望月衛のレビュー一覧
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⚫︎感想
タレブは、この著書自体で「反脆弱性」を体現している。意図してやっている。
この本は生きる勇気を与えてくれる。
頭の中に、常に反脆弱性を飼えば、
どんなときでも期待を持って生きられる。
脆弱の反対は頑強ではなく、「反脆弱」。
頑強(打たれ強い)とは全く異なる。
ランダム性や不確実性の打撃で
以前よりも強くなるのだ。
これは自然界にも、どこにでもみられる現象である、とタレブは語る。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
世界騒然の大ベストセラー!
『ブラック・スワン』のタレブ最高傑作!!
経済、金融から、人生、そして愛まで――。
この不確実な世界で私たちがいかに生きるべきか、
すべてに使える思考のものさし
「脆弱/頑健/反脆弱」をもとに解き明かす。
◆「万に一つ」が、明日来るーー。
世界最高の「知の巨人」が放つ最強の啓蒙書、ついに上陸
リーマン・ショック、アラブの春、
地震と津波、そして原発事故……。
昨日までは「ありえない」「絶対ない」と言われた事象が
今日、現実のものとなる不確実な世界。
ではどうすれば、ビジネスから、政治、医療、生活全般まで、
ランダムで、予測不能で、不透明で、物事を完璧に理解できない状況でも、
不確実性を味方につけ、したたかに生き延びていくことができるのだろう。
サブプライムローンに端を発する金融危機を喝破し、
ベストセラー『ブラック・スワン』で全世界に衝撃を与えてから10年。
世界最高の哲人タレブがついに見つけた「答え」、
それこそが、「反脆弱性(はんぜいじゃくせい)」だ。
「三つ組(トライアド)」で構成されるこの新しい「知」の本質を理解したとき、
あなたは不確実な環境にあっても、予測に頼らずに意思決定することができるだろう。 -
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「何に投資するか」という資産配分の分散投資はメジャーになってきました。しかし、「いつ(何年に)株式エクスポージャーを持つか」という時間配分の分散投資については、未だ主流ではありません。それを踏まえて、40歳くらいまでは現在持っている資金以上に株式投資をするべきだ、という趣旨の本です。
著者の主張する「ライフサイクル投資術」とは、①{現在の保有資金+将来もらえる賃金+年金(+相続)の割引現在価値}×個人が投資するべき割合(60%程度)の金額を人生を通じてずっと株式に投資するべき、ただし②レバレッジ比率の上限は2倍、という2つから成るものです。例えば、割引現在価値が3億円であれば、1.8億円は人生でずっと株に投資するべき、という主張です。現有資産が1.8億円を超えるまではレバレッジを掛けることになります。
その結果として、横軸を年齢、縦軸をレバレッジ比率とした時系列グラフは、
局面A:200%のレバレッジ(現有資産のすべてが株)
局面B:100%~200%のレバレッジ(現有資産のすべてが株)
局面C:100%以下の株式エクスポージャー(株以外の資産として著者は物価連動国債を推しています)
という3局面を示します(図表2.1、p62)。それぞれ、A:22~32歳くらい、B:32~37歳くらい、C:37歳以降~、というイメージです(注1)。
人間の資産には、①現在持っている資金、②将来もらえる賃金、③年金の3つが主にあります。投資家は目の前にある①の資産配分にこだわるものの、②③を考慮して資産運用をできていません。そこで、①にレバレッジをかけて運用します。著者は追証退場リスクを抑えるため、2倍のレバレッジに抑えて、特に30代前半までは運用するべきとしています。具体的な運用手段としては、S&P500連動ETFであるSPDRのDeep In The Moneyの3年先のLEAPコールオプションを薦めています。権利行使価格が現在の50%であるITMプレミアムは概ね原資産の50%であり、そのポジションはプレミアムの2倍であると考えられます。そのほかの運用手段としては、信用取引や証券担保ローン、レバ2倍ETF、CFDなども考えられますが、コストの安さやポジション管理の手間なども踏まえるとLEAPsがよいと指摘しています(注2)。
また、シラーPERが高い場合には先行き10年間の株のパフォーマンスは著しく低いため、株のポジションを下げる戦略の提案もしています。この戦略は、確かにパフォーマンスは上昇するものの、その「PERに応じたポジションをチューニングする」という戦略が、特に投資家のメンタルや持続可能性の面から実行可能かは検討するべきとしています(注3)。
なお、株式市場が上下した場合のリバランスの方向が、人生の局面に応じて違うという指摘も重要です。局面Aにおいては、レバレッジが上限に張り付いておりますので、破綻リスクを下げるため、株式市場に順張りのリバランスを行う(株価の低下に合わせてレバレッジを下げる、注4)ことが必要です。一方、局面B・Cにおいては、エクスポージャー金額を回復させるため、株式市場に逆張りのリバランスを行うことが必要です。
