塩田武士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫550円シリーズ。
薄い本だけど、550円以上に楽しめました。
短編なので合間にも読みやすい。
一番、塩田さんらしい作品だなと思ったのは『鈍い火』かな。だんだん嫌な展開に進んでいくけど、後を引かない終わりかたなので、イヤミスみたいにならなくて良かった。
『仮縫い』は冴えなかったはずの旧友の結婚話から主人公も再生していく物語。
『小さい上司』は何か笑えるダメ上司。"小山田"ってネーミングもいい。
↑ここまでは40歳代の冴えない登場人物が活躍している物語。作者自身も40代なので、自身の経験と照らし合わせているのかな~と思った。
『起点』だけは未来設定。
罪の声(2016年出版)から50年後、孫にあたる大学生が祖父(作者)に取材にきた設定の会話。 -
Posted by ブクログ
塩田さんの作品はとても好きです。過激な描写がなく真摯で品の良さを感じます。
所々で、マスメディアへの不信や警告みたいなものを感じるのですが、最後の書評を読んで凄く納得しました。
小説は正義と不正義の狭間にあるものをすくいあげ寄り添う事の出来る数少ない媒体であり、作者は、危うくて弱いけれど個人の尊厳を手放そうとしない個人の姿を書いていくだろうとありました。
長い序章の先にある、ラストの風景はとても美しくすぐにでも雪の舞い降りる朱色の橋に立ってみたいと思いました。
しかし、車から降り立った咲子さんの発する言葉を聞きたかったと思った私は、次の章があるのを期待していました。
珠緒さんの穏やかな行先が描かれている事も。
再読してよかったです。
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匿名
購入済み現代のSNSの問題を直接的に描いていて、考えされられる作品だった。
SNSやってる奴はとりあえず読んだ方がいい。
でも、それで終わらず物語としても面白かったし、綺麗にまとまっていたと思う。 -
Posted by ブクログ
塩田さん初作品。
怖!ジャーナリズムの世界怖!情報社会怖!!となる作品でした。
登場人物が皆ジャーナリズムの世界に関係している人達の連作短編集。
作中では虚報について深く掘り下げられていて、締切やプレッシャーにより真実でない記事を出したり、誰かを貶めるために意図的にフェイクニュースを流したりする恐ろしい展開があります。
フェイクニュースが作られていく過程•何故フェイクニュースが作られてしまうのかが、事細かく説明されていて、末恐ろしい情報社会になってしまったと実感しました。
普段何気なく目にしているネットニュースやtvのワイドショーについても、無意識に信じ込んでしまわないように、自分の中で軸を持っておこうと思いました。
熟練の新聞記者ですら同業者に騙されているので、この人とこの人は繋がってるの?!もう何を信じたらいいの?!と混乱しまくりでした笑
新潟出張で読んだ思い出の作品! -
Posted by ブクログ
ネタバレ挫折した男たちの再起の物語。
人間関係が上手くなく、左遷に近い人事異動をくらった新聞記者。
生まれも育ちも不遇で、将棋だけが残された男。
そんな二人が出会ってもう一度前を向いてもがく。
新聞記者を将棋未経験者としたことで、読者が将棋を知らなくても読める様にしたのは親切。
将棋を通して描く人間模様こそが主題なので、安心して手にとって欲しい。将棋を知っていると輪をかけて面白いのはあると思いますが。
将棋にすがって生きてきた男の生き様は確かに不遇であるが、場面々々で手を差しのべる人がいたのはほんの少しの幸運だったなぁ。そのほんの少しの幸運が後に大きくなって帰ってくるとは。
秋葉にとっては大きな失望となってしまいましたが。でも、やっぱり春が来そうで良かった。
まさか、あの2人がそんな関係だったとは。それも含めていい読後感。
続編なのか、スピンオフなのかもある様なので楽しみです。
序盤の女流二人が対峙した場面、面白かったなぁ
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Posted by ブクログ
新鮮!臨場感、半端なし!
塩田武士さんによる大泉洋あてがき小説。
映画やドラマを見ているように、小説を読み進める愉しみを発見!
ダヴィンチの企画が発端で、
最初の目論見通り映画化も実現。
映画の原作ではなくて、
あくまでも、あてがき小説。
「存在のすべてを」よりも
私はこちら推し!
出版界の抱える問題を浮き彫りにしつつ、
会社という大きな組織での
裏切り、確執を描く。
主人公の速水=大泉洋が
とにかく魅力的で引き込まれる。
他の登場人物達も個性的で
どこか憎めない。
速水の行く末を
応援。ドキドキしながら読み進めていく。6章の会議のシーンの緊張感たるや!そして、最後そうきたか!と思った後明かされるアナザーストーリー的な速水の過去。情景が美しく浮かぶラストシーン。
うおー! 良かったなあー!
社会派小説好きも
ヒューマンドラマ好きも
大泉洋好きも
大満足の作品のはず。
はい、次の小説読も、って
なれない。これは良い作品の証。
まさに、今日は次には行けません!
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Posted by ブクログ
ネタバレ結構長いのに面白すぎて一晩で読みきった。
その面白さの大きな要因は、大泉洋をあてがきして作られた「速水」というキャラ。どんな困難な状況も機転を利かして解決していく姿は、感心するだけでなく勉強になった。
ちなみに、私はこの本がきっかけで“あてがき”を知った。登場人物がイメージしやすく楽しいのでこういう小説がもっとあるといいのに。
出版業界の話も新鮮で楽しかった。私は電子より完全に書籍派なので、将来紙に生き残って貰うため、売り上げに貢献しようと決心した。
ただ、最後のオチの部分のタイトル回収は、あまり響かなかった。速水はただ会社に裏切られ、行動を変えただけなので裏切りと呼べるほどには感じない。ただ、速水はあんなに書籍にこだわっていたのに、電子書籍を生業にしていたことは複雑な気持ちになった。
〈映画をみて〉
大泉洋が演じるかっこいい速水が見たくて、映画を観たら、小説と全く違う内容だったので途中でやめてしまった。出版業界と数人の登場人物の名前以外何もかもが違う・・・映画自体は口コミサイトなどでなかなか評価が高い。だからといって、あてがきした小説の内容をここまで変えて作者は怒らなかったのだろうか?出版業界について書いた本作に対して皮肉が効きすぎていると思ってしまった。