇所はどこだと思いますか?のマーヴィンからアーサーへの問い。
本の中では誰もその質問には答えず明かされてないけれどそれはもちろん、傷つきやすく繊細な鬱病のロボット、マーヴィンの心だと私は思いたい。いや、絶対そうだと思う。
読後何度もラストのマーヴィンの言葉思い出して泣いてる。
2001年宇宙の旅のコンピュータ、HALが記憶を抜かれる時に、私は、、、怖い と言ったシーンを思い出してまた泣き。
何より恐ろしいのは人間。
でもマーヴィン、あなたは良き友達と出会えて幸せやったよ! -
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ネタバレ興味深いタイトルの本。どの本もどこから歩き出せばいいか教えてはくれない。確かにそのとおり。
本書の目的は自らともる火をつける理想的な条件を生み出す手助けをすること
メモ
・研究とは研究者が自分のなかにある問題を見極め、それに対してどうすればいいか考えることから始まる。
・自分中心的研究
実践の面から、今いる場所から研究の道程に踏み出す。自己との密接なつながりを重視維持することが重要。
精神的には、自己の能力と限界を自覚し、意識的に評価する。自分が何者であるかを知り、自分自身の直感に耳を傾け、子供っぽくても信頼し、深化させていくこと
考え方は課題を明確にし、自分のアイデア、前提、関心ごとを重視すること。自分自身にとって重要であること
・本の使い方
書きながら読む。興味関心、前提思い込み、問題、アイデアを記録する
必要に応じて演習と書き込み、書き出しを繰り返す
練習問題をプロジェクトに応用する
・自分自身を検索する
興味があるテーマを書き出す
データベースで検索する
興味を惹かれたものをクリック
検索結果を眺めながら自己を観察する
自分の心と体の反応に注目する
いい項目を書き出す
三つの質問に答える
1番おく
改めて読み返し自問自答する
・つまらないことであっても自分が何かに気づいているということに気づいて然るべき。
・三つの質問
この項目から何を思い浮かべるか
あえて推測するならなぜこれに目をとどめたのだろか
この検索結果からどんな問いが心に浮かぶか
・退屈を手掛かりにする
嫌いと感じる自分の感情に注意。どんなことには興味がないかを理解する。
・やるなら思い切り小さく
できるだけ具体的な問いを
テーマに関してどんな事実を知りたいと思うか
好奇心を満たすにはどんなデータや情報が必用になるか
どんな有用な具体的事実が存在すると想像するか
・問いを鍛える。問いの根底にある問題を見極め、正確に言語化する
・問題と好奇心の差は、日毎に変化するのは好奇心。ずっと変わらないなら問題。厄介な存在。問いを生み出すものであり、なんらかの形で相互関連しているものたち
・問いに診断テストを実行する
問いの文章が具体的か、偏っていないかを確認
文末は疑問文になってあるか?
曖昧な形容詞や副詞が主軸になってないか?
集合名詞でまるっと表現されていないか?
