塩田武士のレビュー一覧

  • 騙し絵の牙

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    出版業界を舞台にした編集者の闘い。
    仕事とプライベートの葛藤、社内の争い。
    ハラハラする展開からエピローグでは一転、落ち着きつつも全てがつながる感覚。
    痛快かと思ったら混沌、でも少し優しくなれるような小説でした。

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    2026年06月12日
  • 氷の仮面

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    時間も忘れて物語へ没入。紆余曲折ある人生をたった400ページで、読者を巻き込みながら駆け抜けていく。
    テレビで見かけるユーモアたっぷりのドラッグクイーン様たちも、人知れずどれだけ泣いてきたんだろう、涙を笑いに変えていくまでの歴史は壮絶だったんだろうなと胸が締め付けられた。
    舞台が大阪なので、街並みが移り変わっていく描写も面白かった。関西人や関西好きにもおすすめ。

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    2026年06月11日
  • 踊りつかれて

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    もう目が止まらない!と思うほど夢中で読めたわけでは全然なかったし、美月の幼少期の話とか辛すぎて思わず飛ばしてしまった。ゆーて一気読みではある。
    塩田さんの書く物語は、元々新聞記者さんだったからなのか?わからないけどリアルだなと感じる。
    登場人物がリアル。思わず、その人どんな人なんだ?と検索しそうになったほどに。
    前作でもそう感じた。まだ2冊しか読んだことないけど。
    誹謗中傷とは、人間が自己の嫌悪する自分を自分自身と捉えられない弱さによって起こっているとわたしは思っている。
    だからこそ簡単に他人をメタクソに言える。つまりご本人をメタクソに思っているということを露呈している。
    なのでそう思えばお気

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    2026年06月11日
  • 起点

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    ネタバレ

    レビューとして問題があると思うで、ネタばれにしています。
    その問題は、自分の感性の問題なのか、はじめて合わない作家に触れたのかが、まだ検討がつきません。
    まず、四作のうち、「仮縫い」以外は読みました
    小さい上司は、読み出した時には、カネ使っちゃったよ、という後悔を少し抱きながら、読み終えるとキレイなカタルシスがあり、カネ払わなきゃ読み切れなかったから、買って良かったなぁと思えました、面白かったんですよ
    鈍い火も面白かったです ちょっと生理的に苦手な感じのする主人公のおかげで、作品へ意識を注げて、ああ面白い短編だったなぁと有料の水準の小説を読んだ快感がありました
    その次に、「仮縫い」を読もうとし

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    2026年06月10日
  • 存在のすべてを

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    2児同時誘拐からはじまる物語だからミステリーなのは間違いないのだけど、読み進むにつれ、誘拐犯が誰なのか、捕まるのか?なんてまったく気にならなくなってしまうという不思議な話。
    岩井俊二も写実絵画をモチーフにしたミステリー書いていたけど、結構、相性良いのかも。

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    2026年06月10日
  • 踊りつかれて

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    【炎上が人生を狂わす】
    冒頭部分が息苦しすぎて、途中離脱していたのが、最近のSNS上での某炎上事件を垣間見て、続きを読みました。

    「まだ続きあるの?」と次から次へと真相が掘り起こされ、冒頭の炎上が浅いできごとのように感じられるほど。

    プロとして芸を磨いてきて人たちが、どんな思いでステージに立っているのか…
    それがわかれば、簡単に誹謗中傷は書き込めなくなるはず。
    それなのに、なぜこの世は「踊りつかれた」人々で溢れるのか…

    塩田武士さんの小説は、実在の事件をもとに作り上げられているものが多く、この作品もあの芸人の炎上事件?あの人気歌手?などモデルを探してしまうけど、やはりフィクションで。

