塩田武士のレビュー一覧

  • ともにがんばりましょう

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    大阪の中堅(?)新聞社、上方新聞の記者である武井は、ある日曜にボーッとしていたところを、上司の寺内に捕まる。そこで突然、組合の教宣部長を任命されるが、そもそも組合とは何をするものなのか…。

    塩田武士を読んでみたいと思って買ったものの、相変わらず何も考えずにあらすじも読まずに手にとったので、「あれ?応援団とちゃうんかい?」というのが最初の印象である。よく見たら「団交」と書いてあったな。

    書き始めは、若干「雑」であるため、「七分丈がまだ立っていた」と服装で人物を描写するなど、誰のことやねん?という書き方が引っかかる。

    それも、組合の12人の同士と会うまでの話。そこからは全キャラクターが例外なく濃く、忘れようにも忘れられないからたちが悪い(?)。いやほんと、主人公の武井がむしろキャラが立っておらず、準主役とも言える寺内と源さんが出てくると、ホッとする。

    さて、内容の方は、新聞社の仕事は完全に横に置かれたまま、「一時金の金額」「深夜帯の手当カット」「セクハラ対策」という組合の仕事の話だけが進む。いくらなんでも新聞社なので、記者としての仕事もしていると思うのだが、一般的に組合の人って仕事せんのかな?

    半分をすぎると、ひたすら団交(団体交渉)がメインステージとなるため、若干つまらないかなあ。☆マイナス1。

    しかし、これまでほとんど目にすることのなかった組合の世界に着目したことと、黒川博行ばりの関西弁、面白くないわけがない。

    最後に、どう考えてもそういうオチが来るよなあ、この「戦いの後に」で溜めて溜めて落とす方向はそっちやろなあと思ってたら、案の定。これ以外のオチはありえない。

    また、解説を同級生の弟が書いてたのでちょっと甘めの採点かも。

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    2019年05月27日
  • 女神のタクト

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    関西弁全開の作品を読むといつも、関西人以外の感想が気になります。内容以前に関西弁がひっかかって読みづらくはないのだろうかと心配に。生粋の関西人としては、こりゃもうたまらん。稀にある、読むに耐えない関西弁ではなく、正しい関西弁。

    『拳に聞け!』で魂を射抜かれ、過去の作品に遡り。パンチパーマのオッサンを漆黒のブロッコリーに例えるセンスにもう脱帽(笑)。自信を失ったマエストロが破天荒な女に引きずられてステージに戻る。

    前半はさんざん笑わされ、『天城越え』で涙腺ゆるみ、オーケストラの演奏を文字で読んで完全に涙。好き。

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    2019年05月12日
  • 盤上のアルファ

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    NHKプレミアム(BS)連続ドラマの原作。配役は、記者秋葉が玉木宏、棋士真田が上地雄輔。原作では、秋葉はもう少し硬派で、真田はもう少しふてぶてしい。原作の場所は神戸。神戸市民としては身近な地名が出てきてとても楽しい。ドラマには登場しなかった女流棋士の加織や真田の棋士仲間たち(犬を含む)との絡みがお気に入り。続編が読みたい!

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    2026年01月12日
  • 雪の香り

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    『崩壊』に続き、塩田作品四作目。過去と現在、それぞれの変化、京都の町並みや季節の移ろい。と謎の女・雪乃の変化の対比が良かったです。彼女の過去を知ったとき——さぞ大変だったろうな、と。最後はああなってしまったけど、それで逆に解放されたのかなと思うとジーンときました…。えらい遠回りした感もありますが、エピローグはとても良かったですね^^ 二人の今後の幸せを願いたい!最後に一番好きな場面の紹介を——[p99〜p112]。

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    2019年05月07日
  • ともにがんばりましょう

