塩田武士のレビュー一覧

  • 存在のすべてを

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    誘拐事件の裏側にある真実。そこに深い愛と絆を感じるからこそ切なかった。絵を描くことを通して繋がり続けて、ラストは驚きと安堵。彼らにしかわからない家族という形に優しさが溢れていて胸が打たれた。

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    2025年11月12日
  • 踊りつかれて

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    不倫記事により自殺した芸人、天童ジョージ
    週刊誌の捏造された密会報道からの「暴言テープ」で芸能界から消えた歌手、奥田美月
    この2人を愛したファン「枯葉」は、SNSでの誹謗中傷で天童を追い詰めた“匿名性により安全圏にいるスナイパーたち“と美月の捏造記事を書いた記者へ宣戦布告をするところから話は始まる
    不倫、密会、暴言
    われわれは、このたった数文字の言葉で、その人の本質を見破ったかのごとく思っていないか
    それに反しこの小説は、471ページもある
    長い
    しかし物事の本質を知るためには、この長さが必要と言うことだ

    「瞬時に答えが分かり、好きなものだけを手に入れられる」
    「事実よりも面白いことを優先す

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    2025年11月12日
  • 踊りつかれて

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    安全圏にいる第三者の怖さ

    境遇に負けずに必死になって芸能界で活躍している著名人に背景や経緯を知らずにただその事実に関して批評家気取りになっている
    知らず知らずのうちに自分もその一人になっている怖さを感じた

    人間誰もが失敗するし、失敗することを当たり前でコントロールするべきだと思うが、有名人にはそれが通用しない怖さ

    ストーリーはある人物の足跡を辿るため、その人が愛した二人の人物の半生を追っていく、少しずつわかっていく感じが面白くて止まらなかった
    なんとなく宮部みゆきの火車感を感じた

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    2025年11月09日
  • 踊りつかれて

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    オーディブルで聴きました。
    面白かった。SNSの書き込みについてがメインで、その是非を問いかける社会派的作品なのかと思ったら、そうではなくて、音楽プロデューサーと歌手の繋がりが明らかになっていく、しみじみと染みるいいお話でした。

    美月の生い立ちの話は、尼崎事件を彷彿とさせ、このエピソードは必要?と思った。影のあるミステリアスな歌姫がよいとしたのかもしれないけど、ちょっと酷すぎ。

    SNSであることないことを書いたり、グサッと刺さるような言葉を書き込むのは、憂さを晴らすのが目的の人たちもいるだろうけれど、それ以上に、再生回数やらインプレッションやらでお金が発生する作りになっている以上、自制を望

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    2025年11月09日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    小栗旬さんと星野源さんが演じる映画を観て、原作も読みたいと思い購入しました。
    映画より分かりにくかった部分が細かく描写されており楽しめました。結構映画では削られてたんですね…。映画同様に好きなシーンは、やはり生島家族で亡くなった姉の声を聞くシーンでした。"声"により波乱の生活を送る様になった一家。罪の象徴でもある様に扱われていた声ではありますが、最後にはその声で失われた家族の時間を補う存在となった事に深い感動を感じました。
    阿久津と俊也がバディとなる部分は映画と違い最終盤。そして曽根達雄との対峙もまた中盤という展開。この部分に関しては映画も原作もどちらも良いですね。
    面白か

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    2025年11月05日
  • 歪んだ波紋

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    轢き逃げ事件の犯行車両が被害者宅に……というスクープを取った新聞記者の物語が第一話。

    まるで誤報と虚報をテーマにした5話の短編集、連続短編のように描かれていたが、数多の点が絶妙に繋がっては途切れ、途切れては繋がるような感覚を覚えて、全てを一つの物語と勘違いしたまま読み終えてしまった!

    それほどに、たった150ページの中に多くの人物、誤報事件、虚報事案が発生する。

    人や媒体を信頼することと、情報を信頼することの違い、そして人も自分も情報をどのように得て受けられるのか。

    「歪んだ波紋」は、決して作中の苦悶する記者たちだけではなく、自分のような他業種、一般的人間の判断力が問われる罠のようなも

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    2025年10月31日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    サスペンスでありミステリーでありドキュメンタリー的な要素もあり、そして美術史やラブストーリー的なところもあり……重厚なエンタメ小説であるのと同時に、なんかこれは、もう、人生!!人生の小説です!!と思いました。人生やって頑張ってる人、みんな読んでほしいです。

    激動の生活を送る中でも、あの約束が忘れられてなかったって分かったとき、私も泣いちゃった。そして今から老後に備えてオタクグッズの整理に入らせていただきます。それでは。

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    2025年10月30日
  • 存在のすべてを

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    大作です。冒頭から一気に引き込まれてちょっと長いけどぐいぐい読める。丁寧に細かく書かれていてる。読みやすい。亮との別れの場面が切ない。

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    2025年10月29日
  • 存在のすべてを

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    切なくて、悲しくて、最後に少しだけ救われる。
    これは本じゃなくて、すでに映画だな。
    映像が綺麗に浮かんでくる文章力。

    私は絵が上手じゃないから、よくわからないけど、写実絵にとって「存在のすべて」を描く事が大切だそうだ。メインだけじゃなく、その周囲もきっちりと描くこと。それが、結果的にメインをリアルに見せることになると。

