塩田武士のレビュー一覧
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SNSの闇と影響について問う作品。小説でも映像作品でも最近よく見るテーマではあるが、現実社会においても本当に難題で、解決にはまだまだ時間がかかるのだと再認識させられた。冒頭部分は恐怖さえ感じられ、読み進めるのがちょっと辛かった。
主人公の女性弁護士が刑事事件の弁護人に指名される。被疑者の瀬尾さんは、お笑い芸人の天童ショージが不倫スキャンダルでSNS炎上したあと自殺したのを受け、彼に関する悪質な中傷を書き込んだ83人の個人情報を公開した。
もちろん、この83人は相当な社会的制裁を受けた。
ほんの出来心のつぶやき、ストレスの捌け口
。投稿のボタンを押す前に、もう一度考え直すことはできなかったの -
Posted by ブクログ
未解決のまま時効を迎えた二児同時誘拐事件の真実を追う物語で、なかなか面白い作品だった。ただ長編なので、前半は登場人物も多く、メモを取りながら頭を整理して読み進める必要があった。
「一体誰がやったのか」「何が起きていたのか」と想像しながら、自分も少しずつ真実に近づいていけるような読書体験はとても魅力的。
時効を迎えてしまった刑事たちの無念さ、当時の記者、被害者の母親、被害者の同級生など、多くの人々の状況や心理が細かく描かれている。早く真実を知りたい気持ちから、ついすっ飛ばし気味に読んでしまったが、長編ドラマを観ているように物語に深く入り込んでいった。
後半では鼻の奥がツンとするような切ない -
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ネタバレ真相が明らかになっていく面白さと、夫婦と子の関係性が印象に残った。
姿を消した貴彦を思うと心苦しい。そうすることでしか家族を守れなかった。
立花敦之が後々犯罪に加担していたことも示唆されていたけど、彼に何があったのかも気になる。
「存在」をそのものとして確かに捉える、謙虚さが写実の絵についても、普段の生活で物事を見る時も大切というメッセージと受け取った。
436「これから世の中がもっと便利になって、楽ちんになる。そうすると、わざわざ行ったり触ったりしなくても、何でも自分の思い通りになると勘違いする人が増えると思うんだ。だからこそ『存在』が大事なんだ。世界から『存在』が失われていくとき、必ず -
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ネタバレ小山内甫
関西人。大手出版社「薫風社」の営業。
二階堂大作
デビュー40周年の作家。「将軍」のコードネームで呼ばれる。
坂上実
海外での知名度も高い大物漫画家。
三島雄二
担当する大物漫画家五人に声を掛けエージェント業を立ち上げた。出版社からの執筆依頼を仲介したり、原稿料や印税の配分について出版社と交渉したりする代理人ときて、業界の荒波を泳いでいる。
速水輝也
大手出版社「薫風社」。月刊誌「トリニティ」の編集長。出版社に入る前、三年だけ全国紙の新聞記者をしていた。
戸塚健介
薫風社の広報局。
柴崎真二
トリニティの副編集長。
篠田充
編集部。見合い結婚した妻との間に一人娘が生まれ -
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戦後最大の未解決事件『グリコ森永事件』を題材にしたフィクション。
正直、私にはほとんどこの事件は記憶はないし、詳細もよくわからなかった。
昭和を振り返る番組で目にしたくらい。
本書では、事件の内容や流れなど極力史実通りに再現され、その中で子どもがかかわったことからその子どもに重きを置いたお話になっている。
事件に子どもが関わっていたことも驚くが、その子どもにスポットをあてたところが、なかなかおもしろかった。
ただ、中盤まではなかなか進まず…
終盤からはようやくテンポ良く読み進めた。
記者の阿久津も、事件に関わってきた曽根俊也もなかなか魅力的な人物でよかった。
★3.5 -
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題名の「アルファ」とは、狼の群れのボスを指すことだったとは。
第1章は、文化部に左遷された新聞記者秋葉隼介が、不本意ながら将棋のタイトル戦の取材に行くまで。
第2章は、不遜な将棋棋士真田信繁の生い立ちなどが綴られる。母親に逃げられ停職のない父親は借金取りに追われるという悲惨な生活の中で、終生の師ともいえる大門に出会い、ますます将棋にのめり込む。
そんな将棋漬けの信繁が中学の時に恋をしたとの唐突な描写があり違和感を覚えるが、終盤になってこのことが見事に回収されており、納得感が。
前半は、重苦しい展開で読み進むのに躊躇するが、後半は信繁がプロへの編入試験を目指す展開となり、一気に読むペースが上がる