塩田武士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自由から世界を生み出す - 塩田武士「デルタの羊」 ★★★☆☆
非常に凝った作りになっていて、前半は可読性が悪いです。アニメと映像をうまく融合できれば映像化してもいいかもしれないかな。ただ金はかかるな。
前半と後半で全然別の物語になっていて、前半はさらに2つ。アルカディアでさらに1つなので、4つのお話が進みます。厳しいな。さらに物語の中に主張がたくさん入っているので、エピローグで、回収するのがてんやわんや。もう少し絞ってシンプルにしても良かったかもー。
#引用
・人は自由から世界を生み出す
・自由は、ただあるだけではないに等しい
・綻びは往々にして小さな棘から生じる
・執念は必然的に狂気を生 -
Posted by ブクログ
うーーーーん、面白かったんだけど、せっかくここまで種明かしするならちゃんと動機を犯人に語らせて欲しかった。自分が父を陥れた事が明るみに出るのを恐れての犯行、って俺は解釈したんだけど、解釈が分かれるラストにしないところを塩田武士のいい点だと思ってたので、星3つ。ミステリーと考えるとトリックも特に面白くはないのだけど、登場人物がなんとも良い。主人公の本宮もいいし、何しろペア組んだ優子が魅力的なので彼女が出てくる続編が読みたい。この刑事二人の崩壊しそうでしなかった家族像と対比して読ませるのもうまいとは思った。それにしても警察官を主人公にしておいて「本宮」は駄目だろう。何度も「本官」って一人称に読み間
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Posted by ブクログ
文字通り将棋しかない人生の少年が、奨励会という修羅場で力尽き、退会後も将棋が忘れられず、修練を積んで三段リーグ編入試験へと臨むストーリー。まさにいま映画化されたばかりのしょったん、こと瀬川晶司の生き様が思い起こされる。
挫折なしに三段リーグを突破してプロ棋士になるのももちろん険しい道だが、ドロップ・アウトして、一度社会に出てから再び将棋の世界に挑戦するというのは更に想像を絶する厳しさだ。
そこを敢えて進もうとする根性、気概にはやはり心打たれるものがある。
この本はどうやら続編があるらしい。真剣師である林が主人公ということらしいので、そっちもぜひ読んでみたいなぁ、と。 -
ネタバレ 購入済み
興味深い
グリコ森永事件!あの事件のことは今でも覚えています!子供のお菓子に毒を入れ金を脅し取ろうとした許し難い犯罪!その事思いながら読んでみると興味深くて面白かったです!
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Posted by ブクログ
昭和感あふれる読書2冊目。
読んだら続編だった、元のやつも読んでみよう。
登場人物たちのキャラクターや生活感がなかなか軽妙な筆致で描かれていて興味が惹かれた。
筆者も巻末の対談で述べていたが、本を貫くテーマに「昭和」があった。令和のいまから考えたら2つ元号が前、混沌と勢いがあってハッタリのきく時代。上手く表現できないけど、枠ができきっていないから、世の中のポケットに落ちる人がまだいたような時代。
クライマックスに向けてすごく盛り上がっていくような内容ではなかったんだけれども、昭和で大阪な舞台で描かれたストーリーは面白かったです。
この本を読んだこともあり、こういうご時世だから私も自分を振り