塩田武士のレビュー一覧

  • 拳に聞け!

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    サイン本に釣られて購入しただけなのに。ツボでした。

    芸人の話もボクシングの話も今やあちこちに転がっていて、ちっとも珍しくはありません。冒頭では『火花』や『笑う招き猫』を思い出し、二人組の便利屋が登場すると『まほろ駅前多田便利軒』、そしてその後は当然『ボックス!』を思い出す。下町の雰囲気に『泣いたらアカンで通天閣』が頭をよぎり、ところどころ『戸村飯店 青春100連発』まで連想する。それなのに、寄せ集め感はゼロ。ちょっとそこいらにはおらんぐらい素直な少年の夢に大人が乗っかりまくって、みんなが再び夢を追いかける。読み終えたときには彼らと一緒に3年間を過ごした気持ちに。

    読み手を置いてけぼりにしな

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    2018年07月30日
  • 崩壊

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    市議会議長の殺害。ベテラン警察官、本宮はパートナーの若手女性警官、優子と事件を追う。警察官を主人公とするよくある殺人捜査ミステリーかと思いきや、ストーリーの軸となるのは推理ミステリーではなく、登場人物たちの人間ドラマ。

    捜査の進展とともに明らかになる本宮、優子、容疑者、被害者の家庭環境。そんな4人の過去が微妙に絡み合い、最後にピタッとはまり合う。彼らの人生には経済力や男女関係、家族の死など「崩壊」のターニングポイントがあった。それを乗り越えた者と乗り越えられなかった者の差が殺人につながった。

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    2017年11月30日
  • 雪の香り

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    ネタバレ

    2017/8/28 ジュンク堂神戸住吉店にて購入。
    2018/9/6〜9/11

    「罪の声」で名前を知った塩田さんの初読み。舞台である京都北山、宝ヶ池あたりは自分も学生時代によく行ったところ。その懐かしさだけでなく、スリリングな展開に引き込まれる。上手い作家さんだ。また1人、Must Read作家が増えた。

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    2018年09月11日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    奏と天童の関係がよかった。
    お互いの存在を支えとして、思い合っている感じは理想やなあと思った。
    奏が自分のことが書かれた天童のライブのパンフレットを読んで、
    過去のことを思い出し、思考し、「天童君に出会えてよかった」と思うに
    至るところがよかった。
    だから、そのあとの「独白」の中の「ほんでパンフも読んでほしかった」が
    辛かった。
    SNSの誹謗中傷については、佐伯デンタルオフィスの佐伯の
    「何で知らない人のことをここまで悪しざまに言ったの?」が、ほんとそれと思った。
    赤の他人に面と向かっては言えないことを匿名かつ遠くからなら言えてしまう。怖い。
    ただ佐伯は最低中の最低男だったのだけれど。この世界

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    2025年12月06日
  • 踊りつかれて

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    Audibleにて

    SNSによる誹謗中傷、それによって起こるさらなる騒動、ずっとモヤモヤしていたことを、言語化してくれたと感じた。独白の章は辛かった。
    その部分をしっかり感じたかったから、みつきさんの幼少期とか過去の部分はあまりなくてもよかったかな。
    誰もが加害者にも被害者にもなりうる。簡単に使えるけど武器にも凶器にもなる。そこはしっかり留めておきたい。

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    2025年12月05日
  • 崩壊

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    序章
    発生/捜査/浮上/疑惑/肉薄/動機
    終章

    市議会議長が殺された事件
    所轄のベテラン男性刑事本宮と
    県警の若手女性刑事平原が
    組になって捜査にあたる

    少しずつ明らかになる
    事実、人間関係、語られた言葉……

    不明な動機にこだわり調査を続ける本宮
    最後に手に入れたのは……

    なんだか せつないなあ


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    2025年12月05日
  • 存在のすべてを

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    久しぶりの塩田武士さん!
    まぁ、単行本以外は、読んでるけど〜

    二児同時誘拐!
    結構、身代金渡すまでのシーンは、ワクワク!ドキドキ!
    これは、この珍しい事件を追っていくのかと思えばさにあらず!

    未解決になったこと事件を時効が過ぎて、30年という月日を超えて、動き出す。
    幸運にも、この事件は、誘拐された子供たちは、帰って来てる(^_^)v
    でも、一人は、3年後に帰って来る。

    元新聞記者さんやから、真実を追うシーンには、現実感がある。
    コツコツ、コツコツとジグソーパズルのように取材でえた事実を埋めていく…
    途方もない時間をかけながら…
    事件自体は、時効になってるけど、当時に関わった刑事、記者に

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    2025年12月05日
  • 崩壊

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    刑事本宮、市議会議員嶋田殺害事件を追う
    そこには過去の公務員の汚職が関係しているのでは?

    そして被疑者は何故嶋田議員を殺したのか?

