吉川永青のレビュー一覧
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タイトル通りの老侍を主役とした短編6編。特に好きなのは、最初の『意地の天寿』の龍造寺家兼。息子、孫が亡くなる中、曾孫を立て再興・下克上を果たす壮大な力作。それゆえ、その後の短編があまり唆られず。唯一、最後の『過ぎたるもの』は島清興(左近)を主題としながら短い話の中で石田三成との友情がよく描かれていて非常に良かった。作者の『治部の礎』の三成も気になる。
全体的な感想としては、やはりいつの時代も「老兵は消え去るのみ」前線を退いて後進育成に努めるべきだと思う。『魂の檻』の武田信虎はまさにその典型で力を失ってもなお王様気取りは序盤から苦笑を続けざるを得なかった。その他の朝倉宗滴、長野業正、宇佐美定 -
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新撰組のイメージの一つに、最後の剣客集団というものがあると思います。武士道を重んじ、剣と剣の勝負を挑む。そのため、時代の流れに取り残されて滅んでいった、というようなイメージ。
そのイメージを研ぎ澄まして不純物をそぎ落とした先に、一人の人間として戦いだけを望む存在が出現します。それが今作の主人公、斎藤一です。
近藤勇。土方歳三。沖田総司。山南敬助。芹沢鴨。伊東甲子太郎。
多くの新撰組隊士との触れ合いを通じて、己の求める闘いについて、それぞれの人物が適合しているのかを見極めてゆきます。個の闘いを押しつぶしてゆく、多の争いが
時代を作り出そうとしてゆく中で、己を燃やす場所を探しもがき続ける様は、哀 -
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石田三成。
感情よりも規律を優先する官僚。人間味は感じられず、冷徹で完璧主義者のイメージ。
彼が、どうしてそのような行動原理を持つに至ったのか、なぜ最後まで家康と敵対し破滅に至ったのか。このなかでは、秀吉への忠義心があったからこそ、という形になっています。
汚れ役は自分が請け負い、天下人たる秀吉には一点の曇りをも与えないという自己犠牲。
理解者の少なさと、あえて理解を求めなかった三成の性格が孤立を深めていき、破滅へと繋がっていったのでしょう。
徳川に対して協力してゆくべきだった、福島・加藤のような武将たちとも分かり合えなかったのが、辛いところですね。
最初から生じていた隙間は、どこまでも埋 -
ネタバレ
相良ってやつは本当アホだと思うし、ひいてはそんなやつを重用する大内義隆も馬鹿なんだと思う。まだ泰平の世でもなく、尼子も健在なのに、その現実から目を反らして連日宴ばかりって。おまけに自分が重用してたその家臣から裏切られてるとも知らず。おまけに相良って主君が危ないときさっさと真っ先に逃げるクズだしw そんなクズをもう1度呼び戻す義隆って本当アホだな。というかこんなどんなに諫めても言うこと聞かない主君なんか見限って出奔とかすればいいのにと思う。
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購入済み
書きつくされたテーマだけに
川中島の合戦はあまりにも有名で書きつくされたテーマだけに、これだけの気鋭の作家を並べても「どこかで見たこと読んだことのある視点」と思えてくるのが残念。各作者の中で乾緑郎の作品が印象に残った。
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写楽の正体については様々な説があるが、この作品では阿波徳島藩お抱えの能役者・斎藤十郎兵衛という最有力説を採っている。
その上で、なぜ写楽の活動期間がわずか十ヶ月程度なのか、なぜ初期の頃と末期の頃とで画風が変わったのかというその謎について一定の納得出来る筋となっている。
吉永さんと言えば戦国もののアンソロジーでしか読んだことがなかったが、こういう情に絡めた物語も書かれるとは意外だった。
十郎兵衛の心の内に溜め込む苦悩に対し、喜瀬の方は境遇が過酷で切ない。諦めと一筋の希望に縋る健気な喜瀬は、相手に嗜虐性と保護欲という相反する想いをを掻き立てさせながら、逆に母性も併せ持つという万能のキャラクター