望月衛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
経済学の視点から、美しいことが現実的にはどれだけ得なのかについて明らかにした一冊。
イケメンや美人が経済的に得であることは、誰しも生きていれば感じることだと思う。ただ、どの程度の得があるのかまで理解している人は少ないのではないだろうか。
実際に本書を読んで、考えていたよりも得は少ないようにボクは感じた。
こういった現実と認識の違いというのは、ときに僕らの心を蝕むことがある。だからこそ、本書のように、実際はどうなのかという研究結果を知ることは大切なように思う。
ただ、著者が主張するようなブサイクを社会システムによって保護するという考えには個人的には同意できなかった。データと分析結果だけを楽しく読ませてもらった感じ。 -
Posted by ブクログ
「ブラックスワン」のタレブさんの著書。できるだけ堅牢なシステムを作ろうとしたり、安全神話を信じてしまうことが多いが、「想定外=ブラックスワン」のことが起こると、予想以上の被害(あるいは利益)が発生することがある。これに対抗する唯一の術が「脆弱性」であるという説。毎年軽い風邪にかかった方が深刻な伝染病にかかりにくいとか、多少のプレッシャーやストレスがあった方が成長しやすいとか、日常にもこういった脆弱性を活用する「反脆弱性」のメリットが多いということ。言い換えると、変化を好むことこそが安定につながるということで、大企業とスタートアップの関係にも似る点が多く、参考になる。
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Posted by ブクログ
多くの人々にとって身近なロック/ポップ音楽が、ビジネスとしてどのように生み出され、流通しているのかを経済学の手法を用いて分析することにより、アートとしての価値が貨幣価値へと転換する仕組みや課題を明らかにした一冊。
今日の音楽業界では音響、録音媒体、ストリーミングといった技術の発達に伴い、多くの顧客に低コストで商品を届けることができる「規模の経済性」が高まる中で、より差別化され非代替性のある一部のスーパースターがバンドワゴン効果によって市場を席巻する「勝者総取り」の傾向が強まっており、これには「需要と供給」バランス、コスト構造、価格差別、補完材といった伝統的な経済理論に加えて、「ファン心理」といった情緒による意思決定などの行動経済学的要素、さらには偶発的な運の力も大きく影響していると著者は分析する。
”青春時代の思い出”や”ここ一番の集中したい時”といった形で人々の感情に作用し、時に社会的ムーブメントにもつながるほどに大きな本質的価値を考慮すれば、著者は音楽の経済的価値は相対的に低く、とても「お買い得な商品」であり、昨今のコンサートチケットの高騰や価格差別はこのギャップを埋める動きとして理解を示す。多くの観点が詰め込まれすぎて冗長感はあるが、データに基づく分析は読み応えがある。
「うちの業界は特殊だから」と言って、経済学や経営学の「定石」が適用できない理由にする人は多いが、音楽業界こそ「特殊な業界」の一つであり、その業界をしっかりと「定石」を使って分析することで、「何がどのように特殊なのか、それがどこに、どのように影響を及ぼしているのか」がより明確になり、そこから、より汎用的に適用できる示唆が得られるという意味で興味深い。一点だけ欲を言えば、著作権の議論においてブロックチェーンに関する言及がないのが残念。本書上梓後に他界した著者が存命ならば是非見解を聞いてみたかった。 -
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投資をするにあたって、読んだ方がいい本やものがあるとは思わないし、ソロスのまず投資してみろというのは納得だが、読んだことによってプラスになる本はあると思う。それがこの一冊である。
勝つための法則として23個あげている。基本的には投資だけでなく、全ての面で成功するためにはここに書かれていることと同じように、分析し、ダメなところは修正していくことだと思う。そしてゴールを明確にイメージすることで入り口と出口をはっきりさせる必要がある。
