塩田武士のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
冒頭からすごく怨みのこもった言葉が数ページに渡って続くのでどんな物語なのかと、どきどきしながら読み始めた。
そしてこんなに辛く重い物語だったのかと気持ちが沈んだ。
芸人と売れっ子歌手との繋がりもまさかの展開で、真実が解き明かされる度にやるせない気持ちになった。
昨今の生活では、ネットが急速に普及し、SNSも目まぐるしい勢いで動き続けている。
そしてひとたびその標的になると、人として生きることさえ否定され、晒され、この先一生笑って暮らしてはいけないと言いたいのかと言うほどの誹謗中傷を浴びる。
この作品はネット社会を生きている全ての人が読んで、何かしらを感じ取って欲しいと思わされる作品だった -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作品、掴みの宣戦布告が強烈すぎた。
ブログの文章と、そして晒される加害者の生活。
この書き出しというか冒頭部分は近年読んだ作品でもトップクラスかも。
ただここをあまり掘り下げすぎず、その後は犯人瀬尾の弁護士を通して、奥田と天童というメディアに狂わされた2人の人生を追う。
SNSの誹謗中傷をテーマにした作品とは一線を画すような物語構成だった。
でもなんというか、掴みの期待値が高くスリリングな展開を望んでいただけに拍子抜けした感じもするし、天童の不倫の背景もそこまで語られず。
奥田の過去は壮絶だったが、こうフィクション感が強まってしまうというか、メディアを取り巻く環境とかのリアリティが高いだ -
Posted by ブクログ
SNSや週刊誌で芸能人である奥田美月と天童ショージを真実とはかけはなれたところで侮辱した83人の個人情報を晒した「枯葉」。前半は晒された者数名の犯した罪と本人の心情、晒されてどうなったかなどが書かれていて恐ろしい。しかし、それは割りと直ぐに終わり、話はなぜ、枯葉(音楽プロデューサーの瀬尾政夫)がそのようなことをするに至ったかを弁護人に指名された久代奏が丁寧に関係者を追いかけていくヒューマンドラマになります。
実はいろんな所で関係者達は繋がっていて、最後のシーンは冒頭には予想もしない、涙腺に来る感じです。
世間の評価の高いこの本をかなりの期待値で手に取ったのですが、いまいち私には刺さらず。多分、 -
Posted by ブクログ
オーディブルで。インターネット上に「宣戦布告」と題して、SNSでの誹謗中傷、週刊誌の無責任な記事を糾弾する文章が上がり、悪辣な書き込みをしていた人たち83人の、名前などの個人情報が晒される。その爆弾を落としたのは、80年代に活躍した女性歌手と、2010年代に脚光を浴びたお笑い芸人の二人が、その手の根拠のない誹謗中傷によって、表舞台から葬り去られたことに怒りを抱く音楽プロデューサー。目には目を的な報復であり、今度は83人の人間たちから、人生が壊されたとして訴えられ、加害者として裁判の舞台に立つ。その弁護人によって、プロデューサーと、その二人との関係が明かされていく。
SNSの誹謗中傷に絞った方 -
Posted by ブクログ
明日は久しぶりに親友と飲み会。
今の職場で業務委託スタッフで働いていた彼女と業務で知り合った。知り合って1週間で飲みの約束をした仲である。
お互いソウルメイトだねと言っている。
彼女が職場を辞めたのは随分前だが、ずっと付き合いは続いている。
定期的に年に2.3度は会うかな。
明日は私の誕生会との事。楽しみだぁ。
……さて、小説の話に。
SNSでの誹謗中傷が原因で自殺した人気芸人・天童ショージ。
そして、スキャンダルによって芸能界から姿を消した伝説の歌姫・奥田美月。
彼らの死と失踪から1年後、あるブログに「宣戦布告」と題された投稿が現れる。そこには、天童や美月を中傷した人々の個人情報が次々 -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中までは先が気になって面白く読めたけど、動機がイマイチ理解できず。
以外、かなりのネタバレです。
私の小さな脳みそで考えた動機は以下のとおり。
【家族が崩壊した原因が、同級生の父である議員に父親の贈収賄疑惑を相談したことであることを知られたくなかったから】
上記のような動機なら、手紙や自伝の原稿を盗んだことは納得できる(最後に出てきた手紙をどこから盗んできたのかは謎)。
ただ、父親をバックアップしていた不動産屋の息子を脅迫した理由がわからなくなる。脅迫する理由なくないか?
殺害した議員の娘(中学の同級生)が自殺を図った理由も謎。警察が被疑者の父親が逮捕された時の写真見せただけで自 -
Posted by ブクログ
第14回本屋大賞第3位
第7回山田風太郎賞
第40回週刊文春ミステリーベスト10第1位
登場人物やエピソードが多いのでaudibleに向かなかった。話が頭に入ってこなくて何度も戻って結局メモして整理できたので、なんだか物語を追って終わって疲れた。
物語はグリコ森永事件をベースにしたフィクションで、実際の事件を調べたらかなり小説が忠実に時系列を追っているのだとわかって驚いた。
エピソードが細かくてもっと少なくていいように思っていたけど、だからこのボリュームになったのかと納得。
事件記者の阿久津が、次第に被害者や事件によって人生を狂わされた人々の気持ちに寄り添っていくところが良かった。 -
Posted by ブクログ
塩田武士『崩壊』PHP文芸文庫。
単純極まりない殺人事件を描いた警察小説。
どうにも殺人事件の本筋とは遠い所でストーリーが展開していくばかりで、余り面白くなかった。
そもそも関西弁を操れる登場人物が描かれる小説が苦手というのも要因かも知れない。また、主人公の刑事も含め、殆どの登場人物の家庭が崩壊していたり、大きな失敗をした苦い経験に苦しんでいるという嫌な設定にも拒否反応が出ているのかも知れない。
関西のとある地方都市で、贈収賄で財を成したと噂される市議会議長の嶋田洋輔が自宅のガレージで殺害される。所轄のベテラン刑事である本宮宣親は県警捜査一課の刑事の平原優子とともに容疑者の手掛かりを