    きっと、亮だけじゃなく、その周りの人たちの存在すべてを丁寧に書いたから私の頭の中ではすでに映画なんだろうな。

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    2025年10月26日
  • 存在のすべてを

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    丁寧に、丁寧に足跡を追いかけて行く様な。
    先を知りたいけれど、急ぎたくもない様な。
    とても存在感のある本。

    美術方面の進路を希望してる娘がいるので、
    美術業界の裏の話はフィクションだと信じたい。

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    2025年10月23日
  • 存在のすべてを

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    重厚な刑事ドラマで始まり、壮大な愛の物語で幕を閉じる。泣きました。読み進めていく中でも色んなラストを想像して泣きました。読み終わって思い返すと、物語の重要な曲がり角に、常にガンダムが立っているような不思議な作品。

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    2025年10月18日
  • 罪の声

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    終盤、俊也と阿久津が聡一郎に会うあたりからは胸が締め付けられるような感じでした。読み終わって何だか少し疲れました。
    自分勝手で虚しくなるような犯行理由。多くの子どもを危険にさらした事件が、裏側でも子どもの人生を大きく狂わせてしまっていた。大人の勝手な行動で。
    犯人探しだけではなく未来に繫ぐ、報道の役割についても考えさせられました。

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    2025年10月17日
  • 崩壊

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    ネタバレ

    多くの人物が登場して複雑に絡んでいくが、繋がりが見えてくると一気に展開が変わる。犯人は割と序盤で浮き出てくるが、犯人の考えや軸にあるもの、犯行の動機は最後まで読まないと全く分からなかった。また、誰かの過ちによって(主に金に振り回されて)崩壊していく家庭、それに苦しめられる罪のない者たちはどう生きていけばいいのか、考えさせられた。何より、事件を共に追う本宮と優子はそれぞれ魅力的な人物で、とても良いペアだ。非常に面白かった。

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    2025年10月14日
  • 罪の声

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     阿久津と俊也が出会って話がリンクし始めたところから、話が深まっていきました。事件の凄惨さや運命が変わってしまった家族の悲惨さが、犯罪の動機のくだらなさのせいだと思うと、人の本質の嫌な一面を突きつけられた感じがしました。
     でも、阿久津と俊也がただただ記事のためとか、好奇心のためとかではなく、巻き込まれた家族、運命が変わってしまった親子のために真実を知ろうと前に進む姿とラストシーンは泣けてきました。

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    2025年10月14日
  • 存在のすべてを

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    ○誘拐事件の序盤はつまんなすぎて読むのやめようかと思った。
    ○登場人物が多すぎて全然わからない。
    わからないんだけど、ただ、中盤から人物の名前がわかってきてとんでもなく面白くなった。

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    2025年10月11日
  • 氷の仮面

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    今でこそ性同一性障害と名がついた一人の人生を丁寧に追っていく。読みやすいテンポ書かれていて一気読みした。
    小学校からの積年の想いや家族との関係の拗れ、人との出会いなど、綺麗に収まらない部分に現実味があり良かった。

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    2025年10月10日
  • 罪の声

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    2016年第7回山田風太郎賞受賞、同年「週刊文春」ミステリーベスト10 国内部門第1位、2017年本屋大賞3位、2020年には小栗旬×星野源で映画化される。現在NetflixとU-NEXTで配信中、昨夜は1章とエピローグを残してU-NEXTで映画鑑賞。そのあと残りの91ページを読み終えたてレビューをする。

    罪の声とは35年前、企業事件の揺動に関わった子供たちの声のこと、テープの存在を偶然知った当時の加害者でもあり、被害者の曽根俊也が過去の事件を追う記者とその全貌をあばくお話。事件に関わった3人の子供のそれぞれの人生はやり直せないが、ラストには前向きに生きる希望を与えてくれる。イヤミスではない

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    2025年10月03日
  • 罪の声

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    映画DVDが検索できないので、書籍を登録。
    WOWOWかなんかで放送してたので録画して見ました。

    面白かったですよ。
    登場人物が多いので、混乱するところありましたが。

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    2025年09月30日
  • 騙し絵の牙

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    読み応えのある本でした。ちょっと難しそうかなと思って読みはじめましたが、展開が面白くドラマのようにさくさく読めました。

    特にp.160-161の所が印象に残りました。安くて手軽で時間潰しばかりに時間を使ってしまっていると、自分の生活を反省しました。昔は一日中本を読んでいられたのに、今は読んでいてもついついスマホに手が伸び、分からない単語を調べようと思っただけでも、そこからSNSを開いてしまったり…

    これからはスマホ依存から脱することが豊かな人生に繋がるのかと考えたり、何も考えずに生活してしまっていたなと、この本を通して色々と考えさせられました。

    最後の解説で大泉洋さんを元に小説が作られた

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    2025年09月27日
  • 罪の声

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    現実の未解決事件をベースにした、事件ルポのような作品。どこまでが事実で、どこからが作者の創作か、が気になったこともあり、ミステリーとして読むのが難しかった。ほんとにこうなんじゃないの?と思わせる文章の巧みさに感心しました。

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    2025年09月26日