塩田武士のレビュー一覧

  • 罪の声
    映画を観て面白かったから小説を買ったものの積読していた本。ジャーナリズムの在り方を模索する話だと思った。ストーリーはすごく面白いけれど、取材メインで進むから登場人物がひたすら多くて難しかった。映画観てなかったら途中で読むの挫折してたかもしれない…。
  • 罪の声
    実際の未解決事件「グリコ森永事件」をモデルとして、その事件に関わった人々の人生や苦悩を丹念に追っていく読み応えある力作。
    子どもの声の脅迫テープがあったと知り、何も知らない未成年を犯罪に加担させる闇の深さにゾッとする。
    曽根と阿久津、立場が違う同い年の二人の青年がそれぞれ真摯に事件と向き合う情熱に後...続きを読む
  • 罪の声
    グリコ森永事件を題材に、罪の声とはまさにその通りの内容だった。

    入念な取材基づき書かれている部分はノンフィクションとなっており、事件の全容を今になって知ることが出来る。

    登場人物が多く見返す部分もあったが、読み応え充分で昭和史を追っているようだった。
  • 朱色の化身
    さすがは元新聞記者と思わせるほどの緻密な取材力、圧倒的なリアリティが文章から伝わってきました。時代に翻弄された一人の女性を軸に様々な
    物語が始まる。福井県の芦原温泉、雄島を舞台に
    ある家族の壮絶なる一代記が繰り広げらる。
  • 女神のタクト
    不倫の挙句何となく勤めた会社を辞めた人生捨て鉢女がひょんなことからポンコツマエストロと崖っぷちオーケストラを蘇生させるため奮闘する物語。

    最初はコメディ色強めな描写に戸惑いつつも読み進めるとそれが味わい深く、だんだんと物語の内容と調和していく様子がラストのラフマニノフの描写と相まって面白い読書体験...続きを読む
  • 罪の声
    グリコ森永事件はこの本の内容がほぼ真実としか思えない力を持った本。めちゃくちゃ考えられて練られた作品という印象しかない。事件を知る人は一読の価値あり。
  • 罪の声
    昭和の未解決事件を、記者と犯人家族のそれぞれの立場から紐解いていく物語で、最初は入り込みにくく休み休みで1年以上かけて読みました。

    中盤からのストーリー展開で、点と点が繋がり、事件のあらましが見えるにつれ、引き込まれました。映画でも観てみたいと思います。
  • 氷の仮面
    LGBTって言葉を最近すごく聞いて、
    なんとなくわかったような気をしていたけど
    心と身体にギャップがあることって
    死を考えるほどの辛さということまでは考えがまわらなかったなーと。

    制度とか知識はあっても
    心を知るってなかなかないかも。

    身を裂くような辛さ が痛いほどわかった。



    でも、とーち...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    いやー、モデル大泉洋、見事です。
    大泉さんが頭の中で四苦八苦しながら動くさまがありありと浮かんできました。

    ラストに向けて読む手が止められず、最後は読者も騙されたなと。この感じ、映画アフタースクールを観たあとの感じによく似てる。

    若手作家が亡くなったあとの葬儀のシーンが妙に心えぐられて読んでて辛...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    読み終えたあとに、タイトルの意味が分かる。小説のあとに映画を観たけど全然違う印象でした。小説の方がリアリティに出版社の存続の危機を描いていた気がします。映画版は、大泉洋さんのキャラを生かした作品に仕上がっています。文字だけでキャラクターの性格や表情、緊張感を描く小説の言葉選びに感服です。原作がある映...続きを読む
  • 罪の声
    グリコ森永事件を題材にした小説だったんですね
    自分は当の事件を名前を聞いたことがある程度で内容までは知らなかったので良い意味で先入観を持たずに読むことが出来た

    謎の解決の糸口を手繰り寄せる事に登場人物がドンドン増えていき頭の整理をするのが大変だった

    ただそれを考慮に入れても終盤付近、犯人と対面し...続きを読む
  • 罪の声
    実際に起きた事件をもとにしたフィクション。とてもおもしろかったが、途中間延びした印象も。毎朝の通勤時間しか読まない私の読み方のせいだったらごめんなさい。
  • デルタの羊
    昼呑みしたい

    ってな事で、塩田武士の『デルタの羊』

    塩田武士さんならではのアニメ社会の実情を時に真面目に、時にクスッと、時にグッと熱く描く内容は流石じゃね

    日本のアニメは世界一っ!って言われとるが、もうそんな悠長なことは言ってられない現状。

    一昨日の新聞で中国アニメがグングン勢いを付けてきて...続きを読む
  • 氷の仮面
    みどるもんすたぁ、二十歳のお祝いしたよ
    ⁡⁡
    ⁡ってな事で、塩田武士の『氷の仮面』
    ⁡⁡
    ⁡最近、この手のジェンダー系の本を読むのが多くなった様な…。⁡
    ⁡⁡
    ⁡塩田武士さんの本好きで何冊か読んだけど、これは今まで読んだ雰囲気が塩田さんらしくないと言うか、そんな感じを受けた。⁡
    ⁡⁡
    ⁡性同一性障害...続きを読む
  • 歪んだ波紋
    新聞社近畿新報の記者である沢村は、上司の桐野から渡された特ダネのため、ひき逃げ事件の被害者の元へ向かった。そこで悲劇の被害者と思われる女性にカマをかけたところ、予想と異なる反応に動揺する。社に戻ると桐野やその上司の中島の動きがおかしい…。

    5人の新聞記者、元新聞記者達が、誤報もしくはもみ消された事...続きを読む
  • 歪んだ波紋
    2023.12.03
    ネット社会で「書かれる」ことの怖さを感じる一冊。みな、自分は安全地帯にいてネットの情報を消費しているが、自分が消費される素材になる怖さを考えたことはない。考えたら何もできないということか。
  • 騙し絵の牙
    映画はまだ観ていないが、頭の中で速水のキャラクターが大泉洋さんの表情や仕草で動いていくくらいピタッとハマっていると感じた。
    至る所に伏線が張ってあって、映画を観た後に再度読み返したい。
  • 騙し絵の牙
    映画の「騙し絵の牙」を見た後で、原作は少しストーリーが少し違っているらしいと知り読んでみた。
    いや少しどころじゃなくて全然違ってる。というか主役級の数人を除いて登場人物も違うし展開する話も力点も結末もなにもかも違う。どちらもそこそこ面白かったのでこれでもいいけれど、映画の改変の大胆さとそれにもかかわ...続きを読む
  • 拳に聞け!
     表紙の写真、タイトル、それに著者が塩田武士さんと来たら、当然バリバリ硬派のボクシング小説に違いない! と思ったら、なんということでしょう。漫才の掛け合いのような会話の軽妙さ、文章のリズムの軽快さがあるではありませんか!
    (劇的ビフォーアフターかよ!)

     今回の〝匠〟である塩田さん、『罪の声』と同...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    表紙も中表紙も大泉洋の写真があるが、そうでなくても話を展開していく軽妙な台詞は彼がそのまま喋っているかと感じるほどピッタリかも。出版社と作家の話は手前味噌か自虐ネタかというところだが、笑えるストーリーとテンポよく進む展開で楽しめる。編集者は自らヒーロー願望があるんだろうなあとか、作家もストーリー捻出...続きを読む