# 感想と注釈
注1:日本においては、個人向け国債の、変動10年が該当する印象です。もちろん米国の物国を買ってもいいともいます。
注2:日本においては、コールオプションの損益は上場株式の損益と通算できませんので、本当にオプションでいいのかは各人の状況に応じて調整するべきかと思います。また、日本の指数を原資産とするLEAPSは現時点では存在しないので、どうしてもS&P500となります。また、LEAPSの板の薄さは気を付けるべきかと思います。
注3:シラーPERが高まった1999年(1月時点で40.6)の後の10年の米株のパフォーマンスは確かに0%程度です。しかし、これはITバブルとリーマンショックの影響も拾っている数字であり、さすがに1999年のバリュエーションが2008年の市場に影響を与えるというのも直観的ではありませんので、そこまでこの図が大事とは思えません。事前に決めた株式ポジションを墨守して通常は株式市場を忘れておくのがよいかと思いました。
注4: 局面Aの順張りをどこまで毎日行うかはさまざま哲学があるかと思いますが、毎日行う場合、そのマニピュレーションはレバ2倍のブル投資信託と全く同じ運用戦略となります。レンジ相場においては減価するものとなります。
その他の感想:総じて、原典に忠実な和訳となっており、砕けた口調が続き、やや読みにくいですが、内容は非常に面白いです。絶版のようですが、再販してほしいです。
誤植:第4章p140第2パラグラフの「下げ」と「上げ」は逆のようです。 -
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バフェットとソロス 勝利の投資学 最強の投資家に共通する23の習慣
投資で成功するには手法以上に習慣が大切だと気づかされる一冊。
バフェットの長期バリュー投資とソロスの短期的マクロ投資は真逆だが、二人に共通する23の知的習慣がある。元本保全を第一にし、自分の理解できる投資に集中し、感情に流されず冷静に行動すること。独自の投資哲学を確立し、継続して自己研鑽する姿勢は投資だけでなく日常生活にも通じる。忙しい中でも自分のペースで学び、家族との時間も大切にしたい人に響く内容。特に「損しないことを最優先する」という原則は、子育て世代の父親にも共感されやすい。投資の技術だけでなく、心の持ちようを教えてくれる本だと感じた。 -
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現代社会は要素が多いため予測不可能になり、程度はあれ崩壊は避けられない
その状況下で、各分岐に対して破滅しない選択肢をとることでいずれリターン勝ちする、みたいな本
確率分布とリターンの分布次第やろと思ったし、
システム崩壊側にかけた時に実際にとれるリターンはいうほど無限大でもないやろと思ったりしたが
システムの崩壊は避けられないとしたときのリスクの取り方は考えさせられた
(リスク選好しつつ退場しないよう最低の保証を合わせる、という自分がふわっと好きな戦略はバーベル戦略という名前らしい)
著者は金融トレーダーらしいしもっと金融での具体例あれば信頼性増したような
医療や社会崩壊をネガに捉えてなかったりと、人間の完全な管理を是としない感じはかなり親近感と好感がもてた
自分が少数派の考え方である認識なので、
「自分の考えを行動に移さないやつはアホ」を実行できればと思う
主旨とは関係ないが、
労働意義が自分の中で消化できてないのは、エージェンシー問題が基準として重く正しく見えちゃってて、
自分が労働の受け手側になった時に、自然近辺のタスク以外を感謝してないからかもしれない
などと思ったり -
Posted by ブクログ
実験のできない経済学から、実地実験の経済学へ。問題は何か?(何が困りごとか。)のブレイクダウン、要素分解から、解決方法を探るためには、実地実験こそが大事だということ。重要なことは、インセンティブが何かを知ること。また、インセンティブ、いつ、誰に、どのように与えるかによって、結果が全く異なるということ。これは、実地実験を行い、コストをかけず成功例を見出すことが大事。特に、大企業では、これまでのやり方が踏襲され、実地実験をやりたいにも、承認待ちとなり、なかなか変革が起こらないのではないか。重要なことは、実地実験をする風土を作ること、風土を作るにはどのようなインセンティブ制度が必要かも、実地実験で確認することである。
これまで、経験が重要と言われてきたが、大事なことは、経験ではなく、実験なのではないか?ここは、新しい気づき。経験が大事ということについて、疑心があったが、実験が大事ということであれば、納得する。
自分が所属する企業、部署は実地実験の文化風土があるだろうか?実験というと、科学実験をイメージしがちだが、日常の行動経済学にも、そのような土壌があることを認識しているだろうか?
