塩田武士のレビュー一覧

  • 存在のすべてを

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    本屋さん大賞を受賞されているというだけあり、期待に違わず素晴らしい作品。著者さんは記者をされていたとのこと、叙述の分かりやすさに納得がいく。単なる事件の推理ではなく、出てくる人物の色々な愛情を感じられる。

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    2025年10月22日
  • 存在のすべてを

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    とっても、胸熱。
    伏線回収も滑らか、点と点の繋ぎ方や、過去〜現在もスムーズ、本当に綺麗な作品だと思う。
    あと、刑事ものなのに、登場人物も絞られてるからか、えっと、誰だっけ?が全くなく、
    読みやすい。
    からの、最後の家族3人で過ごした日々でこんなにも心揺さぶってくるのかーい!

    最後の1ページ。

    サラッとしててとっても良いハッピーエンド!

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    2025年10月17日
  • 歪んだ波紋

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    塩田さん初作品。
    怖!ジャーナリズムの世界怖!情報社会怖!!となる作品でした。
    登場人物が皆ジャーナリズムの世界に関係している人達の連作短編集。
    作中では虚報について深く掘り下げられていて、締切やプレッシャーにより真実でない記事を出したり、誰かを貶めるために意図的にフェイクニュースを流したりする恐ろしい展開があります。
    フェイクニュースが作られていく過程•何故フェイクニュースが作られてしまうのかが、事細かく説明されていて、末恐ろしい情報社会になってしまったと実感しました。
    普段何気なく目にしているネットニュースやtvのワイドショーについても、無意識に信じ込んでしまわないように、自分の中で軸を持

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    2025年10月13日
  • 氷の仮面

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    本書を読んで、性別適合手術が違法だったり、強姦罪が女性にしか適応されない時代があったことを初めて知った。

    さらに詳しく調べると強姦罪は改正されて、まだ10年も経っていないことが分かり驚愕した。

    一昔前は現代と比べ、性の不一致を抱える人たちが格段に生きづらかったことが伝わってくる。


    前半は辛い展開が多く精神が削られたけど、後半は主人公が友人や家族に恵まれていたことが分かる展開で心が温かくなった。真壁くんは最後まで男前。


    あと、大阪弁に違和感がないと思ったら、作者が関西出身でなるほどだった。

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    2025年10月07日
  • 罪の声

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    何も知らずに子供達が巻き込まれて
    その後の人生が変わっていく
    最後読んでいて泣きそうになった

    未解決事件が元になっているとはいえ
    全てが本当のような気がしてくる

    阿久津と俊也が会った時
    やっと来た!
    何か嬉しかった笑

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    2025年10月06日
  • 騙し絵の牙

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    こうやって有名人をモデルに小説が書かれるパターンを初めて読んだが、誌面から大泉洋が立ち上がってきてそれはそれで面白い体験だった。
    人間の多面性ってあるよねって話をどんでん返しで返してくるあたり面白い。
    こうやってハングリー精神がある人が出世すますよわね、世の中。私はハングリー精神ないからのほほんだわ。

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    2025年09月29日
  • 罪の声

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    本としては犯人も動機もわかり、最後もある意味スッキリした終わりではあったが、現実で起こっていてしかも未解決なところが不気味でしかない。

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    2025年09月20日
  • 罪の声

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    昔の事件からの作品。
    とにかく、子供達がかわいそう。何も分からずにしたことが大変なことだったと気づき、勝手に背負わされ、そして背負って生きていかないといけないなんて。
    本当の事件もこんな感じだったのかなぁ?と考えてしまう作品でした。

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    2025年09月08日
  • 騙し絵の牙

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    本は紙派な私としては、思うところが沢山ある物語でした。本屋が減って行って、電子で読む人が増え
    ていって、、、今後の本ってどうなってくんだろう。

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    2025年08月30日
  • 罪の声

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    300頁以上を真相を求める2人にフォーカスし、使い捨てのように現れる人物にこちらまで疲弊してくる。頁をめくる指が面倒くさがっている。辛抱強さが求められた。しかし、2人が出会ってからが面白い。立場は違うが、目的は真相解明。

    気に入った箇所
    相棒がどんどん扉を開いて前へ進む
    自分は運命の列車に乗り導かれているだけ

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    2025年08月19日
  • 罪の声

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    凄く良かったです。
    長編ではありますが、グリコ森永事件を元に
    記者と事件に関わってしまった子供達の生きざまや苦悩が伝わってきて、めちゃくちゃ心にひびきました。塩田さんは記者だったのか、記者目線もリアルで素晴らしかったです。

