塩田武士のレビュー一覧

  • 罪の声

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    重い、重すぎました。この事件をきっかけに、日の光の当たらない人生を歩まざるを得なくなった人たちの現実が重すぎて消化しきれない、やりきれないです。後から調べたら実在する昭和の事件がモチーフということで、改めて衝撃をうけました。

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    2026年06月27日
  • 起点

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    文庫オリジナルの短編4作が収録されている。
    合計189ページなので気楽に読めたし、税抜500円とお得価格でした。
    さすが塩田さん、短い物語でも笑いあり涙ありでした。
    特に『仮縫い』が良かった。
    男の馬鹿さ加減が見事に描かれ、最後は感動と元気ももらえました。

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    2026年06月24日
  • 罪の声

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    俊也と阿久津の地道な取材を通して少しずつ少しずつ真実が分かってきて、同じものを追ってきた二人の情報が交差して最後には2人が出会う。出てくる登場人物や情報を整理しながら読んでいくのがしんどくなることもあったが読む手が止まらなかった。
    犯人が誰だったのか?というよりは加害者、被害者がどういう背景があって事件に到り、その後どんな人生を歩まねばならなくなったのかが、ノンフィクションのようにリアルに書かれてあり、壮大なドキュメンタリーを見ているようだった。純粋にすごい作品を読んだ余韻が残る。

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    2026年06月24日
  • 罪の声

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    前半部分は事件の内容=犯人捜しに興味が行きますが、後半は事件に関わった人に焦点を当てた話しになります。事件では加害者と被害者がありますが、加害者の関係者、例えば家族、友人など、も被害者になってしまうことがある。改めて犯罪とは、多くの人を不幸にしてしまうと感じました。

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    2026年06月22日
  • 罪の声

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    実際の事件を、ベースにした小説。
    被害者であり加害者という視点から、2人の対照を出すことで、話の深さを作っていた。
    ここからは元ネタについて、調べていきたい。

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    2026年06月22日
  • 罪の声

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    ネタバレ

     グリコ・森永事件を題材に、事実とフィクションを交えて物語が展開されていく。

     京都でテーラーを営む曽根は、父の遺品整理の最中に古いカセットテープを発見する。そこには幼い頃の自分の声が録音されており、その音声がかつて世間を騒がせた企業脅迫事件で使われた脅迫テープと同じだと気付く。
     曽根は、自分が知らないうちに事件に関わっていた可能性に衝撃を受け、真相を探り始める。

     一方、新聞記者の阿久津は、事件発生から長い年月が経ったこの事件を、新聞の特集として真相を追うことに。
     取材を進める中で、事件の背後には複数の人物の思惑や社会的な不満、そして警察の捜査を巧みにかわした犯人グループの存在があったことが見えてくる。

     やがて曽根と阿久津の調査は交差し、事件に利用された子どもたちや家族の苦悩、そして犯人たちが抱えていた事情が明らかになる。

     物語は単なる犯人探しではなく、犯罪によって人生を翻弄された人々に焦点があたっている。特に、何も知らないまま犯罪に利用された子どもたちが、大人になってからも消えない不安や葛藤を抱え続ける姿が丁寧に描かれている。

     最終的に事件の全貌が浮かび上がるものの、失われた時間や傷ついた人生は元には戻らなかった。曽根は、被害者でありながら加害者の親族という複雑な立場のなか、事件を風化させないため、そして「未来につなげる」ために、調べてきたことを公表することに。

     作品は未解決事件の謎を追う緊張感があって、罪の重さや責任の所在、人間の弱さと再生を深く問いかける物語だった。

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    2026年06月20日
  • 氷の仮面

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    男でも女でも、好きになったらならそれでええやないか、って思てまう。
    「許されない恋」とか聞くと、誰の許しが必要なんだ、って思てまう。
    真壁くん、かなりええオトコである。

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    2026年06月14日
  • 起点

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    初めての作家さん。初めましてには丁度よい。講談社さんの550円シリーズ.良い企画で助かります。4話からなる短編集。どんな話かと思ったら、リアルサラリーマンあるある話や中年男のホロっとくる昔話、少年の事故が絡んだミステリー、そして著者の作品の50年後を描いたSFと飽きない内容になってました。まさに名刺代わりの本ですかね。

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    2026年06月07日
  • 起点

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    今や社会派作家として地位を築いた塩田さんの初期の短編を収録したものです。文庫なのでお買い得ですね。
    まずは周囲を固めながら物語を構築し、最後に真相にたどり着く書き方は、読書体験として心地よい。
    最後にある、今回書下ろしの超短編、近未来のAIなしでは生きられない社会は、作家としての著者の憂いがものすごい伝わります。

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    2026年06月04日
  • 起点

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    不穏な空気だけではなく温かさを感じるからこそ、塩田さんの作品が好きなのだと感じる。「仮縫い」が特に好き。

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    2026年06月03日
  • 盤上のアルファ

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    関西弁のやり取りが面白く、テンポよく読めました。将棋に詳しければもっと楽しめたんでしょうけどわからなくても楽しめます!

