塩田武士のレビュー一覧

  • 踊りつかれて

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    刺さったフレーズを登録するのが好きなんですが、多すぎて断念しました。いずれ購入すると思います。本作と『イン・ザ・メガチャーチ』、必読です。SNSとかいう、得体のしれない巨大な力を窺い知るという意味で。

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    2026年07月27日
  • 存在のすべてを

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    未解決に終わる誘拐事件から始まる30年。3年後に祖父母の下に戻る被害児。空白の時間を追い続ける元刑事、新聞記者。
    壮大な流れの中で展開される人間ドラマ。
    本書のテーマでもある写実絵画。「存在」に対する哲学、筆者自身の作品にある実在感につながっているのだろう。

    ずっしりと重くでも明るい読後感。

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    2026年07月25日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    誘拐事件を主軸に展開される、よく練られたストーリー、30年の間社会情勢を織り交ぜ、最初は犯人を追う刑事目線から、誘拐に巻き込まれた一種共犯者とも言える追われる側目線に変わり、終盤でその人生が劇的に交差する。写実画の芸術性がストーリーと程よく絡むうまさ。
    後半での育ての親との別れは涙なしでは読めません。作者の実在の犯罪による「罪の声」を想起するがこちらは完全にフィクションであり、その分自由に描かれている印象です。
    他の作品も気になります。

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    2026年07月24日
  • 罪の声

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    登場人物が多くて混乱するかもしれませんが、グイグイ話の展開に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。

    ☆5をつける本は厳選してます。それくらオススメ!

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    2026年07月24日
  • 存在のすべてを

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    前半は、未解決誘拐事件の真相を追う警察と新聞記者の執念を描いた刑事ドラマだったが、途中から被害者の同級生を主人公とし、別軸でストーリーが進行し、 後半では事件の真相が当事者目線からのヒューマンドラマとして心動かす。
    登場人物が多くお話がポンポン飛んで、ついていくのが大変だったけど、最後には全部つながって、静かな感動が押し寄せる。とても読み応えのある作品だった。

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    2026年07月23日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    『罪の声』と同じく凶悪犯罪の深層を記者が取材していく展開で進んでいくが、ストーリーの奥行きが想像以上だった。
    2児同時誘拐の対応を巡る警察の緊迫感、なぜ記者をしているかを自問し続ける門田の執念、美術界や画廊の現実と絵を描く意味など、細かい描写で描き切っていく。
    何より後半は貴彦と亮の絵についての対話が印象的だった。逃走の中でようやく「絵描き」になれた貴彦の語る「存在」の大切さが胸に迫る。
    『罪の声』では、凶悪犯罪に巻き込まれた子供たちの抱えた傷がテーマだったが、本作は誘拐による疑似家族期間が、亮の人生を支えていく。「たとえ会えなくても、絵でつながることはできる」という貴彦の言葉が最後まで響く、

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    2026年07月23日
  • 拳に聞け!

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    さすが塩田先生
    軸を一本通しながらも、時々クスッとさせるシーンを盛り込むことで、緊張と緩和を見事に織り交ぜていました。
    不思議なことに、終章を読んでいるとき、ビートたけしが歌う浅草キッドの歌詞の中の一節「夢は捨てたと言わないで」がリフレインしました。

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    2026年07月22日
  • 存在のすべてを

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    真実は、空白の期間の中にあった『深い愛情』。

    『踊りつかれて』以来の1年ぶりに手にしました。
    平成3年に起きた二児誘拐事件。
    その中の一人、内藤亮が行方不明となり3年後に戻ってくる。
    内藤亮はどこで何をしていたのか。
    『空白の3年間』の真実を追いかける、新聞記者の門田と内藤亮を探す土屋里穂が行き着く先。

    亮を育て上げた『深い愛情』という『真実』。

    どういった形で戻ってこようと、子どもの心に傷がついたままになる。
    だけど状況は違った。亮を支え才能を認め、血がつながっていなくても、亮と一緒に限りのある時間の中で、貴彦と優美は愛情を注いでいたことに尊さを感じ、
    別れ際のシーンでは(犯罪ではある

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    2026年07月22日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    表紙も油絵ということで、流石と言わざるを得ない。犯人は誰かというミステリーではなく、「空白の3年間」に焦点を置いているのは、僕の大好きな「容疑者Xの献身」と近しいものがある。貴彦が亮に伝える「これから世の中がもっと便利になって、楽ちんになる。わざわざ行ったりしなくても、何でも自分の思い通りになると勘違いする人が増える。だからこそ、存在が大事なんだ。写実の絵は考え方や生き方だから。」は、まさに令和を象徴していると思うし、自分も実のある存在を示せるような、生き方をしたいなと思う。また、地味に響いているのは酒井さんの苦労のない人生は振り返り甲斐が無いよ。大事にしていきたいなと思う。

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    2026年07月22日
  • 踊りつかれて

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    珍しく朝から降雪の長崎。塩田武士さんの『踊りつかれて』を読み終えて涙がとまらない。この作品が広く読まれることは、SNSでの誹謗中傷の抑止力になるのではないか。少なくとも自分は決してやるまいと思った。丸山圭子さんの『どうぞこのまま』、とても良い曲だった。ラストの仕掛けは、ズルすぎた。

