塩田武士のレビュー一覧

  • 罪の声
    グリコ森永事件を参考としているため内容は具体的であり、この事件を通して日本の経済や文化の歴史を読んでいるようだった。また、話の3分の2ぐらいまで阿久津側と俊也側、二者目線で話が進んでいくため事件についての視点が偏らず事実をそのまま受け入れることができ、犯人への怒りや被害者の悲しみ、加害者家族の苦悩な...続きを読む
  • 罪の声
    戦後最大の未解決事件の真相に迫る
    事件に巻き込まれた家族は30年の呪縛から解き放たれるのか?
    犯行に使われた子供の声
    その子供達の人生はいかなるものか
    真相を追う記者と自分の声が犯行に使われていた男が家族の関与を確かめるため僅かな手掛かりを辿って行き着く先にあったのは、まだ終わっていないそれぞれの人...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    エピローグ無しでも、ミドル世代の悲哀の物語として十分成り立つが、エピローグがあることにより、グッと奥行きが広まっている。
    この物語と同じような場面に遭遇したことがあり、感情移入しながら読むことが出来た。
  • 罪の声
    ふぁ〜と、感嘆の声が出た。達成感と虚脱感。

    【キツネ目の男】は記憶にある。
    今からは40年近く前の未解決事件【グリコ森永事件】をモチーフに描かれた本書。

    「発生日時、場所、犯人グループの脅迫・挑戦状の内容、その後の事件報道について、極力史実通りに再現した」とあとがきから。

    史実とフィクションが...続きを読む
  • 罪の声
    イッキ読みです
    フィクションとはいえ実際の未解決事件がベースにある 良く練られた話になっているので面白い!
  • 騙し絵の牙
    エピローグを読むまでタイトルがしっくりこなかったが読んで納得。
    血の繋がりより精神の繋がりが強いんだなと改めて思った。
    そんな関係を私も家族や周りの人と築いていきたい。
  • 氷の仮面
    好きな作家の塩田さんの作品。
    なんで、関西弁のボケ&ツッコミは健在!

    今回のテーマは、
     性同一性障害

    めっちゃ重そう…

    今でこそ、市民権を得て来ている感じはするけど、やはり肩身の狭い思いで生きんとあかんねんな。
    確かに、カラダとココロが反対なんやからしんどいんやろうな…

    主人公は、カラダは...続きを読む
  • 氷の仮面
    塩田武士さんの作品は今回が初読み。
    医学用語でいうところの性同一性障害を扱っており「体は男性だけれど心が女性」の翔太郎の成長する過程を描いた物語。

    小学校4年生で自分の性に対する違和感をはっきりと認識し始めてからの日々の苦悩や葛藤を、決して誰にも相談出来ず、悩み苦しむ様子が切なくて胸に迫って来た。...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    凄く面白かったです

    雑誌や週刊誌、新聞も電車で読んでる人見なくなりましたね。みんなスマホばかり見てる。
    そんな世の中でも何とか紙の媒体を残そうと奮闘する編集長の物語でした。
    社内の派閥争いに巻き込まれながら自分の大切なものを守ろうとする姿に共感を感じました。
    でも、エピローグだけ別モノですね。
    ...続きを読む
  • 氷の仮面
    すごくすごく良かった!!!
    いくつか塩田作品を読んできたけど最初なかなか入り込めなくて中盤過ぎからやっと面白くなるってパターンが多かったからあまり期待してなかったんだけど本作は最初からぐいぐい惹き込まれた。
    女の心を持つ翔太郎の苦しみや葛藤、真壁くんへの恋心、家を出てセカンド・サイトで働き、いろいろ...続きを読む
  • ともにがんばりましょう
    お仕事小説、こちらは大阪の新聞社が舞台。
    若き記者武井の目線で労働組合と経営側とのにらみあいが語られる。
    「がんばります」では少し独りよがりで「がんばってください」だとやや無責任、ちょうどいい塩梅なのがこの「ともにがんばりましょう」であるそう。
    労使協議会は労協、労使の意見交換の場で、複雑な課題は専...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    すっごい面白かった。
    自分自身映像制作の仕事をしていたから
    作家とのやりとり、会議の雰囲気なんかがイメージしやすかった。
    速水がとても魅力的で、速水みたいにみんなに愛される仕事人に憧れてたんだよなーと思い出させてくれた。
  • 歪んだ波紋
    面白かった!新聞記者と報道にまつわる話の連作短篇。話は全部つながってる。報道とフェイクニュース、真贋混ざっていく感じ。短篇がつながって収斂していくさまをドキドキしながら読みました。報道とか真実とか、自分の掴んでるもののもろさを突きつけられる。多分誰にもある傲慢さとか正義とかと向き合わされる感じです。
  • ともにがんばりましょう
    軽妙でいて手に汗握る。
    脳内大爆笑シーンも多く、登場人物も個性的でまさにエンタメ。
    社会人経験は長くとも組合経験は未熟なためとても興味深く、今後は組合活動に注目しようと思います。
  • 騙し絵の牙
    最後の落ちがスゴいみたいな触れ込みで、映画の番宣見てもどんでん返しをあからさまに押してるんだけど、落ちは全く気にしないでいい。

    中盤の主人公の奮闘ぶり、まさしくそこに人間がいるような。
    人間を書くってこういうことかと理解できる作品。
    主人公の実在感がすごい。

    テンポのいい、会話。ほんの数行でクス...続きを読む
  • 歪んだ波紋
    非常に耳が痛い。でも思っていることを代弁してくれたような清々しさもある。
    「いや、小説内の出来事で、ヴァーチャル・エステイトなどという団体は現実には起こり得ないよ」などと言いそうな人たちに、言いたい。起こり得なくとも、実際に自分たちが立っている場所は、小説の中の種々の会社と同じだぞ、と。
    「自由と無...続きを読む
  • 【無料お試し版】『デルタの羊』試し読み&雑誌ダ・ヴィンチ<『デルタの羊』刊行記念特別企画>記事付(著者インタビュー/特別対談 作家・塩田武士×声優・速水奨/アニメ関係者の声!)
  • 罪の声

    真実?

    グリコ森永事件に興味があり購入しました。現実は小説より奇なりということで、もうこれが真実でいいんじゃないのと思ってしまうほどおもしろく最後まで読めた。
  • 氷の仮面
    小説の中には登場人物やその物語の中に入り込むまで時間のかかるものも多いけど、この本は最初からすっと入り込めるような本でした。

    登場人物が皆魅力的で素敵です。
    真壁くん、素敵な人でした。
    蘭ちゃんも葛藤と戦いながら、人と真摯に向き合う姿がとても印象的です。

    個人的には真壁くん、お姉さん、茜ちゃんが...続きを読む
  • 罪の声 昭和最大の未解決事件(1)
    なるほど、という展開で、本当にこれが真実なんじゃないかと錯覚しそうになるような動機や犯人構成でした。単に身代金目的ではないのでしょう。
    子供たちもよく口を滑らしませんでしたね。もしかしたら、命を奪われていたのかもしれません。