塩田武士のレビュー一覧

  • 氷の仮面

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    「女性になりたい」という強い思いを胸に、自分の人生を切り開いていく主人公の壮絶な歩みが描かれた物語。苦しくもどこか美しさを感じる作品だった。

    「ひとりだけ違う世界に住んでいる。ミラーハウスという名の反転な世界に。」という一文が心に残る。周囲と同じ場所にいながら、どこか違う世界にいるような孤独が伝わってきた。

    辛い過去や心ない人との出会いもあったが、周囲の人に恵まれていたことに救われる思いがした。そして真壁くんが初恋の人だったことも、温かく感じられる。

    プロローグとエピローグが見事にリンクし、読み終えたあと、思わずプロローグを読み返したくなるような胸に残るラスト。波瀾万丈の人生だったが、こ

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    2026年03月08日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    序章の宣戦布告がネット文章をものすごく再現していてものすごい引き込まれてしまった。
    第1章の加/被害者たちも、ある日突然ネットの炎上の火の粉が現実の自分を燃やし始めて、焦る人間の心理描写がとてもよく表現されていた。
    これからどんな展開を見せていくのだろうとかとワクワクしながら読み進めていったけど、弁護士の奏が瀬尾の人生を辿り始めたあたりで、ん?なんか思っていたのと違うな…という感想を抱き、奥田美月の過去話になり、最後のラストを迎えて、やっぱり思っていたのと違う物語だったな、という感想に至りました。

    ネット炎上や週刊誌のやりすぎた報道については、後半に行くにつれてなりをひそめ、最後はなんか瀬尾

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    2026年03月08日
  • 騙し絵の牙

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    ネタバレ

    登場人物が多くて最初は少し混乱しましたけど、読み進めるうちに自然と整理が出来ていくのは、きっとキャラの書き分けが秀逸だからでしょう。
    逆に言えば、それだけ個性的なキャラが乱立しているのですけど、そこにわざとらしさがなく、大袈裟にも感じないのは、出版業界という特殊な舞台による先入観から、実際には知らなくてもそうなんだろうなぁと受け入れてしまうからでしょう。

    終始、臨場感とか不条理とか、やるせなさ、熱量、策略、打算…といった、あらゆる「現場」ならではの息遣いやライブ感が伝わってくる物語です。
    出版業界のリアルな苦境や、混沌とした展望なども垣間見ることが出来、こうして本を手にすることのありがたさと

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    2026年03月08日
  • 踊りつかれて

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    『個人で発信できるようになった』ただそれだけ

    本当にそれだけなのになんでこんなに勘違いしている人たちがいるだろう…

    10年ほど前からこの勘違いは熱を帯び始めて
    コロナ禍で越えてはならないラインを超えてしまいそのまま今に至るような気がする

    せめて、この本を読んだ人たちだけでもこの思いを旨にこれからの社会を生きていかなければならないと思う

    読んでほしい人には届かないような気がしていてそれがもどかしい

    それにしても、この小説を連載していた週刊誌の関係者たちはちゃんとこの小説を読んでいるのだろうか?

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    2026年03月08日
  • 踊りつかれて

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    面白かった。この作者は人物の描き方が秀逸だ。衝撃的な犯行声明の後、その反響が次々と起きている中、早々に犯人が特定されたのは最初は意外に思ったが、読み進めるうちに登場人物達それぞれの物語が展開して行くところに引き込まれた。人物達へ感情移入しきった後に読むラストシーンはとても感動的だった。

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    2026年03月07日
  • 踊りつかれて

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    SNSの誹謗中傷や週刊誌の報道によるイメージ暴落などによって 命を絶った芸人 天童と歌手 美月。匿名の安全圏から有名人を狙撃するスナイパーたちを許さない、と彼らの個人情報を晒した瀬尾と、逮捕された彼の弁護することになった久代が追う被/加害者の人生。

    この方の小説は罪の声ぶりかな。罪の声はあまり好みじゃなかったけれど、この小説は好きだったし余韻が長い。感想(雑)を残すまでに2日もかかってしまった。

    SNSで誰かの誹謗中傷をしたり、SNSだけじゃなくてリアルでも芸能人のゴシップを嬉々として話す人たちの気持ちは本当に全く分からない。その時点で寂しい可哀想な人ではあるけど…。
    だから晒されて当然と

