塩田武士のレビュー一覧

  • 起点

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    さえない中年のオッさんについての短編集。第2話の「鈍い火」が好き。永久保存版として売られないことが決まった。これは割と栄誉な一冊である。

    第1話 啓太は広報課の新人だった。小山田という小狡いおっさんが係長。ピントは外れているわ、ケチだわ、妙な嘘つくわと困った人だが、病気の家族の面倒を見る優しい一面もあると知る。

    第2話 育郎は育ちすぎてデブである。ベスパで移動している。今日は業務上過失致死の判決を聞いて記事を書く。執行猶予がつくかどうかが焦点だ。ただ裁判の場で知ったのは、引かれた子供が育郎の知合いの子供だったということだ。

    第3話 若かりし僕たちのマドンナ、高木由美子とリンネンが結婚した

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    2026年06月06日
  • 起点

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    文庫550円シリーズ。
    薄い本だけど、550円以上に楽しめました。
    短編なので合間にも読みやすい。

    一番、塩田さんらしい作品だなと思ったのは『鈍い火』かな。だんだん嫌な展開に進んでいくけど、後を引かない終わりかたなので、イヤミスみたいにならなくて良かった。

    『仮縫い』は冴えなかったはずの旧友の結婚話から主人公も再生していく物語。

    『小さい上司』は何か笑えるダメ上司。"小山田"ってネーミングもいい。

    ↑ここまでは40歳代の冴えない登場人物が活躍している物語。作者自身も40代なので、自身の経験と照らし合わせているのかな~と思った。

    『起点』だけは未来設定。
    罪の声(2

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    2026年06月03日
  • 朱色の化身

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    塩田さんの作品はとても好きです。過激な描写がなく真摯で品の良さを感じます。
    所々で、マスメディアへの不信や警告みたいなものを感じるのですが、最後の書評を読んで凄く納得しました。
    小説は正義と不正義の狭間にあるものをすくいあげ寄り添う事の出来る数少ない媒体であり、作者は、危うくて弱いけれど個人の尊厳を手放そうとしない個人の姿を書いていくだろうとありました。
    長い序章の先にある、ラストの風景はとても美しくすぐにでも雪の舞い降りる朱色の橋に立ってみたいと思いました。
    しかし、車から降り立った咲子さんの発する言葉を聞きたかったと思った私は、次の章があるのを期待していました。
    珠緒さんの穏やかな行先が描

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    2026年05月31日
  • 踊りつかれて

    匿名

    購入済み

    現代のSNSの問題を直接的に描いていて、考えされられる作品だった。
    SNSやってる奴はとりあえず読んだ方がいい。

    でも、それで終わらず物語としても面白かったし、綺麗にまとまっていたと思う。

    #深い

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    2026年05月15日
  • 罪の声

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    はじめはバラバラのパズルのピースが思いがけないところで繋がっていく。事件の真相を暴くことが本当に正しいことなのか。過去を白日の元に晒して終わりではなく、今と未来を考えて前進する。数少ない偶然が誰かの救いになるのなら。これから映画を観てきます。

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    2026年05月09日
  • 罪の声

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    グリコ森永事件がモデルの作品。確かに、あの声の子供は実際にいるわけで、その子たちの人生はどうなったのかと考えた。面白い作品だった。

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    2026年05月08日
  • 罪の声

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    事件の裏に本当にこんな話があったかもしれない、と思えた説得力ある話だった
    事件のことは名前しか聞いたことなかったけど、警察やマスコミの動きを追体験できた気分

    JRの高槻〜京都とかよく乗ってたから、事件の舞台になってたなんて驚き

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    2026年04月26日
  • 踊りつかれて

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    僕はSNSはやっていない。匿名性という盾の元で心無い言葉が飛び交う世界、面と向かっては言えるはずない言葉が存在できる世界をどうしても好きになれないでいた。だからSNSの世界への「宣戦布告」というこの物語のスタート自体に強く惹かれた。そこから始まった物語は、登場人物たちの人生を追っていく形で深みを持ち始める。誰ひとり楽には生きられていない。読んでいてやるせなく、苦しい、それでも、自分でない誰かを認めて尊重しながら生きていくことはかくも美しいかとこの物語を読むことで知れた。僕は人を傷つける言葉や態度より、人を尊ぶ言葉や態度を持てる人間でありたい。そして、人間は他人を認め、想う世界を作れると信じたい

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    2026年07月23日
  • 罪の声

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    事件に関与させられていたと知った事をきっかけに、ストーリーが進んでいく中で犯人と記者と当事者と家族というそれぞれの立場についても、後半に進むにつれてより濃く感じた。
    テープや手帳の存在理由もここで判明するのかと、作者のストーリーテクニックを感じる他なかった。
    映画化して欲しい。と心から思ったら映画化されていた。

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    2026年07月28日
  • 罪の声

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    きっかけはラジオの声で、2人の男がそれぞれ違う方面から謎を調べて、ようやくふたりが出会ってからのスピード感がたまらなく良かった。
    正直に言えば事件自体は色々ややこしくて、理解はしたが納得は出来なかった。
    真相もあっけなく、謎がわかって良かったという気持ちにはならなかったが、その後の事件関係者の今に心が震えた。
    ようやく解き放たれて、前に進んで欲しいなと強く思った。

