塩田武士のレビュー一覧

  • 氷の仮面

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    取材力と言うか、協力した方の本心なんでしょうね。内面の描写に苦しくなりました。昭和からの話で、今は行きやすい世の中なんでしょうか。
    最後は少しできすぎで、なくてもよかったかな。

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    2024年08月24日
  • 盤上に散る

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    苦悩する男の表紙に惹かれ手に取る。この男の正体が最後の対局の後で明かされるのだが、そのままの表現に泣かされる。
    題名にしてもいかにも将棋の世界に生きる男の話を連想させるが、それだけでなく駒師のそのダンディズムというか考え方が総じてかっこ良く、こちらも最後に意味が分かる。
    前作の盤上のアルファを読んでから時間が経っていたので人物を大分忘れていたが、話の邪魔にならない程度で登場しポイントを押さえてくれていた。
    大阪の濃いキャラ連中や、背景となる人物達に少しこんがりがりそうになったが、昭和の時代をバックにした物語が重厚で読み応えがあった。

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    2024年08月22日
  • 盤上のアルファ

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    今年度、暫定No.1!

    帰省時のバスで、なんか読も、と思って手にした一冊。新刊に読みたい本が書店に色々並んでいたが高いのでグッと我慢して、「前に読んだことのある作家だなぁ」くらいの認識でこの文庫をチョイス。
    Debut作だったんですね。将棋にはあまり思い入れのない私なので、少し読み進めてから失敗したかなぁと思ったけれど、私以上に主人公が将棋に思い入れがなかったので、安心して読み始めました。気がつくと一気読み。最後はちょうど目的地についたところで、読後感サイコーでした。アルファ、というモチーフはあまり響いて来なかったかな。
    解説も気持ちよく読めましたが、続編をぜひ読みたい、という気持ちより、こ

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    2024年08月13日
  • 騙し絵の牙

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    大仰なタイトル  主人公はアテガキ  否が応でも疑り深く読み進めさせられる  
    静かな書き出しからいきなり華やかな場面 どれもこれも伏線に思えて・・・ なんて言うのは あっという間に吹き飛んですっかり物語の中へ うまいよね~~

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    2024年07月22日
  • 盤上に散る

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    ネタバレ

    面白かった!
    個人的には前作より好き。順番に読んだ方が被る登場人物がいるので楽しめると思われる。

    棋士というと堅苦しい品行方正なイメージがある。ひふみんが人気が出たのはそんなイメージからズレたお茶目さといい加減さがウケたのではないか。私も好きだ笑
    この小説も棋士のイメージとかけ離れた、しかも、ひふみん路線ではなくアウトロー路線のきな臭い世界だった。

    キャラクターがなんとも言えず良かった。出てくる人、みんな味がある。人間臭いところが良い。
    関西弁のやりとりも最高だ。テンポ良くツッコミ合う感じが面白い。
    謎多き伝説の真剣士を探す旅に出るのはアラフォー女(多分結構美人)とリーゼントのチンピラアサ

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    2024年07月03日
  • デルタの羊

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    ネタバレ

    ありそうであまり多くは見ない、アニメ作成に関連したストーリーです。[ハケンアニメ]ほどはキラキラしていません。セリフとかについてはここまで完成したアニメ好きが周囲にいないので新鮮でした。
    内容はかなり読みごたえがあり、筆者の本はとても好きなのですが、業界の中をのぞいたような気持ちを味わえます。数冊筆者の本を読んで、いぶし銀のような、地味な仕事ながら着実に歩みを進めるキャラが個人的に好きなのも、筆者の作品に惹かれる要因なのかなと思ったりもしました。

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    2024年07月01日
  • 盤上のアルファ

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    『罪の声』『存在のすべてを』を読んだ流れでの著者読み。
    プロ棋士編入試験を目指す男と 文化部への異動にくさる新聞記者のおっさん二人を中心としたお話。
    新聞記者の経歴が このデビュー作に生かされていることを実感する。
    タイトルのアルファが意味するものは分かるが、生への執着の迫力としては 真剣師の「いてもたれ!」の方がピンと来るものがあった。
    24-11

