塩田武士のレビュー一覧

  • 雪の香り

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    『崩壊』に続き、塩田作品四作目。過去と現在、それぞれの変化、京都の町並みや季節の移ろい。と謎の女・雪乃の変化の対比が良かったです。彼女の過去を知ったとき——さぞ大変だったろうな、と。最後はああなってしまったけど、それで逆に解放されたのかなと思うとジーンときました…。えらい遠回りした感もありますが、エピローグはとても良かったですね^^ 二人の今後の幸せを願いたい!最後に一番好きな場面の紹介を——[p99〜p112]。

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    2019年05月07日
  • ともにがんばりましょう

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    まったくの個人的事情から書かせて頂くと、もう10年近く前、労働組合のない会社から組合活動が真っ赤に燃え上がる会社に転職しました。身の回りの単語すべてが不可解で、オルグなんてきっと怪しげな集まりなんだろうと新人ほぼ全員でサボって怒られた、なんて事もありました。

    あの頃この本に接していたら、もうちょっと上手く立ち回れたかなあ、と(笑)。労使交渉という取っつきにくい分野に果敢に手を出したエンターテイメント小説です。政治的に何か訴えるわけではなく、一方で活動の時代錯誤感を嗤うわけでもなく、ただひたすら読み物に徹する姿勢はこのジャンルではむしろ稀有と言ってよく、純粋に面白く、ためになりました。

    ただ

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    2018年11月02日
  • 崩壊

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    『女神の〜』に続き、塩田作品三作目。バブル時代を題材にした刑事モノ。素直に面白かった!優子の本宮に対する態度の変化が個人的には良かった。初めはブスーっとしてたのに、後半なんて仲良くお酒を呑む仲までなって—— 。輝の犯行動機については最後に手紙が提示されたが、個人的には「?」でしたね。何故この時に殺したのかはよく分からないな、と。次作は『氷の仮面』か『雪の香り』あたりを読みたい^^

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    2018年07月28日
  • ともにがんばりましょう

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    ネタバレ

    筆者の作品は初めてであったが、人物描写が的確で、関西弁もナチュラル、文章全体のテンポもよく、他の作品も読みたいと思った。株式会社における労働組合と経営側の交渉模様を描いた作品で、実際に労使交渉に関わる仕事をしていた私にとっては、緊張感やスピード感などが非常にリアルでとてもおもしろかった。ただ、労働組合の動きの中で比較的ポピュラーな春闘やストライキではなく、その前段にあたる「交渉」というコアな部分に焦点をあてているので、なじみのない人からすると「???」という部分もあると思う。おそらくそういう人のことを思って描かれたのであろう若干の恋愛模様が、私には余計なものに思えたので★-1とした。

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    2018年03月30日
  • 女神のタクト

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    『盤上のアルファ』に続き、塩田作品二作目。割りと早い段階から引き込まれたから良かった!退屈な時間は短ければ短いほどいい。主人公・矢吹明菜のキャラがとても良い。すぐ手を出し、足を出す暴力女w と、内股の世界的マエストロ・一宮拓斗、ブロッコリー別府、ニュージーランド人キオラなど個性豊かな楽団の職員、演奏者たち。特に主人公と別府の掛け合いは爆笑必須!笑いあり、涙ありで楽しかったなぁ^^ 解説者も書いておりますが、自分が知らない世界を知れるというのはホント楽しいですね。今回は楽団運営のイロハ?を知れたのは良かった。一度クラシックコンサートに行きたい!そう思えた作品でした♪

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    2017年10月07日
  • ともにがんばりましょう

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    前半が軽くて笑っちゃう場面多いのに後半は重くなる(よい意味で)本でした。初めてのパターンだったな。これは。面白くてかつ心に響く本であった!!

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    2017年10月02日
  • 雪の香り

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    京都の事物を背景に、ポンポンといきかう関西コトバにあふれる、若さの軽み。こんなカノジョがいたらどうヨ、という妄想にも寄り添う。テーマ全体は「青い」という印象。

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    2018年10月14日
  • ともにがんばりましょう

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    会社員だった頃は組合のある企業に勤めたことがなく縁がなかったが、派遣社員として働き始めた会社は組合活動がそこそこ活発で、ある日ストが行われた。
    朝から会議室に閉じこもる社員を尻目に、残った部長と派遣社員2人で一日中電話対応の嵐。電話の向こうの取引先に怒鳴られながら、部外者の私はどんどん心が冷え切っていった。新聞社ではないが同業界の会社だったのだが、あの裏側にはこんなにドラマチックでないにせよそれぞれの人間ドラマがあったのかな、と読み終えて少しだけ共感できる自分がいた。
    関西人ノリのちょこちょこ差し込まれるツッコミが小気味よくニヤリとさせられ、最後は組合活動という未知の世界ながら登場人物の”志し

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    2017年04月01日
  • ともにがんばりましょう

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    デフォルメ、カリカチュアライズは一部にあるが、全体的にはリアルで生真面目な「お仕事小説」。ただ、題材はふつーの仕事ではなく(いや、仕事というわけでもなく)組合役員としての組織活動、団交などを取り上げている。塩田の神戸新聞勤務での経験に取材とのこと。

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    2018年10月14日
  • 起点

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    短編集.短編3編とタイトルの短い物.
    人情が見え隠れする「小さい上司」,ミステリータッチの「鈍い火」,一途な思いにほろりとする「仮縫い」それぞれ味わい深い.