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    まったくの個人的事情から書かせて頂くと、もう10年近く前、労働組合のない会社から組合活動が真っ赤に燃え上がる会社に転職しました。身の回りの単語すべてが不可解で、オルグなんてきっと怪しげな集まりなんだろうと新人ほぼ全員でサボって怒られた、なんて事もありました。

    あの頃この本に接していたら、もうちょっと上手く立ち回れたかなあ、と(笑)。労使交渉という取っつきにくい分野に果敢に手を出したエンターテイメント小説です。政治的に何か訴えるわけではなく、一方で活動の時代錯誤感を嗤うわけでもなく、ただひたすら読み物に徹する姿勢はこのジャンルではむしろ稀有と言ってよく、純粋に面白く、ためになりました。

    ただ、舞台設定の秀逸さとは裏腹に、人物設定はちょっと甘いのかなあと。主人公は自己主張ができないダメ男と言うよりは、冷静な観察眼を持つ切れ者という要素が目立ちましたし、セクハラ広告のオチはちょいと酷いかと。楽しいんだけど、もうひと押し踏み込みたかった。惜しいなあ、という印象です。

    ちなみに、身の回りの単語は今でも半分くらい分かっていません。役員、回ってこないといいなあ…。

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    2018年11月02日
  • 崩壊

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    『女神の〜』に続き、塩田作品三作目。バブル時代を題材にした刑事モノ。素直に面白かった!優子の本宮に対する態度の変化が個人的には良かった。初めはブスーっとしてたのに、後半なんて仲良くお酒を呑む仲までなって—— 。輝の犯行動機については最後に手紙が提示されたが、個人的には「?」でしたね。何故この時に殺したのかはよく分からないな、と。次作は『氷の仮面』か『雪の香り』あたりを読みたい^^

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    2018年07月28日
  • ともにがんばりましょう

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    ネタバレ

    筆者の作品は初めてであったが、人物描写が的確で、関西弁もナチュラル、文章全体のテンポもよく、他の作品も読みたいと思った。株式会社における労働組合と経営側の交渉模様を描いた作品で、実際に労使交渉に関わる仕事をしていた私にとっては、緊張感やスピード感などが非常にリアルでとてもおもしろかった。ただ、労働組合の動きの中で比較的ポピュラーな春闘やストライキではなく、その前段にあたる「交渉」というコアな部分に焦点をあてているので、なじみのない人からすると「???」という部分もあると思う。おそらくそういう人のことを思って描かれたのであろう若干の恋愛模様が、私には余計なものに思えたので★-1とした。

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    2018年03月30日
  • 女神のタクト

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    『盤上のアルファ』に続き、塩田作品二作目。割りと早い段階から引き込まれたから良かった!退屈な時間は短ければ短いほどいい。主人公・矢吹明菜のキャラがとても良い。すぐ手を出し、足を出す暴力女w と、内股の世界的マエストロ・一宮拓斗、ブロッコリー別府、ニュージーランド人キオラなど個性豊かな楽団の職員、演奏者たち。特に主人公と別府の掛け合いは爆笑必須!笑いあり、涙ありで楽しかったなぁ^^ 解説者も書いておりますが、自分が知らない世界を知れるというのはホント楽しいですね。今回は楽団運営のイロハ?を知れたのは良かった。一度クラシックコンサートに行きたい!そう思えた作品でした♪

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    2017年10月07日
  • ともにがんばりましょう

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    前半が軽くて笑っちゃう場面多いのに後半は重くなる(よい意味で)本でした。初めてのパターンだったな。これは。面白くてかつ心に響く本であった!!