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    2025年08月11日
  • 罪の声

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    映画を先に観てたからかストーリーはスッと入ってきた。脳内には役者の顔。小説の方を先に読んでいたらストーリーの理解はまた違ったものになるのかなと気になるがもう困難。これが本当の事件をもじったということは小説の途中まで知らなかった。たまたまこの本の題名を検索してみると出てきた。親に聞くと日本のニュースで多く取り上げられたやつだと。加害者と被害者、どちらに焦点を当てるかによって見方が変わる。記者の熱心さに心を打たれた。

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    2025年07月21日
  • 女神のタクト

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    演奏のシーンは曲を実際に聞きながら読むのがおすすめです
    拓斗の普段と指揮をする時のギャップとか明菜の豪快さが楽しくて、オーケストラの人々のキャラクターがそれぞれはっきり際立っててコミカルで、一気に読んでしまいました
    最後の演奏のシーンは音の表現が素敵で、自分もホールにいるような気持ちで読み進めることができました

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    2025年07月17日
  • 罪の声

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    新聞記者阿久津英士とテーラー曽根の店主曽根俊也がギン萬事件について調べていく過程で次第にギン萬事件の真相が明らかになっていくのだが、語りべが替わるのがわかりづらいと思うことはあった。でも、グリコ•森永事件をモチーフにしたこの小説はこの実在の未解決事件をかなり忠実に再現しながらフィクションに仕上げた傑作だと思う。

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    2025年07月14日
  • 罪の声

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    作家の創造力って素晴らしい。未解決事件を題材に謎の部分を膨らませて一流のミステリーに仕立てるワザには脱帽。
    脅迫電話のテープの子供の声から始まるストーリー。
    実際の事件の真相は闇のままだが、説得力のある展開。息をつかせぬクライマックスまで、実に良く出来た物語。

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    2025年07月02日
  • 氷の仮面

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    ネタバレ

    今でこそLGBTQという言葉を聞くことも増えたが、昭和の頃は『保毛尾田保毛男』だった。
    あの頃、当事者は辛かっただろうな。
    桜木紫乃さんの『緋の河』と『孤蝶の城』を読んだ時も衝撃を受けたが、この作品はもっと家族との関係が濃厚で、その悩みも大きい。
    翔太郎から蘭へ名前も性別も変更した、その裏にはこれほどの苦労があった。それでも自分を信じ、貫き通す潔さがすがすがしい。この壁を乗り越えられず、やむなくそのままという人もいると思うと心が痛む。

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    2025年06月25日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    自分の声が未解決の脅迫事件に使われていた
    身内が犯罪に関わっていたのか?真相を知るために犯人の痕跡を追う
    同時に特番のために未解決事件を再調査する記者も犯人の痕跡を追う

    追われる恐怖を体感した俊也が真相を追うことを諦めるシーンが印象的だった

    生島一家を襲った悲劇とそれを知った阿久津さんの反応、聡一朗と千代子の再会は胸にくるものがある
    そして俊也さんの音声を録音した人物が意外で...
    事件を起こした動機は薄っぺらいものだったし、子供の声を使った動機もなんだかね...
    俊也に判断を委ねるやり方は狡いと思った

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    2025年06月25日
  • 罪の声

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    未解決事件を追うにつれて、テープに声を吹き込んだ二人の子供の、その後の人生が明らかになり、大きな対比があることが描かれている。
    この事実が、この物語の本質なのかなと思いました。

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    2025年06月13日
  • 氷の仮面

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    女の子になりたい翔太郎の物語。
    こんなに心動かされる小説を久しぶりに読んだ。読んでいる間中胸が苦しかった。
    私も真壁くんが大好きだったし蘭世になりたかったし、らんま1/2も見ていたし、HEPの観覧車の行列も知っている。
    とにかく惹き込まれる。まだLGBTQなんて言葉のない時代。男であることを受け入れられない翔太郎がどれほど生きづらいか。
    エピローグがとてもよかった。

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    2025年05月24日
  • 存在のすべてを

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    ★4.6
    二児同時誘拐事件。犯人は捕まらず時効を迎えたのちも、真実を追い求める人達がいた。


    それぞれ思惑は違う。過去に向き合いたい者、正義を求める者、そして忘れたい者。
    ただのサスペンスかと思っていたら、思いがけず“描くこと”と“記すこと”の本質に触れてしまった。

    たまにこんな小説に巡り合う。
    「まだ終わらないで、もう少し読みたい」
    ページをめくる手が惜しかった。

    一枚の絵に対して、画家はどこかで諦めないといけないらしい。絵に完成は訪れないから。
    ただ、我々は画家の思いなど梅雨知らず、十分に美しさを感じられる。
    この小説も然り。もしかすると筆者にとって完成ではないのかもしれない。
    それ

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    2025年11月01日