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    2026年09月19日
  • 存在のすべてを

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    鳥肌

    点と点がじわじわと繋がってゆくあの感じ
    家族の在り方はひとつではなくって
    幸せに生きられるためにはこうすべきだったのかもしれないし、しないべきだったのかもしれない。そんなのはもう分からなくって、考えれば考えるほど良い方向を見失ってしまうものなんだと思う。

    存在のすべてを、鳥肌だった

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    2026年09月15日
  • 罪の声

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    読むのに時間がかかってしまいました。そのせいもあって詳しいことを覚えていなかったため、読んでいて分からなくなることもありました。株の話や分単位の犯罪計画までは追えませんでした。
    ただ、加害者も被害者も、その罪を一生背負って生きてきた人、事件と向き合い続ける人たちの生き方や覚悟まで描かれていたため、責任をもって最後まで読もう!と思えました。映画気になります

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    2026年09月12日
  • 存在のすべてを

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    2人の幼児誘拐事件から始まり、1人はすぐ保護されましたが、もう1人は3年後に保護され…

    時系列がバラバラで、分かりにくいのはありました
    文章も説明文みたいでクドく、読みにくくて纏めると3分の1くらいのページ数になりそうなので、映画化にはピッタリかと思いました

    感動する場面もありましたが、共感は出来ないのと、他に方法あったのでは?と思わずにいられませんでした

    亮くんが幸せでいてくれると良いな~

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    2026年09月11日
  • 罪の声

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    父の遺品から見つけたカセットテープ。 そこに入っていたのは、31年前の未解決事件で脅迫に使われた自分の声だった。

    導入はめちゃくちゃ良かった。 ただ、そこからが長かった。

    元になったグリコ・森永事件についてほとんど知識がなかったことも大きいと思う。 俊也と阿久津がそれぞれ事件を追っていく中で、次々と人名や過去の出来事が出てくるものの、「この人誰だっけ」「どこと繋がってたっけ」となることもしばしば。 調べれば調べるほど整理されるというより、しばらくは文字を追っているだけの読書になってしまった。

    やがて犯人グループや事件の全体像が見えてきて、「やっとここまで来たか」と思う一方、「そんな理由で

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    2026年09月08日
  • デルタの羊

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    ネタバレ

    あらすじは読まず、
    冒頭の「アルカディアの翼」に惹かれて読み始めたら
    まさかのアニメ制作の話でビックリ

    正直色んな利権関係にさっぱりついていけず
    どこのだれながなんのあれなのかサッパリ分からなかった


    前半は三段もの入れ子構造になっていて
    引き込まれた
    構成が上手い
    渡瀬もフィクションかと思い込ませて
    実は友人だったなんて

    アルカディアの翼が読んでみたいなあ

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    2026年09月08日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    瀬尾さんの美月と天童に対する想いが真っ直ぐで筋が通っていて、私は真似できないけどこんな人もいるんだなあと思った。
    正直、炎上する理由はそれぞれ本人自身にあるから仕方ないけど加減はあるよなぁって感想。
    犯罪者になってしまったけど、瀬尾さんみたいに裏表なく目的にまっすぐな人は大好き!だから周りも瀬尾さんのことを悪く言わないし守るんだろうな!

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    2026年09月06日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    別作品の『存在のすべてを』があまりに感動してしまったので、新作は読まねば!と思っており、やっと読むことができた作品。

    インターネットに溢れる匿名の誹謗中傷や、承認欲求から他者を貶める行為など、現代の問題を題材にした群像劇。主人公の弁護士が、何も語らない被告人・瀬尾の思いを理解するために関係者たちから話を聞き、事件の真相を追いかけていく物語だ。
    あまりにもリアルで、実際に起きた事件をモチーフにしているのかと思うほど現実味があった。事件のきっかけとなった二人の芸能人の背景もかなり事細かに描かれていて、作り込みが素晴らしい。
    ただ、説明が少し長すぎるように感じた。判決後のエピローグで瀬尾が自身の思

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    2026年09月06日
  • 存在のすべてを

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    とある誘拐事件を起点として、様々な人と人の絆を描いた長編小説です。存在とは、そして生きる事とは何かを考えさせられました。前半は時間と視点が頻繁に変わるので、話について行くのが大変でしたが、中盤以降は楽しく読み進められました。

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    2026年08月30日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    ネットの「踊りつかれて」というブログに、宣戦布告として告発文が載せられた。

    ネット掲示板やSNSでの匿名性のたかいところでの、批判、中傷、罵詈雑言・・などなどに対して。

    天童ショージという芸人が自殺した。
    彼は才能ある芸人だった。マイク一つで人を笑わせた。
    あるとき不倫をしてしまい、それが糾弾された。ネットではものすごい攻撃があり、週刊誌は毎日家をはり、奥さんと子供にまで危険が及んだ末、自殺してしまった

    奥田美月という歌手がいた。
    16歳からアイドルとして活動していた。幼い頃バレエで培った体はダンスにも生かされていたし、アイドルらしからぬ歌声は神から与えられた才能だった。
    だが、彼女も不

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    2026年08月28日
  • 罪の声

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    面白かったです。元々映画を見たことがあって、面白かったので原作も読もうと思って買いました。読むまでに随分時間がかかってしまったのですが、そのおかげでうろ覚えの部分が多くて逆に先入観なしで読むことができました!笑
    内容も文体も割と硬めな印象でしたが、意外にもするする読めてしまいました。当時を生きていない私でも知ってる事件が元になっているからでしょうか、緊迫感や興奮が直に伝わってくる感覚が面白かったです。私はあまり元の事件の概要を知らなかったのですが、「キツネ目の男」の似顔絵くらいは見たことがあります。彼の存在が都市伝説のようなものではなく生身の人間だということを実感できる描写に、少し恐くもなりま

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    2026年08月24日