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    2026年07月12日
  • デルタの羊

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    塩田武士さんの小説の中(読んだ中で)では初めてのテイストだった
    とてもハッピーエンドだったからか
    本当の強さは優しさにあるというが、アニメを愛する登場人物たちに贈る言葉のような気がした

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    2026年07月10日
  • 起点

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    『罪の声』『存在のすべてを』などの社会派ミステリーで有名な塩田さんの初期に書かれた短篇をまとめた短編集。

    真面目な社会派ミステリーばかり書いていたのかなと思っていた塩田さんが、初期には『小さい上司』や『仮縫い』みたいなユーモアのある作品も書いていたのかとビックリ。

    特に『仮縫い』なんかは、私の大好きなバカな高校生男子がものの見事に描かれていながらも、感動してしまうし、『鈍い火』なんかは、最近の作品の原点となるような感じがするし、『起点』は、近い将来、こうなるかもなと思えてしまう。

    講談社の「STORY IN POCKET」シリーズは、200ページ足らずなので、ちょっとした出先でも読めるし

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    2026年07月08日
  • 起点

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    塩田さんに書く物語は、人生の難しさと、ダークな側面、そして希望だ。女性を知らない中学生の男子たちがとるクレイジーな行動、その時期特有の高揚感と期待感。こういうところが塩田さんらしい。それでいて、カツアゲされた男生徒の悩みもまた、親には言えないダークなものを含んでいる。起点になるのは、先生の甲子園に連れて行って試合を見ている途中に、無造作に見える所作で取られてしまった金額をちょっと越す金額の商品券を渡すシーン。その子は泣いた。
    ただの見晴らしのいい道路で子供が轢き逃げされた裁判、取材する主人公が違和感を覚える。ほぼ無罪を勝ち取った幸せを壊す男、そして壊された男。その間には、1人の共通の女性がいた

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    2026年07月04日
  • 踊りつかれて

    購入済み

    幾重もの真実が明かされるたび、くちびるを強く結ばなきゃならなかった。

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    2026年06月29日
  • 起点

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    この間読んだ赤川次郎さんの550円文庫シリーズ。
    4つの短編がそれぞれ個性的で面白かった。
    人間が「ちっちゃ!」な上司。
    交通事故の謎を解こうとする新聞記者。
    高校の同級生の遅い結婚とその訳。
    多分未来(作者が祖父として登場)に孫の大学の課題に付き合う?

    なんとなく話は始まるのですが、その先はとても面白いです。

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    2026年06月26日
  • 罪の声

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    私はグリコ森永事件のことはよく知らなかったけど、未解決事件と聞くとわくわくしてしまう。実は…なんて話もあると、都市伝説的な面白さで、つい読み進めてしまう。にやついている。読後、自分の浅はかさに気付いて、嫌になった。

    加害者と被害者、それぞれに家族がいて、みんなが未解決事件だと面白がっている間にも現実を生きている人がいる。罪を犯した訳ではなくともどんな未来も描けなくなっている人もいる。

    俊哉パートの方にぐいっと引き込まれるのに対して、阿久津パートは関係なさそうなところが多かったり、後半ものすごいスピードで事件の内容が分かったり犯人が独白するもんだから、なんだかご都合主義的になってきたなと思っ

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    2026年06月20日
  • 騙し絵の牙

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    出版業界を舞台にした編集者の闘い。
    仕事とプライベートの葛藤、社内の争い。
    ハラハラする展開からエピローグでは一転、落ち着きつつも全てがつながる感覚。
    痛快かと思ったら混沌、でも少し優しくなれるような小説でした。

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    2026年06月12日
  • 氷の仮面

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    時間も忘れて物語へ没入。紆余曲折ある人生をたった400ページで、読者を巻き込みながら駆け抜けていく。
    テレビで見かけるユーモアたっぷりのドラッグクイーン様たちも、人知れずどれだけ泣いてきたんだろう、涙を笑いに変えていくまでの歴史は壮絶だったんだろうなと胸が締め付けられた。
    舞台が大阪なので、街並みが移り変わっていく描写も面白かった。関西人や関西好きにもおすすめ。

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    2026年06月11日
  • 起点

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    ネタバレ

    レビューとして問題があると思うで、ネタばれにしています。
    その問題は、自分の感性の問題なのか、はじめて合わない作家に触れたのかが、まだ検討がつきません。
    まず、四作のうち、「仮縫い」以外は読みました
    小さい上司は、読み出した時には、カネ使っちゃったよ、という後悔を少し抱きながら、読み終えるとキレイなカタルシスがあり、カネ払わなきゃ読み切れなかったから、買って良かったなぁと思えました、面白かったんですよ
    鈍い火も面白かったです ちょっと生理的に苦手な感じのする主人公のおかげで、作品へ意識を注げて、ああ面白い短編だったなぁと有料の水準の小説を読んだ快感がありました
    その次に、「仮縫い」を読もうとし

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    2026年06月10日
  • 女神のタクト

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    神戸を舞台にした作品が読みたいな〜って思って辿り着いた一冊。
    失職、失恋した明菜が舞子の海岸で白石と音楽で意気投合してから怒涛の勢いで楽団を蘇らせるために話が進んでいく。
    登場人物一人一人の超個性的な人柄と一つのゴールに向けて困難をクリアしていくノリと勢いが読んでてとっても面白い。
    最後の最後にタイトルの伏線回収がされて、ちょっぴり涙ぐむ素晴らしいお話でした。

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    2026年06月09日