塩田武士のレビュー一覧
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ある女性の姿を第三者に語らせ、取材という手法で浮き彫りにしていく意欲的な作品。「悪女について」を思い出した。そこに主人公の家族も絡んできて、少しずつ解き明かされていくその女性の人生には魅了されるし、深まっていくドラマに引き込まれて、香港に出張してる間に一気に読んだ。
って書くと面白そうだし、確かに面白かったんだけど、なんかこれはテーマを詰め込みすぎじゃないか?作者頑張りすぎじゃないか?知ってること全部詰めたのか?という気もした。簡単に取り上げられているテーマだけでも、女性が差別された時代、男に縋らないと生きていけない女性達、ゲーム業界、ゲームやアルコール依存、不倫、芦原大火などなどあり過ぎで -
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塩田武士『起点』講談社文庫。
講談社文庫55周年を機に、550円で読める文庫本の企画の1作。既に東野圭吾、赤川次郎の作品が刊行されているようだ。昔は普通にこの程度の金額で文庫本を手にすることが出来た。自分が知る限り、160円や180円で芥川龍之介や太宰治、夏目漱石など名だたる作家の小説が購入出来たと思う。小松左京や筒井康隆の短編集も180円、260円という安価な値段だった。
単行本未収録の4編収録の短編集である。4編とも風合いが全く異なり、読んでいて結末が楽しみになる。
『小さい上司』。
こういうドケチなヤツはたまに居る。自分の会社でも入社してから結婚するまで会社の付き合いは一切断り -
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塩田武士さんの文庫出てる!
帯に「この面白さで550円!」ってある!
550円やから薄くて、ペラペラやけど^^;
「小さな上司」
ちっちゃ〜!ちっちゃ過ぎる!(-。-;
確かに、苦労してそうな上司かもしれんけど、あかんわ〜
奢ると言って、ほぼ割り勘とか、細かい!
昔、そんな先輩おった!
呑みに行ったら、割り勘は良いとしても、1円単位でやらんでも、そこは、先輩がキリのええとこで、多少、多めに払うとかしいや〜(-。-;
「鈍い火」
自分の息子が轢かれ意識不明。
犯人は、執行猶予まで付いた。
でも、事故現場は、見晴らしの良い一本道!
何かある!
何かあったけど、悲しい!
何があったとしても、息子 -
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塩田武士『存在のすべてを』朝日文庫。
第9回渡辺淳一文学賞受賞、2024年度本屋大賞第3位、『本の雑誌』が選ぶ2023年度ベスト10第1位と評価の高いミステリー小説。
何と深い余韻の残る小説だろう。単なるミステリー小説だけに留まらず、描かれる人間模様に読み応えを感じた。未解決誘拐事件の被害者男児のその後と事件に当事者として関わった家族、警察、新聞記者たちの30年間の様々な人生が描かれる。
序章に描かれるのは1991年に神奈川県で発生した二児同時誘拐事件である。最初に誘拐された厚木に暮らす小学6年生の立花敦之は2千万円の身代金を要求されるが、警察により川崎市内の倉庫で無事に保護される。も -
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ネタバレ似たような物語は結構あると思います。
大まかなところは「夜の道標」や「52ヘルツのくじらたち」とかを思い返した。
けど、もちろんこちらの作品ならではの義理の親子の姿が展開している。
子を望む夫婦と親の温かさを望む子供。
血のつながりはなくとも確実に親子だった。
普通とは違う別れが確実に近いうちにやってくるのがわかっていても、それでも親子の形を辞めたくない気持ちに涙しました。
誘拐事件は許されるものではないけれど、それが確実に被害者が被害を被っているかどうか…なんだかとても複雑な気持ちになったけど、ひとつ理解したのは「見えているのは結果だけ」だということ。
背景を慮ることの大事さも学んだ気が -
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アニメの制作現場とプロデューサー、制作委員会にまつわるあれこれのストーリー。
これまで現場スタッフの好きなアニメの仕事ができるという《やりがい搾取》の中でそれでも成長し続けてきたジャパニーズアニメ。
忙しさを誇る幼さをなんとかしなくてはならん、とあれこれプロデューサーは奮闘する。
〜いつまで昭和を引きずるんだ。阪神のクリーンナップは、バース、掛布、岡田じゃないんだぜ。
には笑ってしまったが大きく頷いた。
新しい技術を取り入れ、現場スタッフの地位を向上させ新たなる作品を生み出す。
50代の自分は子どもの頃から大量のテレビアニメ、アメリカのハンナバーベラを楽しんだ。
《さらば宇宙戦艦ヤ -
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炎上、それは本当に他人事だろうか?
本作を読んで、「もしも明日自分が炎上したら」と人生で初めて考えた。
勧善懲悪のストーリーに非現実さを感じるように、実際の人間社会とは複雑で、見る角度によってその印象は大きく異なる。
それなのに、SNSでは毎日誰かが自己責任論を盾に個人を攻撃している。
その一つひとつの攻撃により、積み重ねたキャリアを奪われたり尊い命が失われることもある。
そんな「赦されない社会」が幸せな社会とは思えない。
10年後、いや5年後に「炎上」という言葉が死語となり、(著者や出版社には申し訳ないが)本作が古臭い作品として忘れられていく未来を願う。