望月衛のレビュー一覧

  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    「貧子は困苦に当って、己れを鍛練し
     富子は安逸に流れ、己れを柔弱にする」

     ここには、本書のテーマの「反脆さ」という概念が
     表現されてるように思いますね。

    ◇久しぶりに、自身の考え方に影響を与えてくれる
     本に出会えました。

     著者の前2作から、本書も、その延長だろうと
     たかをくくってましたが、全く違いました。

     前2作(『まぐれ』『ブラック・スワン』)は
     本書の一パーツにしか過ぎませんでした。

    ◇本書は「反脆さ」という概念についての本です。

     もろいの反対なのですが、その概念を表す語句が存在しません。
     (「もろくない」や「頑健」ではない)

     「雨降って、地固まる」
     

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    2020年01月25日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    「まぐれ」「ブラックスワン」のタレブの本。

    この人の本は久し振りに読んだけど相変わらずのキレキレ。文句なしにおもしろい。


    反脆弱性の概念は一見分かりにくいのだが、

    ながーい上下巻を通してイヤと言うほどエッセンスを語られるのでおぼろげながらも言いたいことは掴めてくる。


    今まで教えられてきたリスクの観念とか、

    投資の観念からは際立って異なるかんがえかたなので、

    タレブの言っていることは頭では理解できるものの、

    どこまで実践できるかというとなかなか難しい。

    でも、今後本を読む際に、批判的な見方やタレブ的な見方をする事もすごく大事という観点をもてたのは良かったと思う。


    ブラック

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    2019年11月10日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    「まぐれ」「ブラックスワン」のタレブの本。

    この人の本は久し振りに読んだけど相変わらずのキレキレ。文句なしにおもしろい。


    反脆弱性の概念は一見分かりにくいのだが、

    ながーい上下巻を通してイヤと言うほどエッセンスを語られるのでおぼろげながらも言いたいことは掴めてくる。


    今まで教えられてきたリスクの観念とか、

    投資の観念からは際立って異なるかんがえかたなので、

    タレブの言っていることは頭では理解できるものの、

    どこまで実践できるかというとなかなか難しい。

    でも、今後本を読む際に、批判的な見方やタレブ的な見方をする事もすごく大事という観点をもてたのは良かったと思う。


    ブラック

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    2019年11月10日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    上巻につづき、おすすめの本です。

    七面鳥問題というものがあります。
    七面鳥はかいがいしく世話をしてくれる飼い主からの愛を毎日感じて生きています。今まで毎日受けている世話という"データ"によると、今後もずっとこの幸せな生活が続くことが予測できる、と七面鳥は考えました。この幸せが終わりを告げる、という証拠はどこを探しても見つからないのですから。しかしクリスマスイブがやってくると、七面鳥は屠殺されて飼い主の食卓に並びましたとさ。

    著者は、今までのデータを元にして今後を予測するのはとても困難であることの例として、この七面鳥問題を挙げています。"証拠がない"こ

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    2020年05月03日
  • 天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す(上)―――偶然を支配した男のギャンブルと投資の戦略

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     これが世にいうGIFTEDというものなのだろう。生まれた家庭はあまり裕福ではなかったようだが、高い知的な能力と、それを存分に必要とする膨大な知的な好奇心を指針として、エドワード・ソープは大成功を収めていく。

     ギャンブルにせよ、株式市場のデリバティブにせよ、過去の例を踏まえたうえで自身の頭で考えきり今まで人が到達しえなかったアプローチへと辿り着く。そのプロセスが行われるのは自分が他から抜きんでた能力を持ち、誰よりもうまくやれるという自信が根底にあるからだろう。

    誰しもがこれほどの能力と運に恵まれて生まれるわけではないが、自信と能力を指針として人生を切り拓いていく生き方にはぜひ近づきたい。

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    2019年09月03日
  • ヤバい経済学〔増補改訂版〕―悪ガキ教授が世の裏側を探検する

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    人はインセンティブで動く、という指摘が秀逸。決して合理的に動くのではない。行動経済学というか心理学ともいえる内容。インセンティブは「経済的」「 社会的」「 道徳的」の3つと書かれているが、まあ、この説もうなずける。