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    2026年06月10日
  • 女神のタクト

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    神戸を舞台にした作品が読みたいな〜って思って辿り着いた一冊。
    失職、失恋した明菜が舞子の海岸で白石と音楽で意気投合してから怒涛の勢いで楽団を蘇らせるために話が進んでいく。
    登場人物一人一人の超個性的な人柄と一つのゴールに向けて困難をクリアしていくノリと勢いが読んでてとっても面白い。
    最後の最後にタイトルの伏線回収がされて、ちょっぴり涙ぐむ素晴らしいお話でした。

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    2026年06月09日
  • 踊りつかれて

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    すごいものを読んだと思った。これを読んで欲しいと思う人はいるけど、その人達はこの本を読まないだろうと思った。

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    2026年06月09日
  • 存在のすべてを

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    前作「罪の声」で示された緻密な構成力と、社会派ミステリーとしての説得力が強く印象に残っていたため、本作にも自然と期待が高まった。その期待を大いに上回るように、読み始めてほどなく、物語の世界に引き込まれていく。

    物語は、誘拐事件に関する取材メモという生々しい導入から始まる。その臨場感と先の読めなさが、どんな結末へ向かうのかという期待と不安を同時に抱かせてくる。

    未解決事件の真相を追う新聞記者という軸は王道でありながら、展開は決して予定調和に収まらない。思いがけないところから糸口が見つかり、そこから一気に物語が加速していく。この過程で示されるのは単なる事件の真相にとどまらず、何を拠り所として生

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    2026年06月07日
  • 踊りつかれて

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    読後の満足度が高い。
    サスペンスかと思ったけど、ストーリーに厚みがあって読み応えがあった。
    瀬尾が人生を通して関わった、美月、天童、久代それぞれの、ひたむきで実直で哀しいくらいキラキラした浮き沈み。
    そのキラキラが、不特定多数のただの不満のはけ口に、面白半分に、ズタボロに潰されて沈まされるなんて…。報復に値する。
    とてもリアルで、社会派の読み物としても、芯が通っていると思う。
    訴えたいばかりに焦点をあてるのではなく、その一人ひとりの背景まで丁寧に描き、その後も人生は続いていく…という流れは、とても入りやすかった。
    時代で変化はあれど情報社会への憤り、ノンフィクションかと思う慟哭、子供目線での淡

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    2026年06月07日
  • 起点

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    さえない中年のオッさんについての短編集。第2話の「鈍い火」が好き。永久保存版として売られないことが決まった。これは割と栄誉な一冊である。

    第1話 啓太は広報課の新人だった。小山田という小狡いおっさんが係長。ピントは外れているわ、ケチだわ、妙な嘘つくわと困った人だが、病気の家族の面倒を見る優しい一面もあると知る。

    第2話 育郎は育ちすぎてデブである。ベスパで移動している。今日は業務上過失致死の判決を聞いて記事を書く。執行猶予がつくかどうかが焦点だ。ただ裁判の場で知ったのは、引かれた子供が育郎の知合いの子供だったということだ。

    第3話 若かりし僕たちのマドンナ、高木由美子とリンネンが結婚した

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    2026年06月06日
  • 踊りつかれて

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    久しぶりに、「本ってすごい!」って思える一冊でした。愛以上のものを感じれた。あっという間に読めました :)

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    2026年06月06日
  • 存在のすべてを

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    作品は長編ですが、面白いことと、各章がちょうどいい長さであっという間に読み終えました。
    映画に相当期待してしまいます…
    ジョージウィンストンも昔良く聞いていて懐かしかったです。

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    2026年06月04日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    うちの子になったら情が移るからうるうるする。
    映像化されたものも観たい。
    なぜかロンギングラヴって曲を知ってた(アーティスト名もタイトルも知らず)。ヒット曲?
    りょうは兄の実子ではないのか?

