塩田武士のレビュー一覧

  • 踊りつかれて

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    有名芸人・天童ショージが自殺をした。天童は週刊誌に不倫を暴露され、その後ネットによる執拗な誹謗中傷に耐えきれずその命を絶った。
    天童のファンだった枯葉という人物がブログサイト「踊りつかれて」に「宣戦布告」という記事を書き、その中で83人の詳細な個人情報を暴露した。選ばれた83人は天童に一線を越えた執拗な中傷を行った者、またもう一つ枯葉が好きだったという「奥田美月」という歌手が表舞台から消えた原因を作った者たちだった。
    一方、京都で小さな弁護士事務所で働く久代奏は三年前まで東京の超大手弁護士事務所に所属していた。中華料理屋を営んでいた父が急死したのをきっかけに京都に戻ってきた久代は所長・山城に逮

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    2026年08月12日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    誘拐事件の部分、取材の部分、それぞれの町の描写が丁寧で頭の中に浮かんできた。
    そこからつながる写実画。それを軸に巡る今までのお話。引き込まれて、写実画見たさに美術館に行きたくなるほど。
    欲を言えば、野本兄弟の行く末まで知りたかったかも。

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    2026年08月12日
  • 踊りつかれて

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    SNSで誹謗中傷された芸能人、天童ショージと奥田美月。2人の人生に深く関わり、やがて加害者になる瀬尾政夫とその弁護士久代奏。

    久代弁護士の活躍が主で、瀬尾の関連人物数人にインタビューして、瀬尾、天童、美月の人生を浮き彫りにしていく過程が興味深く、頁をめくる手が止まらなかった。ドキュメント記事を読んでる感覚だった。

    美咲から聞く美月の幼少期は、実際に起きた事件を想像させるもので、これはこれで一つの小説になりそうな話だった。

    SNSで身上を明かされた瀬尾の被害者83人!の人生はどうなったの?ってことよりも、加害者である瀬尾と天童、美月。この3人を俯瞰する久代弁護士の活躍と4人それぞれの意外な

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    2026年08月11日
  • 氷の仮面

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    女の子になりたい男の子の話
    片思いの男の子に想いを寄せる小学生から性転換手術を経て三十代までの話

    前半、大好きな男の子への想いはもう女のコ。
    マンガを見ているような胸キュンだけど、自身の性に悩み、そしその後はいじめにあったりする。辛い。
    成長するにつれ自分を誤魔化すこともできず、父親にも理解されず、家を出る⋯。

    前半は心と身体の成長期と、
    後半は「女になりたい」為に懸命に足掻く様子が中心となる。

    昔はホモとかオカマとかオネェとかニューハーフとか呼ばれて、偏見が付きまとい理解されなかったり、家族から受け入れられなかったり、想像以上に辛いんだと思う。
    テレビの中の人くらいしか知らないので、こ

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    2026年08月10日
  • 踊りつかれて

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    SNSでの誹謗中傷やらネット私刑、プライバシーを無視して傲慢なマスゴミがテーマの話、日常の延長で目にする問題なのであな恐ろしや…という感じだったのだが、それらをした人の個人情報が曝されてどうなったのかではなく、曝した側の怒りの元を辿る献身的な愛のお話だったな。
    なんか少し拍子抜けというかいい感じに終わってしまった感はある。
    フィルターバブルにエコーチャンバーとかもそうだけど、SNSのルールや常識もちゃんと変わっていくのかな。
    でも今回の二人の犠牲者である美月とジョージは数十年の違いがあるのに、やってることは変わってないというか、むしろ全く関係のない普通の人がステレス発散くらいの気持ちで誰かを死

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    2026年08月09日
  • ともにがんばりましょう

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    存在のすべてをのあとに読んだせいか、どうしても比較してしまった。
    わたしは喋るのが得意ではないので、委員長が経営陣に向かって主張するべきところは主張し、組合員の想いを雄弁にぶつける様は羨ましく思った。
    どうすればあそこまでうまく喋ることができるのか。。
    入念な準備と想いがあってのことなのか。
    経営陣と組合の団交の描写迫力があり、読み応えがあった。

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    2026年08月07日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    平成3年、神奈川県で発生した2児同時誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「現在」を知る。未解決のまま異様な展開をたどった事件の真実を追ってきた刑事たちの求めから、門田は再び30年前の事件と向き合うのだった。そして取材を重ねていくなか、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。

    両親から虐待やネグレクトを受けていた亮が、誘拐され未解決のまま時効となったが事件から3年後に祖父母の家に突如帰ってきて世間は騒然とする。
    自体が収まった後担当刑事の中澤がなくなり、同じく事件を担当していた新聞記者・門田が真実を求め時間が動き出す…
    時効後も真実を求め事

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    2026年08月06日
  • 存在のすべてを

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    美しいものはありのままできれいで、美しく見せようとすると、何でもないものになってしまう。なんだか現代において思い当たる物事が沢山あるよなぁと思った。

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    2026年08月03日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    読み進めるうちに、亮は訳あって野本夫妻が育てることになり、このままじゃだめだと小学生になる頃に祖父母の元へ戻ることになったんだなあ。と事情は想像できたけれど、それでも空白の第9章は涙が止まらなかった。
    家族は未完成の絵の中で存在していると実感できたから、貴彦がどうなったかどうかなどオープンエンドのままでいいと思った。

