塩田武士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ辛く切ない、暗い部分がある物語だが、読み応えがあった。
別府や京都、私に馴染み深い土地が出てきて、ちょっと嬉しい。
SNSで他者を誹謗中傷する行為は、弱い未熟な人間がやることで、本来、強い人間なら振り回されることはないのだけど。
振り回されちゃうんだね、芸能人として成功していても、弱い人間だったから。
天童も美月も、生い立ちが影響してる。
登場人物は、家族や恋人では、ないけど。それと同等なお互いをリスペクトし合うような愛で繋がっているのがよい。
物語には、恋愛が付き物みたいなところがあるけど。
私も年齢的に恋愛とかから卒業してるので、年齢や異性や肩書きに因らない、人間関係に憧れる。
自分軸 -
Posted by ブクログ
なぜ早く読まなかったのか…
散りばめられた沢山の点と点が、少しずつ丁寧に線になっていく
それが一つも無駄ではなく、一字一句読み進めていかなくては…という気持ちになる話だった
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1991年に神奈川県で発生した「二児同時誘拐事件」
誘拐の手口
警察の捜査手法
記者の動き
序盤はこれらが事細かく描かれている
担当刑事、担当記者も30年が経ち、誘拐されていた男児は画家として脚光を浴びていた
30年の謎を記者が紐解いていく
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そもそも実際の元の事件がどの程度モデルとなっているのか気になりながら読みつつ、調べたらネタバレにるかもと調べることもできず、貪るよう -
Posted by ブクログ
──誰かが死ななきゃ分かんないの?
第173回直木賞候補作。ここ最近の中で一番これを読みたかった。
前作『存在のすべてを』でかなり重厚な物語を見せてくれた塩田武士氏。かなりハードルは上がっていましたが、杞憂でしたね。
本作は、昨今のSNSなどを中心とした“匿名の刃”により、一人は芸能界を去り、一人は自らの命を絶った。そんな二人を心から大好きだったと語る人物により、SNSでの繰り返される誹謗中傷にて重罪認定した83名への復讐劇。宣戦布告と題したブログに、氏名、性別、住所、職場、どんな誹謗中傷を行なっていたのかを事細かに調べ晒し上げた。
だけどこの物語の深みは、ただの怨恨物語ではなく、