塩田武士のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
誰かが死ななきゃ分かんないの?
あるブログで、宣戦布告というタイトルのもと、ある芸人とアイドルに対して度を超えた誹謗中傷した83人の個人情報が晒された。
その人たちは自分がそうしたように、SNSの誹謗中傷によって生活と人生が崩れていく。
そこまでして犯人が伝えたかったことは何か、どのような思いが犯人を突き動かしたのか。
事件を通して、誹謗中傷する者、犯人、芸人とアイドルの人生を追っていく物語。
正直、現代のSNSの在り方に私も常日頃から疑問を抱いていました。
コスパとタイパが重要視されて、目に見える情報、わかりやすい結論、自分にとって都合の良い切り取った事実で、全てを知ったようになれる人々。 -
Posted by ブクログ
いわゆる「炎上」と言われるSNS上での誹謗中傷を
扱った作品です。
過去には自殺者まで出して、刑事事件に発展した
ものもありますが、きっとそれは稀なケースだと
思います。
大なり小なり、今日も誰かを標的に罵詈雑言を
浴びせる輩が後を立たないのが現実です。
そんな輩に対して復讐を始めた男がいました。
復讐の方法は、単純に炎上を煽った輩の
プライバシーを全てSNSに挙げることでした。
新たなSNS上での生贄を仕立て上げることにより、
目的を果たしたと思える男ではありますが、
物語はここから始まります。
逆に復讐された輩達の一人から訴えられた男は、
裁判で「動機」を語ります。その内容が本書 -
Posted by ブクログ
二児同時誘拐事件を背景に、主要人物たちのその時とその後を追う群像。重厚なサスペンスかと思いきや、純愛ラブストーリーが始まったり、個々人の不遇を呪ったり、30年という時間経過の中で登場人物たちの心の救済に向けて話は動く。展開を破綻させないために、少々ご都合主義に感じられてしまう部分もあったものの、文学賞の選考員ではないので、楽しく読ませてもらった。いくつか描かれていない(ダイジェスト的に数行あったが)関係者の、動機や、誘拐事件はどういう青写真だったのかが分かれば尚良いかと思ったが、犯罪者たちのそれは取るに足らない瑣末なことなのかもしれない。
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Posted by ブクログ
白く澄んだ素晴らしい作品だった。
不穏な空気が漂うと明らかに靄がかかったような雰囲気になるのが、凄い。
最初は刑事系のパキッとした文で感覚を掴んでいたのに、誘拐事件に関する記述が早々に終わったのでこれから先の展開がどうなるのか不安に思いながら読み進めていた。
しかし、進んでいくにつれて、こう進むべきだったと思えてくる素敵な物語構成だった。
特に印象的だったのは、同じ事柄を語る時に微妙に表現を変えてくるところ。
大体の小説は、違う人物が同じ展開や人物、物体に出くわした時、それが共通のものであることを認識させるためにほとんど言い回しを変えていないように感じる。
ただ今作は、それぞれの人物がそれぞれ -
Posted by ブクログ
なぜ早く読まなかったのか…
散りばめられた沢山の点と点が、少しずつ丁寧に線になっていく
それが一つも無駄ではなく、一字一句読み進めていかなくては…という気持ちになる話だった
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1991年に神奈川県で発生した「二児同時誘拐事件」
誘拐の手口
警察の捜査手法
記者の動き
序盤はこれらが事細かく描かれている
担当刑事、担当記者も30年が経ち、誘拐されていた男児は画家として脚光を浴びていた
30年の謎を記者が紐解いていく
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そもそも実際の元の事件がどの程度モデルとなっているのか気になりながら読みつつ、調べたらネタバレにるかもと調べることもできず、貪るよう