塩田武士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★-1としたのは登場人物が多すぎて頭の整理が追いつかなかったからでストーリーの完成度の高さは満点であることを先に弁明します。
塩田さんの作品はどれも罪≠悪を描いていて物事を一側面で捉えてはいけないという教訓じみた想いを抱かせてくれるのですが、本作はその点がとても色濃く描かれています。
罪のベースにある理不尽さ。その理不尽さが社会構造に起因するのだという作者からの問題定義と受け取りました。
現代社会がジェンダーフリーだマイノリティの尊重だと体裁だけ整えるような対応に終止しているように思えてならない私には、
現代でも、いや現代は過去よりさらに、この作品の被害者(?)を生み出しやすくしているのでは -
Posted by ブクログ
今年度、暫定No.1!
帰省時のバスで、なんか読も、と思って手にした一冊。新刊に読みたい本が書店に色々並んでいたが高いのでグッと我慢して、「前に読んだことのある作家だなぁ」くらいの認識でこの文庫をチョイス。
Debut作だったんですね。将棋にはあまり思い入れのない私なので、少し読み進めてから失敗したかなぁと思ったけれど、私以上に主人公が将棋に思い入れがなかったので、安心して読み始めました。気がつくと一気読み。最後はちょうど目的地についたところで、読後感サイコーでした。アルファ、というモチーフはあまり響いて来なかったかな。
解説も気持ちよく読めましたが、続編をぜひ読みたい、という気持ちより、こ -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!
個人的には前作より好き。順番に読んだ方が被る登場人物がいるので楽しめると思われる。
棋士というと堅苦しい品行方正なイメージがある。ひふみんが人気が出たのはそんなイメージからズレたお茶目さといい加減さがウケたのではないか。私も好きだ笑
この小説も棋士のイメージとかけ離れた、しかも、ひふみん路線ではなくアウトロー路線のきな臭い世界だった。
キャラクターがなんとも言えず良かった。出てくる人、みんな味がある。人間臭いところが良い。
関西弁のやりとりも最高だ。テンポ良くツッコミ合う感じが面白い。
謎多き伝説の真剣士を探す旅に出るのはアラフォー女(多分結構美人)とリーゼントのチンピラアサ -
Posted by ブクログ
久々の塩田さん〜
な〜んか切ないな…
やりきれん感満載。
大火事を契機に、揺れる女性の人生というか生き様…
それが、三代も…
今でも、男女平等といわれながらも、まだまだやのに、こんな前の時代の女性なんか、振り回されて生きて行くのかな。それも男によって。
不倫、
離婚、
アルコール依存症、
etc
生きていく上で、色々あって、
人を殺め…
罪の意識に苛まれながら、やっと…
行方不明の女性を探して、元新聞記者のライターが、取材しながら、明らかになる真実。
もうええやん!と言いたくなる。
何が正しくて何が正しくないのか、という問題が重要なわけではない。むしろ、どうすれば正しさと正し