影響する、左右するといった動詞が使われてないか
・より多くのより良い一時資料を見つけ、より多くのより良いキーワードを見つけ、より多くの良い問いを見つけること -
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実はアダムスファミリーの実写映画版をじっくり観たこともなければ、アニメや漫画も見たこともない。当然ファンでもない。ではなぜ、ahddamsさんのレビューが面白かったからと言って読む気になったのかと言えば、少し回りくどい説明が必要ではある。
今年は柳田国男の「山の人生」を本格的に読んだ年だった。「遠野物語」もそうなのであるが、前期柳田は日本人の「怪異なるものを見る視点」を突き詰めた人物だった。それは即ち、「日本人とは何か」を突き詰めることに繋がる。その一環として、アメリカで長いこと「親しまれてきた」怪異とは何かを見ることも、益あるのではないかと言う「回りくどい」思考が私にはあるのである。
多くの日本人が彼らに初めて出会ったのは、私同様、映画ではなくて95年ホンダオデッセイのCMだった。「何あれ?西洋のお化け?」その割には実在感ある。
一回死んでしまった幽霊は、2度と物理的な実体を持たないのが日本である。しかし、西洋では物理的に悪さはするわ、彼らの様に屋敷を構えて有名な根城を持ったりもする。有名になればなるほど愛されるのは、世界共通。そういう意味では日本の「妖怪」に似ているけれども、彼らの姿も性格もなんやかんやもほとんど人間なのである(学校にも通っているらしい)。細面の美女のモーティシアと夫のゴメスは一応愛し合っているし、子供のウェンズデーとパクズリーは、毒盛りとか拷問台つくりとかイタズラはするけど、愛らしい。
この全集は、アダムスさんが描いたアダムスファミリーの画業の全貌を初めてまとめた本の翻訳らしい。アメリカ1コマ漫画の真髄(キャラ設定、かなり捻くれた主張)が味わえる、味ある一冊になっている。
映画版やアニメでは出てこないという「お化け(The Thing)」が、この画集では1番のお気に入りになった。決して全身は出てこない。ある時は手だけ出てきてドーナツ盤を取り替えたり、屋敷のバルコニーから見下ろしたり、車から顔だけ覗かせたりしていて(表紙には左隅に居る)、ファミリーさえ気がついてない様に思えるのがなかなかユニーク。
結局、西洋人は「人間」を信頼しているのだ。人間>自然なのである。でも、日本人は人間<自然なのだ。でも、死人もやがて自然の一部となって物体化する。そうなると、妖怪となって現れるのだろう。
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このアカウント名でありながら、『アダムス・ファミリー』シリーズを観たことがない。Netflixで話題になった『ウェンズデー』も然りだ。何故かミュージカル版だけは観ていたが、あれはどうやら舞台オリジナルのストーリーで結局一家のことは分からずじまいだった。(笑いありで面白く観劇はできたが)
本書は先月懇意にしている本屋で目に留まった。その瞬間「これは神(いや、悪魔?)からの啓示だ」と直感し、秒速で購入したのである。
皆さんは『アダムス・ファミリー』に原作があることをご存知だろうか。そしてもう一つ、原作者のラストネームが「アダムス」であることも。
1964年のドラマ版が放送される1世代ほど前、作者のチャールズ・アダムス(以下、アダムス氏)が一コマ漫画(カートゥーン)として『ニューヨーク』誌に連載したのが事の始まりである。しかし漫画の一家にはラストネームがなく、ドラマ版が始まってから「アダムス・ファミリー」と呼ばれるようになったらしい。
本書はアダムス氏の作品・著作権を管理する〈ティー&チャールズ財団〉の理事ミゼロッキ氏によって編集されたもので、初版は2011年。今手元にある文庫版は今年の6月に刊行されている。
構成は6割がイラスト、4割が文章といったところか。いや、文章はもっと少なかったかもしれない。何せ片道30分の電車で半分まで到達したのだから。
イラストは財団が継承した発表・未発表作品をミゼロッキ氏が選りすぐっており、カラーだけでなくデッサンも目立つ。しかしいずれも丁寧なタッチで、特に建物のつくりが細かい!(その理由も本書で明かされる)たとえ鉛筆画であっても何の絵かすぐに分かるので、絵を描く身としては非常に勉強になる。そういう意味でも購入して良かった。
「チャールズ・アダムスは、こういう家族(明るい世界をよしとする人々と同様の生活をしつつ、その一方で暗黒面に走りがちな人たち)がもしいたら、社会一般にどう受け止められるかを描こうとしたと言うべきだろう」
文章の方は、アダムス氏へのインタビュー記事や一家それぞれのプロフィールがまとめられている。前半はイラストが集結していて読者は不安になるだろうが、後で解説もあるので心おきなく彼らの世界に浸って欲しい。
他にもウェンズデーの由来が「水曜日生まれは不幸な子」という童謡の歌詞だったり、映画版でお馴染みの片手くんが、漫画では”The Thing”(お化け)と呼ばれ身体までついていたりと、恐らく映像を知っていても新鮮なキャラクター情報が多いと思う。