    本宮自身刑事としてではなく仕事に逃げていた過去や捜査に関わる人達の人間関係から、
    犯人は何故?嶋田を?
    「ふれあいの里」そこには!
    犯人の心理を勝手慮ってしまった

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    2025年12月04日
  • 踊りつかれて

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    罵詈雑言やデマが蔓延しているネットの醜悪さを描き、そしてその言葉の矛先に生身の人間がいるのだということを作品を通して読者に突きつけるような話でした。
    個人がネットであらゆる情報を受け取り、自らも発信することが当たり前になっている社会に向けて、人間の理性や倫理観を今一度問い直したい。一石を投じたいという、そういう真っ当なメッセージをびしばし感じます。誹謗中傷やデマが絶えず流れてそれに絡め取られる人が多い今の世の中だからこそ、幅広く読まれてほしい作品。
    また、自分も情報をただぼんやりと受け取っていることがかなり多いので、そういう時に意識的にブレーキを踏めるようになっていきたいと、この本を読みながら

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    2025年12月02日
  • 踊りつかれて

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    「罪の声」では新聞記者と声を使われた当時の子供が取材しながら真相に迫っていったが、今回は弁護士が多くを語らない被告人の過去を追っていく。全体的にとてもいい話の部分が多く、SNS被害者に同情する気持ちと比例して処罰感情も強まりながら読んだ

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    2025年12月01日
  • 踊りつかれて

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    本の題名も含め、いろいろな回収が見事
    最初と後からのイメージが変わる人物描写もよかったです
    世の中から 誹謗中傷がなくなることを願ってやみません

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    2025年11月30日
  • 罪の声

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    京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった―。1984〜85年に起こった昭和史に残る、グリコ森永事件を題材にした作品。 舞台は関西を中心に展開される。 新聞記者がグリコ森永事件を取材する話と、自身が加害者の息子である人物の視点から話が進んでいく。もともと身代金より株で儲けるつもりだったという話は、なかなかおもしろか

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    2025年11月27日
  • 踊りつかれて

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    テーマ的にはすごく面白い。登場人物の描写も綺麗で言葉の選び方も良い。が、少し物語として綺麗すぎる感。

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    2025年11月26日
  • 踊りつかれて

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    美月の幼少時代の話のところは、気持ちが重くなって読むペースが落ちたが、そこを読まないと後半への感動にはつながらないんだろうなと読み終えた今、感じた。
    読み終えた途端、じわーっと感動が押し寄せてきた。
    人生って人それぞれながら、突然苦境に立たされることがある。そんな中でもきっと諦めなければ助けてくれる人と巡りあえると信じたられるように思えた。
    この本では、SNSによる、匿名性を持った正義の言葉による暴力・被害についても、真剣に考えさせられた。

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    2025年11月25日
  • 存在のすべてを

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    序盤と中盤からの流れ方にギャップ萌
    踊りつかれても、そうだけど序盤の勢いが読みたい!!という気持ちをすごい駆り立てる
    だから中盤からのゆっくり時が流れるような展開がより良い

    はじめて小説で考察を調べたかも!2回読んでも面白い作品だと思います

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    2025年11月25日
  • 踊りつかれて

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    あ〜…、何だろ、塩田さんの作風ってこうなのかな??説明多めで、感動的なラストに持って行きたがるのが、なんか苦手

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    2025年11月24日
  • 存在のすべてを

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    2024年本屋大賞第3位受賞作。

    二児同時誘拐事件から物語が始まる。

    幸せと切なさと悲しみが入り混じる展開に心拍数が上がっていく。

    愛情が溢れんばかりの作品。

    ラスト1ページの終着に胸が震えました。みんな幸せだといいな。

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    2025年11月17日
  • 踊りつかれて

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    誹謗中傷を浴びせるネット民たち83名から、その匿名をはぎ取り実名を公表し公開処刑に処す。冒頭のこのスリリング展開のまま「ネットの匿名性」「人を裁く権利」「正義という暴力」などのテーマを掘り下げていって欲しかったのが正直なところ。話は公開処刑を行った人物と、彼の担当弁護士、彼が犯行に至った直接の引き金となったネット暴力の犠牲者であるお笑い芸人、アーティストを軸に彼ら彼女らの物語へシフトしていってしまう。それはそれで面白かったのだが、なにせ冒頭が魅力的過ぎた。この匿名性をいいことに安全地帯から石を投げつけ、きわめて自己満足的な正義の行使、あるいは自分の惨めな境遇を慰めるための虐め、というのは「汝ら

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    2025年11月17日
  • 踊りつかれて

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    「踊りつかれて」(塩田武士)を読んだ。

    これはね、SNSというツールの恐ろしさとヒトの弱さ醜さを描き切った、今のこの世界に警鐘を鳴らす作品だね。
    ではあるけれど、ヒトの強さと優しさも描き切った作品として、とても美しいラストシーンとともに私の記憶に残るだろうな。

    少しあざとさというか計算高さというか、おもねるところが見え隠れする気もするけれど、とにかく惹き込まれてしまうのは確かである。

    あー面白かった。

    ちょっと長いけど印象的な文章を抜粋。

    『世の中には、頭で理解できることは数多くある。しかし、理解は角を落として丸くしない限り、心へは転がっていかない。その心に行き着いた考えや感情の向こ

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    2025年11月13日
  • 踊りつかれて

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    大作だったよ!!というか、長かったよ…!!!
    序盤が長く、重く、何度か「飛ばそうかな…」と思ってしまったが(笑)頑張って読んだ!
    そうすると、ラストに向かって色々なことが繋がって、最後はすごくよかったなあ。

    SNS。どこでも誰でも発信できる。
    だからこそ、便利に前向きに使えたらいいのに。
    顔が見えないからって、相手の気持ちを考えずに発信してもいいのか?相手はどう思うのか?
    SNSのいい部分だけを残して、人が扱いきれない部分は切り捨てられたらいいのに。
    傷付かなくてもいい人が傷ついて、世知辛い世の中だなって思う。

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    2025年11月12日