題名の通り、バブルの崩壊、家族の崩壊が、様々な事象に影響し、登場人物もそれぞれに痛みや悲しみを抱えている。
しかも、あちこちの場面で氷雨ともいえる雨が降っており、「色で言えば、グレーだ。」と解説でも書いてある通りの作品。
陰鬱と言っていいほどの物語の中で、唯一救いと言えるのが、捜査一課の若手美人刑事・平原優子(勿論彼女も重い過去を抱えているが)の存在か。
ベテラン刑事本宮とのコンビは、乃南アサ著『凍える牙』以来の名コンビ「音道貴子と滝沢刑事」を、連想してしまった。
平原・本宮コンビも、シリーズ化があるのだろうか。