    個人的に、亮視点のエピソードも見たかったなと思ったけれど、、、
    『水を描こうとするんじゃなくて、実際に目にしているものを丁寧に描いていくといつの間にか水があるように見える』のと同じように、亮の内面を直接説明されるより、亮と関わった人たちの記憶や視線を通して、少しずつ“亮という存

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    2026年08月02日
  • 朱色の化身

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    冒頭に出てくる温泉街の火事と現代の事件がもっと早く絡み合うのかと思っていたら、最後の方で解き明かされて少し肩透かし気味。警察の捜査ではなく、記者である主人公が個人的な目的で調べ上げてるのが驚き。私にはこのような捜査や人探して旧友について尋ねられる機会は一生無いだろうが、自分ならどんな風に、誰かの人と成りや思い出を語るのだろう…などども考えてしまった。
    人と人のつながりを深く考えさせられた。

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    2026年08月01日
  • 起点

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    ヒューマン系、ミステリー、青春もの、SFと550円でいいの?!と思うほどの作品が詰まった1作。

    塩田さんのお孫さんに言われるように、「目で活字を追い続ける非効率な読み方をこれからも続けていきたい」。

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    2026年07月27日
  • 起点

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    講談社文庫創刊55周年!の企画
    550円「STORY IN POCKET」
    5月の刊行本。

    550円というお値段と
    初読み作家さん
    “入門、作家さんとの出会いに”
    という 書店のポップを見て手に取る。
    いつか読んでみたいと思っていた作家さん

    4篇の短編集

    『小さい上司』 『仮縫い』
    ライトで少しニヤニヤしながら
    だけど、最後はほんわか、じんわり
    自分はまだまだなんだと思い
    成長する主人公たちに共感 

    『鈍い火』
    50ページちょっとの短編だけど
    読みごたえあり、
    終始不穏で少しの恐怖を感じつつ没入できた

    最後の表題作の 『起点』
    わずか8ページの短編
    著者の 塩田武士さんご自身の50年

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    2026年07月25日
  • 罪の声

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    かなり面白かったです。フィクションではあるが、実際にあった事件に基づくストーリー。
    特に中盤から終盤にかけてのスピード感は、凄まじく一気に話にのめり込んでしまいました。
    阿久津さんの序盤の頼りなさが描かれていましたが、終盤ではかなり逞しくなっており、事件に関わるにつれての感情の変化と成長を読み取れました。
    登場人物が多く、時間が経つとストーリーを忘れてしまうので一気に読むことをおすすめします。

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    2026年07月25日
  • 罪の声

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    実在の「グリコ森永事件」をモチーフにした社会派サスペンス小説。
    「実際も本当にこうだったんじゃないの…?」と思わせてくる文章の説得力に脱帽。これが途方もない資料やリサーチの賜物だと思うと、作者の執念のようなものを感じる。

    おもしろいと一言で表現するのが憚られるような作品。
    もちろん小説として楽しんだんだけど、ひとつの事件にあまりにもたくさんの人生が狂わされていて呆然としてしまう。被害者・加害者だけにとどまらず、その家族や友人、関わったすべての人たちまで否応なしに巻き込まれ、人生に影が落ちる。
    世の中にとっては「一未解決事件」だけど、関わった人はそれを一生背負っていく。誰にも吐き出すことができ

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    2026年07月22日
  • 起点

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    これは税込で550円の価値はありました。
    4作の短編ですが、面白く読むことが出来ました。

    3作目の「仮縫い」は笑いあり感動ありです。

    4作目 ちょっと未来の塩田さんが登場されて、このセンスある書き方にも唸らされました!㋱

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    2026年07月03日
  • 罪の声

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    重い、重すぎました。この事件をきっかけに、日の光の当たらない人生を歩まざるを得なくなった人たちの現実が重すぎて消化しきれない、やりきれないです。後から調べたら実在する昭和の事件がモチーフということで、改めて衝撃をうけました。

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    2026年06月27日
  • 起点

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    文庫オリジナルの短編4作が収録されている。
    合計189ページなので気楽に読めたし、税抜500円とお得価格でした。
    さすが塩田さん、短い物語でも笑いあり涙ありでした。
    特に『仮縫い』が良かった。
    男の馬鹿さ加減が見事に描かれ、最後は感動と元気ももらえました。

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    2026年06月24日
  • 罪の声

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    俊也と阿久津の地道な取材を通して少しずつ少しずつ真実が分かってきて、同じものを追ってきた二人の情報が交差して最後には2人が出会う。出てくる登場人物や情報を整理しながら読んでいくのがしんどくなることもあったが読む手が止まらなかった。
    犯人が誰だったのか?というよりは加害者、被害者がどういう背景があって事件に到り、その後どんな人生を歩まねばならなくなったのかが、ノンフィクションのようにリアルに書かれてあり、壮大なドキュメンタリーを見ているようだった。純粋にすごい作品を読んだ余韻が残る。

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    2026年06月24日
  • 罪の声

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    前半部分は事件の内容=犯人捜しに興味が行きますが、後半は事件に関わった人に焦点を当てた話しになります。事件では加害者と被害者がありますが、加害者の関係者、例えば家族、友人など、も被害者になってしまうことがある。改めて犯罪とは、多くの人を不幸にしてしまうと感じました。

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    2026年06月22日
  • 罪の声

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    実際の事件を、ベースにした小説。
    被害者であり加害者という視点から、2人の対照を出すことで、話の深さを作っていた。
    ここからは元ネタについて、調べていきたい。

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    2026年06月22日