例として、イスラエルの保育園や人種による差別等。彼らはイデオロギーで差別しているのではなく、彼らに働くインセンティブによってそう行動している。すぐに結論づけるのではなく、何がインセンティブとして働くのか?しっかりと議論する必要があると学んだ。
テクニカル用語として、利得フレミングと損失フレミングがある。どっちが有効かは実験次第、だが、飴と鞭の使い分けが大事。前者は達成できたらお金を払う、後者は達成できなかったらお金を返金してもらう。という感じで。 -
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#インセンティブ次第でヒトの行動は大きく変わる
名前こそ『ヤバい経済学』だが、カテゴライズするとすれば心理学や行動経済学だと思う。
ヒトは無意識のうちに何かしらの「報酬」を期待して行動していることを再確認できる一冊。 `インセンティブ` とは 「ヒトにいいことをさせ、もっと悪いことをさせないようにする方法」と定義してある。
保育園に遅れてくる親から罰金をもらう話や、相撲の八百長の話。
そして、クラック売りの密売人に迫った臨場感溢れる分析は痺れる。
組織の福利厚生や社会福祉制度にも、もちろんインセンティブが設計されている。
制度を利用させることで、設計者が利用者に望んでいることが垣間見えるかもしれない。 -
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ネタバレずるいよ
市場仮説と金融経済の感じでいながら最後の最後で一挙に煽るなんて
まー本書の内容を私のような素人が運用に使えるようになるには少なくともあと10年、理論が整備されて一般向けの解説書が出ないと駄目だろうけど
しかし欧米の専門家はどうしてこんなに惹きつけるような文章が書けるのだろう。ライターが別にいる?いてもいいや
最先端の研究の表面だけだけでもたかだか数千円で味わえるのだものな
私は医学者でもドクターでもないから、ハーヴェイ・ロディッシュにはなれないけれどネットで技術記事を書いたり技術書の紹介をしたり、少しでも道を誤って世の中を良くする人を増やそう
うん
増やそう -
Posted by ブクログ
非常に面白い。
反脆弱性、反脆さは耐久力や頑健さを超越する。衝撃を糧にする。
土地の反脆弱性について。著者の故郷であるベイルートは8回破壊され、8回再建したらしい。今回の爆発で、9回目ということか。
人間の反脆弱性について。心的外傷後成長。心的外傷後ストレス障害とは逆で、過去の出来事で心に傷を負った人々が、それまでの自分より強くなるという現象。
逆に、脆さについて。暇な人は時間を無駄にしてしまう、忙しい人はどんどん仕事をこなす。怠惰が人をダメにする。
システムが反脆ければ、事故やトラブルによってシステムは強くなる。飛行機事故によって、飛行機業界全体は同じ事故のリスクを減らすことができる。経済は巨大な一つのシステムになっているので、連鎖倒産などが起こる。つまり経済のシステムは反脆くない。
物事を決めるときに、いくつも理由があるときは、それをしないほうがいい。理由をいくつも挙げて自分を説得しようとしているからだ。これは人生において使えると感じた。
この本を読んで、多くの人が思うことを自分も思った。
これからは反脆く生きよう、と。
人はいくらでも強くなれる。その意思があれば。