【感想・ネタバレ】反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年12月18日

4年ぶりに再読。
将来の事は誰も予測できないので、将来を予想して計画を立てて安定するよう管理するよりも、ある程度の変動はある物と考え、変化に耐えられるよう備えていく方が結果的に良くなる事を、種々事例をあげつつ、前者を実践している実在の人物を批判している本。
ボリュームは多く、事例説明が多いので中々読...続きを読むみにくい感はあるが、自分が実際に感じ取っている事と似通っているので、この本の主張は正しいと私は思います。
この後ようやく下巻に入るが、時間をかけて読み進めていきたいと思う。

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Posted by ブクログ 2020年01月25日

「貧子は困苦に当って、己れを鍛練し
 富子は安逸に流れ、己れを柔弱にする」

 ここには、本書のテーマの「反脆さ」という概念が
 表現されてるように思いますね。

◇久しぶりに、自身の考え方に影響を与えてくれる
 本に出会えました。

 著者の前2作から、本書も、その延長だろうと
 たかをくくってま...続きを読むしたが、全く違いました。

 前2作(『まぐれ』『ブラック・スワン』)は
 本書の一パーツにしか過ぎませんでした。

◇本書は「反脆さ」という概念についての本です。

 もろいの反対なのですが、その概念を表す語句が存在しません。
 (「もろくない」や「頑健」ではない)

 「雨降って、地固まる」
 の諺は、この概念を表しているかもしれませんね。

 もっと言うなら、雨が降らないと、地面は固まらない、
 といったところでしょうか。

◇ダニエル・カーネマンの言うように
 世界観を変えてくれる本のように思います

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Posted by ブクログ 2019年11月10日

「まぐれ」「ブラックスワン」のタレブの本。

この人の本は久し振りに読んだけど相変わらずのキレキレ。文句なしにおもしろい。


反脆弱性の概念は一見分かりにくいのだが、

ながーい上下巻を通してイヤと言うほどエッセンスを語られるのでおぼろげながらも言いたいことは掴めてくる。


今まで教えられてきた...続きを読むリスクの観念とか、

投資の観念からは際立って異なるかんがえかたなので、

タレブの言っていることは頭では理解できるものの、

どこまで実践できるかというとなかなか難しい。

でも、今後本を読む際に、批判的な見方やタレブ的な見方をする事もすごく大事という観点をもてたのは良かったと思う。


ブラックスワンよりだいぶ難しい気がするので、

タレブファンにはオススメ。いきなりこれから読むと面食らうかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年10月14日

脆いもの=脆弱性、環境変化の影響を受けないもの=頑健性というのが従来の議論。自分もそうだけど頑健なものが良いことのように思っていたけど、この反脆弱性というのは変化を取り込んで良い方向に向けるということかな。もちろん変化をすべてポジティブに変えることはできないけど、小さな失敗はむしろ良しとして、むしろ...続きを読む大きな変化からは大きなリターンを得ることが反脆弱性。

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Posted by ブクログ 2018年08月13日

グイグイくるタレブ節は病みつきになる。移り変わりの激しい不確実な現代を渡り歩くには頑健だけでは不十分で逆境を成長の糧にする反脆さが重要であると説く。ブラックスワンやまぐれに魅了されタレブの新作を読み始めたが、期待以上だった。

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Posted by ブクログ 2017年11月04日

ひょっとすると、バイブルになるかもしれない書。世の中論理的に判っていることは少なくて、ほとんどは実践的に体系つけられてきた。論理的なシステムは論理が破綻したら脆く(脆弱)、論理が破綻しても壊れないぐらい強いもの(頑強)を対義語と考える人が多いが、本当の対義語は論理が破綻したとき(ブラックスワンがが舞...続きを読むい降りた時)さらに飛躍する(反脆弱)システムを指す。ブラックマンデーで儲かった人たちこそ反脆弱である。ある予想に対して実際は非対称な分布を持つものを探し(ほとんどがそうだ!正規分布なんてそれほどない)確率は低いが 論理学者が思っているほどは低くない事象に賭ける(もちろん全額ではなく、一部)と将来安泰になるかもしれない みたいな主張である。
いろいろなオプションを考え、バーベル戦略:オプションの両極端に両方投資するを行う。片方は上限なく儲かり、片方は損失の上限が限定される。

ちょっと違った角度で言うと、論理的にみえるビジネスプランに投資するのではなく、人に投資しろ 

医者の論理は、合理的なものだが、経験によるものを否定することもある。現代医学が新しい病気を産む(医源病)こともるのだ

等が 上巻での結論かな?

