塩田武士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題名の「アルファ」とは、狼の群れのボスを指すことだったとは。
第1章は、文化部に左遷された新聞記者秋葉隼介が、不本意ながら将棋のタイトル戦の取材に行くまで。
第2章は、不遜な将棋棋士真田信繁の生い立ちなどが綴られる。母親に逃げられ停職のない父親は借金取りに追われるという悲惨な生活の中で、終生の師ともいえる大門に出会い、ますます将棋にのめり込む。
そんな将棋漬けの信繁が中学の時に恋をしたとの唐突な描写があり違和感を覚えるが、終盤になってこのことが見事に回収されており、納得感が。
前半は、重苦しい展開で読み進むのに躊躇するが、後半は信繁がプロへの編入試験を目指す展開となり、一気に読むペースが上がる。
著者は、かつて新聞社の将棋担当記者だったとのことで、臨場感溢れる将棋戦の描写に納得。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中までは先が気になって面白く読めたけど、動機がイマイチ理解できず。
以外、かなりのネタバレです。
私の小さな脳みそで考えた動機は以下のとおり。
【家族が崩壊した原因が、同級生の父である議員に父親の贈収賄疑惑を相談したことであることを知られたくなかったから】
上記のような動機なら、手紙や自伝の原稿を盗んだことは納得できる(最後に出てきた手紙をどこから盗んできたのかは謎)。
ただ、父親をバックアップしていた不動産屋の息子を脅迫した理由がわからなくなる。脅迫する理由なくないか?
殺害した議員の娘(中学の同級生)が自殺を図った理由も謎。警察が被疑者の父親が逮捕された時の写真見せただけで自殺しようとする??隠れた恋人とというわけでもなかったし。
「議員の父に相談してみたら?」とアドバイスしたことが相手の家族を崩壊させたと思って自責の念がある?でも間違ったことしてないし、そんな重く受け止めることか?とも思う。
私の読解力が低いだけかもしれないけど…
当事者たちにとっては耐えきれないことだったのか?
読者でしかない自分にとっては理解できない内容だったなと残念。
(でも途中までは面白かったので⭐︎3) -
Posted by ブクログ
塩田武士『崩壊』PHP文芸文庫。
単純極まりない殺人事件を描いた警察小説。
どうにも殺人事件の本筋とは遠い所でストーリーが展開していくばかりで、余り面白くなかった。
そもそも関西弁を操れる登場人物が描かれる小説が苦手というのも要因かも知れない。また、主人公の刑事も含め、殆どの登場人物の家庭が崩壊していたり、大きな失敗をした苦い経験に苦しんでいるという嫌な設定にも拒否反応が出ているのかも知れない。
関西のとある地方都市で、贈収賄で財を成したと噂される市議会議長の嶋田洋輔が自宅のガレージで殺害される。所轄のベテラン刑事である本宮宣親は県警捜査一課の刑事の平原優子とともに容疑者の手掛かりを求め、聞き込みを行う。
恨みによる犯行なのか、それとも汚職にまつわる暴力団絡みの事件なのか。捜査が進む中、本宮は図らずも自身が封印してきた過去と向き合うことになる。
本体価格970円
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Posted by ブクログ
ネタバレ元芸人で今は便利屋バイトの省吾は、ボクシングジムの立ち退き仕事をきっかけに、ボクサー親子とともに日本タイトルの夢を追いかけることになる。他人の夢に一喜一憂するうちに、捨てたはずの自分の夢にも再び火が灯っていく――。
読みやすく肩のこらない文章で、隙あらば差し込まれるコメディシーンはカット割りやせりふ回しまで脳裏に浮かぶようだった(貞次郎はマキタスポーツのイメージ)。
主人公はあくまで新田ジムを立ち退かせようとしていた省吾。いわば部外者なのに、なんとなくずるずると関係者になっていく様子がユーモラスだった。
個人的には、さびれたジムを背負って闘う若きボクサー・勇気にもっとスポットを当てて、その葛藤を丁寧に描いてもよかったのではと思う。ただ、それでは王道の『ロッキー』になりすぎるかもしれない。
エンディングは「まあこんなもんでしょう」といった印象。夢が再燃して再び芸人を志す展開は悪くないけれど、省吾のセンスを思うと前途は多難だろうな……。 -
Posted by ブクログ
辻珠緒。
関わった人間の証言を読み進めるも、捉え所のないよく分からない人物としての印象が強くなっていく。
この女は一体、何者なのか?なぜ失踪したのか?それが気になってほぼ、一気読みに近かった。
そして浮かび上がってくる様々な角度から見た、珠緒の表情と過去の因縁。
因縁は、珠緒だけに限らずその母、さらにその母をも時代とともに巻き込み、飲み込んでいたとは。。。
時代とは時に残酷であると感じた。
そうしたくなくても、そうしないと生きていけない時代の中で抑圧され必死に耐える。。。今の時代もそうであるが、女性はいざと言う時の職をやはり持っておくべきた。
この本を手に取ったのは舞台になっている芦原温泉が比較的、今住んでいる場所から近くにあって足湯や雄島に馴染みがあったからだ。