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    2026年03月07日
  • 踊りつかれて

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    大切な2人を奪ったSNSの誹謗中傷に、差し違える覚悟で行動を起こした瀬尾。多くを語らない瀬尾を知るため、奔走する久代弁護士。この物語は現代の問題提起をしている。だが、簡単には変わらないでしょう。
    少し長いが、瀬尾の起こした行動の深い理由が、分かって納得した。

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    2026年03月07日
  • 罪の声

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    グリコ・森永事件が戦後最大の未解決事件ということは知っていたが20代の自分にとって中々想像力を膨らませることができない部分が多かった。2/3くらいの読むまでは正直焦ったく感じてしまったが、後半は急に話が動き出して読む手が止まらなかった。
    最後は感動的な終わり方で重かった雰囲気を払拭してくれた。

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    2026年03月07日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    しっかりした長編小説を久々に読んだ。
    疲れて顎痛い。
    平成3年に起きた児童同時誘拐事件を発端とした、絵描きと画商やその周りの人々、刑事や新聞記者、たちの生き様を描く。

    ラストの方の茂の万年筆に泣け、その後、涙ゾーンがいくつか。
    里穂の存在がなんとか光。

    町の描写が美しくて、滋賀、北海道に行きたくなる。
    この作品もまた、実写化してほしい。

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    2026年03月07日
  • 崩壊

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    いやー、面白かった!!!
    警察小説好きなのでこういうの大好物

    犯人は割と序盤に判明していて
    大きな何かがやってくるわけではないのですが...
    複雑に絡まった糸を少しずつ解いていく
    感じがとても良かった。ラストにわかる動機も。

    タイトルの「崩壊」。
    何かが崩れる時って本当に一瞬で...
    すごく小さな綻びも後に大きなものに
    影響を与えることってよくあることだよね。
    お金、人間関係、信頼、、
    一瞬で崩壊してしまう恐ろしさにぞっとします。

    あとは本宮と優子のペアも良かったな..!
    唯一作中で癒されるペアだったかもしれない。

    王道って感じの警察小説はやっぱり良い
    すき!!!!!!

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    2026年03月02日
  • 罪の声

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    どんどん読み進めてしまったし、読み応えのある作品だった。おもしろかった!と言っていいのかわからない作品だし、色々考えさせられる。わたしは事実を明らかにするだけが正義ではないよなーと思った。

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    2026年03月01日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    手に取った瞬間から最後まで読めるのか?と自分に問うところからスタートした。
    この三連休使って読む!が、約20時間で読み終えた。何度か巻き戻ったりした。
    登場人物が多すぎて相関図書いた方がわかりやすいと思ったが、なんだか、負けた気がして、頭の中で作り上げた。
    細かい描写が多く、フィクションだったよね?実際の事件だったのか?と分からなくなった。
    点と点が繋がるうちに、主人公もかわるような目線。
    置いてかれないように必死に読んだ。
    最近のドラマではよく三年後、、5年後などと主人公たちの様子をみせてくれる。
    わたしはそれが、好きだ。好きだが、その3年間に何があったか教えてくれ!やあっちの方の人はどうな

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    2026年02月23日
  • 氷の仮面

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    自分の性に違和感があり、お祝いごとできる姉の洋服がうらやましかった幼少期。初恋の人とのファーストキスの思いでを忘れず、女の子として生きることを決意。2度の性転換手術の先にあった世界は…父親の深い愛情に最後涙してしまった( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)性別を変えたあとの無力感、人としての幸せを考え始める姿に、これからの人生のことを考えよーと思った1冊。

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    2026年02月22日
  • 存在のすべてを

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    まとまった時間が取れなかったので前半は細切れで読んでいたら、とにかく登場人物が多すぎて覚えられず混乱…
    ポッと出の人物なのか、重要人物でその後も度々出てくるのか読んでる時判断できないから仕方ないけど。とりあえず刑事の名前は覚えなくて大丈夫。

    終盤はサクサク読めたし泣いたしおもしろかったけど、最終的にあの人どうなったの?とか、そのあとどうなったの?とか、なんでそうなったんだっけ?とか色々疑問は残る。
    全部を全部伏線回収してほしいとは思ってないしもちろん余白はあっていいけど、自分的には取材長かったわりに最低限しか回収してくれなかったな〜という気持ちもある笑

    でもすごくおもしろかった!

