塩田武士のレビュー一覧
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有名芸人・天童ショージが自殺をした。天童は週刊誌に不倫を暴露され、その後ネットによる執拗な誹謗中傷に耐えきれずその命を絶った。
天童のファンだった枯葉という人物がブログサイト「踊りつかれて」に「宣戦布告」という記事を書き、その中で83人の詳細な個人情報を暴露した。選ばれた83人は天童に一線を越えた執拗な中傷を行った者、またもう一つ枯葉が好きだったという「奥田美月」という歌手が表舞台から消えた原因を作った者たちだった。
一方、京都で小さな弁護士事務所で働く久代奏は三年前まで東京の超大手弁護士事務所に所属していた。中華料理屋を営んでいた父が急死したのをきっかけに京都に戻ってきた久代は所長・山城に逮 -
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SNSで誹謗中傷された芸能人、天童ショージと奥田美月。2人の人生に深く関わり、やがて加害者になる瀬尾政夫とその弁護士久代奏。
久代弁護士の活躍が主で、瀬尾の関連人物数人にインタビューして、瀬尾、天童、美月の人生を浮き彫りにしていく過程が興味深く、頁をめくる手が止まらなかった。ドキュメント記事を読んでる感覚だった。
美咲から聞く美月の幼少期は、実際に起きた事件を想像させるもので、これはこれで一つの小説になりそうな話だった。
SNSで身上を明かされた瀬尾の被害者83人!の人生はどうなったの?ってことよりも、加害者である瀬尾と天童、美月。この3人を俯瞰する久代弁護士の活躍と4人それぞれの意外な -
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女の子になりたい男の子の話
片思いの男の子に想いを寄せる小学生から性転換手術を経て三十代までの話
前半、大好きな男の子への想いはもう女のコ。
マンガを見ているような胸キュンだけど、自身の性に悩み、そしその後はいじめにあったりする。辛い。
成長するにつれ自分を誤魔化すこともできず、父親にも理解されず、家を出る⋯。
前半は心と身体の成長期と、
後半は「女になりたい」為に懸命に足掻く様子が中心となる。
昔はホモとかオカマとかオネェとかニューハーフとか呼ばれて、偏見が付きまとい理解されなかったり、家族から受け入れられなかったり、想像以上に辛いんだと思う。
テレビの中の人くらいしか知らないので、こ -
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SNSでの誹謗中傷やらネット私刑、プライバシーを無視して傲慢なマスゴミがテーマの話、日常の延長で目にする問題なのであな恐ろしや…という感じだったのだが、それらをした人の個人情報が曝されてどうなったのかではなく、曝した側の怒りの元を辿る献身的な愛のお話だったな。
なんか少し拍子抜けというかいい感じに終わってしまった感はある。
フィルターバブルにエコーチャンバーとかもそうだけど、SNSのルールや常識もちゃんと変わっていくのかな。
でも今回の二人の犠牲者である美月とジョージは数十年の違いがあるのに、やってることは変わってないというか、むしろ全く関係のない普通の人がステレス発散くらいの気持ちで誰かを死 -
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ネタバレ平成3年、神奈川県で発生した2児同時誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「現在」を知る。未解決のまま異様な展開をたどった事件の真実を追ってきた刑事たちの求めから、門田は再び30年前の事件と向き合うのだった。そして取材を重ねていくなか、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。
両親から虐待やネグレクトを受けていた亮が、誘拐され未解決のまま時効となったが事件から3年後に祖父母の家に突如帰ってきて世間は騒然とする。
自体が収まった後担当刑事の中澤がなくなり、同じく事件を担当していた新聞記者・門田が真実を求め時間が動き出す…
時効後も真実を求め事 -
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ネタバレ読み進めるうちに、亮は訳あって野本夫妻が育てることになり、このままじゃだめだと小学生になる頃に祖父母の元へ戻ることになったんだなあ。と事情は想像できたけれど、それでも空白の第9章は涙が止まらなかった。
家族は未完成の絵の中で存在していると実感できたから、貴彦がどうなったかどうかなどオープンエンドのままでいいと思った。
個人的に、亮視点のエピソードも見たかったなと思ったけれど、、、
『水を描こうとするんじゃなくて、実際に目にしているものを丁寧に描いていくといつの間にか水があるように見える』のと同じように、亮の内面を直接説明されるより、亮と関わった人たちの記憶や視線を通して、少しずつ“亮という存 -
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講談社文庫創刊55周年!の企画
550円「STORY IN POCKET」
5月の刊行本。
550円というお値段と
初読み作家さん
“入門、作家さんとの出会いに”
という 書店のポップを見て手に取る。
いつか読んでみたいと思っていた作家さん
4篇の短編集
『小さい上司』 『仮縫い』
ライトで少しニヤニヤしながら
だけど、最後はほんわか、じんわり
自分はまだまだなんだと思い
成長する主人公たちに共感
『鈍い火』
50ページちょっとの短編だけど
読みごたえあり、
終始不穏で少しの恐怖を感じつつ没入できた
最後の表題作の 『起点』
わずか8ページの短編
著者の 塩田武士さんご自身の50年 -
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実在の「グリコ森永事件」をモチーフにした社会派サスペンス小説。
「実際も本当にこうだったんじゃないの…?」と思わせてくる文章の説得力に脱帽。これが途方もない資料やリサーチの賜物だと思うと、作者の執念のようなものを感じる。
おもしろいと一言で表現するのが憚られるような作品。
もちろん小説として楽しんだんだけど、ひとつの事件にあまりにもたくさんの人生が狂わされていて呆然としてしまう。被害者・加害者だけにとどまらず、その家族や友人、関わったすべての人たちまで否応なしに巻き込まれ、人生に影が落ちる。
世の中にとっては「一未解決事件」だけど、関わった人はそれを一生背負っていく。誰にも吐き出すことができ