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    2026年06月04日
  • 起点

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    文庫550円シリーズ。
    薄い本だけど、550円以上に楽しめました。
    短編なので合間にも読みやすい。

    一番、塩田さんらしい作品だなと思ったのは『鈍い火』かな。だんだん嫌な展開に進んでいくけど、後を引かない終わりかたなので、イヤミスみたいにならなくて良かった。

    『仮縫い』は冴えなかったはずの旧友の結婚話から主人公も再生していく物語。

    『小さい上司』は何か笑えるダメ上司。"小山田"ってネーミングもいい。

    ↑ここまでは40歳代の冴えない登場人物が活躍している物語。作者自身も40代なので、自身の経験と照らし合わせているのかな~と思った。

    『起点』だけは未来設定。
    罪の声(2

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    2026年06月03日
  • 存在のすべてを

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    30年前に起きた2児同時誘拐。
    囮と思われた1人は無事に保護されたものの、本命と思われたもう1人は行方しれずのまま事件は未解決となり、誘拐が起きてから3年後突然被害者男児が祖父母の家に戻ってきた。
    その事件を追い続け解決に至らぬまま亡くなってしまった元刑事、その思いを引き継いだ新聞記者が、執念で真相に迫っていく。
    どうして被害者は戻らなかったのか、そこに何があったのか、読み進めていくうちに何ともやるせない気持ちになって、被害者加害者という言葉だけでは片付けられなかった。
    そしてこの話は、もう1人の主人公であるギャラリストの女性の視点からも書かれているが、そちらの視点が果たして必要だったのかどう

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    2026年06月03日
  • 踊りつかれて

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    ネットでの誹謗中傷を受け自死した芸人、はるか昔、昭和の時代に消えた歌姫、2人の無念を晴らすかのように中傷した83人の加害者達の個人情報を世に放った枯葉なる人物。彼らのつながりは。…

    すごかった。
    世に蔓延るネットによる誹謗中傷の危険性をテーマにしつつ、美月の壮絶な過去が明かされ、最後に壮大な愛で収束する。
    途中どこに向かうのかがわからない感じに戸惑ったが、半分から先は一気読み。
    疲れたけどたまらなく面白かった。
    少し前に読んだ葉真中氏の家族を思い出す。
    ベストテンとかヒットスタジオとか、懐かしい。
    天童くんが残念。

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    2026年06月02日
  • 踊りつかれて

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    すごい本でした。
    私はこれを読んで一部のSNSを辞めました。
    大切なものを壊された人間が狂ってもいないのに犯罪に手を染める理由にも納得できました。
    まだまだ深く掘ってないところもあるのですが、それすら蛇足と思えるくらい、主人公と大切なもの(人)、そして弁護士の絡みが秀逸でした。

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    2026年06月02日
  • 朱色の化身

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    塩田さんの作品はとても好きです。過激な描写がなく真摯で品の良さを感じます。
    所々で、マスメディアへの不信や警告みたいなものを感じるのですが、最後の書評を読んで凄く納得しました。
    小説は正義と不正義の狭間にあるものをすくいあげ寄り添う事の出来る数少ない媒体であり、作者は、危うくて弱いけれど個人の尊厳を手放そうとしない個人の姿を書いていくだろうとありました。
    長い序章の先にある、ラストの風景はとても美しくすぐにでも雪の舞い降りる朱色の橋に立ってみたいと思いました。
    しかし、車から降り立った咲子さんの発する言葉を聞きたかったと思った私は、次の章があるのを期待していました。
    珠緒さんの穏やかな行先が描

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    2026年05月31日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    現在の社会に疑問を投げかけるとともに、美しい物語でした。

    自分に見えている世界はほんの一部で、人々は絡み合いストーリーが生まれている。それを自分の価値観やその時の感情に乗せてアンチコメントに変えている人は、きっとこの世の中には少なくはないんでしょう…。

    本を読み進めていて、浜崎あゆみと松浦さんが思い浮かびました(彼らは恋愛関係にありましたが)。

    序盤はどんな展開になるのかと思っていましたが、人情味がある話になり引き込まれました。何より描写が細かい細かい。置いてある机の描写…それいる?って思ったりもしました。笑

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    2026年05月30日