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    2026年02月22日
  • 存在のすべてを

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    誘拐事件をもとにして、家族とは?幸せとは?罪とは?と色々なことを考えさせられる作品でした。
    作者さんは違いますが、「八日目の蝉」を読んだ時と近い気持ちになりました。
    もう少し先まであったらいいなと思ったので、⭐︎4にしました。

    登場人物も多いので、再読した方が理解が深めらるような気がしますが、分厚いので勇気がいります…笑

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    2026年02月13日
  • 踊りつかれて

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    『誰かが死ななきゃ分かんないの?』(帯)
    誰かが死んでも分からないよ、きっと。
    SNSの誹謗中傷は、自己肯定の投影なのではないかと思う。

    ちょっとしたことでも、世間を煽る記事を書く。
    それに踊らされた人たちは、色んなヒレをつけてネットの海に投げる。
    一度誰かの目に触れたものは、瞬く間に広がっていく。
    情報が武器とはよく言ったものだ。
    言葉が、情報が、人1人簡単に傷付けて葬っていく。

    すごく、今の時代を切り取った話だと思った。
    だからこそ、今にこそ読むべき本だと思った。

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    2026年02月09日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    日本を震撼させた未解決の脅迫事件に、主人公の親族が関わっているかもしれないーその疑念から物語は始まる。時効が成立した事件を追う記者の視点と、加害者の親族という立場にある主人公の視点が交錯しながら、事件の真相が少しずつ明らかになっていく展開に強く引き込まれた。

    特に印象に残ったのは、大人の都合によって事件に巻き込まれてしまった子供たちの存在である。彼らには何の責任もないにもかかわらず、事件に利用され、その後の人生までも大きく狂わされてしまう描写は非常にリアルで重く感じられた。一度背負わされた「過去」は簡単には消えず、大人になっても背負い続けなければならない。私自身は体験していないが、その残酷さ

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    2026年02月01日
  • 踊りつかれて

    mii

    ネタバレ 購入済み

    今だからこそ読んでほしい作品

    これは本当に多くの人に読んでほしい作品。
    プロローグの言葉が強すぎて序盤で挫折しかけましたが、そこを乗り越えたらあとはぐんぐん読まされました。

    SNSがテーマの作品なので、きっと多くの方に刺さるはず。
    実際私も、SNS黎明期の頃にSNSがどういうものかをきちんと理解できておらず、人を傷つける使い方をしてしまったことがあります。ものすごく反省したし、事が起こってはじめてSNSの危うさを学び、もう2度と同じことはするまいと誓いました。
    ですが、記憶というのはどうしても風化するものです。劇中で主人公の久代さんが懸念しているように、喉元過ぎれば痛みは薄れ、また同じことを繰り返してしまうということは、

    #深い #ダーク #ドロドロ

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    2026年01月24日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    途中までは登場人物の関係性を整理しきれず、やや混乱しながら読み進めていたが、新聞記者が「し乃」の板前にたどり着いたあたりから、一気に物語に引き込まれた。

    ただ、その板前の語りはあまりにも饒舌で、思わず「喋りすぎでは……」と感じてしまうほど。
    テーラーの俊也の事を考え、その場面では鼓動が早くなった。

    後半、次々と謎が明らかになっていく展開は圧巻で、ページをめくる手が止まらなかった。
    重く苦しい物語ではあるが、最後に親子が再会できたことで、わずかながら救いを感じることができた。

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    2026年01月23日
  • 罪の声

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    真実を暴くことは正義なのでしょうか。
    終盤にかけて点が線になる感じがよかった。
    実際の事件は未解決ですが、実はこの小説に近いのかもしれない。
    となると、犯行の動機はかなり空虚なものだが。
    読み応えがあった。

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    2026年01月10日