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    2024年06月14日
  • 朱色の化身

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    序章 湯の街炎上/第一部 事実/第二部 真実/
    終章 朱色の化身

    父に頼まれ行方が分からなくなった女の事を調べ始めた亨。
    多くの取材を重ねてわかってきたことは………

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    2024年05月29日
  • 朱色の化身

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    久々の塩田さん〜

    な〜んか切ないな…
    やりきれん感満載。
    大火事を契機に、揺れる女性の人生というか生き様…
    それが、三代も…
    今でも、男女平等といわれながらも、まだまだやのに、こんな前の時代の女性なんか、振り回されて生きて行くのかな。それも男によって。
     不倫、
     離婚、
     アルコール依存症、
     etc
    生きていく上で、色々あって、
     人を殺め…
    罪の意識に苛まれながら、やっと…

    行方不明の女性を探して、元新聞記者のライターが、取材しながら、明らかになる真実。
    もうええやん!と言いたくなる。


    何が正しくて何が正しくないのか、という問題が重要なわけではない。むしろ、どうすれば正しさと正し

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    2024年05月22日
  • 盤上のアルファ

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    前半はすこしゆったりめに進む。
    初めの方、作中の表現にもあるが主人公が性格が悪く、あまり共感できるキャラクターでもなかったが

    後半にかけて、人間味やその人の持つ優しさや弱さに触れてだんだんと魅力に思える人だなと感じた。

    たぶん30代そこそこの男はそんなもんだと思う。
    そして30代そこそこの男女の三角関係なんて見てられないと思ったけど、読み終えた時この3人の物語の続きが知りたくなった。

    ぜひ読んで欲しい!嫉妬にまみれた30代におすすめ!

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    2024年05月20日
  • 朱色の化身

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    さすがは元新聞記者と思わせるほどの緻密な取材力、圧倒的なリアリティが文章から伝わってきました。時代に翻弄された一人の女性を軸に様々な
    物語が始まる。福井県の芦原温泉、雄島を舞台に
    ある家族の壮絶なる一代記が繰り広げらる。

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    2024年03月19日
  • 女神のタクト

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    不倫の挙句何となく勤めた会社を辞めた人生捨て鉢女がひょんなことからポンコツマエストロと崖っぷちオーケストラを蘇生させるため奮闘する物語。

    最初はコメディ色強めな描写に戸惑いつつも読み進めるとそれが味わい深く、だんだんと物語の内容と調和していく様子がラストのラフマニノフの描写と相まって面白い読書体験だった。

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    2024年03月15日
  • 氷の仮面

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    ネタバレ

    LGBTって言葉を最近すごく聞いて、
    なんとなくわかったような気をしていたけど
    心と身体にギャップがあることって
    死を考えるほどの辛さということまでは考えがまわらなかったなーと。

    制度とか知識はあっても
    心を知るってなかなかないかも。

    身を裂くような辛さ が痛いほどわかった。



    でも、とーちゃんとママが付き合ってたって!

