塩田武士のレビュー一覧

  • 存在のすべてを

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    涙なくして読むことはできませんでした。後半は、堰を切ったように涙が溢れてきました。

    警察、報道、家族、芸術とさまざまな視点から物語が展開され、人間関係も複雑に絡み合うため、序盤は読み進めるのがやや難しく感じました。しかし、後半には一転して、あたたかな愛に満ちた物語へと収束していきます。

    社会派ミステリーというジャンルの中で、「存在の全てを」というタイトルが持つ意味にも、深く納得させられました。

    AIの発展によって生活は便利になり、私たちはより豊かな時間を手に入れつつあります。しかしその一方で、自分自身の在り方を問い続けることの大切さにも気づかされます。この時代だからこそ、自分に何が残せる

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    2026年05月03日
  • 踊りつかれて

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    「ウケるから」「売れるから」という理由で生まれる誹謗中傷の構造や拡散のされ方を1980年代と現代で生々しく突きつけられた。

    SNSに人の悪口を書く誰かや、誰々が炎上しているとわざわざ拡散する誰かが最低だと思ってはいても、自分が誰かの不祥事や炎上の理由を知るきっかけはその誰かのコメントや記事。
    うっかり加害者側にならないよう注意しなきゃ。

    ちなみに、このアプリに本の感想を正直に書くのは加害になるのでしょうか。なるべく、ネガティブな感想は書かないようにしてるけど、作品によって星の数を変えるのも、良くないの?

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    2026年05月01日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    写実画を通して貴彦が亮に語る哲学が胸に響いた。
    「絵を描くときは、『何が描きたいか』『なぜ描きたいか』をできるだけ言葉にしなきゃいけない」
    これは絵画に限らず全ての創作に通じることだと思う。
    あらゆる情報をスマホで得られる現代だからこそ余計に『存在』は重要なのだと思った。
    春の霞も水も愛情も、存在を自分の目で見て自分で感じないといけないと思う。AIですぐに正解を求めてしまう現代で、自分の目で存在の本質も見られるようになりたいと思った。

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    2026年04月28日
  • 存在のすべてを

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    「罪の声」以来の塩田作品
    描写も人物も深く書き込まれていて面白かった
    物語の結末に好みは分かれるかもですが
    読み応えがあり入りこめた

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    2026年04月27日
  • 踊りつかれて

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    とても良かった
    強いて言えば、特にけったくそ悪い大分の件はなくても良かったかと思うけど、ところどころに救いとなる人がいて、作者の世界への期待なのかと勝手に思いました
    最後、ささやかな光があって救われました

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    2026年04月26日
  • 踊りつかれて

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    天ちゃん、生きててほしかった
    ほんと「生きてこそーーー」

    繋がりにふるえた


    ネットの「みんな」はみんなじゃない
    書きたい人は書きたいことしか書いてない
    どんな人にも見られる可能性はある
    広くて狭い
    玉石混交

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    2026年04月26日
  • 罪の声

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    事件の裏に本当にこんな話があったかもしれない、と思えた説得力ある話だった
    事件のことは名前しか聞いたことなかったけど、警察やマスコミの動きを追体験できた気分

    JRの高槻〜京都とかよく乗ってたから、事件の舞台になってたなんて驚き

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    2026年04月26日
  • 存在のすべてを

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    文庫化を待ち望んでいた。発売日の前日には店頭に並んでいたので早速購入した。帯によって映画化を知り人物イメージが多少固定化された。

    キャストを先に知ってしまうというパターンはあまり好みではない。固定化されるとイメージが膨らませにくくなるから。

    著者のセルフオマージュと言ったら、聞こえが悪くなるだろうか?内容に関しては、『罪の声』を意識せずにはいられない。重大事件、マスコミ、追跡、時効、家族、親子、兄弟……エトセトラ、エトセトラ。散りばめられた要素は結構似通っているところが多い。そのひとつひとつの読み応えが上がっていて、満足感はむしろ高い。何よりも『罪の声』が好きだから。

    『罪の声』の阿久津

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    2026年04月26日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    後半はもう全身が本の中へ吸い込まれたような気がして一気に駆け抜けた
    野本夫妻と亮との刻々と近づく別れの予感からの別れ。亮を離したくない!と優美に代わり叫びたかった。だって3人こんなに幸せなんだからと。涙も出た
    ここに辿り着くために前半2/3があったのか
    深く優しくゆっくりと染み渡る読後感でした

    そしてどうか幸せに暮らしてくださいと祈った

    ちなみに3人のシーンはジョージウィンストンのlovingをBGMに読みました 

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    2026年04月24日
  • 存在のすべてを

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    ほんまに面白かった…!
    長いけど、徐々に明らかになる真相にページをめくる手が止まらなかった…!
    映画、絶対面白いだろうな〜!みたい

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    2026年04月23日
  • 踊りつかれて

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    宣戦布告から物語が始まる。
    冒頭からぐっと引き込まれる。
    不倫をきっかけにSNSで袋叩きにあい自ら命を絶った天童ショージ。
    天性の歌声と美貌を武器に一時代を気づいた奥田美月、彼女は週刊誌の記事をきっかけに歌うことを辞めた。
    彼らふたりのファンを名乗る男が復讐なのか、彼らを貶めた83名の人々の個人情報をネットにあげるところから物語が始まる。

    彼らがどうやって生きてきたのか。匿名を武器に好き勝手言う数多の人にどのように潰されていったのか。
    ネットにあげた犯人とその弁護士を通じて本当にこんな世の中が正しいのかを問いかける。
    正しいって何なんだろう。
    正義面して、他人を蹴落とすことができるネット社会

