塩田武士のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
『砂の器』を思い出した…。
謎解きではなく、事件関係者の足跡を
丹念に積み重ねた物語です。
二件の誘拐が同時に起こった理由も
誘拐犯の手口なども
わりと早い段階で明らかになるけど
身代金受け渡しに失敗して
戻ってはこないと思われていた4歳児が
3年の時を経て自ら帰ってきた理由と
誰とどう暮らしていたかは
警察としてはもう深掘りできなかった。
しかし30年の時を経て、新聞社の門田が
元刑事・中澤の死をきっかけに
あらためて真相を追おうと決意する。
これが外側からの展開。
一方「人気の写実画家は、誘拐児・亮だ」
とマスコミに暴露され
交流のあった画廊の店主・里穂が
彼との過去を思い出し
その -
Posted by ブクログ
ネタバレ友人に勧められて読みました。
文庫じゃなくハードで本を買ったのは久しぶり。
買ってよかったと思いました。
正直登場人物が多くて、途中は関係性がわからなくなったり、誰がなんて言ってたかわからなくなって戻ってみたりしましたが最後まで諦めず読んでよかったと思いました。
元々絵画が好きで美術館に行くことも多いですが、写実画は見たことがなかったので美術館に行ってみたいなと思いました。
物語は最初の誘拐事件から、どんどん話の主人公が変わり、色んな立場でこの事件を見ることができました。最後は涙涙で、本でこんなに泣いたのは初めてに近いかも。救いがあってよかった。みんなの愛を感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ三度目の正直でようやく読み終えられた!
そして、読んで良かったと思えた。
最後は母の気持ちでぼろぼろと涙が。
わたしは案外門田さん好きです。
それから、文章がとても写実的で、実際のその場をよく知る人なら脳裏にそのイメージがありありと浮かぶのだろうなと感じた。
スマホで画像検索しながら読みました。
作者の他の作品を知らないのでなんともいえないけれど、写実画家のお話でこの描写。
読み終わって考えてみれば、幸せとは何か、本当にわからなくなる。
亮と関わったことによって生まれた幸せと破滅。
関わらなければ安穏とした日常がただ続いていたのかもしれないと思うと、なんともいえない気持ちになる。
でもそんな -
Posted by ブクログ
大部分は新聞記者の門田が事件を調査する様子が描かれていて、ノンフィクションを読んでいるような気分だった。描写が細かく(ETCカードを忘れた。みたいな描写は必要だったのか?)、なかなか話が見えず、全体が掴めない。そもそも長い。しかし、ただの記者が警察も辿り着けなかった真実に辿り着く経緯を書くにはこの長さが必要だったんだろうな。
ラストは一気に読んでしまった。何とも苦しくも、幸せな「人生」。ディティールを観ると不幸に見えるかもしれないけど、確かに幸せもあって、俯瞰で見た時にそれが人生に見えるんだな。「水はどう描けばいいのか」に通づるなと思った。
「描きたいものだけを細かく描いても嘘くさくなる。キャ -
Posted by ブクログ
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった―。1984〜85年に起こった昭和史に残る、グリコ森永事件を題材にした作品。 舞台は関西を中心に展開される。 新聞記者がグリコ森永事件を取材する話と、自身が加害者の息子である人物の視点から話が進んでいく。もともと身代金より株で儲けるつもりだったという話は、なかなかおもしろか
-
Posted by ブクログ
ネタバレ小栗旬さんと星野源さんが演じる映画を観て、原作も読みたいと思い購入しました。
映画より分かりにくかった部分が細かく描写されており楽しめました。結構映画では削られてたんですね…。映画同様に好きなシーンは、やはり生島家族で亡くなった姉の声を聞くシーンでした。"声"により波乱の生活を送る様になった一家。罪の象徴でもある様に扱われていた声ではありますが、最後にはその声で失われた家族の時間を補う存在となった事に深い感動を感じました。
阿久津と俊也がバディとなる部分は映画と違い最終盤。そして曽根達雄との対峙もまた中盤という展開。この部分に関しては映画も原作もどちらも良いですね。
面白か -
Posted by ブクログ
轢き逃げ事件の犯行車両が被害者宅に……というスクープを取った新聞記者の物語が第一話。
まるで誤報と虚報をテーマにした5話の短編集、連続短編のように描かれていたが、数多の点が絶妙に繋がっては途切れ、途切れては繋がるような感覚を覚えて、全てを一つの物語と勘違いしたまま読み終えてしまった!
それほどに、たった150ページの中に多くの人物、誤報事件、虚報事案が発生する。
人や媒体を信頼することと、情報を信頼することの違い、そして人も自分も情報をどのように得て受けられるのか。
「歪んだ波紋」は、決して作中の苦悶する記者たちだけではなく、自分のような他業種、一般的人間の判断力が問われる罠のようなも