塩田武士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私だって「存在のすべてを」を読みたい
読んで待ちます塩田さん、5作目
第40回吉川英治文学新人賞受賞
元新聞記者である作者が、報道媒体として終わりが近いとも思われる新聞での誤報と虚報による歪んだ情報の対応を描く連作短編集。
誤報により人生を狂わされる人というストーリーは、とても好みです。また、元新聞記者の社会派小説なの?と言われようとも、突き進んでいただきたいと思っているですよ。
どうもプロローグ的な部分が足りなくて、話の流れに乗りにくい。エピローグ的部分が多すぎてまとまりがなくなってしまう。きっと、今、ステップアップ直前の作品で存在のすべてをでガツンとくると期待する。
「黒い依頼」
ひき逃げ事件の誤報と虚報によって被害者側の妻を傷つけてしまう記者
「共犯者」
サラ金問題の誤報により失職流転の人生を歩む女性。その誤報を出した記者との歪んだ関係。そして誤報の情報提供した元記者がその後を追う
「ゼロの影」
報道されない事件の裏側。その真実を知るも保身のため沈黙する元記者でもある新聞記者の妻
「Dの微笑」
視聴率のため報道番組での捏造。気づいた記者が記事として深い部分をネットであげようとする
「歪んだ波紋」
虚報捏造を企てているグループの存在が明らかになる(のかな)古く巨大な情報機関をアンインストールしようとしているとか。
ジャーナリストさん達のこれからの方向性を問うているのでしょうか。
この各タイトルが松本清張作品を意識しているとのこと。おしゃれだけど、チャレンジャーだなと思いました。
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Posted by ブクログ
昭和から現代に至るまで その間に起きている社会問題 貧困 暴力 男女差別 格差 アルコール依存 ゲーム依存 など数多の問題を母娘三代の人生を通して描いている。
正直少し盛り沢山すぎる感じもした。
ライターである大路の取材による各人の証言で珠緒という人間が外側から形作られていくのが面白かった。
どれだけ努力をしても どれだけ能力があっても自分を縛っているものからは 結局逃れられない そんな珠緒の切羽詰まった感じが伝わってきた。
最後に大路が珠緒に会え 母娘三代に 引き継がれてきた おそらく捨てられなかったであろうモノを受け取ることができて 良かった。 -
Posted by ブクログ
私だって「存在のすべてを」を読みたい。
塩田さん読んで待ちます、2作目
2010年小説現代長編新人賞受賞
2011年将棋ペンクラブ大賞受賞
不遇な少年時代を送ったアマ棋士。三十三歳にして、アルバイト解雇され無職となる。
知り合った新聞社の文化部担当記者の家に転がり込み、プロ棋士になるため最後の挑戦を始める。
最近は、藤井聡太さんの活躍が心地良くて、ネットでニュースになるとつい読んでしまう。将棋のルールはわからなくても、将棋界というところが魅力的なんだろうと思う。
「3月のライオン」
「りゅうおうのおしごと」
「少年⭐︎周波数」
いずれも美形高校生の将棋界のお話しで、いずれも楽しく読める。
プロ棋士となるにはこんな破天荒な人材もいるのかなと思う。将棋界のプロになる行程等も多少わかる。ラストにまさかの人間関係も加えられて、ほぼデビュー作のようですけど、よしよしです。 -
Posted by ブクログ
苦悩する男の絵から表紙買い。題名から囲碁将棋の話と推測したが、将棋の話。正直駒の動かし方位しか知らないし、「3月のライオン」でしか知識がなかった。
もっと事件性がある展開と思っていたが純粋に将棋に打ち込む話。
30過ぎの男がプロになるべく挑む姿勢は熱く、後がなく追いつめられた状態が切羽詰まりハラハラさせられる。反面、ユーモアを感じるシーンもあり重たくなりすぎない。
「ヒカルの碁」に出てきた、試験を受けるおじさんを主役にしてクローズアップしたような感じ。
そして周りの女達。強かだなあ。と言うのが強烈な印象。世間の女性もこんなのかなぁ。怖いというか、やはり強いのだ。麗、加織、静。
秋葉、真田の戦いを表とすると、女性達の生きざまも裏テーマと平行して語られている。生きていくための強さを感じた。 -
Posted by ブクログ
音楽系のお話は演奏の描写が鍵で、作家さんは言語化するのが大変だろうなあと思いながら読みました。
クラシックは敷居が高そうに感じますが、こちらのお話は演奏会までの沿革が中心なので、クラシックがわからなくても読み易いのではないでしょうか。
個人的に好きなのは、それぞれの音楽への向き合い方。生い立ちや家族がメインですが、詳細に描かれているので、それらに触れていくのがとても面白かったです。
ただあくまでフィクション感を拭えず、リアリティはないかな。小説なので当たり前なのですが、私には現実感がないので入り込めませんでした。
それと、「男が」「女が」と度々出てくるので今の価値観と異なります。キャラが個性的でいいのですが、今の時代にあわなそうです。 -
Posted by ブクログ
傾きかけたオーケストラを立て直すお仕事小説。前半は作者特有のギャグが満載でとてもテンポよく進むが、後半はやや失速気味に。この本のミステリー要素といえば主人公の明菜の過去と、マエストロの拓斗か指揮を下りた理由だが、それが明かされるのがクライマックスとなるクリスマスコンサートの盛り上がりに差し込まれており、個人的には演奏に向けて高まる気持ちが削がれました。拓斗か指揮に復帰した理由が「明菜に拉致された」ではなく、オーケストラの面々との信頼の構築で過去を払拭したと思われるがそこを強調するため、過去は早い段階で暴露しても良かったと感じる。また、コンサートの幕間に語られる明菜の暗すぎる過去は悪い余韻を引きずってしまった。
お仕事小説モードで読んでいたので楽団の行く末ももう少し読みたかった。
やはり作者に期待するところは、前半のギャグ路線かな。話の筋から逸脱する程のギャグで事務局長である別府のような個性的なキャラを深堀りして欲しかったです。