穂村弘のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ほむほむが好きなはずだったのに、この赤裸々エッセイを読んで、「なんだこの情けない男は…!?」と思わずひっくり返ってしまった(大袈裟)。
学生時代、角田光代さんとの共著『異性』を読んでからファンになり、さまざまなエッセイを読んだ筈だったのに。
私自身、もうとっくに学生を終えていて結婚もしていて子どももいて、2人目を産むという人生の節目にいる時だ。旦那がもしこんなになよなよしていたら引っ叩いてしまう…読むタイミングを間違えたかもしれない笑。
やれ36歳にして「母にとっては五歳の私」と実家に入り浸ったり、足を滑らせた彼女の手をうっかり離してしまったり…。情けねえ!!!!と頭を抱えながら読むしかなか -
Posted by ブクログ
わたしは現代の穂村さんというか、他の方でも、現代の方の短歌の方が好きだなと思うことも多かったけど、当時この本が出たとき(しかも自費!?)の手に取ったひとたちの衝撃はすごかったのだろうな、と思える。才能。自分が生まれた頃くらいの本でした。生まれた頃だからその時代がどうなのかは本当には分からないけど、全体に漂う空気。その頃の若者の、不謹慎で残酷なのにどうしてそんな人恋しいような瞳をするんだ、みたいな、たまらなさというか、昭和最後の時代に漂ったことのある大人のタチの悪いアンバランスな魅力みたいなものなんだろうな、と思った。その後の平成や令和ではたぶん培われないタイプの。
-
-
Posted by ブクログ
【収録作品】「男」 角田光代 絵/網中いづる/「ガラスの便器」 石田衣良 絵/松尾たいこ/「さよなら、猫」 島本理生 絵/鯰江光二/「水の恵み」 阿川弘之 絵/木内達朗/「タイムリミット」 辻村深月 絵/吉田尚令/「ヘビ」 西加奈子 絵/西加奈子/「ふたり流れる」 市川拓司 絵/いとう瞳/「ハントヘン」 堀江敏幸 絵/中村純司/「雲の下の街」 柴崎友香 絵/田雜芳一/「衣がえ」 長野まゆみ 絵/望月道陽/「おしっこを夢から出すな」 穂村弘 絵/ささめやゆき/「さらば、ゴヂラ」 高橋源一郎 絵/しりあがり寿
夢だけにシュールな感じを引きずる。続き…はないのかな。 -
Posted by ブクログ
読書備忘録744号。
★★★。
これもエッセー。姉が読み終わった本を渡された。
良く考えてみたら、これって怖いよね。鳥肌だよね。というエッセー。
確かにあるあるの内容。
印象に残ったのは、
「状況が理解できていないのでパニックに陥る。状況が分かったら、な~んだ。」という話。逆に、
「思い込みから本当の状況が分かっていなかったのでなんでもなかった。本当の状況が分かったらこわっ!」
っていう話。
確かにあるあるですね。
ベランダにぶ~んと虫が飛んできた。うわっ!やつだ!と思ったらなんやカナブンや。
ベランダにぶ~んと虫が飛んできた。カナブンかと思ったら奴だった。ぞわっ!
オカルトとか心霊話 -
-
Posted by ブクログ
表紙の美しさに一目惚れして購入。短歌をじっくり読むという機会がなかったので楽しめるか不安だったのですが、なかなかどうして、こんな素人でも「いい!」と思える歌がいくつかあり驚きました。
特に心に残ったのは以下。他にもいくつかありますが、恋愛に関するものが特に生々しさを感じられて好みでした。
・体温計加えて窓に額つけ「ゆひら」とさわぐ雪のことかよ
・サバンナの象のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい
・試合開始のコール忘れて審判は風の匂いにめまいをとじたまま
・「鮫はオルガンの音が好きなの知っていた?」五時間泣いた後におまえは
巻末の解説を読む限り、「あの時代」が閉じ込められて -
Posted by ブクログ
「本当はちがうんだ日記」に続く、歌人の「穂村弘」さんの、いつものやつで、現実と妄想と彼の願いとが入り混じった日記風の内容は、どれなのか分からない曖昧さが魅力であるのに、巻末の文春文庫の最新刊紹介では、「短歌の鬼才の爆笑偽日記」と書かれていて、はっきり偽と書くなよと思いましたがね(笑)
しかも、全部が全部、偽だとは思えないのに(「推薦本」の平井和正の死霊狩りは、たぶん本当)。
ただ、今回はあまり私のツボにハマらなかったというか、「ふ~ん」って感じでさらっと読めてしまったものが多く、その理由は、長嶋有さんの「偽ょっ記(解説に代えて)」において(名久井直子さんのイラスト可愛い)、『他のエッセイより -
Posted by ブクログ
かつて短歌に興味を持ったことがあった。それは穂村さんが『短歌という爆弾』を出したころ。職場のバイト女子に勧められて手に取った。そしてハマった。自分でもやってみようと試みて、それはそれはつたなく恥ずかしく交通標語みたいなものになったけれど。
この本を読みながら、当時読んで感銘を受けた歌たちが記憶によみがえってきた。誰の歌だったかも覚えていないのがもったいない。
穂村さんが「短歌」というカテゴリの中からガチャガチャと選んでポンと出したものに解説を加えた本。
彼の解説にはいつも、彼独特の鋭さを含む憂いっていうか、アホな人には通じない忖度みたいなものを感じる。
そしてこんなにたくさんの短歌をどうやっ