    どの登場人物もキャラが立ってて魅力的です。
    実写化も出来そうですし続編もやれそうですけど、ないのかなぁー。

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    2026年05月31日
  • 朱色の化身

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    ある女性の姿を第三者に語らせ、取材という手法で浮き彫りにしていく意欲的な作品。「悪女について」を思い出した。そこに主人公の家族も絡んできて、少しずつ解き明かされていくその女性の人生には魅了されるし、深まっていくドラマに引き込まれて、香港に出張してる間に一気に読んだ。

    って書くと面白そうだし、確かに面白かったんだけど、なんかこれはテーマを詰め込みすぎじゃないか?作者頑張りすぎじゃないか?知ってること全部詰めたのか?という気もした。簡単に取り上げられているテーマだけでも、女性が差別された時代、男に縋らないと生きていけない女性達、ゲーム業界、ゲームやアルコール依存、不倫、芦原大火などなどあり過ぎで、収拾がついていない印象を持った。それに、開幕がいきなり昭和30年代の火事のシーンで、ここがとっつきにくい。どんな話になるのかさっぱりわからないし、ラストまで読むと意味は通るんだけど、これは導入としては筋が悪いんじゃないかなあ。

    それと最も無理があると思うのは、生きてる人間に対してそこそこ近い関係の人たちが軽々しく個人的なことまで喋り過ぎでしょ、という点。報じないからいいってもんじゃないだろ。ここが不自然を通り越して無理だろ、と思いながら読んでた。あとさ、途中で出てくる教師は女性で女子生徒に強制わいせつしたって事だよね?そんな事もあるのはわかるけど、ちゃんと書き分けてないからえ、って思って無駄に戻ってしまってわかりにくかったよ。

    しかし塩田武士はすごく力のある作家なのは確かだよ。途中のゲーム依存の若者の「ゴミクズがあ!」とか「謝るまで止めんぞ」の描写がリアル過ぎて涙が出たよ。

    少しずつ話がつながって広がっていくミステリとしてはとても面白かったし、サウンドノベルのファンとしてはそれが登場してて嬉しい限り。しかし全体的に風呂敷を広げ過ぎてちゃんと畳めてないなと思うし、ラストもあっさりしすぎという印象。それと、俳句の「朱の化身」とタイトルの「朱色の化身」について解釈を残してきちんと語られていないのも物足りなかった。

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    2026年05月30日
  • 起点

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    550円シリーズ!買いやすく読みやすく私はとても好きです。これからも販売が楽しみ。塩田さんの短編は関西弁が軽快で読みやすかった。「鈍い火」が1番好きです。

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    2026年05月29日
  • 罪の声

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    「グリコ森永事件」と「きつね目の犯人」の似顔絵
    昭和を知る者にとって記憶に残る事件

    この、実際にあった未解決事件をもとに、場所や時代もそのまま、特に犯人からの要求などに子どもの声を使っていた点に焦点を当ててフィクションとして作られた物語。
    現代の日常生活から突然31年前の事件が身に降りかかる。

    ショッキングな出だしのあと、遅々として焦れるような展開が続くが、150ページをすぎた頃から物凄い緊迫感を覚える。

    読むほどに作者の凄まじいほどの熱量を浴びて、ラストシーンまでくぎ付けになった。

    これは映画も観なくちゃ!

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    2026年05月27日
  • 起点

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    塩田武士『起点』講談社文庫。

    講談社文庫55周年を機に、550円で読める文庫本の企画の1作。既に東野圭吾、赤川次郎の作品が刊行されているようだ。昔は普通にこの程度の金額で文庫本を手にすることが出来た。自分が知る限り、160円や180円で芥川龍之介や太宰治、夏目漱石など名だたる作家の小説が購入出来たと思う。小松左京や筒井康隆の短編集も180円、260円という安価な値段だった。

    単行本未収録の4編収録の短編集である。4編とも風合いが全く異なり、読んでいて結末が楽しみになる。


    『小さい上司』。

    こういうドケチなヤツはたまに居る。自分の会社でも入社してから結婚するまで会社の付き合いは一切断り、600万円を貯めたヤツが居る。コヤツは結婚に際して、結婚相手に貯金は幾らありますかと尋ねたらしい。

    人は様々な事情を抱えて生きているが、多くの人はそれを自分の胸の中に留め、前を向いて生きている。

    田舎の市役所に就職した吉村啓太は上司で41歳の小山田のドケチぶりと虚言癖に辟易としていた。ある日、小山田に振り回される啓太は小山田のドケチの理由を知る。


    『鈍い火』。

    ミステリー色のある短編。今の時代、ニュースなどを見ていると些細な理由で人を傷付けたり、殺害したりという悲しい事件が相次いでいる。また、大切な人を殺害された被害者遺族には復讐の機会も無く、裁判の判決も納得のいかない場合の方が多いように思う。