下巻に期待

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Posted by ブクログ 2017年10月15日

名著『ブラック・スワン』で「一度発生すればカタストロフィをもたらすが、人間には決して予測できない」事象を「ブラック・スワン」と名付け、不確実性の高い世界を予測・コントロールしたいという人間の取り組みがムダであることを暴いた著者が、その後に実際に発生した2つのブラック・スワンである、リーマンショックと...続きを読む東日本大震災による福島原発問題を踏まえながら、不確実な世界を生き延びるための唯一の考え方・方法論をまとめたのが本作となる。

上巻では、本書のキーコンセプトである反脆弱性という概念の説明と、半脆弱性を持つことがブラック・スワンのような事象に対する唯一の対策であることを示しながら、その具体的な考え方が示される。我々はつい「脆弱さ」に対して、その対義的な概念である「頑健さ」を志向してしまいがちであるが、ブラックスワンのような事象に対して、いくら頑健さを誇ったところで、崩壊のスピードを僅かに遅くする程度の効果しか得られない。むしろ、衝撃を自らの進化のために利用してしまうような「反脆弱さ」こそが重要であり、その例として、適度なストレスにより成長するような人体組織などが挙げられる。

購入してから読むまでにだいぶ時間が空いてしまったが、いったんページを開いてしまえば400ページの上巻を一気に読み通してしまった。衒学的かつブラックユーモア溢れる文体は顕在。引き続き下巻が楽しみでならない。

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Posted by ブクログ 2024年04月15日

非常に本質的なものとして
利益に上限があり、損失が無限に欠けるのではなく
損失は限定でも、利益の可能性は無限にベットする
これがこの本の本質ではないか
金持ちはこれを実行しているのであろう

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Posted by ブクログ 2023年05月11日

antifragile(反脆い)という新概念をものすごく丁寧に、体に染み込ませるように教えてくれる1冊。冗長と感じる人もいるかもしれないが、好きなところだけ読めばいいのではないかと思う。

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Posted by ブクログ 2021年12月25日

「ブラックスワン」のタレブさんの著書。できるだけ堅牢なシステムを作ろうとしたり、安全神話を信じてしまうことが多いが、「想定外=ブラックスワン」のことが起こると、予想以上の被害(あるいは利益)が発生することがある。これに対抗する唯一の術が「脆弱性」であるという説。毎年軽い風邪にかかった方が深刻な伝染病...続きを読むにかかりにくいとか、多少のプレッシャーやストレスがあった方が成長しやすいとか、日常にもこういった脆弱性を活用する「反脆弱性」のメリットが多いということ。言い換えると、変化を好むことこそが安定につながるということで、大企業とスタートアップの関係にも似る点が多く、参考になる。

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Posted by ブクログ 2020年12月26日

正直、ところどころ難解に感じるところもあるが、全体通してみると非常に納得できる話になっている。って言うか、本書で取り上げられている事例に該当するような、同僚、上司がいたりして「あー、なるほどな」と思うこと少なからず。

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Posted by ブクログ 2020年09月04日

非常に面白い。

反脆弱性、反脆さは耐久力や頑健さを超越する。衝撃を糧にする。

ベイルートは8回破壊され8回再建したらしい。今回の爆発で、9回目と言うことか。

心的外傷後成長。心的外傷後ストレス障害とは逆で、過去の出来事で心に傷を負った人々が、それまでの自分より強くなると言う現象。

暇な人は時...続きを読む間を無駄にしてしまう、忙しい人はどんどん仕事をこなす。怠惰が人をダメにする。

システムが反脆ければ、事故やトラブルによってシステムは強くなる。飛行機事故によって、飛行機業界全体は同じ事故のリスクを減らすことができる。経済は巨大な一つのシステムになっているので、連鎖倒産などが起こる。つまり経済のシステムは反脆くない。

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Posted by ブクログ 2020年02月24日

「ブラックスワン」の提唱者として有名なリスク工学の研究者であり、トレーダーや哲学者の顔も持つ著者が、社会や経済がリスクを予測して回避するよりも、むしろリスクを活用して強くなる「反脆弱性」を養うことの必要性を説いた啓発書。

過度な医療行為が免疫力低下による大病を招いたり、森林環境の人工的な管理が破壊...続きを読む的な山火事につながるのと同様、企業の経済活動や社会システムにおいても、「リスクは予測可能であり、回避すべきものである」という思い込みは、むしろ不確実性と複雑性の高い状況で、大規模な金融危機のような予測不能な事態(ブラックスワン)が発生した際にシステム全体の破綻を招く脆弱性を助長する。