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    2026年04月18日
  • 存在のすべてを

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    ネタバレ

    後半になるにつれて時間を忘れ、文字を追っていた。誘拐事件という事柄は残忍なことだが、この作品に限っては愛が存在していた。(もちろん誘拐が許されることではないが。)当事者だけではなく、主要な登場人物それぞれに、それぞれの形の愛が動き出し、最後形になる。素晴らしい作品に出会いました。久々に小説を読んでいて涙が込み上げてきました。

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    2026年04月15日
  • 踊りつかれて

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    『踊りつかれて』(塩田武士)
    作者は新聞記者として長らく活動した後、作家になった人と聞いています。綿密な取材を重ねた彼の本には、グリコ森永事件を扱い犯人から脅迫の録音に使われた子供の声を追った「罪の声」や、写実絵画をテーマに扱った「存在のすべて」は印象に残っています。
    塩田さんの新作との事で読んだ本作も長い物語の最後まで読んで、静かな印象を受けました。

    最初はSNS時代のリテラシーのない人を警告する目的だと思って読みはじめました。私は悪意のある小説とか、悪魔ものは、あまり好きでありません。この小説は最初、ネットで人の事を自分の不満の捌け口として非難中傷した人達の悪意と、それを私刑にしたものを

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    2026年04月14日
  • 存在のすべてを

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    自分は森博嗣をきっかけに本を読むようになったのもあり、こういった所謂社会派ミステリと呼ばれるジャンルは普段あまり読まないのだが、特徴的なタイトルと表紙、本屋大賞ノミネート作であることから気になってはいた。
    文庫化されたことと、なにより仕事終わりにふらりと立ち寄った本屋さんでサイン本が並んでいたことから迷わず購入。

    読み終えた第一感は「この作品に出会えてよかった」
    久々に心からこう思える1冊に出会えたと共に、単行本の時点で購入しなかったことを若干後悔。

    近頃の話題作、特にミステリというジャンルは「どんでん返し」で読者を驚かせることが最重要視されているような気がして、個人的には「確かにうまく騙

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    2026年04月08日
  • 踊りつかれて

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    SNSはうまく活用できれば生活は豊かになる。
    でも、きっと依存しすぎると自らが名無しのモンスターのようになってしまうのかもしれない…と、恐ろしく感じました。

    『匿名性』『集団心理』
    どの年代でも当てはまる脅威。
    それをわかりやすく形にしてくれた小説だと感じました。

    自分の『正義』は他人にとっても正義であるとは限らない。自分の『正義』が誰かを傷つけているかもしれないということを肝に銘じて生きていきたい。
    それはSNS上だけではないけれど…。
    そんなわかっていたようなことを改めて強く思わせてくれました。

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    2026年04月07日
  • 踊りつかれて

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    僕はSNSはやっていない。匿名性という盾の元で心無い言葉が飛び交う世界、面と向かっては言えるはずない言葉が存在できる世界をどうしても好きになれないでいた。だからこの物語のスタート自体に強く惹かれた。そこから始まった物語は、登場人物たちの人生を追っていく形で深みを持ち始める。誰も楽には生きられていない。でも、自分でない誰かを認めて尊重しながら生きていくことはかくも美しいかとこの物語を読むことで知れた。人を傷つける言葉や態度より、人を尊ぶ言葉や態度を持てる人間でありたい。

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    2026年04月04日
  • 踊りつかれて

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    ザ・ベストテンが歌謡曲番組の王者だったころ、芸能人を貶めるのは週刊誌やワイドショーだった。引き金を引くのは記者たちだ。現在は、SNSによって一般人が芸能人に引き金を引く。最悪の場合は命を奪う。言論空間が広がることは歓迎すべきなのだろうか、閉塞感だけを生み出していないだろうか。本作品ではSNSでバッシングされた二人の芸能人に関わる人が、自分が犯罪者になることを厭わずにバッシングした一般人の個人情報をさらしていく。もう何が正義で、いや、正義こそ悪なのではないかと曲解してしまうほどだ。この苦しみを本作品で追体験すると、気軽なSNS投稿は慎むようになるだろう。

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    2026年04月03日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    とても面白かった。
    最初の方は自分の理解力の乏しさゆえに難しく感じ、ほんとに読めるかとも思ったが、話が進むにつれて読むペースも早くなった。望が死ぬところから物語の展開がかなり進み、最後の聡一郎とのシーンでは涙を流した。
    この物語は現代のマスコミの在り方や、事件というものの影響力に問題提起するそんな作品であると思う。

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    2026年04月02日
  • 踊りつかれて

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    装画から文章までとても美しい本。
    内容は現代のSNSの汚すぎる掃き溜めについて。
    匿名ってここまで品格を落とせるんだなぁ、と現実に目にする炎上や誹謗中傷で日々感じている。
    そしてこれだけ炎上や誹謗中傷を繰り返しても、全然減らないし社会的制裁もなし。
    今作のような行動に出られる人はほぼいないだろうけど、やりたい気持ちの人は多いだろうなぁ。
    人のふり見て我がふり直せ、でSNSを利用する時は全方向に不快感を与えないように、を第一に考えないとだね。
    毒にも薬にもならない、他の人にとってはどーーーでもいいことをつらつら書く場だと思っているし。

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    2026年03月22日
  • 踊りつかれて

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    ネットによる誹謗中傷と芸能界の光と闇。
    一人の天才少女に魅せられた音楽プロデューサーはなぜ犯行に至ったか。
    緻密に貼られた伏線と圧倒的な情報量で描かれた犯罪小説。最後まで息もつかせぬスリリングな展開と大きな感動。

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    2026年03月21日