望月衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
多くの具体的事例を挙げ、反脆弱性の持つ強みを様々な角度から述べている。一言で表現するのはのは難しいが、何となく全体を通じて受け取ったメッセージは「将来において絶対なんてものは絶対ない」ということだろうか。
時には失敗もするし、不運にも遭うだろうし、しかし時には受け流しつつ、また時にはその経験から学び以前よりも強く成長する、といった臨機応変さや柔軟な思考が大切であることを理解した。
著者の軽妙な語り口が個人的には読みやすく、また分野を問わず豊富な知識には驚かされる。
一点もし要望するとすれば、全体としてもう少しコンパクトにできるかも?という部分。
多数の事例は理解が深め易い一方で、冗長感も出 -
Posted by ブクログ
誰かにやる気を出させるために何かしようと思うときは、まず、その誰かがインセンティヴがなくてももともと持っている、いい結果を出そうというやる気(空き缶をリサイクルに出して環境を守ろうとか、ガンの研究を後押ししようとか)をインセンティヴが押しのけてしまわないかを考えないといけない。インセンティヴが元のやる気を押しのけてしまうのは、自分がやっていることをなんだと思うかが変わってしまったり、あるいはインセンティヴを提供された人が侮辱されたと感じたりやる気を失ってしまったりするからだ。インセンティヴという手段を使う気なら、十分に大きなインセンティヴを提供して、やれば報いられると相手に感じさせないといけ
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Posted by ブクログ
人が何で動くか(=インセンティブ)を理解できれば、狙った結果につなげられると実地実験を通して示している。根拠が薄いと感じる箇所もあるが、観点として面白かった。
ただ、せっかくエッセイ的な砕けた文なのに直訳感があり、誤植もあったのが残念だった。
勉強しない子やその親に、適切なインセンティブ(お金やモノ)を渡せば子の成績が上がる。いいインセンティブがあれば集まる寄付金の額も上がる。
気持ちをお金で動かすことに不満の声が上がるだろうと想像できるが、お金を使えば学校中退も逮捕もされず過ごせる子が増え、寄付で助かる人も増えるということでもある。
「慈善組織は販売ってことばが嫌いなんだ」とブライアン。 -
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Posted by ブクログ
長らく経済学の基本原則とされてきた「効率的市場仮説」。ホモ・エコノミクスとしての人間は、最も効率の良い方法で選択し、意思決定すると言うのもであるが、最後通牒ゲームやなどの結果やボランティアの行動が示すように、必ずしも効率的とな言えない面も多々あり、この原則が通用しないことも多い。これに代わる新たな原則として提案されたのが本書であり、過去の株式・債権取引等の実績、リーマンショックなどのブラックスワン的事例などを説明できるものとして語られている。確かに、人間と言っても動物のすることだから、進化論的・随時適応的な行動を原則とする考え方は理解できる。太刀川さんの進化思考にも共通する、納得できる説明が多
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Posted by ブクログ
経済学の視点から、美しいことが現実的にはどれだけ得なのかについて明らかにした一冊。
イケメンや美人が経済的に得であることは、誰しも生きていれば感じることだと思う。ただ、どの程度の得があるのかまで理解している人は少ないのではないだろうか。
実際に本書を読んで、考えていたよりも得は少ないようにボクは感じた。
こういった現実と認識の違いというのは、ときに僕らの心を蝕むことがある。だからこそ、本書のように、実際はどうなのかという研究結果を知ることは大切なように思う。
ただ、著者が主張するようなブサイクを社会システムによって保護するという考えには個人的には同意できなかった。データと分析結果だけを -
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Posted by ブクログ
「ブラックスワン」のタレブさんの著書。できるだけ堅牢なシステムを作ろうとしたり、安全神話を信じてしまうことが多いが、「想定外=ブラックスワン」のことが起こると、予想以上の被害(あるいは利益)が発生することがある。これに対抗する唯一の術が「脆弱性」であるという説。毎年軽い風邪にかかった方が深刻な伝染病にかかりにくいとか、多少のプレッシャーやストレスがあった方が成長しやすいとか、日常にもこういった脆弱性を活用する「反脆弱性」のメリットが多いということ。言い換えると、変化を好むことこそが安定につながるということで、大企業とスタートアップの関係にも似る点が多く、参考になる。