【感想・ネタバレ】美貌格差―生まれつき不平等の経済学のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年01月08日

経済学の視点から、美しいことが現実的にはどれだけ得なのかについて明らかにした一冊。

イケメンや美人が経済的に得であることは、誰しも生きていれば感じることだと思う。ただ、どの程度の得があるのかまで理解している人は少ないのではないだろうか。

実際に本書を読んで、考えていたよりも得は少ないようにボクは...続きを読む感じた。

こういった現実と認識の違いというのは、ときに僕らの心を蝕むことがある。だからこそ、本書のように、実際はどうなのかという研究結果を知ることは大切なように思う。

ただ、著者が主張するようなブサイクを社会システムによって保護するという考えには個人的には同意できなかった。データと分析結果だけを楽しく読ませてもらった感じ。

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Posted by ブクログ 2015年05月19日

目の付け所はいいと思います。
が、まだまだデータ不足な印象を受けました。
その一方で、「見た目の美」という曖昧かつ主観的な価値(観)とも言えるものを基にした割には、かなり科学的なアプローチではあると思います。

もし、この本の言う通り、見た目の美しさが、平均的には有利に働くものだとしても、何事...続きを読むにも個体差があるので、見た目で劣っているとしても、逆転の余地はあります。
そういう逆転できる部分を探し、身に付けていくことこそ、本当は大切なのかもしれません。

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Posted by ブクログ 2015年05月09日

なんでも経済学になってしまうのね。
でも、わかりやすくまとまっていると思う。

何が驚いたって、男性の方が容姿で給料が変わってしまう確率が高いこと。女性の方が高そうだけど。

ブサイクな人が取るべき道を、目下歩いている最中な私は、このまま信じてもいいんだな(笑)

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Posted by ブクログ 2020年06月15日

容姿に関する心理学的なあれこれではなく、とりあえずざっと5段階ぐらいで評定して、それが労働収入とかとどう統計的に関係しているかとかそういう話。うしろの方では結婚とかのマッチングの話をしてる。さらに容姿から生じる不平等を解消するにはどうしたらいいかっていう議論もやっているが、まああんまり効果的なのはな...続きを読むさげ。差別に関する面倒な議論をしているところは訳語の不統一とかあってちょっと読みにくい。

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Posted by ブクログ 2024年01月30日

なかなか胸糞だし外見コンプをフル加速させる本ですが、夢中で読みました。正直読んでいて気分が悪くなる人もいるんじゃないかと思います。

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Posted by ブクログ 2020年11月09日

美男美女は得をする。これが本書の結論です。一見自明にも思えるこの結論について、経済学の枠組みを使って分析したたくさんの研究結果を紹介しています。

みなさんの中には、経済学ってこんな分野も扱うの?株とか景気とか、そうゆうのを研究する学問なんじゃないの?と思った方もいるかもしれません。確かにそれらは主...続きを読む要な研究対象ですが、人の意思決定に関わる内容であれば、だいたいは経済学の対象になる。相撲の八百長についてまじめに研究した経済学の論文もあるんですよ。

さて、美貌と収入の関係を経済学的に分析するにはどうすればいいか。やり方は簡単です。たくさんの人の容姿(例えば5点〜1点の5段階評価)と収入のデータを集めて統計分析にかければ良い。

いや、本当にそれでいいのでしょうか。教育が収入にプラスの効果があるのはこれまでの研究で分かっているんですが、仮に容姿のいい人がいい教育を受けやすいとすれば、容姿の効果を過剰に測定してしまうことになってしまいます。だから本書で紹介されている研究(データは1970年代のアメリカ)では、以下のデータも使ってコントロールしています。
・教育、年齢、健康、組合への加入、結婚歴、人種や民族、都市の規模、地域、出身国、家族の出目、会社や工場の規模、勤続年数

さて、結果です。容姿がいい人と悪い人の収入の差は、男性で17%、女性で12%と出ました。けっこう大きな数字にも見えますが、比較対象がないとちゃんと評価できません。で、教育の効果との比較してみたいんですが、通学が1年伸びると収入はだいたい10%増える。つまり、容姿がいい人は、1年ちょい余計に教育を受けているくらい、収入のアドバンテージがあるということです。けっこうですよね。

先ほどの数字は、男性の方が女性よりも収入に影響が出るというものでした。ちょっと意外に思った方もいるかもしれません。本書の仮説はこうです。女性は男性より外に出て働くかどうかの選択を行う余地が大きいから。特に1970年代のデータですからね。容姿に自信がある女性は外で働き、自信がない女性は家で専業主婦になりやすい。

さて、容姿がいいと収入が高くなりやすいことはわかりました。一般的に収入の高い人は、会社に利益をたくさんもたらし、社会の役に立っているわけですが、美形は社会の役に立っているのでしょうか。収入が高いのは、面接官や上司の評価が甘くなっているだけじゃないか?確かに、美形は私的な意味では生産性が高いです。美形がそばにいると嬉しいし、化粧品の販売員が美形だとよく売れます。でも「社会の」役に立っていると本当に言えるのでしょうか。

この分析は非常に難しく、はっきりとした結論は言えません。それを前提として、本書にあるオランダのテレビショーの分析を紹介します。これは参加者5人のクイズ番組です。早押し問題で持ち金をかけて戦います。各ラウンド終了時に一番成績のよかった人が、脱落者を選びます(脱落者のお金は没収される)。これを第4ラウンドまで繰り返し、賞金は最後の2人で山分けとなります。つまり、なるべくクイズに正解しそうな人を残して、アホっぽい人を脱落させればいい。このテレビ番組における参加者の行動を分析すると、脱落者は容姿が平均的に悪かったことがわかりました。他方、正解率に容姿の影響はありません(美形の生産性が高いわけではない)。したがって、世間が美形好きなのは、美形は社会の役にたつから、というわけではなさそうです。

