塩田武士のレビュー一覧

  • 踊りつかれて

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    冒頭からすごく怨みのこもった言葉が数ページに渡って続くのでどんな物語なのかと、どきどきしながら読み始めた。
    そしてこんなに辛く重い物語だったのかと気持ちが沈んだ。

    芸人と売れっ子歌手との繋がりもまさかの展開で、真実が解き明かされる度にやるせない気持ちになった。

    昨今の生活では、ネットが急速に普及し、SNSも目まぐるしい勢いで動き続けている。
    そしてひとたびその標的になると、人として生きることさえ否定され、晒され、この先一生笑って暮らしてはいけないと言いたいのかと言うほどの誹謗中傷を浴びる。

    この作品はネット社会を生きている全ての人が読んで、何かしらを感じ取って欲しいと思わされる作品だった

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    2025年12月07日
  • 崩壊

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    ネタバレ

    塩田武士作品は今の社会現象や社会問題を小説という形で問いかけてくれるところが好きです。
    たった一度の過ちが全てを失う。まさにタイトル「崩壊」。
    しかしながら、市議会の議長を殺した容疑者の動機がラストの手紙を読んでも私にはよくわかりませんでした。

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    2025年12月07日
  • 踊りつかれて

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    現代社会の問題をテーマとしており読み応えがあった。でもなんだな尻つぼみに終わった印象。お笑い芸人という人種を性格に描けていないように感じた。

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    2025年12月05日
  • 踊りつかれて

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    ネタバレ

    この作品、掴みの宣戦布告が強烈すぎた。
    ブログの文章と、そして晒される加害者の生活。
    この書き出しというか冒頭部分は近年読んだ作品でもトップクラスかも。
    ただここをあまり掘り下げすぎず、その後は犯人瀬尾の弁護士を通して、奥田と天童というメディアに狂わされた2人の人生を追う。
    SNSの誹謗中傷をテーマにした作品とは一線を画すような物語構成だった。

    でもなんというか、掴みの期待値が高くスリリングな展開を望んでいただけに拍子抜けした感じもするし、天童の不倫の背景もそこまで語られず。
    奥田の過去は壮絶だったが、こうフィクション感が強まってしまうというか、メディアを取り巻く環境とかのリアリティが高いだ

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    2025年11月29日
  • 踊りつかれて

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    SNSによる書き込みバッシングの問題提起と
    コンプライアンスなき取材や仕事のあり方を
    対比させながら、大団円へと向かっていく。

    関係者の数珠繋ぎや
    きれいすぎる話しの流れなど
    少し作り込みすぎるきらいはあるが
    問題提起の答えを読者に委ねるところは
    得るところの多い作品となっている。

    今度はどんな取材に基づいて
    本を発表したのかなと
    いつも気になる作家である。

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    2025年11月27日
  • 騙し絵の牙

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    帯の「本に携わるすべての人に読んで欲しい」に「そうそう!」と声をあげたくなる。

    作家、編集者、版元、版元内部の騙し合いと戦い、そして書店や読者。
    本を作ったり、触れたり、読んだりできることの幸せを噛み締められる一冊。

    タイトルが内容となかなか繋がらなかったけれど、ありがとう、ガッツリ納得。

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    2025年11月24日
  • 踊りつかれて

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    SNSや週刊誌で芸能人である奥田美月と天童ショージを真実とはかけはなれたところで侮辱した83人の個人情報を晒した「枯葉」。前半は晒された者数名の犯した罪と本人の心情、晒されてどうなったかなどが書かれていて恐ろしい。しかし、それは割りと直ぐに終わり、話はなぜ、枯葉(音楽プロデューサーの瀬尾政夫)がそのようなことをするに至ったかを弁護人に指名された久代奏が丁寧に関係者を追いかけていくヒューマンドラマになります。
    実はいろんな所で関係者達は繋がっていて、最後のシーンは冒頭には予想もしない、涙腺に来る感じです。
    世間の評価の高いこの本をかなりの期待値で手に取ったのですが、いまいち私には刺さらず。多分、

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    2025年11月23日
  • 存在のすべてを

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    序盤の展開から引き込まれるのは確かなのだが。
    「空白の3年間」の謎が後半の随分と後ろのほうに唐突に明かされる。それまでの道のりが長い。

    野本夫妻は、ああするしかなかったのか
    もっと他の方法はなかったのか
    そして貴彦の行方は
    モヤモヤとした読後感だった。

    美術界というのはあんなものなのか
    真実かどうか定かではないが、大体の想像はできる。

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    2025年11月22日
  • 踊りつかれて

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    3.5くらい
    難しいテーマをすっごく深掘りしてる
    ように思いました。
    つい最近N党の党首が逮捕されたこともあり、身近に感じられました。

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    2025年11月16日
  • 罪の声

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    私には少し難度高めだった
    グリコ森永事件を題材にしたフィクションなので少し堅く重めなストーリー
    エンタメ性よりドキュメンタリー性が高い作品

    もしかしたら加害者家族や親族にも巻き込まれ散り散りになるような悲惨な人生があったかもしれない、犯人個人の思想や復讐に巻き込まれた家族まで人生をめちゃくちゃにされるほどの罪が果たしてあるのだろうかと思わせる作品でもあり面白かった
    事件が未解決で裁かれないからこそ周りも一生許されない交われないような辛さがあるのかも

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    2025年11月16日
  • 踊りつかれて

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    オーディブルで。インターネット上に「宣戦布告」と題して、SNSでの誹謗中傷、週刊誌の無責任な記事を糾弾する文章が上がり、悪辣な書き込みをしていた人たち83人の、名前などの個人情報が晒される。その爆弾を落としたのは、80年代に活躍した女性歌手と、2010年代に脚光を浴びたお笑い芸人の二人が、その手の根拠のない誹謗中傷によって、表舞台から葬り去られたことに怒りを抱く音楽プロデューサー。目には目を的な報復であり、今度は83人の人間たちから、人生が壊されたとして訴えられ、加害者として裁判の舞台に立つ。その弁護人によって、プロデューサーと、その二人との関係が明かされていく。

