望月衛のレビュー一覧

  • その問題、経済学で解決できます。

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    人が何で動くか(=インセンティブ)を理解できれば、狙った結果につなげられると実地実験を通して示している。根拠が薄いと感じる箇所もあるが、観点として面白かった。
    ただ、せっかくエッセイ的な砕けた文なのに直訳感があり、誤植もあったのが残念だった。

    勉強しない子やその親に、適切なインセンティブ(お金やモノ)を渡せば子の成績が上がる。いいインセンティブがあれば集まる寄付金の額も上がる。
    気持ちをお金で動かすことに不満の声が上がるだろうと想像できるが、お金を使えば学校中退も逮捕もされず過ごせる子が増え、寄付で助かる人も増えるということでもある。

    「慈善組織は販売ってことばが嫌いなんだ」とブライアン。

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    2024年04月02日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    上巻に引き続き、伝えたい1つのメッセージが一貫していて面白い。おそらく下巻の結論部分がそのメッセージなので、なんなら結論だけ読んでも学びはあると思う。

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    2023年05月11日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    antifragile(反脆い)という新概念をものすごく丁寧に、体に染み込ませるように教えてくれる1冊。冗長と感じる人もいるかもしれないが、好きなところだけ読めばいいのではないかと思う。

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    2023年05月11日
  • 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(上)―――偶然を支配した男のギャンブルと投資の戦略

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    カードカウンティングの手法を作り上げ、カジノで理論を実証したことでも有名なエドワード・ソープの自叙伝。
    複数のカジノから出入り禁止になって、ウォール街に活動場所を移したところまでが描かれている。

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    2023年04月22日
  • ROCKONOMICS 経済はロックに学べ!

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    ネタバレ

    音楽業界を経済学をもとに分析。
    どうやって調べたのか、貴重な情報が盛りだくさん。
    興味深かったのは各国のGDPに対する音楽への支出。
    日本、イギリス、スウェーデンが音楽にたくさん
    お金を使い、逆に中国は使わない。
    そのような環境の中で中国で独自に進化する
    サブスクリプションモデルについての言及もあり。
    日本語訳が賛否両論あるかもしれないが
    これはこれで良いと思います。

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    2022年12月12日
  • バフェットとソロス勝利の投資学―――最強の投資家に共通する23の習慣

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    2022年74冊目。362ページ、累計20,387ページ。満足度★★★★☆

    1930年生まれの投資の世界の巨人バフェットとソロスの特徴(信念、行動、態度、意思決定の戦略)を分析することにより、一見対照的な2人に共通する「習慣」を浮き彫りにする。2005年出版と古いが、特に出版年月は意識せず読むことができるだろう。

    個別株に投資している人向け、初心者向けではない。経験者は「なるほど」と首肯する箇所多い

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    2022年12月07日
  • 超ヤバい経済学

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    地球温暖化から娼婦の話まで、前作よりも扱う題材が幅広く、興味深いものが多かった。

    特に猿に貨幣の概念を理解させる実験の話が面白い。貨幣の概念を理解し人間のような行動を取るようになる猿に驚愕した。

    前作でも少し思ったけど、統計では酔った人間に飲酒運転させるよりも、歩いて帰らせる方が事故に遭う可能性が高いので飲酒運転でも車で帰らせた方が実は安全、みたいな話は『ファクトフルネス』っぽい。

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    2022年06月02日
  • ROCKONOMICS 経済はロックに学べ!

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    音楽のビジネスが近年どのように変わってきたかを、研究結果を裏付けにしながら論証し、経済学の普遍的な事象を抽出する本。

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    2022年05月08日
  • ヤバい経済学〔増補改訂版〕―悪ガキ教授が世の裏側を探検する

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    誰にとって何がご褒美になってるかを元に仮説を立てる考え方は目から鱗。この考え方だと八百長やテストの不正など不謹慎と言われる問題も良い悪し抜きで判断できる。

    ズルして自責の念にかられてもご褒美がある仕組みに責任転嫁しても良い!と都合よく解釈してみよ。

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    2022年04月16日
  • 超ヤバい経済学

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    エンタメとして面白かった。
    特に面白かったのは、アメリカ男子の性風俗事情(過去)や、アメリカでは飲酒運転をした時の死亡率より、飲酒運転をしているドライバーに轢き殺される確率の方が高いことなど。

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    2022年04月02日
  • Adaptive Markets 適応的市場仮説―危機の時代の金融常識

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    長らく経済学の基本原則とされてきた「効率的市場仮説」。ホモ・エコノミクスとしての人間は、最も効率の良い方法で選択し、意思決定すると言うのもであるが、最後通牒ゲームやなどの結果やボランティアの行動が示すように、必ずしも効率的とな言えない面も多々あり、この原則が通用しないことも多い。これに代わる新たな原則として提案されたのが本書であり、過去の株式・債権取引等の実績、リーマンショックなどのブラックスワン的事例などを説明できるものとして語られている。確かに、人間と言っても動物のすることだから、進化論的・随時適応的な行動を原則とする考え方は理解できる。太刀川さんの進化思考にも共通する、納得できる説明が多

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    2022年03月29日
  • ROCKONOMICS 経済はロックに学べ!

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    音楽を聴きながら作業をすると人生の幸福度があがる。音楽はそんなにも本質的なんですよみなさん。山形さんからの望月さんwatcherとしては必読!

