塩田武士のレビュー一覧
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まったくの個人的事情から書かせて頂くと、もう10年近く前、労働組合のない会社から組合活動が真っ赤に燃え上がる会社に転職しました。身の回りの単語すべてが不可解で、オルグなんてきっと怪しげな集まりなんだろうと新人ほぼ全員でサボって怒られた、なんて事もありました。
あの頃この本に接していたら、もうちょっと上手く立ち回れたかなあ、と(笑)。労使交渉という取っつきにくい分野に果敢に手を出したエンターテイメント小説です。政治的に何か訴えるわけではなく、一方で活動の時代錯誤感を嗤うわけでもなく、ただひたすら読み物に徹する姿勢はこのジャンルではむしろ稀有と言ってよく、純粋に面白く、ためになりました。
ただ -
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ネタバレ筆者の作品は初めてであったが、人物描写が的確で、関西弁もナチュラル、文章全体のテンポもよく、他の作品も読みたいと思った。株式会社における労働組合と経営側の交渉模様を描いた作品で、実際に労使交渉に関わる仕事をしていた私にとっては、緊張感やスピード感などが非常にリアルでとてもおもしろかった。ただ、労働組合の動きの中で比較的ポピュラーな春闘やストライキではなく、その前段にあたる「交渉」というコアな部分に焦点をあてているので、なじみのない人からすると「???」という部分もあると思う。おそらくそういう人のことを思って描かれたのであろう若干の恋愛模様が、私には余計なものに思えたので★-1とした。
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『盤上のアルファ』に続き、塩田作品二作目。割りと早い段階から引き込まれたから良かった!退屈な時間は短ければ短いほどいい。主人公・矢吹明菜のキャラがとても良い。すぐ手を出し、足を出す暴力女w と、内股の世界的マエストロ・一宮拓斗、ブロッコリー別府、ニュージーランド人キオラなど個性豊かな楽団の職員、演奏者たち。特に主人公と別府の掛け合いは爆笑必須!笑いあり、涙ありで楽しかったなぁ^^ 解説者も書いておりますが、自分が知らない世界を知れるというのはホント楽しいですね。今回は楽団運営のイロハ?を知れたのは良かった。一度クラシックコンサートに行きたい!そう思えた作品でした♪
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会社員だった頃は組合のある企業に勤めたことがなく縁がなかったが、派遣社員として働き始めた会社は組合活動がそこそこ活発で、ある日ストが行われた。
朝から会議室に閉じこもる社員を尻目に、残った部長と派遣社員2人で一日中電話対応の嵐。電話の向こうの取引先に怒鳴られながら、部外者の私はどんどん心が冷え切っていった。新聞社ではないが同業界の会社だったのだが、あの裏側にはこんなにドラマチックでないにせよそれぞれの人間ドラマがあったのかな、と読み終えて少しだけ共感できる自分がいた。
関西人ノリのちょこちょこ差し込まれるツッコミが小気味よくニヤリとさせられ、最後は組合活動という未知の世界ながら登場人物の”志し -
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父の遺品から見つけたカセットテープ。 そこに入っていたのは、31年前の未解決事件で脅迫に使われた自分の声だった。
導入はめちゃくちゃ良かった。 ただ、そこからが長かった。
元になったグリコ・森永事件についてほとんど知識がなかったことも大きいと思う。 俊也と阿久津がそれぞれ事件を追っていく中で、次々と人名や過去の出来事が出てくるものの、「この人誰だっけ」「どこと繋がってたっけ」となることもしばしば。 調べれば調べるほど整理されるというより、しばらくは文字を追っているだけの読書になってしまった。
やがて犯人グループや事件の全体像が見えてきて、「やっとここまで来たか」と思う一方、「そんな理由で -
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ネタバレ別作品の『存在のすべてを』があまりに感動してしまったので、新作は読まねば!と思っており、やっと読むことができた作品。
インターネットに溢れる匿名の誹謗中傷や、承認欲求から他者を貶める行為など、現代の問題を題材にした群像劇。主人公の弁護士が、何も語らない被告人・瀬尾の思いを理解するために関係者たちから話を聞き、事件の真相を追いかけていく物語だ。
あまりにもリアルで、実際に起きた事件をモチーフにしているのかと思うほど現実味があった。事件のきっかけとなった二人の芸能人の背景もかなり事細かに描かれていて、作り込みが素晴らしい。
ただ、説明が少し長すぎるように感じた。判決後のエピローグで瀬尾が自身の思 -
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ネタバレネットの「踊りつかれて」というブログに、宣戦布告として告発文が載せられた。
ネット掲示板やSNSでの匿名性のたかいところでの、批判、中傷、罵詈雑言・・などなどに対して。
天童ショージという芸人が自殺した。
彼は才能ある芸人だった。マイク一つで人を笑わせた。
あるとき不倫をしてしまい、それが糾弾された。ネットではものすごい攻撃があり、週刊誌は毎日家をはり、奥さんと子供にまで危険が及んだ末、自殺してしまった
奥田美月という歌手がいた。
16歳からアイドルとして活動していた。幼い頃バレエで培った体はダンスにも生かされていたし、アイドルらしからぬ歌声は神から与えられた才能だった。
だが、彼女も不 -
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面白かったです。元々映画を見たことがあって、面白かったので原作も読もうと思って買いました。読むまでに随分時間がかかってしまったのですが、そのおかげでうろ覚えの部分が多くて逆に先入観なしで読むことができました!笑
内容も文体も割と硬めな印象でしたが、意外にもするする読めてしまいました。当時を生きていない私でも知ってる事件が元になっているからでしょうか、緊迫感や興奮が直に伝わってくる感覚が面白かったです。私はあまり元の事件の概要を知らなかったのですが、「キツネ目の男」の似顔絵くらいは見たことがあります。彼の存在が都市伝説のようなものではなく生身の人間だということを実感できる描写に、少し恐くもなりま