塩田武士のレビュー一覧

  • デルタの羊
    一冊の本の中に、アニメの中のアニメ?と読み進めているうちに、ひとつの作品はドキュメントアニメなんだと気づき、そのふたつがうまく溶けあって進んでいく。『アルカディアの翼』は、見たこともないし見ることもない作品なのに、絵が頭の中で駆け抜けるほどの描写。スカイカラーが見てみたい。
  • 氷の仮面
    表紙のキレイな写真に惹かれて購入。所謂、ジャケ買い。

    性同一性障害男の子のお話。多分、私より5、6歳上の世代かな?
    結局の所、身体の性別がどうであれ、心の性別がどうであれ、自分自身をちゃんと見てくれる人はちゃんと見てくれる。って読んだ感想。
    性を超えられなかった男の子2人のお話。クライマックス電車...続きを読む
  • 氷の仮面
    近頃は小説や映画などでも題材として取り上げられることが増えたLGBTQだけど、本人の苦悩や性を換えていくことの苦労が丁寧に綴られている本作はとても引力があったし物語としても充実した内容だった。

    物語の始まりは主人公の白水翔太郎が小学生4年生の頃。同じクラスになった真壁くんの顔を見た瞬間、翔太郎は恋...続きを読む
  • 氷の仮面
    最後は号泣しながら読みました。
    性同一性障害の方が自分の性に対する違和感をもち、別の性として生活し、戸籍を変え、どう生きていくか。色々な葛藤や困難を抱えながらも生きていかなければならない。
    自分では、性同一性障害について少しは理解しているつもりでしたが、それが浅いものだったと感じました。家族愛につい...続きを読む
  • 氷の仮面
    とてもリアルに描かれていると思った。
    まるで体験したかのように細かく丁寧にストーリーが展開されていって楽しいような、少し苦しいような。
    危険な思いをしてまでも手術を希望する気持ち。
    そしてタイトルにある氷の仮面を溶かすのは人の優しさ。

    しかし最後の展開は意外でした。
  • 氷の仮面
    最近よく映画化されている塩田武士氏の小説初読。

    性同一性障害の「女性」を慈愛を持って描く感動作でした。

    子供の頃からの思い、演じなければならないこと、いじめ、姉の存在、そして母親、父親、ママ、仲間との関係、その中での決断、最後に知る事実。

    1人の女性の小学生期から大人になるまでのブレない強さ、...続きを読む
  • 盤上のアルファ
    続編的な 著書の盤上に散る の方を先に読んでいたが この作品の方が文章のリズムや展開等も良く出来ている感じ
  • 氷の仮面
    とても綺麗な小説だった。悶えるくらい切なくなる。人を思う気持ちに、性別なんて関係ない。ただ好きなだけ、ただその人のことを思うと胸が苦しくなるだけ、手を伸ばしたい、触れたいだけ。そんな気持ちがしんどいくらい伝わってきて涙が出た。結ばれなくてもどんな時も心の中に居て支えてくれた人がいることだけで、真壁く...続きを読む
  • デルタの羊
    何回裏切られたんだろう(笑)

    アニメ製作・制作を舞台に繰り広げられる壮大な世界観についていけず(笑)
    冒頭は、SF小説 アルカディアの翼から始まる……
    暫く何を読んでいるのか、うまくピントが合わない。暫く読み進んでも、さらにズレていく……

    アニメ業界の抱える課題が次々と浮き彫りとなり、窮地に追い...続きを読む
  • 罪の声
    史実に基づいたミステリーとして緻密な構成で迫力があり、
    ストーリー展開も見事だなあと思います。
    ですが、そのうまさゆえに全くのフィクションと思えなくなってしまい、
    読んでいて辛くなりました。
    作者は「子どもを巻き込んだ事件」というところに着眼した
    と最後に記述していますが、だからこそやるせない。

    ...続きを読む
  • 騙し絵の牙

    映画楽しみです!