    SNSの誹謗中傷に絞った方

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    2025年11月15日
  • 踊りつかれて

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    明日は久しぶりに親友と飲み会。
    今の職場で業務委託スタッフで働いていた彼女と業務で知り合った。知り合って1週間で飲みの約束をした仲である。
    お互いソウルメイトだねと言っている。
    彼女が職場を辞めたのは随分前だが、ずっと付き合いは続いている。
    定期的に年に2.3度は会うかな。
    明日は私の誕生会との事。楽しみだぁ。

    ……さて、小説の話に。

    SNSでの誹謗中傷が原因で自殺した人気芸人・天童ショージ。
    そして、スキャンダルによって芸能界から姿を消した伝説の歌姫・奥田美月。

    彼らの死と失踪から1年後、あるブログに「宣戦布告」と題された投稿が現れる。そこには、天童や美月を中傷した人々の個人情報が次々

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    2025年11月13日
  • 崩壊

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    ネタバレ

    途中までは先が気になって面白く読めたけど、動機がイマイチ理解できず。

    以外、かなりのネタバレです。



    私の小さな脳みそで考えた動機は以下のとおり。
    【家族が崩壊した原因が、同級生の父である議員に父親の贈収賄疑惑を相談したことであることを知られたくなかったから】

    上記のような動機なら、手紙や自伝の原稿を盗んだことは納得できる(最後に出てきた手紙をどこから盗んできたのかは謎)。

    ただ、父親をバックアップしていた不動産屋の息子を脅迫した理由がわからなくなる。脅迫する理由なくないか?
    殺害した議員の娘(中学の同級生)が自殺を図った理由も謎。警察が被疑者の父親が逮捕された時の写真見せただけで自

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    2025年11月11日
  • 罪の声

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    第14回本屋大賞第3位
    第7回山田風太郎賞
    第40回週刊文春ミステリーベスト10第1位

    登場人物やエピソードが多いのでaudibleに向かなかった。話が頭に入ってこなくて何度も戻って結局メモして整理できたので、なんだか物語を追って終わって疲れた。
    物語はグリコ森永事件をベースにしたフィクションで、実際の事件を調べたらかなり小説が忠実に時系列を追っているのだとわかって驚いた。
    エピソードが細かくてもっと少なくていいように思っていたけど、だからこのボリュームになったのかと納得。
    事件記者の阿久津が、次第に被害者や事件によって人生を狂わされた人々の気持ちに寄り添っていくところが良かった。

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    2025年11月05日
  • 朱色の化身

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    序章として昭和31年福井県芦原大火から始まる。
    大火の描写は作者が実際に取材し、得た情報のままであるらしい。

    時を経て令和の世、失踪した謎の多い女性を記者である男性が時代を遡りながら探ってゆく。

    取材の返答の話し言葉中心で展開され、読みやすいが、登場人物と証言や調査で明らかにされることが各々で生み出されるため、混乱しそうになるが、全てが点であり、線となって昭和の芦原にたどりつくという緻密な作品の作りに息を呑んだ。

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    2025年10月29日
  • 崩壊

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    塩田武士『崩壊』PHP文芸文庫。

    単純極まりない殺人事件を描いた警察小説。

    どうにも殺人事件の本筋とは遠い所でストーリーが展開していくばかりで、余り面白くなかった。

    そもそも関西弁を操れる登場人物が描かれる小説が苦手というのも要因かも知れない。また、主人公の刑事も含め、殆どの登場人物の家庭が崩壊していたり、大きな失敗をした苦い経験に苦しんでいるという嫌な設定にも拒否反応が出ているのかも知れない。


    関西のとある地方都市で、贈収賄で財を成したと噂される市議会議長の嶋田洋輔が自宅のガレージで殺害される。所轄のベテラン刑事である本宮宣親は県警捜査一課の刑事の平原優子とともに容疑者の手掛かりを

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    2025年10月24日
  • 罪の声

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    途中、登場人物が多くてあたまがごちゃごちゃしてきたけれど、後半でスルスルまとまってきて、面白かった。後味も、あたたかいものが残る終わり方。

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    2025年10月20日
  • 盤上のアルファ

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    将棋を知らない人でも挫折を乗り越えようとする
    再チャレンジするそんなストーリーは展開も早く面白い
    一方で秋葉という記者
    真田はどのように奨励会や師匠の千田と出会ったのか?
    そして‥
    と思ったら、続編がある事を知り安堵!「盤上に散る」

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    2025年10月15日
  • 歪んだ波紋

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    短編集かと思ったら連作で、それも微妙に絡み合って、とてもややこしかった。で、結局何だったのかがよく理解できないまま終わった。私の理解力の問題でしょうが・・・

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    2025年10月12日
  • 罪の声

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    久しぶりに大きな世界観の犯罪小説を読んだ。登場人物も多く、話の展開も上下左右に大きく舵がきられて、輪郭も理解できないまま、とにかく読み進めた。実際の脅迫事件にヒントを得たというこの小説。脅迫電話の声の主と、新聞記者が、別々に事件を追っていき、やがてお互いが交わり、事件の真相に辿り着く物語だ。事件関係者のその後を追い、ほとんどの人たちが非業の死を遂げたり、不幸な人生を歩んでいる。過去を未来へと繋げる希望を手繰り寄せようとする二人の執念は感動的だった。

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    2025年10月12日