塩田武士のレビュー一覧

  • 盤上のアルファ

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    作者のデビュー作ですが先が気になり一気に読めました。特に序盤でのドイヤ姫路での、シリアスな展開から一気にギャク路線になるところに驚きましたが嫌いじゃないです。作者のギャクをもっと読みたい気持ちで他の作品を手に取りそうです。特に二人の主人公の関西弁の掛け合いがとても楽しいです。更に二人をつなぐ三角関係となる女将、静がいい味だしてます。
    プロ将棋の過酷な世界を垣間見るようだが、プロ棋士による解説には物語になるような事は少ないとも書いており、個人差があるのかと。作者がこの作品を執筆していた頃は神戸新聞の棋士記者だというので驚きと納得感があります。
    終盤のプロ棋士編入試験の緊迫はとても読み応えがかるが

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    2022年08月14日
  • デルタの羊

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    アニメを創り上げる、作り手達の物語と今のアニメ界を描いた作品。どこまでリアルなのかは分かりませんが、へえ~と頷くことや、そんなんなってるの!?という驚きもあり、楽しかった。熱血度の塩梅も個人的にはちょうどよかったです。

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    2022年07月28日
  • 歪んだ波紋

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    期待を裏切らない力作とは感じるも、ストーリー立てが少し複雑で何度も前段の話の登場人物の確認が必要になった。記者出身の著者ならでは視点であると思うが最終的なメッセージを掴み取りにくいとも感じた。

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    2022年06月03日
  • 歪んだ波紋

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    いろいろ考えさせられるストーリー。「誤報」がなされる背景に、ライバルを出し抜かなければならないとか、会社や個人が存続していくために仕方がなかった…というような展開は想像に難くないが、最後の最後に全く違う視点を与えられ、背筋が凍ってしまった。

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    2022年05月01日
  • 盤上のアルファ

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    ええ感じの会話!ノリツッコミありの!
    これぞ関西って感じには、親近感が!
    しかし、将棋は、ほぼ知らんに等しい。駒の進め方ぐらいしか知らん。

    作者の塩田さんは、元将棋担当記者みたいなんで、リアリティがある。更に神戸新聞みたいなんで、関西弁もリアリティあり!

    文化部に左遷された不貞腐れた新聞記者(秋葉)と将棋の夢に敗れホームレス寸前の人(真田)の話。
    2人の交わりを通じて、将棋のプロを再度目指す。(アマチュアから、プロへとか色々制度があるんやな)

    将棋に賭ける熱い思い(真田)また、今まで、興味なかった将棋への思い(秋葉原の2人の交わりは面白かった。

    しかし、秋葉さん〜可哀想〜〜
    ええように

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    2022年04月23日
  • 氷の仮面

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    今でこそ多様性が理解されて、周りにもLGBTを公にしている人がいるけど、自分が小さい頃は理解されにくかったり、人とは違うことに対して差別的な捉え方をする部分も一部あったように思う。

    本作もまだ性同一性障害が理解されてていない時代に、女性として生きていくまでの半生を描いた物語だったけど、蘭の生きた半生は想像するに決して容易ではなかったし、本当の意味で理解してあげられることは出来ないなだろうと思う。

    それだけにラストとエピローグで報われたのは読んでいてとても安堵した。真壁の写真館のエピソードは、ここまでの心の葛藤を読んできた中で、心の底から蘭に良かったねと言ってあげられる仕掛けでした。

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    2022年02月09日
  • 盤上のアルファ

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    読みやすくてスラスラ読んでしまった。
    ハチャメチャな将棋指し(プロじゃないからこう呼ぶしかないね)真田と、反発しながらも次第に親友になっていく新聞記者の秋津。社会部から外されて文化部に異動して腐っていたのに、真田と同居を始めることでその熱さに取り込まれて、再び記者として書きたいという気持ちを取り戻していくストーリー。ドラマも良かったです。

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    2022年01月23日
  • ともにがんばりましょう

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    組合の団体交渉一色。
    こんな作品初めてでした。

    私も会社の執行委員に誘われたこともありましたが、
    こんなに大変なのか・・・・と。

    YASUSHIも登場。
    面白かったです。

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    2021年11月26日
  • 盤上のアルファ

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    社会部の県警担当から文化部の将棋担当へと異動を命じられた男。無職で住所不定のプロ棋士を目指す男。このふたりが嫌われ者である理由は「彼は性格が悪かった」。2回この文が出てきて笑いました。

    将棋のことはほとんどわからないのに、胸が熱くなるシーンがあります。例えるなら、『シコふんじゃった。』で竹中直人が勝利を収めるのを観たときと同じような感覚。映画館で拍手が起きたことを覚えています。本作でも思わず立ち上がって拍手したくなりました。

