塩田武士のレビュー一覧

  • 存在のすべてを

    涙を超えた感動

    一ページ一ページが勿体無いほど作者の試作や体験の深さが滲み出る。パズルのように空白の時間の謎が解けていく。生きるとは何なのか、芸術とは、表現とは。失った事のある人にしかわからない愛の深さと悲しみ。私の空白を埋めた本。人生の岐路に必要だった作品。今日読み終えました。ありがとう。
  • 存在のすべてを
    塩田さんの作品、ずっしりとくる重みの本。
    じっくり読もうと、連休に入り読み始めました。
    描写が素晴らしく目の前にあるかのようでした。
    愛に満ち溢れ、引き込まれました。幸せになれてよかった。

    神奈川で起こった二児同時誘拐事件。内藤亮の祖父 木島茂の孫を助けたいという極限の状態が伝わってくる場面が素晴...続きを読む
  • 存在のすべてを
    本の雑誌が選ぶ2023年度第1位の本書。

    その本の雑誌の社員たちも絶賛しているのがメッチャ気になり読み進めると、少なくとも感動巨編であることは当然のことながら、キー人物の絵にまつわる描写、取り組む姿勢、豊かな知識、面倒臭い人間関係が適所散りばめられ、完全に惹きつけられた。
    若い夫婦の前に現れた亮の...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    いや〜〜〜面白かった!!!
    木下半太の悪夢シリーズ以来に声出して笑っちゃう掛け合いがあって好き笑笑
    速水の風貌といい性格といい大泉洋すぎると思ってたら当てがきなのね!納得!
    脚本だったらよく当て書きはあるけど、小説で当て書きは初めて読んだ!
    しかし映画と全っ然ラスト違うね!?
    映画だと速水はまんまと...続きを読む
  • 罪の声
    『盤上に散る』に続き、塩田作品六作目。とても重厚な作品で、ノン・フィクションかと思うくらいだ。リアルに「グリコ・森永事件」を知る人が読んだら、その思いも一入だろう——。この事件を描きたくて作家になったらしく、読んでいてその思いをひしひしと感じた。こりゃ話題になるわな。星五つ。
  • 存在のすべてを
    存在は尊い

    ってな事で、塩田武士の『存在のすべてを』

    久々に泣いたね

    ええ本じゃった。

    前半は登場人物の多さや、時系列の整理をしながらで、ちょっとごちゃごちゃした感があってスムーズに飲み込め無かったけど、中盤から踣り込む様に内藤亮、野本貴彦、岸朔之介の関係性や土屋里穂と亮の淡い恋心、どんどん...続きを読む
  • 騙し絵の牙
    映画は未見。ほんと面白い。何気ない一行が伏線だったりして、エピローグまで「そうきたか」「そうだったのか」「ここでこの展開か」ということばかり。塩田武士作品を続けて読んで行こうかと思う。
  • 存在のすべてを
    二児同時誘拐からはじまる物語。
    長いと覚悟しながら読んでいたけど、思っていたよりもサクサクと読めた。

    誘拐の記事から始まり、色々な人の視点へと移っていくような展開で、最後に行くにつれてページをめくる手が止まらなくなった。
    物事を多面的に見ることはとても難しいし、人の数だけ真実があるというのはこうい...続きを読む
  • 存在のすべてを
    写実絵画ならぬ写実小説。
    いろんな立場の人たちの心まで写し出されていて、話の中に入り込んでしまった。
    読み終わったあともしばらく抜け出せない感覚。
  • 存在のすべてを
    グリコ森永事件が素材になった『罪の声』もあって、誘拐事件モノが得意な作家さんなのかなと思いながら読み始めた。同時二児誘拐という特異な事件の迫力ある導入から、迷宮入りした事件にまつわる想像も及ばない真相が少しずつ明かされていく。
    ストーリーの核心にある動機には、何かもう少し違う対応がありそうな もどか...続きを読む
  • 存在のすべてを
    最初の1ページ目からものすごい勢いで引き込まれた。圧倒的なスピードで次から次へと場面展開していき、息つく間もなくストーリーが進んでゆく。

    そうかと思えば、美しい情景が浮かぶような場面あり、人間味ある場面などとにかく骨太で読み応えがあり、久しぶりに没頭した本だった。

    特に最後の100ページ。

    ...続きを読む
  • 存在のすべてを
    相関図を書かなければ覚えていられないくらいのたくさんの登場人物だった。その分、深い。もうひとつの誘拐事件は中途半端感があった。ラストには「お父さん」もいて欲しかったな…
  • 存在のすべてを
    評判がいいので手に取ってみたが、思ったより分厚い^^;長編です。
    重厚感たっぷりのストーリー!評判通りかなり面白く、人の優しさをすごく感じた。映画化しそう。
    あと作中のアートの表現がすごい!想像できた。野本貴彦と亮くんの写実絵画、観てみたいな。
  • 存在のすべてを
    初めはなかなか読み進めなくて面白さを感じなかったのですが、少しずつ少しずつ真相に迫っていき、そして現れるこの上ない愛情にホロリ…でした。
    本屋大賞は逃したのは残念ですが、もっと違うふさわしい賞がありそう。
  • 罪の声
    スポットライトを当てる方向を変えると、悲しむ、苦しむ人がこんなにいたのか…と。

    センセーショナルな部分に注目されがちだけど、悲しい事件だなと、感じました。
  • 存在のすべてを
    塩田武士さんの作品を初めて読んだ。464ページと長めだったが、真ん中あたりから続きが気になり止まらなくなる圧巻の作品だった。
    未解決の2児同時誘拐事件、事件に関わった警察、新聞記者が時効を迎えてもこだわり続け、真相を追求していく。
    誘拐された側の家族、事件を知りながら男の子に愛情を注ぐ夫婦。
    さまざ...続きを読む
  • 罪の声
    たまたま映画を見て、小栗旬と星野源が演じている阿久津と曽根俊也がとても好きで、本を読んだ

    グリコ・森永事件があったことも知らず、事実に基づいたフィクションだと思うと、子供を巻き込むことへの躊躇いはなかったのかと思わずにはいられない
    世間から逃げるしかできない人生を歩まされた生島家の子供を思うと、親...続きを読む
  • 罪の声
    グリコ森永事件がベースになっている物語。

    事件の際に身代金の受け渡し方法を指示するのに使用されたこどもの声。
    その声が過去の自分のものだと気付いてしまう、という出だしから引き込まれる。

    実際の事件だけあって、読みながら不気味さに背筋が寒くなった。
    過去の事実を必死に追う記者と、無自覚とはいえ犯罪...続きを読む
  • 罪の声
    「重厚」!!!!!
    という二字がぴったりな一冊だった。
    映画を公開当時にシアターで観ていたので、内容はわかっていたのだが、かなりよかった。
    グリ森はいまだに気になる事件やし、こんな人生があったかも、という著者の思いはごもっともだと思う。
    当時はきっといろんな人の人生に影響した事件だったんだろうな。。...続きを読む
  • 罪の声
    久々にいろんな意味で「どっしり」重厚な小説を手に取って、読み通せるか不安だったけれど、事件そのものはしっかり覚えているから、これがフィクションと知りつつも、はらはらとページをめくった。
    登場人物が多くて途中、行きつ戻りつして、半分くらいまできたとき我慢できず、先に映画を観てしまった。

    ミステリーは...続きを読む