本書では、マッチングサイトの市場分析の研究も紹介しています。分析の結果、男性も女性も美形により良い反応を示していることがわかりました。ただし、そこに男女間で差はありませんでした。少し意外かもしれませんが、男性も方も容姿をしっかり評価されているようです。他方、教育水準の高い男性は女性に好まれるが、女性の教育水準に対してその傾向は強くないという結果も出ています。

最後に、筆者は「ブサイクには政府が保護すべき」という主張をします。え!?っていう感じですが、筆者は、ブサイクが持っているハンディキャップは、アフリカ系アメリカ人の持っているハンディキャップと大差がなく、後者を保護するなら前者も保護すべきと言います。

ここからは私見ですが、ブサイクを政府が保護する点、理屈は同意しますが、それって政府が「この人はブサイクです」というレッテルを張るわけですから、かなりキツい。すごいスティグマですよね。なんとなくブサイクだなと思っていても、曖昧だから希望はある。でも確定しちゃったら立ち直れないですよね。まあ、保護するかどうかはおいといて、容姿と収入に相関がはっきりとあることを統計分析で示したことは興味深かった。すごく俗っぽい内容だけれども、人間や社会を理解するうえでとても重要な切り口だと思います。

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Posted by ブクログ 2019年10月27日

容姿が収入をはじめとした様々な要素に影響があると同時に、容姿だけが決定づける要因になるわけではないという、当たり前っちゃ当たり前なことを統計等から分析した本。

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Posted by ブクログ 2017年06月23日

男性の方が容姿に影響される、って説が面白かった。

経営者側に美形は必要か?って章の、全員美形だとコストがかかるから対外的な役職には美形を置いて、見えない役職にはブサイクを置いておけって説が、そりゃそうだよなぁと思いつつもひどい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年09月01日

顔の良し悪しがどの程度収入に影響するか、をベテラン経済学者がまとめた本。
以外とこの類の論文は書かれてはいるらしいが、本流とは認められてはいないと入っている。訳文的には「ブサイクが〜」というのが連発されるためあまり読んでいて心地よくはない。

仕草や体つきまで入れてしまうと適正かつ安定的な評価は難し...続きを読むいためこの本では顔の良し悪しに絞っている。また見た目の評価はあまり母集団によってばらついたりはしない。

顔が良いことのプレミアムよりも悪いことのペナルティの方が大きい。また男性の方が格差は大きくなる。女性は職に付かないというオプションが男性よりも現状は多く、「ブサイク」は職を持っていない可能性が高い。またそのペナルティはアフリカ系アメリカ人が直面する程度のものがあり、アファーマティブアクションや差別訴訟でこういった見た目のハンディが今後より認められることが平等化につながるため多くなるのではないかと著者は予測している。

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Posted by ブクログ 2015年07月16日

何か語っているようで、あんまり何も語ってないかなあ。
美貌によって得/損があるのでは?というのは凡人の誰もが薄々、でも確信を持って思っていることで、それを立証しようとするのは面白いのだが。

まずサンプルとして「美しい人」「普通の人」「醜い」を分ける時、一体何の基準で分けてるのかが曖昧だし疑問。美は...続きを読む顔の対称だけではないはず。

そしてアンケートの対象の層や、何をもって「得」とするのかも、なんかバイアスがいろいろかかり過ぎて、ズレズレのような気がする。

話の種としては面白いけど、としか言いようがない。

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Posted by ブクログ 2015年06月26日

こういう題材を経済学で真面目に追及した本は初めて読んだけど、アンケートの結果を細かく分析して仮説を立てたり、なかなか細かい内容。容姿の差で生じる不利益からの生涯収入差が23万ドルってなかなかインパクトあるけど、実際は見た目以外の要因も多々あるので、直接的に体感する差では無いのかも。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年04月18日

面白いテーマなのだろうけど、書籍にするほどのネタがないのだろう。大きめのフォントでページ数も少ないが、それでも同じような内容の繰り返しが目立つ。

経済学が希少性に関する学問である以上、美貌について論ずるのはよいが、やはり定量的な話は難しそう。5段階で評価(文化や個人の好みなどによる差もあるし、これ...続きを読む以上細かくしても意味がないとは思うけれど)したところ、4−5の美貌であれば女性は8%、男性は4%収入が多い。逆に1−2だと女性は−4%、男性は−13%の収入減になる。たとえば教育期間の場合はこれが一年延びるごとに収入が10%増えるので、容姿は通学1.5年分ぐらいに相当するということになる。
美貌効果はあちこちで認められており、アメフトのQBのように容姿は関係なさそうな職業であっても顔の対称性が高い方が収入が多かった。(きっとラインの選手などでは関係ないのだろうけど)

また、結婚の場合もブサイクは収入の少ない配偶者を得る傾向が強く、生涯の収入としても15万ドル程度少なくなる

このようにはっきりしたハンディキャップである以上、ブサイクを法的に保護すべきか。著者は、美醜というのは本人の努力によっていかんともしがたいハンディであるため、特に極端な群(5段階評価の1)は保護に値すべきだという。これはジョークなのか本気なのか、よく分からない書きぶりではあったが、国家認定のブサイクというのもちょっと辛いのでは

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