    将棋担当になったことは左遷以外の何物でもなかったわけですが、でも確かに、事件事故だけでは紙面は埋まらない。あらゆる面をつぶさに読みたい気持ちにさせられます。

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    2021年11月15日
  • デルタの羊

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    アニメ業界のクリエーター達の奮闘を描いた物語。今まさに直面するアニメ業界の実情を背景にリアルを感じる。
    アニメ製作プロデューサーの渡瀬智哉はSF小説「アルカディアの翼」のアニメ化に情熱を燃やす。一方でアニメーターの文月隼人はアニメ業界を描いたドキュメントをアニメ化するプロジェクトに参加していた。
    クリエーター達のアニメへの情熱息遣いを感じ読むのが楽しい。ふたつの物語の人生が交錯し、終盤に向け伏線回収がなされ清々しい気持ちになる。コロナ禍の記載もありリアルだ。
    アニメ業界の今を描く小説。
    ★★★★✩ 4.0

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    2021年09月13日
  • デルタの羊

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    アニメ業界で奮闘するアニメーター達のリアルを描いた物語。
    一度は頓挫した「アルカディアの翼」のアニメ化。その実現に全てを賭ける渡瀬智哉は、アニメ化計画「デルタの羊」を引っ提げ、不可能と言われたアニメ化の実現に挑む。
    アニメにまつわる様々な専門用語が出てくるため、読みやすい文章ではなかったが、その分日本のアニメ界の現状がリアルに伝わってくる。
    アニメを心から愛する人たちの熱い挑戦は、心沸き立つものであった。

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    2021年09月11日
  • デルタの羊

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    まるで絵のない漫画を読んでいるような、躍動感のある語り口の文章と仕掛けのある展開はさすがの一言。
    ただ、アニメに関してあまりにも知識がなさすぎ、ついていくのに精いっぱいな部分もあった。
    それでも最後まで読ませたのは、作中通して感じられた、アニメに限らずモノ作りに賭ける熱い思いの力か。

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    2021年08月19日
  • 氷の仮面

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    バラバラだったストーリーが1つに繋がって、エピローグの美しい秘密は素敵すぎた。参考文献もいくつか使われていて、様々な形の「愛する」を知ることができた気がする。

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    2021年08月15日
  • 女神のタクト

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    やはり塩田作品は面白い。
    一気に読みました。
    各キャラに特性があって、その裏があって。
    感動しました。

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    2021年08月14日
  • デルタの羊

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    ネタバレ

    アニメ界が抱える問題を小説化。
    確かにスタッフを多く抱える中で、その情熱を頼りにしてしまう現実はあるのかもしれない。
    その中で、鬼滅の刃のヒットがあるので、利益分散を現実に想像してしまう。
    さて、物語はといえば、挫折からの成功で、マンガやアニメによくありそうな展開。
    最近映像化の多い作者だけに、アニメ化を狙っているのかもしれない。

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    2021年07月14日
  • 拳に聞け!

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    舞台は大阪の寂れたボクシングジム。
    そこに集まるのは、挫折し、夢を追えなくなった大人達。その大人達が1人の優しき青年、勇気に想いを託し、願いを込めて、リングへ送り出す。

    勇気の成長。勇気に夢を託し、夢に加担し、変わっていく大人達の姿が胸を熱くする。
    いわゆるスポ根ものに近いかも。読んでるうちに胸が熱くなり、力をもらえる。好きなやつ。
    大阪ならではの笑いのある軽妙なやり取りも魅力的。

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    2021年07月10日
  • デルタの羊

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    一冊の本の中に、アニメの中のアニメ?と読み進めているうちに、ひとつの作品はドキュメントアニメなんだと気づき、そのふたつがうまく溶けあって進んでいく。『アルカディアの翼』は、見たこともないし見ることもない作品なのに、絵が頭の中で駆け抜けるほどの描写。スカイカラーが見てみたい。

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    2021年07月03日
  • 氷の仮面

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    表紙のキレイな写真に惹かれて購入。所謂、ジャケ買い。

    性同一性障害男の子のお話。多分、私より5、6歳上の世代かな?
    結局の所、身体の性別がどうであれ、心の性別がどうであれ、自分自身をちゃんと見てくれる人はちゃんと見てくれる。って読んだ感想。
    性を超えられなかった男の子2人のお話。クライマックス電車の中で読んだから、涙堪えるのに必死になった笑

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    2021年06月30日
  • 氷の仮面

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    近頃は小説や映画などでも題材として取り上げられることが増えたLGBTQだけど、本人の苦悩や性を換えていくことの苦労が丁寧に綴られている本作はとても引力があったし物語としても充実した内容だった。

    物語の始まりは主人公の白水翔太郎が小学生4年生の頃。同じクラスになった真壁くんの顔を見た瞬間、翔太郎は恋のきらめきと痛みを知った。
    思いをひた隠しにしながら、小さな希望すらも打ち砕かれる人生。仮面の下、翔太郎はずっと女の子になりたかった。
    そして最後の章、24年後の春に優しく温かい秘密が明かられる。

    自分の意図とは関係なく、生まれた時の性と本当の性が一致しない苦しみというのは、そうじゃない人間からし

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    2021年06月24日
  • 氷の仮面

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    最後は号泣しながら読みました。
    性同一性障害の方が自分の性に対する違和感をもち、別の性として生活し、戸籍を変え、どう生きていくか。色々な葛藤や困難を抱えながらも生きていかなければならない。
    自分では、性同一性障害について少しは理解しているつもりでしたが、それが浅いものだったと感じました。家族愛についても考えさせられました。

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    2021年06月02日