世間の善行を悪とみなし悪さを良しとする天邪鬼一家ではあるが、関係性は仲良しでお互い愛情を持って接している。
「社会一般にどう受け止められるか」…漫画から、映像から、その辺りを感知して温かく受け入れられたのかもしれない。それが一家の意に反しているのかは何とも言えないけど。 -
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ネタバレ非常に面白かったけれど、これを通してどう受け止めればいいのか少し戸惑う
男が女に行なっている行為を逆転させることで残虐性を男性が感じる それで男性たちに気付きを与えることができるのだろうか 寧ろその残虐性は女性だから、という結論にならないだろうか
寧ろここでこの残虐性は男のものとイコールであると気づく層はそもそもリベラルであって、女性たちの声に対して揶揄する層ではないのでは、と 揶揄する層は恐らくこれらを女性特有の残虐性と取り、やっぱり女性に権力を与えてはいけないみたいな考えになるのではないか(そういう層は読まないかもだが
しかしこの本の中で恐らく言いたいのは作中でもあるように、物事は二元論でない、つまり男がダメだから女という選択肢ではないということだと考える そこに至る解決策があるわけではないが
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ネタバレ目次
・存在の檻
・命令遵守
・フラウンズリー・フロルゲルズ
・最後の火星人
・地獄のハネムーン
・星ねずみ再び
・六本脚の催眠術師
・未来世界から来た男
・選ばれた男
・入れ替わり
・武器
・漫画家
・ドーム
・スポンサーからひとこと
・賭事師(かけごとし)
・処刑人
初期の頃の切れ味鋭いショートショートが少なくなって、淋しい。
その中では『六本脚の催眠術師』が、にやりと笑える面白さ。
ここにきて本邦初訳の作品が結構あるのは、日本での人気に陰りが出てきたってことなのでしょうか。
『未来世界から来た男』は、創元SF文庫の表題作にもなったけれど、今はもう受け入れられないかもしれないなあ。
1950年代に書かれた作品は、第二次世界大戦後の世界観で、公民権運動の前の世界観。
作者が偏見を持っているというのではないけれど、人種差別が当たり前だったころの作品は、いくらひねりの聞いたプロットとはいえ、今はもう無理だろう。
そして、冷戦真っ只中の時代に書かれたこれらの作品を立て続けに読むと、いかに当時の人たちが、冷戦さえなくなれば世界は平和になると思っていたかがわかる。
宇宙人や未来人が来ては、地球をひとつにまとめようとする話が多い。
だけど結局、冷戦は一触即発の事態だったとはいえ、結局世界中を巻き込む前に踏みとどまることができていたけれど、今はそれこそ、世界中を巻き込みかけている状態だからなあ。
冷戦こそが一線を踏み越えないためのブレーキだったようにも思えてくる。
いま、「スポンサーからひとこと」あったら、どうだろう?
私はそこまで楽観的になれないなあ。 -
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ネタバレ銀河ヒッチハイクガイド シリーズ
「ガイド」のノリ(言い回しとか)が気に入ったならこれもハマるはず。
皮肉、英国ジョーク
正篇
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
『宇宙の果てのレストラン』
『宇宙クリケット大戦争』【これです】
続篇
『さようなら、いままで魚をありがとう』
『ほとんど無害』
●名台詞
“アーサーは、危機に臨んでいつもやることをやっていた。つまり、ぽかんと口をあけて突っ立って、それが降りかかってくるのを眺めていた。
“赤道のフィヨルドというテーマについて、突飛で徹頭徹尾不正確な研究論文を書こうとも計画していた。彼が重要だと思う一、二の問題について、誤った記録を残すためである。
“長い沈黙が続いた。宇宙がちょっぴり歳をとるのが感じられるようだった。
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ネタバレ銀河ヒッチハイクガイド シリーズの最終作?
■シリーズの並びはこうらしい
正篇
『銀河ヒッチハイク・ガイド』
『宇宙の果てのレストラン』
『宇宙クリケット大戦争』
続篇
『さようなら、いままで魚をありがとう』
『ほとんど無害』【これです】
●名台詞
“銀河系の歴史はちょっとごっちゃになっているが、これには数多くの理由がある。ひとつには、歴史を記録しようとする人の頭がちょっとごっちゃになっているからだ
“「ほら、イギリスでやってるあの不思議なあれ、なんて言うんだったかしら」
「クリケットかしら。それとも自己嫌悪とか」
「いえ、議会制民主主義だったわ」
“なぜだかわからないが、生命はニューヨークにさえ住みつく。冬の気温は法定最低気温を大幅に下回る 。