塩田武士のレビュー一覧
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自分は森博嗣をきっかけに本を読むようになったのもあり、こういった所謂社会派ミステリと呼ばれるジャンルは普段あまり読まないのだが、特徴的なタイトルと表紙、本屋大賞ノミネート作であることから気になってはいた。
文庫化されたことと、なにより仕事終わりにふらりと立ち寄った本屋さんでサイン本が並んでいたことから迷わず購入。
読み終えた第一感は「この作品に出会えてよかった」
久々に心からこう思える1冊に出会えたと共に、単行本の時点で購入しなかったことを若干後悔。
近頃の話題作、特にミステリというジャンルは「どんでん返し」で読者を驚かせることが最重要視されているような気がして、個人的には「確かにうまく騙 -
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ザ・ベストテンが歌謡曲番組の王者だったころ、芸能人を貶めるのは週刊誌やワイドショーだった。引き金を引くのは記者たちだ。現在は、SNSによって一般人が芸能人に引き金を引く。最悪の場合は命を奪う。言論空間が広がることは歓迎すべきなのだろうか、閉塞感だけを生み出していないだろうか。本作品ではSNSでバッシングされた二人の芸能人に関わる人が、自分が犯罪者になることを厭わずにバッシングした一般人の個人情報をさらしていく。もう何が正義で、いや、正義こそ悪なのではないかと曲解してしまうほどだ。この苦しみを本作品で追体験すると、気軽なSNS投稿は慎むようになるだろう。
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ネタバレ
元の事件のことは知らずに読み終えたので、最後の作者コメントを見て驚き。自分が産まれるかなり前の事件なので全然知りませんでした。
とても読み応えがあって、1日あくと細かい日付や登場人物がすぐに分からなくなる。戻りながら読んだので時間がかかったけど、本当に読んでよかった!
事件との関与が明らかになっていく中、真実が気になって、どんどん読み進められた。
2人の姉弟と1人の子供、同じようにあの事件の被害者であり関係者なのに、生きてきた道があまりにも違いすぎて切なかった。
報道の正義には正直あまり共感できなかったけど、
結果あの親子が再会できたのはよかったのかな。
犯行の動機がくだらなくて、なの -
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「宣戦布告」のタイトルと共に、強烈な言葉が読み手を惹きつける。「よく聞け、匿名性で武装した卑怯者ども。」
不倫したことを火切にSNSで誹謗中傷され、自殺した売れっ子芸人の天童ジョージ。週刊誌につきまとわれ、有る事無い事書かれて、テレビから消された歌手、奥田美月。この2人の仇を取ると「宣戦布告」に書いてあり、同時にこの2人を誹謗中傷して追い詰めた83名の個人情報がばら撒かれた。逮捕されたのは有名音楽プロデューサー瀬尾。その弁護を引き受けることとなった久代。天童、奥田、瀬尾の人生を辿っていくこととなる…
前半から、本当に面白くめちゃくちゃ惹きつけられる!本を読むとどうしても展開が気になり、早く読 -
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ネタバレここまで重厚でな小説は初めて読みました。登場人物の多さに時々混乱しましたが、それが却ってリアリティーを醸し出しています。物語が進むにつれての登場人物達の心境の変化は考えさせられるものが多くありました。
俊也は母親から頼まれた探し物を世紀の未解決事件のテープレコーダーが自分の父親の遺品から出てくる。その関係性を探っていく過程では真相を知りたいと思う気持ちと血縁者が犯罪に関わっていて欲しくないという気持ちが一緒にあるように思えた。
新聞記者の阿久津は当初「事件の犯人」を見つけるために文字通り靴底をすり減らし取材に明け暮れる。しかし、いざ犯人に辿り着き動機を聞くと中身が空っぽな空虚な理由だった。
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『インザメガチャーチ』でガツンとやられたところにこれ…途中読んだ『逃亡者は北へ向かう』も相まって身が持たない。
序盤は歌手と芸人に匿名でネットリンチした人間の素性を公開するところから。
正義の名をかざしたストレス発散、目の前にいても言えるのか?というような叩きは社会問題だと思っているけど、作家もそこを看過できなかったんだろうなと思った。
白状すると、突き止める様子が怖くなってとあるネットコメントを全部削除しました。
その時にフォロー機能があることを知ったんだけど、なぜか何人もにされていて怖くなった。
インターネットの怖さがわかりやすく、小学生の子どもにも読ませたいと思ってたら、中盤は尼 -
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前半(特に音楽関係のところ)はなかなか話が進まず、読み進めるのに苦労した。しかし、後半は一気に読めた。
SNSについて考えさせる小説、ということになるのだろうか。誹謗中傷を書き込む人には是非読んでほしいと思うが、彼らに限らず、現代を生きる全ての人、SNSを利用する全ての人に「想像力」が求められているのだと思う。他人を貶して今だけ、自分だけが楽しければいい、そんな人間が増えていまいか。相手の心の痛みを想像する力を我々はなくしてしまったのではないか。
それがSNSに原因があるのかはわからないが。
後半は面白かったし、SNSについて考える機会になった点でも読めてよかった本。だから、星5つ……かとい -
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しんどい。腹立つの、しんどいわ。
「罪の声」の塩田武士氏らしい悲惨な被/加害者の惨状が臨場感溢れる文章で書かれていて目を覆いたくなる程に人間の悪意が凝縮されている。
実際、奥田美月の様に悲惨な生い立ちの有名人は居ないかもしれない。しかしマスコミや記者、パパラッチに人生を壊された有名人は実際に数多くいる。それに加えてSNSで誹謗中傷を受け、人生を終わらせた人もいる。この作品はただのフィクションではないし、限りなくノンフィクションに近い作品で多くの人が読むべきだと思う。(しかし悲しい事にSNSで誹謗中傷するような人間にはそもそも小説を読む力がない気も···)
「独白」の章は特にキツイ。
一人の