塩田武士のレビュー一覧
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ネタバレ『罪の声』と同じく凶悪犯罪の深層を記者が取材していく展開で進んでいくが、ストーリーの奥行きが想像以上だった。
2児同時誘拐の対応を巡る警察の緊迫感、なぜ記者をしているかを自問し続ける門田の執念、美術界や画廊の現実と絵を描く意味など、細かい描写で描き切っていく。
何より後半は貴彦と亮の絵についての対話が印象的だった。逃走の中でようやく「絵描き」になれた貴彦の語る「存在」の大切さが胸に迫る。
『罪の声』では、凶悪犯罪に巻き込まれた子供たちの抱えた傷がテーマだったが、本作は誘拐による疑似家族期間が、亮の人生を支えていく。「たとえ会えなくても、絵でつながることはできる」という貴彦の言葉が最後まで響く、 -
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真実は、空白の期間の中にあった『深い愛情』。
『踊りつかれて』以来の1年ぶりに手にしました。
平成3年に起きた二児誘拐事件。
その中の一人、内藤亮が行方不明となり3年後に戻ってくる。
内藤亮はどこで何をしていたのか。
『空白の3年間』の真実を追いかける、新聞記者の門田と内藤亮を探す土屋里穂が行き着く先。
亮を育て上げた『深い愛情』という『真実』。
どういった形で戻ってこようと、子どもの心に傷がついたままになる。
だけど状況は違った。亮を支え才能を認め、血がつながっていなくても、亮と一緒に限りのある時間の中で、貴彦と優美は愛情を注いでいたことに尊さを感じ、
別れ際のシーンでは(犯罪ではある -
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ネタバレ表紙も油絵ということで、流石と言わざるを得ない。犯人は誰かというミステリーではなく、「空白の3年間」に焦点を置いているのは、僕の大好きな「容疑者Xの献身」と近しいものがある。貴彦が亮に伝える「これから世の中がもっと便利になって、楽ちんになる。わざわざ行ったりしなくても、何でも自分の思い通りになると勘違いする人が増える。だからこそ、存在が大事なんだ。写実の絵は考え方や生き方だから。」は、まさに令和を象徴していると思うし、自分も実のある存在を示せるような、生き方をしたいなと思う。また、地味に響いているのは酒井さんの苦労のない人生は振り返り甲斐が無いよ。大事にしていきたいなと思う。
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『罪の声』『存在のすべてを』などの社会派ミステリーで有名な塩田さんの初期に書かれた短篇をまとめた短編集。
真面目な社会派ミステリーばかり書いていたのかなと思っていた塩田さんが、初期には『小さい上司』や『仮縫い』みたいなユーモアのある作品も書いていたのかとビックリ。
特に『仮縫い』なんかは、私の大好きなバカな高校生男子がものの見事に描かれていながらも、感動してしまうし、『鈍い火』なんかは、最近の作品の原点となるような感じがするし、『起点』は、近い将来、こうなるかもなと思えてしまう。
講談社の「STORY IN POCKET」シリーズは、200ページ足らずなので、ちょっとした出先でも読めるし -
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塩田さんに書く物語は、人生の難しさと、ダークな側面、そして希望だ。女性を知らない中学生の男子たちがとるクレイジーな行動、その時期特有の高揚感と期待感。こういうところが塩田さんらしい。それでいて、カツアゲされた男生徒の悩みもまた、親には言えないダークなものを含んでいる。起点になるのは、先生の甲子園に連れて行って試合を見ている途中に、無造作に見える所作で取られてしまった金額をちょっと越す金額の商品券を渡すシーン。その子は泣いた。
ただの見晴らしのいい道路で子供が轢き逃げされた裁判、取材する主人公が違和感を覚える。ほぼ無罪を勝ち取った幸せを壊す男、そして壊された男。その間には、1人の共通の女性がいた -
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私はグリコ森永事件のことはよく知らなかったけど、未解決事件と聞くとわくわくしてしまう。実は…なんて話もあると、都市伝説的な面白さで、つい読み進めてしまう。にやついている。読後、自分の浅はかさに気付いて、嫌になった。
加害者と被害者、それぞれに家族がいて、みんなが未解決事件だと面白がっている間にも現実を生きている人がいる。罪を犯した訳ではなくともどんな未来も描けなくなっている人もいる。
俊哉パートの方にぐいっと引き込まれるのに対して、阿久津パートは関係なさそうなところが多かったり、後半ものすごいスピードで事件の内容が分かったり犯人が独白するもんだから、なんだかご都合主義的になってきたなと思っ -
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ネタバレレビューとして問題があると思うで、ネタばれにしています。
その問題は、自分の感性の問題なのか、はじめて合わない作家に触れたのかが、まだ検討がつきません。
まず、四作のうち、「仮縫い」以外は読みました
小さい上司は、読み出した時には、カネ使っちゃったよ、という後悔を少し抱きながら、読み終えるとキレイなカタルシスがあり、カネ払わなきゃ読み切れなかったから、買って良かったなぁと思えました、面白かったんですよ
鈍い火も面白かったです ちょっと生理的に苦手な感じのする主人公のおかげで、作品へ意識を注げて、ああ面白い短編だったなぁと有料の水準の小説を読んだ快感がありました
その次に、「仮縫い」を読もうとし