著者は、リスクを予測しようと無駄な努力をするよりも、むしろ許容可能なリスクや失敗は学習の糧として積極的に取ると同時に、ブラックスワンの発生がプラスに作用するオプションを確保することで、単にリスクに対して頑健なのではなく、リスクを活用して更に強くなる「反脆さ」を身に着けるべきであり、それは目的論に基づく学術的な理論ではなく、実践的な経験値として試行錯誤を通じてのみ獲得できると主張し、今日の科学偏重の風潮に警鐘を鳴らす。

著者はまた、自らは”身銭を切る”、つまりリスクを負うことなく、ダウンサイドを他者に押し付けて無償で利得を得る学者や大企業を舌鋒鋭く批判しており、このような著者のエスタブリッシュメント層に対する極度に批判的な論調、少々ウィットの効き過ぎた冗長的な表現、それに耳慣れない「反脆弱性」というタイトルが本書を分かりにくくしている面は否めない。とはいえ、著者の主張自体は正論であり、トレーダーとしての実務経験に裏打ちされた実践的な哲学には耳を傾ける価値がある。社会・経済システムというマクロな視点とともに、リスクテイクという観点から読者自身の今後のキャリアや人生をも再考する機会になり得る良書。

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Posted by ブクログ 2020年02月12日

前半微妙だったけど、後半畳み掛けるように面白かった
口は悪いけど、反脆弱性という概念はとても面白いと思う

下巻も読みたい

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Posted by ブクログ 2018年07月18日

むちゃくちゃに面白い。金融関係に限定された話かと思っていたが、極めて広く応用が効く認知の歪みに関する話であり、また各種の戦略の立て方に関する話でもある。リスクマネジメント本として長くそばに置きたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月28日

反脆弱性=失うものよりも得るもののほうが多い=ダウンサイドよりもアップサイドのほうが多い=(よい意味での)非対称性=変動性を好む。289p

オプション=非対称性+理性 300p

【7プラスマイナス2回、失敗する】p389
鉄則をまとめる
①オプション性を探すこと。もっといえば、オプション性に従っ...続きを読むて物事をランクづけすること。
②できればペイオフに上限があるものではなく、ないものを探すこと。
③ビジネス・プランではなく人間に投資すること。つまり、キャリアを通じて6〜7回(またはそれ以上)方向転換できる人を探すこと(ベンチャー・キャピタリストのマーク・アンドリーセンの手法のひとつ)。人間に投資すれば、ビジネス・プランのような後付けのつじつま合わせにだまされずにすむ。それに、そのほうが単純に頑健だ。
④バーベル戦略を取ること(その意味は各自のビジネスによる)。

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Posted by ブクログ 2017年08月28日

タレブ氏は奇しくも金融危機直前に『ブラック・スワン』を著しその発生を予見(そして大儲け)したわけであるが、本書『反脆弱性』は黒鳥どもの扱い方を記した本である。テーマは「反脆さ(anti-fragile)」である。例えば氷は物質的安定さを持つ一方固体としての脆さがあり気体は流動性ゆえ反脆さがある。少量...続きを読むの毒やストレスはむしろ体に良い、などは現実的感覚に近いだろう。タレブ氏の語る「反脆さ」は至るところに見られる。生物、経済、政治、国家などなど。変化や死を前提にしたシステムの強さ(≒反脆さ)はなかなかの哲学的な事を語っており、シリコンバレーのエコシステム然り、量子論や遺伝子工学にも共通する概念である。

タレブ氏のシニカルなジョークが冴え渡っているものの時々度を越して差別的発言になっているのはいただけないが、抽象的で難解な概念を独自の視点と忌憚なき批評で極めて具体的事象まで昇華して書かれており非常に興味深い本だ。タレブ氏自身、レバノン出身の傍流の人であるからこその反脆さがあるのかもしれない。とりあえず上巻でわかったことは氏がグリーンスパン嫌いであるということであろうか。

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Posted by ブクログ 2023年12月15日

言いたい事は、分かる気もするが。

一つ抽象概念を打ち立て、これも当てはまる、こんな良い事がある、という創作本であり、こじ付けにも見えるので取り留めがない。「反脆弱性」という概念だが、ホルミシス反応とか、具体例でいうと、恐らくワクチン反応みたいな事だろうし、失敗は成功のもと、とか。他にも、心的外傷後...続きを読む成長、雑音が集中力を高めると言うような過剰補償、一定限度までであればストレスがプラスに働く効果とか。骨は一時的なストレスがかかると密度が高くなる。