    巨漢の新聞記者の調査により、事件の深層に潜む事実が次第に明らかになるプロセスが面白い。

    新聞記者の瀬戸山育郎は、34歳の室戸健二が小学1年の男児を飲酒運転の車ではねた事件の裁判で、かつて仕事で関係のあったテレビ局でディレクターを務める岡崎亮の姿を目にする。裁判の後、岡崎に話を聞くと、岡崎の息子の優弥が被害者で意識不明の重体であると言う。


    『仮縫い』。

    35年もの間、叶わぬ恋を願い続けた実直な男が手にした宝。なかなか出来ることではない。結婚式での父親のスピーチが素晴らしい。

    48歳になった中学校以来の仲間5人は、仲間の1人であるリンネンと呼ばれる林稔の結婚を知り、驚愕する。何しろ相手の女性は5人が憧れていたテーラー青木の娘の青木由美子だったのだ。


    『起点』。

    4編の中では一番短い掌編レベルの1作。舞台は近未来で、ネットには情報があふれ、人工知能が活躍し、普通の取材や物書きが通用しない時代のようだ。著者の傑作『罪の声』を登場させ、主人公に面白さが解らないと言わせる辺りはなかなか。

    本体価格500円
    ★★★★

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    2026年05月26日
  • 起点

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    講談社の新しい試み。新レーベルかつ塩田武士というのもあって手に取った。短編が4篇。表題の「起点」ーおそらく書き下ろしで他は過去作ーに惹かれて買ったのだが、他の3篇の方が気に入った。

    『罪の声』『存在のすべてを』と比べてコミカルな感じで読みやすい。しかし通ずる要素はふんだんにあった。

    人間を描くということを昔から変わらずやっているんだなと感じたし、人間臭さで言えば昔の方が好きかもしれない。

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    2026年05月25日
  • デルタの羊

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    アニメの制作現場とプロデューサー、制作委員会にまつわるあれこれのストーリー。

    これまで現場スタッフの好きなアニメの仕事ができるという《やりがい搾取》の中でそれでも成長し続けてきたジャパニーズアニメ。

    忙しさを誇る幼さをなんとかしなくてはならん、とあれこれプロデューサーは奮闘する。

    〜いつまで昭和を引きずるんだ。阪神のクリーンナップは、バース、掛布、岡田じゃないんだぜ。
    には笑ってしまったが大きく頷いた。

    新しい技術を取り入れ、現場スタッフの地位を向上させ新たなる作品を生み出す。

    50代の自分は子どもの頃から大量のテレビアニメ、アメリカのハンナバーベラを楽しんだ。

    《さらば宇宙戦艦ヤマト》を映画館で観た時の絵の緻密さは子ども心に衝撃だった。

    そういった過程を経て日本のアニメは素晴らしい進化をした。
    しっかりした原作、しなやかな動き、美しい絵、個性的な声、感情を揺さぶる音楽、どれをとっても超一流だ。
    もはやピクサーと同等以上だろう。

    自分はこの作品で初めて《文字でアニメを堪能する経験》をした。
    ワクワクドキドキして、作中のアニメを見終わった(読み終わった)時は感動以外の言葉が見つからなかった。


    日本のこのコンテンツは歌舞伎同様、国宝だ。

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    2026年05月20日
  • ともにがんばりましょう

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    地方新聞社入社6年目、引っ込み思案であがり症の武井。
    委員長の寺内に労働組合本部に引っ張られ、経営陣との団体交渉を経て成長していく物語。
    言葉は知っていても、初めて知る団体交渉の裏側にへぇーと思うばかり。

    「文句を言うことは誰でもできる。しかし、交渉本部に求められているのは結果だ。」

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    2026年05月10日
  • 雪の香り

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    まさに純愛ミステリーですね。凄くよくできてる作品だと思いました。何故男に近寄ってきたのか?何故忽然と姿を消したのか?徐々にわかってくるのが、たまりませんでしたね。最後の最後がまた良い。ラストはあれで良いと思いましたね。良い作品を読ませてもらいました。塩田武史先生の作品は良いですね。ちなみに登場人物の風間恭平は、めちゃくちゃ痩せた伊集院光。北瀬雪乃は、豊崎愛生を想像して読みましたてか、風間恭平はどうでも良くて、北瀬雪乃は、愛生ちゃんだよ絶対に。

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    2026年04月27日
  • 騙し絵の牙

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    編集長の速水からの視点で、出版業界で生き抜くさまを描いた本。速水の生い立ちは、最後にわかる。登場人物のキャラクターは比較的わかりやすく描かれており、利害関係とかに無理なところもない。タイトルはすっかり忘れたまま、最後まで読んでしまいました。

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    2026年04月20日