塩田武士のレビュー一覧

  • 踊りつかれて

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    人間の中のドロドロとしたところ、そして本能で生きているところが掴まれる、触れられる作品。特に前半の次々と匿名でやっていたことが暴かれるシーンは、「誰もが爽快になった」とはちょっと違うけれど、読む手が止まらない感覚を得られるのではないだろうか。

    著者の作品も好きで色々と読んでいるが、重く暗いテーマであっても重厚なまま正面からぶつかって書くそのあり方は、人の生き様や自分とは何なのかみたいなものを毎回突きつけられている気がする。

    今回も素敵な作品だった。

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    2026年08月30日
  • 踊りつかれて

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    時期は早いが、今年1番の作品は塩田武士さんの「存在のすべてを」と思っていたが、本作は肩を並べる、いや超えた作品になった。
    「歪んだ波紋」、「デルタの羊」も傑作だったが、「騙し絵の牙(大泉洋が表紙だったからかw)」、「盤上のアルファ」は今ひとつ楽しめず、私にとっては「ムラのある作家さん」というイメージがあったが、圧倒的な筆力にただただ脱帽。
    全作読もう。

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    2026年08月30日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    2回泣きました。
    大学受かった絵を描いてプレゼントする場面と最後。
    何回も読み返したい素晴らしい小説。
    映画も観に行こうと思います。
    犯罪だと思われたことが犯罪ではなくただの愛!
    今まで読んだ中でも1.2を争うくらい好きな話。

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    2026年08月29日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    亮と貴彦・優美の別れは、泣いてしまった。
    特に優美が亮と生きる中で、血の繋がりとか関係なく、大切に愛情深く育てる姿が描かれていたからこそ、つらかった。

    結局、優美と貴彦は、亮と別れたあとは辛い日々を送っていたようで。優美はまだ最後に亮といることがわかって嬉しかったけど、貴彦に関しては行方知らず。

    かといって、亮を数年間育てたことが過ちだったかというときっとそんなことはない。
    亮はあの二人が危険を冒してでも大切に育ててくれたことを糧に、画家としても人間としても素晴らしいひととなった。

    いつかまた、貴彦も含めて3人で暮らせる日を願わずにはいられない。

    いくつか疑問に思ってること。
    亮の母の

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    2026年08月28日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    抗えない運命の中で、今を懸命に暮らす。そこに希望はあるかもしれないし無いかもしれない。1人の男の子を預かった夫婦。人生の歯車が大きく狂ったが、悪いことだらけではなかった。そして、その男の子も。虐待と犯罪のダークな部分に優しさに包まれた光があるそんな小説だった。子供の純情な心に感動したし、実子のように育てた子に近い将来必ず来る別れが苦しかった。体裁とか自己満とかそんなの関係なく心からの優しさがどれほど大事で、そして人を結ぶのか学んだ。

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    2026年08月27日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    犯人が捕まらないまま時効となった、同時誘拐事件の謎を追う物語。
    空白の3年の真実を知った時、切なすぎて涙が止まりませんでした。

    「、、、わざわざいったり触ったりしなくても、なんでも自分の思い通りになると勘違いする人が増えると思うんだ。だからこそ『存在』が大事なんだ。世界から『存在』が失われていくとき、必ず写実の絵が求められる。それは絵の話だけじゃなくて、考え方、生き方の問題だから」
    色んな情報が溢れる時代になって、自分が見た事実、肌で感じたこと、一次情報の大切さが込められた言葉に感じました。。色んな情報がある中で本質、真実を見極められる力。「存在」を見抜く力が大切なんだと、真実を突き詰めた門

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    2026年08月24日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    ずっと読みたかった作品。読んでよかった。
    告発文から始まる物語。いま、この時代について上手く書かれていたように思う。
    なにか不祥事があったとき、未だに誹謗中傷のコメントを目にするが、この本に書かれているとおり「放っておけよ」と思うことも多い。全く関係のない人ならば特にそうだ。自分の行動による、他人の人生への関与に自信をもって接することができるのか。常に考えていきたい。
    苦しい場面もたくさんあったが、そこを乗り越えたからこそ、私の心に最後は光が射した。
    いいタイミングでこの小説に出会えたことに感謝したい。

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    2026年08月23日
  • 踊りつかれて

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    「想像力の欠けた言葉は銃弾に等しいと。
    ネット空間で無数の弾が目の前で飛び交っていること、そして自らも引き金を引いていることに
    あまりに無自覚な社会がある」

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    2026年08月23日
  • 存在のすべてを

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    これは、面白い。30年前の未解決誘拐事件を発端に、重厚な社会派ミステリーで、当時関わった人物の詳しい描写や、終焉に向けて、だんだんとストーリーが明かされていく展開に興奮し目が離せなかった。厚い本なので時間をかけて読んだが、読後感が最高に良かった。
    マスコミ、警察、画家、家族それぞれの思惑が交差し、登場人物に感情移入させられる。
    社会派ミステリーのお手本。褒めすぎか(笑)。それほど自分は好きだった。
    来年映画化されるそうだが、誰がどの人物を演じるかとか、とても楽しみだ。

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    2026年08月23日
  • 存在のすべてを

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    骨太かつ重厚に織りなされた長編で550ページ超を一気に読んだ。塩田武士は本当にうまいなと思う。過去の事件の描写をプロローグにするのは塩田スタイルなんだけど、今回もそこから物語は始まり、誘拐事件を皮切りに、捜査員、新聞記者とミステリとして物語は展開していく。点と点が繋がっていきそれが線になり、立体的になっていく展開に引き込まれる。