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    2024年03月09日
  • デルタの羊

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    昼呑みしたい

    ってな事で、塩田武士の『デルタの羊』

    塩田武士さんならではのアニメ社会の実情を時に真面目に、時にクスッと、時にグッと熱く描く内容は流石じゃね

    日本のアニメは世界一っ!って言われとるが、もうそんな悠長なことは言ってられない現状。

    一昨日の新聞で中国アニメがグングン勢いを付けてきている。
    資金、人材、環境が圧倒的に強い。

    そのうち中国アニメが世界を席巻する事になるかもね

    で、内容は小説『アルカディアの翼』を読んだ渡瀬が感銘を受けアニメ化にしたい夢を叶える為に奔走する。

    その夢に賛同したアニメーター達との仕事っぷりや人間関係が面白い

    アニオタの人はニタニタしながら読める

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    2024年02月04日
  • 氷の仮面

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    みどるもんすたぁ、二十歳のお祝いしたよ
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、塩田武士の『氷の仮面』
    ⁡⁡
    ⁡最近、この手のジェンダー系の本を読むのが多くなった様な…。⁡
    ⁡⁡
    ⁡塩田武士さんの本好きで何冊か読んだけど、これは今まで読んだ雰囲気が塩田さんらしくないと言うか、そんな感じを受けた。⁡
    ⁡⁡
    ⁡性同一性障害の人達の生き辛さ、心と身体のバランスって当たり前って思って生きてきた人と、違和感を持ちながら生き続ける苦悩が中々周りに共有されない恐怖。⁡
    ⁡⁡
    ⁡分かるよ、共有したいよその気持ち。⁡
    ⁡⁡
    ⁡もっと理解されないといけない、ある種のハンディキャップ(こう言ったら当人は不愉快かな)じゃないんかなっと。

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    2024年02月03日
  • 歪んだ波紋

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    新聞社近畿新報の記者である沢村は、上司の桐野から渡された特ダネのため、ひき逃げ事件の被害者の元へ向かった。そこで悲劇の被害者と思われる女性にカマをかけたところ、予想と異なる反応に動揺する。社に戻ると桐野やその上司の中島の動きがおかしい…。

    5人の新聞記者、元新聞記者達が、誤報もしくはもみ消された事件の真相を負うミステリ。短いアンソロジーのようで、その裏にある組織の存在が見え隠れする。

    元新聞記者である作者の面目躍如という作品で、テレビ局や組合をネタにした話に比べるとやはり活き活きした筆致で読んでいて爽快。嫌な気分になりそうな話もそんなに気にならない勢いがこの本の醍醐味。

    一方で、その勢い

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    2024年01月22日
  • 歪んだ波紋

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    2023.12.03
    ネット社会で「書かれる」ことの怖さを感じる一冊。みな、自分は安全地帯にいてネットの情報を消費しているが、自分が消費される素材になる怖さを考えたことはない。考えたら何もできないということか。

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    2023年12月03日
  • 罪の声

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    いや面白かったです。
    ストーリーの面白さはもちろんですが、素材となったグリコ・森永事件の枯れ具合がちょうど良いんですね。事件の記憶が薄れてきて生々し過ぎず、でも、現実の事件としての認識もあり、作品と共に記憶を呼び覚ましているような感覚がありました。
    実際の事件が発生した際の年齢が大きく影響するかと思います。以前、三億円事件を題材とした作品が多数ありましたが、自分にとって三億円事件は昔話の中の出来事、あまり興味は持てませんでした。
    グリコ・森永事件以降の世代の方々の感想も知りたくなりますね。

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    2026年05月15日
  • 騙し絵の牙

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    映画の「騙し絵の牙」を見た後で、原作は少しストーリーが少し違っているらしいと知り読んでみた。
    いや少しどころじゃなくて全然違ってる。というか主役級の数人を除いて登場人物も違うし展開する話も力点も結末もなにもかも違う。どちらもそこそこ面白かったのでこれでもいいけれど、映画の改変の大胆さとそれにもかかわらずに原作のテイストを残している点に驚く。

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    2023年10月31日
  • 拳に聞け!

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     表紙の写真、タイトル、それに著者が塩田武士さんと来たら、当然バリバリ硬派のボクシング小説に違いない! と思ったら、なんということでしょう。漫才の掛け合いのような会話の軽妙さ、文章のリズムの軽快さがあるではありませんか!
    (劇的ビフォーアフターかよ!)

     今回の〝匠〟である塩田さん、『罪の声』と同一作者とは思えません。塩田さんの経験の為せる技なのか、「罪の声」が新聞記者の目だとすると、本作は「芸人」の目ですかね。

     小さく古びたボクシングジムを舞台に繰り広げられる物語です。元芸人で便利屋の省吾、ジム会長・貞次郎と息子で期待の星・勇気、周囲を固める他の人物もとても個性的です。
     シリアスと笑

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    2023年10月16日