塩田武士のレビュー一覧

  • 起点

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    講談社文庫創刊55周年!の企画
    550円「STORY IN POCKET」
    5月の刊行本。

    550円というお値段と
    初読み作家さん
    “入門、作家さんとの出会いに”
    という 書店のポップを見て手に取る。
    いつか読んでみたいと思っていた作家さん

    4篇の短編集

    『小さい上司』 『仮縫い』
    ライトで少しニヤニヤしながら
    だけど、最後はほんわか、じんわり
    自分はまだまだなんだと思い
    成長する主人公たちに共感 

    『鈍い火』
    50ページちょっとの短編だけど
    読みごたえあり、
    終始不穏で少しの恐怖を感じつつ没入できた

    最後の表題作の 『起点』
    わずか8ページの短編
    著者の 塩田武士さんご自身の50年

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    2026年07月25日
  • 存在のすべてを

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    あたたかくて哀しい、血の繋がりを超えた愛の物語だった。 30年前の誘拐事件をめぐり、止まっていた時間が再び動き出していく過程が丁寧に描かれ、真相を察しながらも届かなかった刑事達の無念と、その想いを託された記者の思いが重なり、事件の真相が紐解かれていく展開に胸が熱くなる。 世間的に見れば、あの夫婦は《悪い人》なのかもしれないけれど、彼らが向き合った時間の中にあったのは、紛れもない「愛情」だったと思う。血の繋がりはなくとも、「絵」という絆で固く結ばれた“親子”の姿には一切の嘘がなくて、美しい。

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    2026年07月25日
  • 罪の声

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    かなり面白かったです。フィクションではあるが、実際にあった事件に基づくストーリー。
    特に中盤から終盤にかけてのスピード感は、凄まじく一気に話にのめり込んでしまいました。
    阿久津さんの序盤の頼りなさが描かれていましたが、終盤ではかなり逞しくなっており、事件に関わるにつれての感情の変化と成長を読み取れました。
    登場人物が多く、時間が経つとストーリーを忘れてしまうので一気に読むことをおすすめします。

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    2026年07月25日
  • 存在のすべてを

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    久しぶりに泣かされた社会派ミステリーだった。

    二児同時誘拐事件の真相を新聞記者が追うなかで、隠されていた事実や当事者たちの心情が明らかになっていく。刑事、新聞記者、画家、事件の当事者など、さまざまな視点から描かれることで、何が正しいのかを考えさせられた。

    写実画とは、ただ見たままを再現するものではなく、対象の「存在」や、目には見えない真実まで描き出そうとするものらしい。写実画を描くことは、辛い現実から逃避し、現実とは別の世界を生きることなのだろうか。

    かなりの長編だが、序盤と終盤はとてもよかった。一方で、中盤は長く感じた。たとえば里穂は事件の核心ではない人物なのに、仕事や恋愛感情までかな

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    2026年07月22日
  • 罪の声

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    実在の「グリコ森永事件」をモチーフにした社会派サスペンス小説。
    「実際も本当にこうだったんじゃないの…?」と思わせてくる文章の説得力に脱帽。これが途方もない資料やリサーチの賜物だと思うと、作者の執念のようなものを感じる。

    おもしろいと一言で表現するのが憚られるような作品。
    もちろん小説として楽しんだんだけど、ひとつの事件にあまりにもたくさんの人生が狂わされていて呆然としてしまう。被害者・加害者だけにとどまらず、その家族や友人、関わったすべての人たちまで否応なしに巻き込まれ、人生に影が落ちる。
    世の中にとっては「一未解決事件」だけど、関わった人はそれを一生背負っていく。誰にも吐き出すことができ

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    2026年07月22日
  • 踊りつかれて

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    正義を錦の御旗に掲げたSNSと週刊誌によって、自殺に追いやられたお笑い芸人天童と芸能活動をやめざるを得なかった昭和の歌姫美月。
    彼らを追い詰めた人々の個人情報を晒した記事「踊りつかれて」を掲載して逮捕された瀬尾。瀬尾の弁護をすることとなった久代奏という女性が辿る瀬尾、美月、天童の人生。
    まわりが全員敵に見えたとき、ひとりでも寄り添えたら…そんな印象を持った。

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    2026年07月19日
  • 踊りつかれて

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    SNSの誹謗中傷を苦にして自殺したお笑い芸人と表舞台から引きずり降ろされた伝説の歌姫。ある日、二人を追い詰めるひどい書き込みをした83人の個人名、住所、会社がSNSで晒さられる。今度は書き込みした側が「追われる立場」になるのだ。個人情報を晒した犯人はやがて捕まるが、物語はそこで終わらない。世間が無責任に潰した人間たちは、芸に歌にどれほど真剣に向き合って生きていたか…。その生い立ちや覚悟を丁寧に描き出していく展開も見事。