自分の感覚も大事だが、法則に従って行動するというのはとても大事だし、初心者だからこそ徹底する必要があると思う。また、自分の行なっていることを真剣に考え、間違いがある時はすぐに認めるというのはスポーツの世界でも一緒だと感じる。
ここでは本も多く紹介されるので、読んでいきたい。 -
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ファイナンスを学ぶ際に、空気のような存在として当然に前提とされる効率的市場仮説に対抗する理論として唱えられた適応的市場仮説。この本を手に取るまでは恥ずかしながら全く知らなかったのだが、進化論的観点からホモ・エコノミクスを捉える切り口は明快且つ納得感がある。
一方で、金融市場とはこうである、という明示的な答えが示されているものではないので、各論は面白いものの読後感がすごくいい本でもない。また、規制に関する論考はどことなく筆者にも答えが出ていないような歯切れの悪さを感じた(私が筆者の主張を理解できるだけの能力がないだけかもしれないが)。各論の面白さを以てして充分に評価できるので、星は4つ。
アルファの探求の為の金融手法の進化は留まることを知らず、ついこの間までアルファを生み出していた手法が一般的になると市場はより効率的になっていく。それでもアルファを生み出す更に高度な手法が開発されていく。一方で環境に適応しすぎたプレイヤーは環境の変化に耐えきれず絶滅していく・・・。
金融市場の参加者を生物のように捉え、各参加者の判断に幾ばくかのバイアスがあるものとして考えると、金融市場は非常に人間くさいものに見えてくる。ハワード・マークスなんかはとっくの昔からそうやってマーケットを見ているのだろうと想像するが、彼の思考の断片を覗き見るだけの存在である私には到底たどり着くことの出来ない世界である。でも、適応的市場仮説というレンズを通してマーケットを見てみると、ほんの少しだけハワードの思考に近づけるような気がした。
あと、一般的な感想として、学問もビジネスも「思考の速さ」で発展していくので、学びを止めてはいけないなと強く思った。空気のように存在する効率的市場仮説を理解することは重要だが、それを絶対として捉えていては見えてくるものも見えてこない。今後もベースの知識を持ちながらも新たな考え方には常に触れていたいと強く思った。 -
Posted by ブクログ
元旦早々読み終えました。だってね、テレビがあまりにも面白くないんで、本を読むくらいしかすることないですよ。
さて、本書ですが、ところどころ難解なところはありますが、そうでないところはすんなりと理解&納得できました。会社やその他で付き合っている人に、本書で表わされるような人がいたりするんで、該当するパートはその人を思い浮かべながら読んでみたりしてね。
あんまり、ガチガチに凝り固まって考えるのもよくないようですね。反脆いとは、強いとかの事ではないんですね。事柄に柔軟性をもって対応するというか、何と言うか。かといって、軟弱なわけでもないと。
複雑なこの時代、柔軟性をもって対応するのは必要なスキルですね。 -
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非常に面白い。
反脆弱性、反脆さは耐久力や頑健さを超越する。衝撃を糧にする。
ベイルートは8回破壊され8回再建したらしい。今回の爆発で、9回目と言うことか。
心的外傷後成長。心的外傷後ストレス障害とは逆で、過去の出来事で心に傷を負った人々が、それまでの自分より強くなると言う現象。
暇な人は時間を無駄にしてしまう、忙しい人はどんどん仕事をこなす。怠惰が人をダメにする。
システムが反脆ければ、事故やトラブルによってシステムは強くなる。飛行機事故によって、飛行機業界全体は同じ事故のリスクを減らすことができる。経済は巨大な一つのシステムになっているので、連鎖倒産などが起こる。つまり経済のシステムは反脆くない。 -
Posted by ブクログ
負の外部性の話。
全体として負であることがわかっていても、個々の人間の行動を改めさせることは難しい。
温暖化の話は面白い。
外部性により、一人一人の行動は小さいものでも70億人分のコストとなり重くのしかかる。