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    2019年04月03日
  • 超ヤバい経済学

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    これは面白い。
    ネタは海外のものばかりだがそうだったのか!と思わされる内容。
    明石家さんまの「ホンマでっかTV」的でスイスイ読める。

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    2018年10月25日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    ネタバレ

    とても示唆に富む本なのだけど、色々考えてしまって進みませんでした。でも、もう少し通して理解しないといけない内容でした。自分もモデルを作っていたからわかるけど、モデルは基本的に線形結合。特に一昔前の多変量解析は線形推定検定論以外の何物でもない。ただ、こうした推論で行くと、どうしてもテールの事象、すなわち出現確率が小さくて、でも起こった時のエクスポージャーが大きなものは過小評価されてしまう。特に損失期待値などを出そうものなら、頻度の小ささでエクスポージャーの大きさを見失ってしまう。ただ、テール事象は思ったほど起こらないことではない。そして起こった時に関連性があって、連鎖的に起こる事象も無視できない

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    2018年10月14日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    ネタバレ

    脆いもの=脆弱性、環境変化の影響を受けないもの=頑健性というのが従来の議論。自分もそうだけど頑健なものが良いことのように思っていたけど、この反脆弱性というのは変化を取り込んで良い方向に向けるということかな。もちろん変化をすべてポジティブに変えることはできないけど、小さな失敗はむしろ良しとして、むしろ大きな変化からは大きなリターンを得ることが反脆弱性。

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    2018年10月14日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    セネカの非対称性の思想やマット・リドレー引用箇所の非線形性のメリットを捉える事ができれば不確実な現代社会でも十分生きていけるのかもしれないが実践することはそんなに簡単ではない事を注意すべきか。技術が科学よりも先に来るという捉え方には大いに納得できた。大変面白かった。

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    2018年08月14日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    グイグイくるタレブ節は病みつきになる。移り変わりの激しい不確実な現代を渡り歩くには頑健だけでは不十分で逆境を成長の糧にする反脆さが重要であると説く。ブラックスワンやまぐれに魅了されタレブの新作を読み始めたが、期待以上だった。

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    2018年08月13日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    ひょっとすると、バイブルになるかもしれない書。世の中論理的に判っていることは少なくて、ほとんどは実践的に体系つけられてきた。論理的なシステムは論理が破綻したら脆く(脆弱)、論理が破綻しても壊れないぐらい強いもの(頑強)を対義語と考える人が多いが、本当の対義語は論理が破綻したとき(ブラックスワンがが舞い降りた時)さらに飛躍する(反脆弱)システムを指す。ブラックマンデーで儲かった人たちこそ反脆弱である。ある予想に対して実際は非対称な分布を持つものを探し(ほとんどがそうだ!正規分布なんてそれほどない)確率は低いが 論理学者が思っているほどは低くない事象に賭ける(もちろん全額ではなく、一部)と将来安泰

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    2017年11月04日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    本書で語られる基本的な概念については、前作「ブラック・スワン」とそこまで大きく変わるものではない。ただ、本書が前作と大きく異なっているのは、不確実性と倫理に関する問題である。

    本書では、不確実性をうまく利用して、自らはダウンサイドのリスクを取らずにアップサイドの果実だけを手に入れるような存在が徹底的に否定される。その根底には、そうした存在が倫理的な観点から許されざるものである、という著者の強い意志がある。

    腹を切って死ぬべきなのは誰か?そろそろ血が流されるべきなのかもしれない。自戒の念も込めて。

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    2017年10月21日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    名著『ブラック・スワン』で「一度発生すればカタストロフィをもたらすが、人間には決して予測できない」事象を「ブラック・スワン」と名付け、不確実性の高い世界を予測・コントロールしたいという人間の取り組みがムダであることを暴いた著者が、その後に実際に発生した2つのブラック・スワンである、リーマンショックと東日本大震災による福島原発問題を踏まえながら、不確実な世界を生き延びるための唯一の考え方・方法論をまとめたのが本作となる。

