塩田武士のレビュー一覧

  • 崩壊
    好きな作家塩田さんの本。
    新聞記者出身ということもあり、
    年代ごとの社会描写が上手く描かれている。
    バブル期を生きた人々の感情、背景など
    当時はそんなん人ばっかりやったんやろなぁと思う。

    ストーリーに関しては、
    あまりすっきりする解釈ができず、
    不完全燃焼な感じ。
  • 歪んだ波紋
    塩田さんの作品はどれも好きではありますが、どハマリしたボクシングの話や、将棋だったりオーケストラだったりの話と比べると、いかにも新聞記者らしい『罪の声』や本作はかなり硬質。読みやすさの点から見るとサクサクすいすいというわけには行きません。

    しかしじっくり読めば、世の中にはこんなにも「創られた」記事...続きを読む
  • 氷の仮面
    同期から貸してもらった。性同一性障害の男の子が命を賭けて女の子として生きていくお話。いじめの話や家族と恋人にカミングアウトする話が辛過ぎて途中読むのやめたくなった。エピローグ読んでからプロローグを読み直すと全てが繋がる。エピローグで泣かされた。周りの数人の友達(特に真壁くん)が理解があってすごく救い...続きを読む
  • 盤上に散る
    続き物なので読みました。前作ほど将棋色はなく、盛り上がりに欠けました。人探しなので。
    前作ともども、不幸な境遇の書き方がきっとりあるなんでしょうね、元記者だけに。なかなか自分の周りにはいない方々なので、読んでいるだけでも辛くなります。
  • デルタの羊
    4分の3位読み進めて、やっとアニメを作り始める〜。諸々あってここまでが長かったよ!
    作るまでではなく、作っている過程をもう少し掘り下げて欲しかったかなぁ。
    読後感は爽快。
  • 氷の仮面
    真鍋くんがかっこいいぃぃ

    ただ少し
    友達がLGBTに対して
    理解が早過ぎるところが
    リアリティないなっと思ったり

    逆に三田の描写が妙にリアルだったり

    ちょっとなぁっていうところも…

    でもエピローグが最高すぎて…
  • デルタの羊
    敗走と助走は、ときどき見分けがつかなくなります。

    僕らは芸術家じゃない。もちろん、視聴者の半歩先にいる必要はある。
    でも、頑張っても一歩先までだよ。二歩先になると作り手のエゴになる。


    構成が最初どうなるかって感じでやや不思議やったけど、作中作な中の半作中作みたいな入れ子構造やったな!
    まあまあ...続きを読む
  • 歪んだ波紋
    ジャーナリズムの誤報や虚報を扱った連作短編集。
    事実とは何かと、事実のあり方を問いかける小説。
    現代のネット社会では、情報が錯綜し、さらに混迷に拍車をかけている。
    マスコミに対しての重い言葉。
    「報じないこともまた、誤報」
  • 歪んだ波紋
    「ニュース」という名の悪意に翻弄される記者たち。「誤報」を通じて現代社会の虚と実に迫る、著者会心の報道小説。
    「事実が真実とは限らない」という。「事実」は嘘偽りのない本当に起こった事柄、「真実」はその事柄に解釈が加えられる。新聞記事にも当然、新聞社の方針や記者個人の思想が介入していることを知っておか...続きを読む
  • 歪んだ波紋
    マスメディアによる<誤報>が題材の連作短編集。著者の【先輩】でもある横山秀夫さんを意識し過ぎたのか、些からしくない作風に思えるものの、旧態依然とした新聞社に視聴率至上主義のテレビ局、PV稼ぎに躍起となるネットメディアなど、マスメディア全方位への警鐘を声高に鳴らす作品である。所謂民間企業になぜ情報を管...続きを読む
  • 歪んだ波紋
    読み始めてから連作短編集だと気付いたけれど、五篇とも虚報や誤報がテーマで、現実にもあり得そうな話だし、結末が気になって一気に読みました。
    著者の塩田さんの元新聞記者という経歴もあって、余計リアルに感じたのかも。

    最後の「歪んだ波紋」は、ウェブメディアの編集長があんな簡単に言葉だけで信用しちゃうもの...続きを読む
  • 盤上のアルファ

    作者のデビュー作

    「罪の声」にとても感銘を受けたので、この作者のデビュー作である「盤上のアルファ」を読んでみた。はっきり言って「罪の声」よりはかなり落ちる作品だと感じた。序盤の一章が本筋とはあまり関わりがないのに妙に力が入ってるし、何よりも他の作者の将棋を扱った作品と比べて対戦場面の記述に迫力がない。題名も内容を象徴...続きを読む
  • 雪の香り
    最近ハマり気味の塩田作品。
    今回は恋愛ミステリー風。
    面白かったですが、ちょっとぶっ飛び感が・・・。

    塩田作品制覇したいと思っています。
  • 罪の声

    社会批判する者の極端な論理が

    主犯格の一人は、動機を「自分が社会に希望が持てなくても、誰か社会に希望を持つ者(今いる社会が、絶対的の基盤だと信じる人々)に空疎な社会を見せることができる。」と語る。インタビューをした記者は、強い憤りを感じた。「金が欲しいわけでもなく、権力や資本主義に一矢を報いるためでもなく。ただ、砂上の楼閣を建て...続きを読む
  • デルタの羊
    99出版、新聞以外の分野にも造詣が深い。オタクやったんですね。そろそろ阪神淡路のことも小説として書けるかな。楽しみにしております♪
  • デルタの羊
    アニメ業界を舞台にしたお仕事小説。
    前半の急な場面展開による凝った構成と、アニメ業界の現状を伝える詳細な描写にやや取っつきづらさを感じてしまいました。後半、物語が動き出してからはとても面白かった。
  • 氷の仮面
    今でこそLGBT問題は人の口にのぼるが、肉体と精神の性別の違いに苦しむ人は、遥か昔からいたに違いない。こういう話を読むと、全ての人が自分らしく生きられるべきだと思うが、差別を無くすのは容易ではないと思う。主人公の受けた壮絶ないじめや、身内の数少ない支持、飛び込んだ世界での努力など、小説なので極端に描...続きを読む
  • デルタの羊
    アニメ業界の話ということで楽しみに本を開いた。でも出だしが私の好みではなく、また構成が理解できず、途中でやめてしまおうかと思った。3分の1程読んだところで、ようやく構成が理解でき、内容的にも面白くなってきたので、最後まで読めた。
    アニメ業界の大変さと、アニメーターのアニメ愛の深さがよくわかった。
  • 罪の声 昭和最大の未解決事件(1)
    グリモリ事件は脅迫テープを吹き込んだ子供って今頃どうしてんのかな?ってずっと思ってたけどそれを掴みに持ってきますか。
  • デルタの羊
    読書備忘録582号。
    ★★★☆。
    アニメ業界のお話。しっくりこない。作者はいろいろ取材したと思うが、やっぱりしっくりこない。
    アニメ業界はもっともっと進化している・・・。
    物語は「アルカディアの翼」という冒険小説の冒頭で始まる。そしてこの作品をアニメ化したいという十字架を背負った玩具メーカー社員の渡...続きを読む