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    2017年10月02日
  • 雪の香り

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    京都の事物を背景に、ポンポンといきかう関西コトバにあふれる、若さの軽み。こんなカノジョがいたらどうヨ、という妄想にも寄り添う。テーマ全体は「青い」という印象。

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    2018年10月14日
  • ともにがんばりましょう

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    会社員だった頃は組合のある企業に勤めたことがなく縁がなかったが、派遣社員として働き始めた会社は組合活動がそこそこ活発で、ある日ストが行われた。
    朝から会議室に閉じこもる社員を尻目に、残った部長と派遣社員2人で一日中電話対応の嵐。電話の向こうの取引先に怒鳴られながら、部外者の私はどんどん心が冷え切っていった。新聞社ではないが同業界の会社だったのだが、あの裏側にはこんなにドラマチックでないにせよそれぞれの人間ドラマがあったのかな、と読み終えて少しだけ共感できる自分がいた。
    関西人ノリのちょこちょこ差し込まれるツッコミが小気味よくニヤリとさせられ、最後は組合活動という未知の世界ながら登場人物の”志し”にグッときて胸が熱く込み上げてきた。
    爽やかな読後感に溢れる一冊。

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    2017年04月01日
  • ともにがんばりましょう

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    デフォルメ、カリカチュアライズは一部にあるが、全体的にはリアルで生真面目な「お仕事小説」。ただ、題材はふつーの仕事ではなく(いや、仕事というわけでもなく)組合役員としての組織活動、団交などを取り上げている。塩田の神戸新聞勤務での経験に取材とのこと。

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    2018年10月14日
  • 踊りつかれて

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    SNSの使い方、匿名だからといって何もかも許されるわけではない。必ず受け取る側がいることを考える。
    人と人とのリアルなつながりが素敵。

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    2026年10月09日
  • 踊りつかれて

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    ネット上の誹謗中傷により才能のある一人の芸人が自死した。誹謗中傷した人たちの個人情報を晒すことで復讐をした男を弁護する女性弁護士の話。

    ネット上の匿名の過激な中傷に一石を投じる物語かと思ったか、復讐した人物の過去を巡る物語だった。
    話は面白いけど、少し主題がボケてる感じは否めない。そして長い…。

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    2026年10月06日
  • 氷の仮面

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    表題と内容がマッチしてるかちょっとモヤモヤ
    途中で本命ではない同級生と付き合うところも必要だったのかな?本命の真壁くんとの関係性もさほど踏み込んだものじゃなかく、逆に父親の深い愛情の方にジワッと感動しました
    あとはその父親とのチーコママのとことかちょっと絡まりすぎなのも気に掛かったんで僭越ですが3です

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    2026年10月03日
  • 踊りつかれて

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    冒頭は少しとっつきにくい感じがしたが、本編に入ると動き出す展開に飲み込まれていった。

    まさに現代の問題を描き出した風刺画のような作品だった。

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    2026年10月01日
  • 踊りつかれて

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    ネットでの誹謗中傷をテーマにした作品。冒頭の罵詈雑言でいきなり心が折られそうになるが、展開としては文句なしに面白く、引き込まれた。だが、途中から登場人物の細かな心情や動機などがつらつらと長く書き連ねられていて、中弛み気味になるのが残念。そしてラスト。感動するべきなのだろうが、正直安易すぎると感じ、自分には響かなかった。テーマ自体は大いに考えさせられるので、ネット社会に生きる人々、特に若い世代に読んでほしい作品。

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    2026年10月01日
  • 存在のすべてを

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    Audible
    登場人物が多いのと長編なのとで途中挫折しかけたけど、
    最後まで聴いてよかった。
    もう一度聴くか本読みたい。

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    2026年09月30日
  • 罪の声

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    ネタバレ

    事件において、被害者であり加害者の関係者でもある立場の苦しみや葛藤がテーマだった。実際の事件に基づいた作品ということで衝撃の展開!とかはなく、事件の全容は割とあっさり開示されていった。阿久津が下衆記者ではなく、真摯に事件の総括を求めていくのが良かった。

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    2026年09月27日
  • 起点

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    短編集.短編3編とタイトルの短い物.
    人情が見え隠れする「小さい上司」,ミステリータッチの「鈍い火」,一途な思いにほろりとする「仮縫い」それぞれ味わい深い.

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    2026年09月19日