そういう作用はあるだろうが、それらを抽象化させて反脆さ、と言われても。当てはまらない例も無数にあるが、それを無視してはあまり論理的な話ではないし、何だか一方的で気になって素直に読めない。読みながら、だから何?と、本当にそう?と、いや、じゃあこういう場合は?が頭に浮かぶ。頑健さだって必要なのだから。

また、反脆さなど言わなくても、脆性には靭性という対義語があって、それを打たれ強さとして理解して不確実性に立ち向かっても良いだろう。ならば、結局は、言葉遊びかな、と。
下巻も読んでみよう。

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Posted by ブクログ 2022年08月27日

「なんでも強くしすぎると想定より強い外力に対しては無力。ある程度の弾力が必要だ。」とのメッセージ。
色々なエピソードを交えながら書かれているが長すぎると思う。

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Posted by ブクログ 2019年05月24日

正直全部を理解できた自信がないのでもう一度腰を据えて読み直したい。所々極端な考え方と感じる場面もあったが、「反脆い」という考え方は自分の中になかったのでためになった。

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Posted by ブクログ 2019年05月23日

けんすうさんが紹介してたんだっけな。

反脆弱性が指す意味については理解できたが、事例が無駄に多い?のか冗長でとばしとばしに。

筋トレで言う所の筋肥大が、自然界や組織にも当てはまるってのはなんか分かるかも。ストレスを肯定的に捉えていたのが面白かった。(もちろん、コントロールが必要な訳でその見極めが...続きを読むポイントなんだろうなとも思ったけど)

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Posted by ブクログ 2018年11月08日

ある程度のランダムさを受容しないといけない、リスク・リターンの計算でなんでもコントロールできる思い上がりはやめておけ、という話。しかし、読みづらかった。

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Posted by ブクログ 2018年09月11日

反脆いという概念って何だろ?と手にとってみた。冒頭、「衝撃を利益に変えるものがある。変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・繁栄する。そして、冒険、リスク、不確実性を愛する。」って、ドラゴンボールの孫悟空みたいなものかと。

「第1部の反脆さとは」、「第2部 現代性と、反脆さの否定」...続きを読む、「第3部 予測無用の世界観」と、例えば進化、例えば歴史、例えば医療と、他にも様々なエピソードを用いて、反脆い状況の説明と素晴らしさが書かれている。本の半分くらいまでは、これは、良い本なんじゃないか?という期待のもと読み進めたが、後半から、自説に対する批判的な人への攻撃的な物言い(たぶん、デブのトニーは筆者の事なんだろう)が鼻に付く。そして、どんどん、株の取引をやった人なら知っているであろうオプション取引のロングポジションが筆者の思考のベースにあって、前半のエピソードは、それを展開した物なんだなと思ってしまい、反脆いの概念が筆者が言うように分からなくなってしまった… 情報の非対称性の連呼とか、トレーダー目線丸出しに思えるのだ。
この本やエピソードのそれぞれは成る程と思ったのは、これまでの既成事実を疑ってみる視点。ただ、反脆いというのかそれは?と。

概念理解なんてどうでも良くて、うまいことやれや!って言うのが、デブのトニーのスタイルなんだし、まあ、読んだ人が、良いとこどり出来れば筆者の主張の通りなんだろう。

筆者は、ナシーム・ニコラス・タレブ氏で、肩書きは、哲学者と名乗っている模様。もとはトレーダー。

文書から滲み出る自己中心的な性格から、編集者のアドバイスも聞かなかったんだろうし、翻訳者も大変だったんだろうと推察されます。

善か悪か、右か左か、白か黒かみたいな概念がベースになっていると、一旦悪い方に倒れたんだけど、結果、良い方向になった的な、ダイナミックな概念として”反脆い”という言葉で定義してエピソード満載にしたところがこの本の価値?
この「反脆い」、日本語だと、「雨降って地固まる」、「転ばぬ先の杖」、「七転び八起き」などいくつもの表現があるように思える。


下巻に入り始めたが、同じ事を他の章で書いてるから読まなくて良いと筆者が言う第5部は、エピソードを読んでみると、それって運動量の考え方だと自明すぎない?と思ったり、なんか違和感あったけど、ページ数も上巻より少ないので、一応最後まで読んでみるつもり。





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Posted by ブクログ 2017年12月08日

やはり複雑系や一神教の人たちは結局のところ、確実性を最も求めているからこそ「不確実性」と自分に呪文のように唱えなきゃいけないような人たちな気がして、本当の意味で不確実性を受け入れられている人たちではないきがするのよね。

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