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    2022年01月12日
  • ヤバい経済学〔増補改訂版〕―悪ガキ教授が世の裏側を探検する

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    犯罪の減少は20年前の中絶合法化と相関しているとか、試験の点と強く相関している要因など、目から鱗の相関を教えてくれます。面白い。

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    2022年01月10日
  • 美貌格差―生まれつき不平等の経済学

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    経済学の視点から、美しいことが現実的にはどれだけ得なのかについて明らかにした一冊。

    イケメンや美人が経済的に得であることは、誰しも生きていれば感じることだと思う。ただ、どの程度の得があるのかまで理解している人は少ないのではないだろうか。

    実際に本書を読んで、考えていたよりも得は少ないようにボクは感じた。

    こういった現実と認識の違いというのは、ときに僕らの心を蝕むことがある。だからこそ、本書のように、実際はどうなのかという研究結果を知ることは大切なように思う。

    ただ、著者が主張するようなブサイクを社会システムによって保護するという考えには個人的には同意できなかった。データと分析結果だけを

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    2022年01月08日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    上巻に引き続き、タレブさんの過激な主張が続く。やや横道にそれ、官僚や専門家と言われる人々のポジショントークを批判する箇所が多いが、反脆弱性で説明できるところが面白い。「人々は確率や正しさではなく、脆さに基づいて意思決定をしているという切り口」「定義と説明を間違えないこと」「変化や多様性が大きくなりすぎてシステムに頼りすぎ、結果、分析も説明もできない」というのは、メガバンクのシステム障害などが典型例か。

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    2021年12月25日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    「ブラックスワン」のタレブさんの著書。できるだけ堅牢なシステムを作ろうとしたり、安全神話を信じてしまうことが多いが、「想定外=ブラックスワン」のことが起こると、予想以上の被害(あるいは利益)が発生することがある。これに対抗する唯一の術が「脆弱性」であるという説。毎年軽い風邪にかかった方が深刻な伝染病にかかりにくいとか、多少のプレッシャーやストレスがあった方が成長しやすいとか、日常にもこういった脆弱性を活用する「反脆弱性」のメリットが多いということ。言い換えると、変化を好むことこそが安定につながるということで、大企業とスタートアップの関係にも似る点が多く、参考になる。

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    2021年12月25日
  • ROCKONOMICS 経済はロックに学べ!

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    多くの人々にとって身近なロック/ポップ音楽が、ビジネスとしてどのように生み出され、流通しているのかを経済学の手法を用いて分析することにより、アートとしての価値が貨幣価値へと転換する仕組みや課題を明らかにした一冊。

    今日の音楽業界では音響、録音媒体、ストリーミングといった技術の発達に伴い、多くの顧客に低コストで商品を届けることができる「規模の経済性」が高まる中で、より差別化され非代替性のある一部のスーパースターがバンドワゴン効果によって市場を席巻する「勝者総取り」の傾向が強まっており、これには「需要と供給」バランス、コスト構造、価格差別、補完材といった伝統的な経済理論に加えて、「ファン心理」と

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    2021年08月18日
  • バフェットとソロス勝利の投資学―――最強の投資家に共通する23の習慣

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    投資をするにあたって、読んだ方がいい本やものがあるとは思わないし、ソロスのまず投資してみろというのは納得だが、読んだことによってプラスになる本はあると思う。それがこの一冊である。
    勝つための法則として23個あげている。基本的には投資だけでなく、全ての面で成功するためにはここに書かれていることと同じように、分析し、ダメなところは修正していくことだと思う。そしてゴールを明確にイメージすることで入り口と出口をはっきりさせる必要がある。
    自分の感覚も大事だが、法則に従って行動するというのはとても大事だし、初心者だからこそ徹底する必要があると思う。また、自分の行なっていることを真剣に考え、間違いがある時

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    2021年08月06日
  • Adaptive Markets 適応的市場仮説―危機の時代の金融常識

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    ファイナンスを学ぶ際に、空気のような存在として当然に前提とされる効率的市場仮説に対抗する理論として唱えられた適応的市場仮説。この本を手に取るまでは恥ずかしながら全く知らなかったのだが、進化論的観点からホモ・エコノミクスを捉える切り口は明快且つ納得感がある。

    一方で、金融市場とはこうである、という明示的な答えが示されているものではないので、各論は面白いものの読後感がすごくいい本でもない。また、規制に関する論考はどことなく筆者にも答えが出ていないような歯切れの悪さを感じた(私が筆者の主張を理解できるだけの能力がないだけかもしれないが)。各論の面白さを以てして充分に評価できるので、星は4つ。

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    2021年05月09日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    元旦早々読み終えました。だってね、テレビがあまりにも面白くないんで、本を読むくらいしかすることないですよ。

    さて、本書ですが、ところどころ難解なところはありますが、そうでないところはすんなりと理解&納得できました。会社やその他で付き合っている人に、本書で表わされるような人がいたりするんで、該当するパートはその人を思い浮かべながら読んでみたりしてね。

    あんまり、ガチガチに凝り固まって考えるのもよくないようですね。反脆いとは、強いとかの事ではないんですね。事柄に柔軟性をもって対応するというか、何と言うか。かといって、軟弱なわけでもないと。

    複雑なこの時代、柔軟性をもって対応するのは必要なスキ

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    2021年01月01日