    この話は「八日目の蝉」や「流浪の月」を思い出させられるようなテーマなんだけど、当事者が語ると言うスタイルではなく、周囲の人間が断片から復元していくと言うスタイルで、そこに新聞記者を使っているのが塩田武士らしい。既視感を覚えるようなテーマなのに新鮮な面白さを作り出して

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    2026年08月22日
  • 存在のすべてを

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    新聞記者、刑事、そして写実画家という職業を通して、生きる意味を考えさせられる。感動したけど、中途半端な恋愛要素と最後のどんでん返し的オチは要らなかったんじゃないかなぁ…

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    2026年08月22日
  • 踊りつかれて

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    芸能人を自殺に追いやったSNSの誹謗中傷のなかで、特にひどかった83人の一般人の個人情報を晒すところから始まる社会派作品。
    とっても重たいけど刺さる作品

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    2026年08月20日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    30年前に誘拐された過去をもつ
    一人の少年を軸に展開される物語

    里穂の最後の言葉が好きだったな
    好きな人と結ばれることこそが大切じゃないよなって思えて

    なんか、社会派ミステリの様相をしながら
    途中凪良ゆう読んでるのかと思っちゃった

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    2026年08月20日
  • 罪の声

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     俊也が母に頼まれた探し物をしていた時に、偶然出てきた古いカセットテープ。
    再生すると自分の幼いころの歌声に続いて録音されていたのは、日本中を震撼させたグリコ森永事件の脅迫に使われた声。それが同じ幼い自分の声だった。そんなセンセーショナルな切り口から始まる物語。同時期に、31年前の未解決事件を追う阿久津記者。キツネ目の男。
     事件の巻き添えにあった不幸な親子とその後は…。映画化もされて、当時はかなり評判になった1冊らしい。真実ではないと思いながらも、ドキドキしながら一気に読み終えた。

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    2026年08月20日
  • 起点

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    講談社文庫55周年企画のSTORY IN POCKET。

    『小さい上司』
    『鈍い火』
    『仮縫い』
    『起点』

    皮肉が効いていたり、
    サスペンスがありつつ人情があったり、
    青春が羨ましかったり…
    未来の文明を期待しつつも、紙本の文化は無くなって欲しくないと願ったり。
    550円で短編ものという括りがありますが、しっかり面白かったです。

    孫よ、
    『罪の声』は面白いぞ。




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    2026年08月16日
  • 存在のすべてを

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    30年前の2児同時誘拐事件の謎を追う社会派ミステリー。
    長編ですが徐々に伏線が回収されるので、先が気になって一気読みでした。
    写実画や景色の描写も丁寧で読み応えがあり、読み終わってもしばらく余韻が残る絶妙な結末。
    今のところ今年一番かも。

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    2026年08月11日
  • 踊りつかれて

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    読み応えあった。
    SNSは見るだけで、一切自分発信はしていない。
    限られた文字数の中で、真実や伝えたいことが伝わらない、伝えられないとも思うし、責任も持てない。
    でもそれは普段自分が発する言葉も同じであって、言葉の与える影響は、SNSだけに限らないとも思う。

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    2026年08月08日
  • 氷の仮面

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    最後に驚き。イバラの道を辿ってきた翔太郎の、でもその裏には親の愛が隠されていた。自分の禁断の淡い恋心が叶いはしないけれども報われた。終わり方がとても好き。
    ネトフリのthis is AIを思い出させた。

    自分の家族に性同一性障害に悩む兄弟や親がいたら、自分はすんなり受け入れてあげられるかな…と考たし、自分がもしそうだったらかつての友人にカミングアウトとかできる勇気があるのかな…とも考えたけど、どちらも正直躊躇が先になるなと思った。
    父が恋人ならいいのに、息子を受け入れられなかった気持ちもよく分かった。

    この本の登場人物はみんな温かい。その人をその人として受け入れることができる、そんな風にな

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    2026年08月08日
  • 罪の声

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    面白すぎる。今まで読んだ小説の中で一番好き。

    社会派ミステリー。
    有名な事件の日時、脅迫文の内容、報道について、忠実に再現してるから、超リアルでめちゃくちゃ面白い。
    個人的に、関西の馴染み深い地名が沢山出てきたのも良かった。主人公が関西弁やと親近感わくし。

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    2026年08月05日
  • 踊りつかれて

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    SNSの誹謗中傷を取り扱った小説、現代に必要な一冊
    塩田武士氏、やはり凄い、面白い!!

    長過ぎるかな、とも正直思ったが、感動的な最後で全てチャラ
    「弁護士は人間に興味を」という先輩からのアドバイスを頭の片隅に残しつつ、弁護することになった音楽プロデューサー、瀬尾政夫の関わる人々の人生を紐解いていく作業、まるッと最後に繋がり鳥肌モノ…
    罪の声のようにその作業が塩田氏の作品の醍醐味かな

    宣戦布告文を書いて、ネット社会の奴隷達に制裁を与えた、として捕まった瀬尾政夫。
    そこには晒されて心が折れた芸人、天童ショージと、奇跡の歌姫、奥田美月への愛や無念など複雑な感情があった。瀬尾を弁護することになった

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    2026年08月01日