    上巻では、本書のキーコンセプトである反脆弱性という概念の説明と、半脆弱性を持つことがブラック・スワンのような事象に対する唯一の対策であることを示しながら、その具体的な考え方が

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    2017年10月15日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    『THE SINGULARITY IS NEAR』の著者レイ・カーツワイル氏のことを、タレブ氏は「対極にある」(要は「嫌い」)と言っているが、私は両者とも大好きで現代を象徴する思想家であり実践家だと思う。タレブ氏は連続性を断絶させる不確実性を「ブラック・スワン」という概念を以って説明してみせたが、本書ではさらに昇華し、「反脆弱性」という新語を用いて非線形におけるダウンサイドとアップサイドの非対称性を見事に解き明かす。

    タレブ氏の発言はやや棘があり誤った認識も見受けられるが、無責任で言いっぱなしのエージェンシーたちへの痛烈な批判は痛快だ。ダウンサイドが限定的かつオプション性がありアップサイドが

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    2017年09月26日
  • その問題、経済学で解決できます。

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    子供に勉強のやる気を起こさせるためにはどうしたらよいだろう。
    寄付金をより多く集めるにはどうしたらよいだろう。
    新車を安く買うためにはどうしたらいいだろうか。
    訪問販売でより多く売るためにはどのようにしたらよいだろうか。
    社員のパフォーマンスを上げるためにはどうしたらよいだろうか。

    こんな疑問は日常生活でもよく考えると思う。
    これらに対する回答は、昔ながらの迷信や習慣ではなく、科学ー特に実験に基づく行動経済学ーによって与えることができるし、そうあるべきである。

    最近はビッグデータという手法が流行っているが、こちらは非常に大きい(ビッグ!)データ群から相関関係を主とした分析を行う。ここで注目

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    2016年02月19日
  • その問題、経済学で解決できます。

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    UC San DiegoのRady School of Management教授のUri Gneezy師の著作。学術的にも実務的にも面白い。この本もっと日本でブレークしても面白いと思う。ベンチャーが事業開発にとって必要な「実験」の組み立て、この分野、サンディエゴと日本のビジネス連携でも、色々と仕掛けていける可能性があるのではないかと思います。

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    2015年05月04日
  • その問題、経済学で解決できます。

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    いわゆる「ビッグデータ」から求められた結果がただの相関関係であるのか、因果関係であるのかは判断するのが難しい。多くの場合ビッグデータを元に解析された結果というのは相関関係であることが多く、且つもっともらしいので因果関係があるとたやすく誤解されやすい。
    著者達は、この誤解を行わず正しい結果から正しい答えを出すために、実社会、実経済の中で実験を行い実際の因果関係を解き明かしていく。

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    2014年11月24日
  • その問題、経済学で解決できます。

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    「子どもの成績を上げるには?」「保育園のお迎えの遅刻をなくすには?」「恵まれない子に寄付してもらうには?」といった課題に対して、どのような仕組みを講じれば成果が最大化するのかについて検証、解説したもの。結局インセンティブをどう設計するかなのだが、誰に、いつ、どのように仕向けるかという工夫を、世の中の人々はあまり考えていないようである。地域活性や社会問題の解決等、この点を考慮することで成果があがるだろうということがたくさんあり、一読に値する。

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    2014年10月26日
  • 超ヤバい経済学

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    一言で言うと、人はインセンティブで動く。もう一言付け足すならば、直観に反していたとしても、それは見えなかったインセンティブが働いていたせい。
    前著とテーマは変わらずネタが増えただけだが、そのクオリティに劣るところはない。テレビの普及により進む女性の社会進出、女性の社会進出による教師の能力の低下、酔っぱらい運転と酔っぱらい歩きの危険性の比較、売春婦のインセンティブと政策の失敗、テロの経済的効率と統計によるテロリストの見つけ方、選択バイアスを除外した医者の評価方法、地球温暖化とエコ信仰、売春するサル。
    どれも一級の面白さであるが、どれか1つを勧めるならば、間違いなく地球温暖化の章を選ぶ。なるほどと

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    2018年10月20日