塩田武士のレビュー一覧
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ネタバレ
元の事件のことは知らずに読み終えたので、最後の作者コメントを見て驚き。自分が産まれるかなり前の事件なので全然知りませんでした。
とても読み応えがあって、1日あくと細かい日付や登場人物がすぐに分からなくなる。戻りながら読んだので時間がかかったけど、本当に読んでよかった!
事件との関与が明らかになっていく中、真実が気になって、どんどん読み進められた。
2人の姉弟と1人の子供、同じようにあの事件の被害者であり関係者なのに、生きてきた道があまりにも違いすぎて切なかった。
報道の正義には正直あまり共感できなかったけど、
結果あの親子が再会できたのはよかったのかな。
犯行の動機がくだらなくて、なの -
Posted by ブクログ
ネタバレここまで重厚でな小説は初めて読みました。登場人物の多さに時々混乱しましたが、それが却ってリアリティーを醸し出しています。物語が進むにつれての登場人物達の心境の変化は考えさせられるものが多くありました。
俊也は母親から頼まれた探し物を世紀の未解決事件のテープレコーダーが自分の父親の遺品から出てくる。その関係性を探っていく過程では真相を知りたいと思う気持ちと血縁者が犯罪に関わっていて欲しくないという気持ちが一緒にあるように思えた。
新聞記者の阿久津は当初「事件の犯人」を見つけるために文字通り靴底をすり減らし取材に明け暮れる。しかし、いざ犯人に辿り着き動機を聞くと中身が空っぽな空虚な理由だった。
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塩田さん初作品。
怖!ジャーナリズムの世界怖!情報社会怖!!となる作品でした。
登場人物が皆ジャーナリズムの世界に関係している人達の連作短編集。
作中では虚報について深く掘り下げられていて、締切やプレッシャーにより真実でない記事を出したり、誰かを貶めるために意図的にフェイクニュースを流したりする恐ろしい展開があります。
フェイクニュースが作られていく過程•何故フェイクニュースが作られてしまうのかが、事細かく説明されていて、末恐ろしい情報社会になってしまったと実感しました。
普段何気なく目にしているネットニュースやtvのワイドショーについても、無意識に信じ込んでしまわないように、自分の中で軸を持 -
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ネタバレ挫折した男たちの再起の物語。
人間関係が上手くなく、左遷に近い人事異動をくらった新聞記者。
生まれも育ちも不遇で、将棋だけが残された男。
そんな二人が出会ってもう一度前を向いてもがく。
新聞記者を将棋未経験者としたことで、読者が将棋を知らなくても読める様にしたのは親切。
将棋を通して描く人間模様こそが主題なので、安心して手にとって欲しい。将棋を知っていると輪をかけて面白いのはあると思いますが。
将棋にすがって生きてきた男の生き様は確かに不遇であるが、場面々々で手を差しのべる人がいたのはほんの少しの幸運だったなぁ。そのほんの少しの幸運が後に大きくなって帰ってくるとは。
秋葉にとっては大 -
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新鮮!臨場感、半端なし!
塩田武士さんによる大泉洋あてがき小説。
映画やドラマを見ているように、小説を読み進める愉しみを発見!
ダヴィンチの企画が発端で、
最初の目論見通り映画化も実現。
映画の原作ではなくて、
あくまでも、あてがき小説。
「存在のすべてを」よりも
私はこちら推し!
出版界の抱える問題を浮き彫りにしつつ、
会社という大きな組織での
裏切り、確執を描く。
主人公の速水=大泉洋が
とにかく魅力的で引き込まれる。
他の登場人物達も個性的で
どこか憎めない。
速水の行く末を
応援。ドキドキしながら読み進めていく。6章の会議のシーンの緊張感たるや!そして、最後そうきたか!と思った後 -
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ネタバレ結構長いのに面白すぎて一晩で読みきった。
その面白さの大きな要因は、大泉洋をあてがきして作られた「速水」というキャラ。どんな困難な状況も機転を利かして解決していく姿は、感心するだけでなく勉強になった。
ちなみに、私はこの本がきっかけで“あてがき”を知った。登場人物がイメージしやすく楽しいのでこういう小説がもっとあるといいのに。
出版業界の話も新鮮で楽しかった。私は電子より完全に書籍派なので、将来紙に生き残って貰うため、売り上げに貢献しようと決心した。
ただ、最後のオチの部分のタイトル回収は、あまり響かなかった。速水はただ会社に裏切られ、行動を変えただけなので裏切りと呼べるほどには感じない