また例え温室効果ガスの排出をやめても経済への打撃がすごいだけではなく、即効性がない。
さらに気候には責任の所在をつけにくい。
つまりやめるインセンティブがないに等しい。
一方、温暖化の対処法もありそうで、亜硫酸ガスを成層圏に放出するだけで解決する見込みが高い。
止め方がわからないのではなく、止めたくないから温暖化は進行しているらしい。 -
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「ブラックスワン」の提唱者として有名なリスク工学の研究者であり、トレーダーや哲学者の顔も持つ著者が、社会や経済がリスクを予測して回避するよりも、むしろリスクを活用して強くなる「反脆弱性」を養うことの必要性を説いた啓発書。
過度な医療行為が免疫力低下による大病を招いたり、森林環境の人工的な管理が破壊的な山火事につながるのと同様、企業の経済活動や社会システムにおいても、「リスクは予測可能であり、回避すべきものである」という思い込みは、むしろ不確実性と複雑性の高い状況で、大規模な金融危機のような予測不能な事態(ブラックスワン)が発生した際にシステム全体の破綻を招く脆弱性を助長する。
著者は、リスクを予測しようと無駄な努力をするよりも、むしろ許容可能なリスクや失敗は学習の糧として積極的に取ると同時に、ブラックスワンの発生がプラスに作用するオプションを確保することで、単にリスクに対して頑健なのではなく、リスクを活用して更に強くなる「反脆さ」を身に着けるべきであり、それは目的論に基づく学術的な理論ではなく、実践的な経験値として試行錯誤を通じてのみ獲得できると主張し、今日の科学偏重の風潮に警鐘を鳴らす。
著者はまた、自らは”身銭を切る”、つまりリスクを負うことなく、ダウンサイドを他者に押し付けて無償で利得を得る学者や大企業を舌鋒鋭く批判しており、このような著者のエスタブリッシュメント層に対する極度に批判的な論調、少々ウィットの効き過ぎた冗長的な表現、それに耳慣れない「反脆弱性」というタイトルが本書を分かりにくくしている面は否めない。とはいえ、著者の主張自体は正論であり、トレーダーとしての実務経験に裏打ちされた実践的な哲学には耳を傾ける価値がある。社会・経済システムというマクロな視点とともに、リスクテイクという観点から読者自身の今後のキャリアや人生をも再考する機会になり得る良書。 -
Posted by ブクログ
「ブラックスワン」の提唱者として有名なリスク工学の研究者であり、トレーダーや哲学者の顔も持つ著者が、社会や経済がリスクを予測して回避するよりも、むしろリスクを活用して強くなる「反脆弱性」を養うことの必要性を説いた啓発書。
過度な医療行為が免疫力低下による大病を招いたり、森林環境の人工的な管理が破壊的な山火事につながるのと同様、企業の経済活動や社会システムにおいても、「リスクは予測可能であり、回避すべきものである」という思い込みは、むしろ不確実性と複雑性の高い状況で、大規模な金融危機のような予測不能な事態(ブラックスワン)が発生した際にシステム全体の破綻を招く脆弱性を助長する。
著者は、リスクを予測しようと無駄な努力をするよりも、むしろ許容可能なリスクや失敗は学習の糧として積極的に取ると同時に、ブラックスワンの発生がプラスに作用するオプションを確保することで、単にリスクに対して頑健なのではなく、リスクを活用して更に強くなる「反脆さ」を身に着けるべきであり、それは目的論に基づく学術的な理論ではなく、実践的な経験値として試行錯誤を通じてのみ獲得できると主張し、今日の科学偏重の風潮に警鐘を鳴らす。
著者はまた、自らは”身銭を切る”、つまりリスクを負うことなく、ダウンサイドを他者に押し付けて無償で利得を得る学者や大企業を舌鋒鋭く批判しており、このような著者のエスタブリッシュメント層に対する極度に批判的な論調、少々ウィットの効き過ぎた冗長的な表現、それに耳慣れない「反脆弱性」というタイトルが本書を分かりにくくしている面は否めない。とはいえ、著者の主張自体は正論であり、トレーダーとしての実務経験に裏打ちされた実践的な哲学には耳を傾ける価値がある。社会・経済システムというマクロな視点とともに、リスクテイクという観点から読者自身の今後のキャリアや人生をも再考する機会になり得る良書。