塩田武士のレビュー一覧

  • 罪の声

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    引き出しの中にあった、幼少期の可愛い声のテープ。実はその声が、未解決事件に使用された脅迫状で、、、。一つの真実を知るために、新聞記者が真相に迫る。

    本書を読んで、新聞記者は世の中に必要だなと思った。本当の真実によって、救われる命があるのだと実感。

    一方で、文春や暴露系インフルエンサーはどうだろうか。エンタメによって消費されてしまった人物の後先の人生など考えていないのだろうか。その点が新聞記者との違いであり、改めて記者に魅力を感じた。

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    2025年10月02日
  • 罪の声

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     思わず、グリコ事件の真相ってこうだったの⁈と思ってしまうほどの考察力。こう考えることもできるか、当時の警察はどう筋立てしてだんだろう?と考えながら、構成は面白いと思った。

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    2025年09月29日
  • 歪んだ波紋

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    マスコミ、警察の現場と「真実が報道されないジレンマ」を描く5章からなる長編。各章が複雑に絡んでいるので、ミステリー感覚で読み流すなら、満足しにくいかも。報道の中立性が守られる続けることを祈ります。

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    2025年09月11日
  • 拳に聞け!

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    ネタバレ

    元芸人で今は便利屋バイトの省吾は、ボクシングジムの立ち退き仕事をきっかけに、ボクサー親子とともに日本タイトルの夢を追いかけることになる。他人の夢に一喜一憂するうちに、捨てたはずの自分の夢にも再び火が灯っていく――。



    読みやすく肩のこらない文章で、隙あらば差し込まれるコメディシーンはカット割りやせりふ回しまで脳裏に浮かぶようだった(貞次郎はマキタスポーツのイメージ)。
    主人公はあくまで新田ジムを立ち退かせようとしていた省吾。いわば部外者なのに、なんとなくずるずると関係者になっていく様子がユーモラスだった。
    個人的には、さびれたジムを背負って闘う若きボクサー・勇気にもっとスポットを当てて、そ

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    2025年09月03日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    阿久津と曽根、2人の男性が、それぞれの立場からひとつの重大事件を追う。
    裁くためではなく、知るため。そして最終的には、未来へと繋ぐため。
    実際の「グリコ森永事件」をモチーフにされており、犯行経過はほぼ同じのよう。

    視点が入れ替わり、複数の犯人を扱うために登場人物が非常に多く、読み進めていく中でやや混乱しました。
    事件のことを知りたくて読んだので、細かに流れていく事件経過で丁寧にインプットできたのは良かった点。一方で、完全フィクションである犯行動機の部分は、フィクションだからこそもっとのめり込みたかったな、とも感じた。

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    2025年09月01日
  • 騙し絵の牙

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    あてがきの作品を読むのは新鮮!面白かったです

    出版業界の厳しさがリアルに伝わる…もっと紙の本を買いたい…
    私は普段のんびり事務仕事をしているので、彼らの仕事ぶりが恐ろしく感じました…すごいな

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    2025年08月30日
  • 雪の香り

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    京都の街が好きな人には良いかもしれない。自分はそうではないので長々と随所に挟まれる風景描写を読み飛ばしながらなんとか読み終えた。
    映像化には向いてそう。
    ハッピーエンドだが、果たしてベールに包まれていた黒い過去が明らかになった後も主人公は同じように雪乃を愛せるだろうか。否だと思う。

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    2025年08月30日
  • 歪んだ波紋

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    何を信じるのかが難しい時代になったな。
    情報の暴走を自分たちで促進して、信じられるものが減ってきてる現実は自業自得なのかなぁ。

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    2025年08月24日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    「ギン萬事件」ー製菓会社の社長誘拐・毒入り菓子ばら撒きという社会的な大事件。
    事件の関係者の可能性があるテイラーの曽根と、事件を追うことになったジャーナリストの阿久津が、真相解明のために奔走するというお話。

    正直、作中の株関連の話は自分が疎すぎてあまりよく理解できなかったものの、少しずつ事件の真相に近づいていく過程が面白く、後半は一気に読んでしまった。
    実際の事件が元になっているということもあってか、内容がとても濃密。
    そして、「ギン萬事件」によって生島家の子ども二人の人生がぶち壊されたという切ない結末。
    自分の声を使われたという同じ立場なのに、人生をぶち壊された生島家の二人と、何不自由ない

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    2025年08月15日
  • 朱色の化身

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    辻珠緒。

    関わった人間の証言を読み進めるも、捉え所のないよく分からない人物としての印象が強くなっていく。
    この女は一体、何者なのか?なぜ失踪したのか?それが気になってほぼ、一気読みに近かった。
    そして浮かび上がってくる様々な角度から見た、珠緒の表情と過去の因縁。