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    2026年07月18日
  • 踊りつかれて

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    直木賞候補にも上がっていた作品であり、著者の作品は注目していることもあり、楽しみながら読めた。SNSを取り上げたテーマ選定や、巷に溢れる批評を折り込みながら、見落としがちな法制面から見たプラットフォームの問題点を的確に表現している前半は、著者のバックグラウンドを活かしつつ、更なる探究心の深さに対して感銘を受けた。中盤以降、登場人物の過去の物語が冗長気味であることや、終章は明らかにまとめと解説になっており、作品全体がくどくどしくなったのは多いに残念。

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    2026年07月10日
  • 起点

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    これは税込で550円の価値はありました。
    4作の短編ですが、面白く読むことが出来ました。

    3作目の「仮縫い」は笑いあり感動ありです。

    4作目 ちょっと未来の塩田さんが登場されて、このセンスある書き方にも唸らされました!㋱

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    2026年07月03日
  • 罪の声

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    重い、重すぎました。この事件をきっかけに、日の光の当たらない人生を歩まざるを得なくなった人たちの現実が重すぎて消化しきれない、やりきれないです。後から調べたら実在する昭和の事件がモチーフということで、改めて衝撃をうけました。

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    2026年06月27日
  • 起点

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    文庫オリジナルの短編4作が収録されている。
    合計189ページなので気楽に読めたし、税抜500円とお得価格でした。
    さすが塩田さん、短い物語でも笑いあり涙ありでした。
    特に『仮縫い』が良かった。
    男の馬鹿さ加減が見事に描かれ、最後は感動と元気ももらえました。

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    2026年06月24日
  • 罪の声

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    俊也と阿久津の地道な取材を通して少しずつ少しずつ真実が分かってきて、同じものを追ってきた二人の情報が交差して最後には2人が出会う。出てくる登場人物や情報を整理しながら読んでいくのがしんどくなることもあったが読む手が止まらなかった。
    犯人が誰だったのか?というよりは加害者、被害者がどういう背景があって事件に到り、その後どんな人生を歩まねばならなくなったのかが、ノンフィクションのようにリアルに書かれてあり、壮大なドキュメンタリーを見ているようだった。純粋にすごい作品を読んだ余韻が残る。

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    2026年06月24日
  • 罪の声

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    前半部分は事件の内容=犯人捜しに興味が行きますが、後半は事件に関わった人に焦点を当てた話しになります。事件では加害者と被害者がありますが、加害者の関係者、例えば家族、友人など、も被害者になってしまうことがある。改めて犯罪とは、多くの人を不幸にしてしまうと感じました。

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    2026年06月22日
  • 罪の声

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    実際の事件を、ベースにした小説。
    被害者であり加害者という視点から、2人の対照を出すことで、話の深さを作っていた。
    ここからは元ネタについて、調べていきたい。

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    2026年06月22日
  • 罪の声

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    ネタバレ

     グリコ・森永事件を題材に、事実とフィクションを交えて物語が展開されていく。

     京都でテーラーを営む曽根は、父の遺品整理の最中に古いカセットテープを発見する。そこには幼い頃の自分の声が録音されており、その音声がかつて世間を騒がせた企業脅迫事件で使われた脅迫テープと同じだと気付く。
     曽根は、自分が知らないうちに事件に関わっていた可能性に衝撃を受け、真相を探り始める。

     一方、新聞記者の阿久津は、事件発生から長い年月が経ったこの事件を、新聞の特集として真相を追うことに。
     取材を進める中で、事件の背後には複数の人物の思惑や社会的な不満、そして警察の捜査を巧みにかわした犯人グループの存在があっ

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    2026年06月20日
  • 氷の仮面

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    男でも女でも、好きになったらならそれでええやないか、って思てまう。
    「許されない恋」とか聞くと、誰の許しが必要なんだ、って思てまう。
    真壁くん、かなりええオトコである。

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    2026年06月14日
  • 起点

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    初めての作家さん。初めましてには丁度よい。講談社さんの550円シリーズ.良い企画で助かります。4話からなる短編集。どんな話かと思ったら、リアルサラリーマンあるある話や中年男のホロっとくる昔話、少年の事故が絡んだミステリー、そして著者の作品の50年後を描いたSFと飽きない内容になってました。まさに名刺代わりの本ですかね。

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    2026年06月07日
  • 起点

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    今や社会派作家として地位を築いた塩田さんの初期の短編を収録したものです。文庫なのでお買い得ですね。
    まずは周囲を固めながら物語を構築し、最後に真相にたどり着く書き方は、読書体験として心地よい。
    最後にある、今回書下ろしの超短編、近未来のAIなしでは生きられない社会は、作家としての著者の憂いがものすごい伝わります。

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    2026年06月04日
  • 起点

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    不穏な空気だけではなく温かさを感じるからこそ、塩田さんの作品が好きなのだと感じる。「仮縫い」が特に好き。

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    2026年06月03日
  • 盤上のアルファ

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    関西弁のやり取りが面白く、テンポよく読めました。将棋に詳しければもっと楽しめたんでしょうけどわからなくても楽しめます!

    どの登場人物もキャラが立ってて魅力的です。
    実写化も出来そうですし続編もやれそうですけど、ないのかなぁー。

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    2026年05月31日