塩田武士のレビュー一覧
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さえない中年のオッさんについての短編集。第2話の「鈍い火」が好き。永久保存版として売られないことが決まった。これは割と栄誉な一冊である。
第1話 啓太は広報課の新人だった。小山田という小狡いおっさんが係長。ピントは外れているわ、ケチだわ、妙な嘘つくわと困った人だが、病気の家族の面倒を見る優しい一面もあると知る。
第2話 育郎は育ちすぎてデブである。ベスパで移動している。今日は業務上過失致死の判決を聞いて記事を書く。執行猶予がつくかどうかが焦点だ。ただ裁判の場で知ったのは、引かれた子供が育郎の知合いの子供だったということだ。
第3話 若かりし僕たちのマドンナ、高木由美子とリンネンが結婚した -
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文庫550円シリーズ。
薄い本だけど、550円以上に楽しめました。
短編なので合間にも読みやすい。
一番、塩田さんらしい作品だなと思ったのは『鈍い火』かな。だんだん嫌な展開に進んでいくけど、後を引かない終わりかたなので、イヤミスみたいにならなくて良かった。
『仮縫い』は冴えなかったはずの旧友の結婚話から主人公も再生していく物語。
『小さい上司』は何か笑えるダメ上司。"小山田"ってネーミングもいい。
↑ここまでは40歳代の冴えない登場人物が活躍している物語。作者自身も40代なので、自身の経験と照らし合わせているのかな~と思った。
『起点』だけは未来設定。
罪の声(2 -
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塩田さんの作品はとても好きです。過激な描写がなく真摯で品の良さを感じます。
所々で、マスメディアへの不信や警告みたいなものを感じるのですが、最後の書評を読んで凄く納得しました。
小説は正義と不正義の狭間にあるものをすくいあげ寄り添う事の出来る数少ない媒体であり、作者は、危うくて弱いけれど個人の尊厳を手放そうとしない個人の姿を書いていくだろうとありました。
長い序章の先にある、ラストの風景はとても美しくすぐにでも雪の舞い降りる朱色の橋に立ってみたいと思いました。
しかし、車から降り立った咲子さんの発する言葉を聞きたかったと思った私は、次の章があるのを期待していました。
珠緒さんの穏やかな行先が描 -
匿名
購入済み現代のSNSの問題を直接的に描いていて、考えされられる作品だった。
SNSやってる奴はとりあえず読んだ方がいい。
でも、それで終わらず物語としても面白かったし、綺麗にまとまっていたと思う。 -
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僕はSNSはやっていない。匿名性という盾の元で心無い言葉が飛び交う世界、面と向かっては言えるはずない言葉が存在できる世界をどうしても好きになれないでいた。だからSNSの世界への「宣戦布告」というこの物語のスタート自体に強く惹かれた。そこから始まった物語は、登場人物たちの人生を追っていく形で深みを持ち始める。誰ひとり楽には生きられていない。読んでいてやるせなく、苦しい、それでも、自分でない誰かを認めて尊重しながら生きていくことはかくも美しいかとこの物語を読むことで知れた。僕は人を傷つける言葉や態度より、人を尊ぶ言葉や態度を持てる人間でありたい。そして、人間は他人を認め、想う世界を作れると信じたい
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塩田さん初作品。
怖!ジャーナリズムの世界怖!情報社会怖!!となる作品でした。
登場人物が皆ジャーナリズムの世界に関係している人達の連作短編集。
作中では虚報について深く掘り下げられていて、締切やプレッシャーにより真実でない記事を出したり、誰かを貶めるために意図的にフェイクニュースを流したりする恐ろしい展開があります。
フェイクニュースが作られていく過程•何故フェイクニュースが作られてしまうのかが、事細かく説明されていて、末恐ろしい情報社会になってしまったと実感しました。
普段何気なく目にしているネットニュースやtvのワイドショーについても、無意識に信じ込んでしまわないように、自分の中で軸を持 -
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ネタバレ挫折した男たちの再起の物語。
人間関係が上手くなく、左遷に近い人事異動をくらった新聞記者。
生まれも育ちも不遇で、将棋だけが残された男。
そんな二人が出会ってもう一度前を向いてもがく。
新聞記者を将棋未経験者としたことで、読者が将棋を知らなくても読める様にしたのは親切。
将棋を通して描く人間模様こそが主題なので、安心して手にとって欲しい。将棋を知っていると輪をかけて面白いのはあると思いますが。
将棋にすがって生きてきた男の生き様は確かに不遇であるが、場面々々で手を差しのべる人がいたのはほんの少しの幸運だったなぁ。そのほんの少しの幸運が後に大きくなって帰ってくるとは。
秋葉にとっては大 -
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新鮮!臨場感、半端なし!
塩田武士さんによる大泉洋あてがき小説。
映画やドラマを見ているように、小説を読み進める愉しみを発見!
ダヴィンチの企画が発端で、
最初の目論見通り映画化も実現。
映画の原作ではなくて、
あくまでも、あてがき小説。
「存在のすべてを」よりも
私はこちら推し!
出版界の抱える問題を浮き彫りにしつつ、
会社という大きな組織での
裏切り、確執を描く。
主人公の速水=大泉洋が
とにかく魅力的で引き込まれる。
他の登場人物達も個性的で
どこか憎めない。
速水の行く末を
応援。ドキドキしながら読み進めていく。6章の会議のシーンの緊張感たるや!そして、最後そうきたか!と思った後