塩田武士のレビュー一覧

  • 盤上のアルファ
    一度は絶たれたプロ棋士への道。が、諦めずに編入試験の切符を掴み、再びプロ棋士への夢にチャレンジする。

    主人公の壮絶なこれまでの人生、諦めずに夢に向かう気持ち、でもダメだったらとうしようという不安や葛藤などなど。まわりの人物もキャラクターが立っていて読み応え充分です。ところどころの比喩や例えが、うー...続きを読む
  • 盤上のアルファ
    ドラマ化されるということで購入。
    「罪の声」の作者のデビュー作品。デビュー当時は、現役の新聞記者だったそうで、物語の骨格がしっかりしているなという印象でした。将棋の担当ということもあり、将棋の世界の厳しさや、その世界でもがいている様子がリアルに感じられました。
    記者の秋葉と棋士の真田の視点で物語は交...続きを読む
  • 盤上のアルファ
    新聞社の花形部門である事件記者を失格し、文化部へ異動となった主人公、秋葉。記者としてのプライドもヤル気も失った彼の前に現れたのは、冬でもタンクトップ1枚だけの上半身でボウズ頭のアマチュア棋士、真田。最悪の相性の2人だが、周囲の変人たちに囲まれ、なぜか共同生活を送ることに。

    最近の将棋を題材とする物...続きを読む
  • ともにがんばりましょう
    まったくの個人的事情から書かせて頂くと、もう10年近く前、労働組合のない会社から組合活動が真っ赤に燃え上がる会社に転職しました。身の回りの単語すべてが不可解で、オルグなんてきっと怪しげな集まりなんだろうと新人ほぼ全員でサボって怒られた、なんて事もありました。

    あの頃この本に接していたら、もうちょっ...続きを読む
  • 盤上のアルファ
    盤上のアルファ / 塩田武士

    「秋葉、人事っちゅうのは何で決まるか知ってるか?」
    「好き嫌いや。おまえは嫌われてる。」

    「この寒い中、裸1つで追い出そうっていうんですか?
    僕の格好見てください。タンクトップですよ。
    死んだらどうするんですか?」
    「灰になるだけや。」
    「しびれるわぁ」

    かくして...続きを読む
  • 崩壊
    『女神の〜』に続き、塩田作品三作目。バブル時代を題材にした刑事モノ。素直に面白かった!優子の本宮に対する態度の変化が個人的には良かった。初めはブスーっとしてたのに、後半なんて仲良くお酒を呑む仲までなって—— 。輝の犯行動機については最後に手紙が提示されたが、個人的には「?」でしたね。何故この時に殺し...続きを読む
  • ともにがんばりましょう
    筆者の作品は初めてであったが、人物描写が的確で、関西弁もナチュラル、文章全体のテンポもよく、他の作品も読みたいと思った。株式会社における労働組合と経営側の交渉模様を描いた作品で、実際に労使交渉に関わる仕事をしていた私にとっては、緊張感やスピード感などが非常にリアルでとてもおもしろかった。ただ、労働組...続きを読む
  • 女神のタクト
    『盤上のアルファ』に続き、塩田作品二作目。割りと早い段階から引き込まれたから良かった!退屈な時間は短ければ短いほどいい。主人公・矢吹明菜のキャラがとても良い。すぐ手を出し、足を出す暴力女w と、内股の世界的マエストロ・一宮拓斗、ブロッコリー別府、ニュージーランド人キオラなど個性豊かな楽団の職員、演奏...続きを読む
  • ともにがんばりましょう
    前半が軽くて笑っちゃう場面多いのに後半は重くなる(よい意味で)本でした。初めてのパターンだったな。これは。面白くてかつ心に響く本であった!!
  • 雪の香り
    京都の事物を背景に、ポンポンといきかう関西コトバにあふれる、若さの軽み。こんなカノジョがいたらどうヨ、という妄想にも寄り添う。テーマ全体は「青い」という印象。
  • ともにがんばりましょう
    会社員だった頃は組合のある企業に勤めたことがなく縁がなかったが、派遣社員として働き始めた会社は組合活動がそこそこ活発で、ある日ストが行われた。
    朝から会議室に閉じこもる社員を尻目に、残った部長と派遣社員2人で一日中電話対応の嵐。電話の向こうの取引先に怒鳴られながら、部外者の私はどんどん心が冷え切って...続きを読む
  • ともにがんばりましょう
    デフォルメ、カリカチュアライズは一部にあるが、全体的にはリアルで生真面目な「お仕事小説」。ただ、題材はふつーの仕事ではなく(いや、仕事というわけでもなく)組合役員としての組織活動、団交などを取り上げている。塩田の神戸新聞勤務での経験に取材とのこと。
  • 騙し絵の牙
    映画は観ていないけど、大泉洋さんをイメージして読むと、映像がはっきり思い浮かぶ。
    一部大泉洋さんらしからぬシーンもあったけど(笑)

    ミステリーではなくお仕事小説なので、読むスピードが遅くなってしまったけど、最後は感動も。再会してほしかったなぁ…
    麗子像は吹き出してしまった(笑)
  • 騙し絵の牙
    主人公は大泉洋がモデルとあって、会話が面白い。お気に入りは「そっちはどんな感じだ」「タイタニックだよ」「メガヒットか」「映画じゃねえよ。沈みそうだってことだよ」
    ただ内容はめっちゃ暗い。
  • 罪の声
    前半から中盤まではなかなか読み進められないが後半は気になって読みきってしまいました。
    何日にもわけて読んだのでもう一度読み直したいです(笑)
  • 存在のすべてを
    日本の画壇の内情を知ることができた。権力争いに奔走し創作活動は疎かに。政界と同じだね。SNSの普及で画壇を通さず、いいものが評価されるようになってほしい。
    塩田武士さんの本を読むのは3冊目。淡々と進んでいくように感じられてどこか物足りないのは相性が悪いのかな。
  • 存在のすべてを
    ⭐️3.8

    30年前、二児同時誘拐事件が起きた。
    時効となった未解決事件を新聞記者が真相を追いかける。塩田さんの作品は『罪の声』以来の2作目。
    序盤は警察の専門用語が多く、読解力が乏しい私にはスムーズに読めず…更にページの多さに何度か挫折しそうになったけど第二章の里穂が出てきてから内容も頭に入るよ...続きを読む
  • 存在のすべてを
    読みはじめたけど、なかなか進まない…しばらく積読本だった。この連休中に絶対読むと決めて再読。やはり最初の誘拐事件のあたりはスムーズに進むんだけど、それ以降は画廊関係の登場人物が沢山でてきて相関がいまいちわからず整理しながらなんとか。しかし、亮君と野本夫妻の日々がわかるあたりから読みやすくなり一気に読...続きを読む
  • 罪の声
    前回初めてこの人の著書「存在のすべてを」を読み、興味を持ったので、今回2冊目です。

    パターンが同じでした。前半は話がややこしく、よく分からないまま読み進め、後半は感動が待っている。

    自分には少し読みにくい作家さんかもしれません。もう少し頭が良ければもっと満足できる気がします笑
  • 罪の声
    グリコ・森永事件の裏で本当にあったのではないかと思ってしまう位のリアリティ感。
    読み応えは抜群でした。