    大泉洋さんと被らせ最後まで楽しく読ませていただきました。
    最後の大逆転は気持ちよかったのですが、道中スカッとする事が少なかったので、途中途中騙している速水の姿が欲しかったです。
    映画のキャスト陣も最高ですので期待しています。
  • デルタの羊
    この作者の作品を何作か読んできて、二番煎じ的な作品が多いなと感じてしまった。本作についてもこれはアニメ「shirobako」の小説版じゃんと思ってしまった。内容もどこか古くこの作品でやってることはとうの昔に京アニがやって来た事じゃないかと思ってしまった。京アニといえば昔手塚プロダクションで働いていた...続きを読む
  • 氷の仮面
    性同一性障害の方が抱える葛藤や、乗り越えなければならない現実的な問題が丁寧に描かれており、主人公の繊細で淡い恋心が可愛くて愛おしいと思った。

    大多数の人が思う「普通」じゃなくても、「当たり前」じゃなくても、誰が誰を好きになってもいいと思う。
    それは決して汚らわしいものなんかじゃないはずだ。

    私達...続きを読む
  • デルタの羊
    冒頭の冒険ファンタジーが面白く、このまま続くお話かと思いきや、この伝説の物語をアニメ化したいと願う男たちの話だった。と思っていたら、それが失敗した経緯をドキュメンタリーアニメにしようとしていたのだった。。。と仕掛けがたくさんありましたが、それよりなによりアニメ愛がすごい!。
     でも、自分はかつてその...続きを読む
  • 罪の声
    ドクターデスと同様、映画化されたことがきっかけでで読んだ(映画→原作の順番)
    私が生まれる前に起きたグリコ森永事件、恥ずかしながら詳細は知らずにいたけど、この件に限らず大小関係なく事件には被害者と加害者だけでなくその周りの人たちがいて、それぞれが抱えている苦しみがあると改めて感じた。
    特に生島家の子...続きを読む
  • 女神のタクト
    うーん、勢いもあるしコミカルだし面白くサクッと読めたけど、塩田武士にしてはイマイチだった。魅力的な人物は多いんだけどなんか掘り下げが甘くて物足りないし、ラストのラフマニノフの演奏の描写もあまり感動が伝わってこなかった。塩田武士にしてはあっさり。ラストもあっさり。つまらなくはないけど、微妙。
  • 雪の香り
    ぐわわ、せつない。こんなラブストーリーも描けるのか、塩田武士。本作の雪乃はノルウェイの森の緑に次ぐ俺のライフタイムベストヒロインに入るよ。しかも主人公の名前が恭平。主人公が雪乃の事を好きでたまらなくて、いちいち自分の持つ愛情に気づいたり、細かく傷ついたり、共感できる心理描写が良すぎた。雪乃がめちゃく...続きを読む
  • 拳に聞け!
    こういう人情スポ魂ものも書けるんだ塩田武士。面白くて一気に読んだ。登場人物の描写もいいし、人間関係の組み立て方もうまいし、やっぱり会話がテンポよく可笑しみがあって大きな魅力になってる。帰ってきてくれたオヤジの愛弟子のシーンと、「拳に聞け!」のシーンは興奮した。
  • 盤上に散る
    面白い。ただの続編じゃないのが憎いぜ塩田武士。テンポ良い展開と読んでて気持ち良い会話のやり取りが良かった。この人探しの様子は罪の声で更に磨きがかかったわけだ。ラストも良かったな。ちゃんと全部喋りきって終わりにするところがこの作家の良いところ。真剣師のおっさんの純愛かっこよかった。内容もさる事ながら、...続きを読む
  • 盤上のアルファ
    面白い。33歳のおっさん2人を主人公にした青春ど真ん中もの。人物描写が上手いし、軽妙な関西弁のでのやり取りがテンポ良くて黒川博行を彷彿とさせる。この作家はなかなか凄い。三段リーグに復帰してからの続きが読みたい!