    因縁は、珠緒だけに限らずその母、さらにその母をも時代とともに巻き込み、飲み込んでいたとは。。。
    時代とは時に残酷であると感じた。
    そうしたくなくても、そうしないと生きていけない時代の中で抑圧され必死に耐える。。。今の時代もそうであるが、女性はいざと言う時の職をやはり持っておくべきた。

    この本を手に取ったのは舞台になっている芦原温

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    2025年08月14日
  • 盤上に散る

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    様々な登場人物が過去の柵とともに複雑に交錯する。その過去がいずれも暗く、読み終えてスカッとした気分にはなれない。伏線回収の展開は面白い。

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    2025年08月06日
  • 罪の声

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     グリコ・森永事件を題材にしたフィクション…ようやく読むことができました。

     京都でテーラーを営む曽根俊也が、母の部屋から偶然古いカセットテープを見つけたことがことの発端…再生してみると、自身の子供の時の声が録音されていた。よく聴いてみると、それはかつて“ギン萬事件”で犯人が使用した音声と同じものだった。また、大日新聞の記者である阿久津英士も、かつての未解決事件を取材することになり…。

     そうそう、“どくいり きけん たべたら しぬで”とか、当時ちょっと流行ったなぁ…。お菓子がフィルムで包装されて売られるようになったのもこの時期だった。ジュースの自販で、当たりを引いてもう一本もらえたのに、

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    2025年07月28日
  • 盤上に散る

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    『盤上のアルファ』がめちゃくちゃ面白くて、続編があるというので喜んで読んだ。
    全くの続編ではないが、前作の“その後”もわかる記述があってスッキリ。

    話としては登場人物が一部重複してるだけで別の話だったが、どうなるんだろうと引き込まれて一気に読んだ。

    前作を読んでる方が登場人物に親近感はわくと思うが、こちらだけ読んでも十分理解できるし、楽しめると思う。

    塩田さんはあと1作読んだことがあるだけだけど、幅が広そうな作家さんで、他の作品も読みたい。

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    2025年07月14日
  • 女神のタクト

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    登場人物それぞれに強烈な個性があって面白かった。特に主人公は乱暴な性格すぎて私的にはあんま好きじゃなかった。笑

    ストーリーは潰れかけのオーケストラを救う?話で、感動的な場面も多く、まとまりもあって面白かった。

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    2025年06月18日
  • 歪んだ波紋

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    短編集かぁ、と思ってたら、連作だった。
    なかなか難しい内容ではあるけど、読み応えもあって面白かった。もうちょっとそれぞれの主人公に共感できるような魅力があればなぁとは感じました。

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    2025年03月29日
  • 雪の香り

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    京都を舞台に、主人公と雪乃が過ごした2000年と2012年の四季が同時進行で展開されていくお話
    私の集中力が乏しいせいか、あれ、いまどっちの話だ?と混乱してしまい、なかなか理解が難しかった
    あと…雪乃の無鉄砲な行動が苦手だった〜
    幼稚園〜小学生なら“無邪気”や“純粋”で許されても、いい大人がわがままばかりでずっと近くにいたらうんざりしちゃうんじゃないかな〜

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    2025年03月27日
  • 朱色の化身

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    なぜか分からないけど大きなどんでん返しがあると思いながら読み進めてしまった、、、
    細部を誤魔化しながらの書き方なので、何かあるんだろうなと。

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    2025年03月13日
  • 歪んだ波紋

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    吉川英治文学新人賞受賞作
    短編連作の5つの物語から構成されていますが、正直読みにくい。
    内容がうまく入ってきませんでした(笑)

    ■黒い依頼
    ひき逃げ事件をめぐる報道。誤報?
    その裏には虚報が..
    そこには、フェイクニュースを作り出すサイトの存在。
    今では生成AI含めてフェイクがネットではあふれいますよね。やっぱりマスゴミなのかなぁ

    ■共犯者
    過去の誤報。
    それが一人の人生を狂わせる。誤報は怖いですよね。

    ■ゼロの影
    報道されない盗撮事件。その裏側にあったものとは?
    これは深い。

    ■Dの微笑
    今度はテレビのやらせ。
    同じ人物がインタビューに答えていることが描かれていますが、これ、実際にS

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    2025年03月08日
  • 雪の香り

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    主人公と同年代、大学時代を過ごした北山〜北大路が舞台。
    共感要素満載なのに、ヒロインがあまりにいけ好かなく、半分くらいまで本当に辛かった。
    後半はペースアップしたが、前半辟易したヒロインのキャラの必要性が、後半明かされる真実とリンクしない。
    特に、ケンカっ早いところとか、目立つやん。
    とにかく、あんな女いやだー!

    でも、北山や北大路の細かい描写は良かった。
    あの頃と変わったところも含め、目に浮かぶ。

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    2025年01月19日
  • 騙し絵の牙

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    大泉洋を当て書きしてるので主人公のイメージがしやすい。所々にちょっと笑わせるやり取りがあったりしておもしろい。ストーリーは丁寧に描かれているが、その分ちょっと退屈。

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    2025年01月07日