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    2026年07月25日
  • 歪んだ波紋

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    塩田さん初作品。
    怖!ジャーナリズムの世界怖!情報社会怖!!となる作品でした。
    登場人物が皆ジャーナリズムの世界に関係している人達の連作短編集。
    作中では虚報について深く掘り下げられていて、締切やプレッシャーにより真実でない記事を出したり、誰かを貶めるために意図的にフェイクニュースを流したりする恐ろしい展開があります。
    フェイクニュースが作られていく過程•何故フェイクニュースが作られてしまうのかが、事細かく説明されていて、末恐ろしい情報社会になってしまったと実感しました。
    普段何気なく目にしているネットニュースやtvのワイドショーについても、無意識に信じ込んでしまわないように、自分の中で軸を持

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    2025年10月13日
  • 氷の仮面

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    本書を読んで、性別適合手術が違法だったり、強姦罪が女性にしか適応されない時代があったことを初めて知った。

    さらに詳しく調べると強姦罪は改正されて、まだ10年も経っていないことが分かり驚愕した。

    一昔前は現代と比べ、性の不一致を抱える人たちが格段に生きづらかったことが伝わってくる。


    前半は辛い展開が多く精神が削られたけど、後半は主人公が友人や家族に恵まれていたことが分かる展開で心が温かくなった。真壁くんは最後まで男前。


    あと、大阪弁に違和感がないと思ったら、作者が関西出身でなるほどだった。

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    2025年10月07日
  • 騙し絵の牙

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    こうやって有名人をモデルに小説が書かれるパターンを初めて読んだが、誌面から大泉洋が立ち上がってきてそれはそれで面白い体験だった。
    人間の多面性ってあるよねって話をどんでん返しで返してくるあたり面白い。
    こうやってハングリー精神がある人が出世すますよわね、世の中。私はハングリー精神ないからのほほんだわ。

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    2025年09月29日
  • 騙し絵の牙

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    本は紙派な私としては、思うところが沢山ある物語でした。本屋が減って行って、電子で読む人が増え
    ていって、、、今後の本ってどうなってくんだろう。

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    2025年08月30日
  • 女神のタクト

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    演奏のシーンは曲を実際に聞きながら読むのがおすすめです
    拓斗の普段と指揮をする時のギャップとか明菜の豪快さが楽しくて、オーケストラの人々のキャラクターがそれぞれはっきり際立っててコミカルで、一気に読んでしまいました
    最後の演奏のシーンは音の表現が素敵で、自分もホールにいるような気持ちで読み進めることができました

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    2025年07月17日
  • 氷の仮面

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    ネタバレ

    今でこそLGBTQという言葉を聞くことも増えたが、昭和の頃は『保毛尾田保毛男』だった。
    あの頃、当事者は辛かっただろうな。
    桜木紫乃さんの『緋の河』と『孤蝶の城』を読んだ時も衝撃を受けたが、この作品はもっと家族との関係が濃厚で、その悩みも大きい。
    翔太郎から蘭へ名前も性別も変更した、その裏にはこれほどの苦労があった。それでも自分を信じ、貫き通す潔さがすがすがしい。この壁を乗り越えられず、やむなくそのままという人もいると思うと心が痛む。

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    2025年06月25日
  • 氷の仮面

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    女の子になりたい翔太郎の物語。
    こんなに心動かされる小説を久しぶりに読んだ。読んでいる間中胸が苦しかった。
    私も真壁くんが大好きだったし蘭世になりたかったし、らんま1/2も見ていたし、HEPの観覧車の行列も知っている。
    とにかく惹き込まれる。まだLGBTQなんて言葉のない時代。男であることを受け入れられない翔太郎がどれほど生きづらいか。
    エピローグがとてもよかった。

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    2025年05月24日
  • 盤上のアルファ

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    ネタバレ

    挫折した男たちの再起の物語。

    人間関係が上手くなく、左遷に近い人事異動をくらった新聞記者。
    生まれも育ちも不遇で、将棋だけが残された男。

    そんな二人が出会ってもう一度前を向いてもがく。

    新聞記者を将棋未経験者としたことで、読者が将棋を知らなくても読める様にしたのは親切。
    将棋を通して描く人間模様こそが主題なので、安心して手にとって欲しい。将棋を知っていると輪をかけて面白いのはあると思いますが。

    将棋にすがって生きてきた男の生き様は確かに不遇であるが、場面々々で手を差しのべる人がいたのはほんの少しの幸運だったなぁ。そのほんの少しの幸運が後に大きくなって帰ってくるとは。

    秋葉にとっては大

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    2025年03月18日
  • 【無料お試し版】『デルタの羊』試し読み&雑誌ダ・ヴィンチ<『デルタの羊』刊行記念特別企画>記事付(著者インタビュー/特別対談 作家・塩田武士×声優・速水奨/アニメ関係者の声!)

    購入済み

    引き込まれる

    この本は色々なテーマから成り立っている本で要素が多いのにかなり物語の世界に引き込まれるおかげで読みやすくとても面白かったです

    #共感する #深い #ドキドキハラハラ

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    2025年03月15日
  • 騙し絵の牙

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    新鮮!臨場感、半端なし!
    塩田武士さんによる大泉洋あてがき小説。
    映画やドラマを見ているように、小説を読み進める愉しみを発見!

    ダヴィンチの企画が発端で、
    最初の目論見通り映画化も実現。
    映画の原作ではなくて、
    あくまでも、あてがき小説。
    「存在のすべてを」よりも
    私はこちら推し!

    出版界の抱える問題を浮き彫りにしつつ、
    会社という大きな組織での
    裏切り、確執を描く。
    主人公の速水=大泉洋が
    とにかく魅力的で引き込まれる。
    他の登場人物達も個性的で
    どこか憎めない。

    速水の行く末を
    応援。ドキドキしながら読み進めていく。6章の会議のシーンの緊張感たるや!そして、最後そうきたか!と思った後

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    2025年03月11日