吉川永青のレビュー一覧

  • 独眼竜と会津の執権

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    会津の執権金上盛備。蘆名盛氏の下、蘆名家を盛り立てるが伊達政宗の強烈な野心と共に伊達と全面対決に突入する。盛氏の子盛興の死から2代続けて不幸に見舞われる蘆名家を懸命に支える。蘆名盛隆、伊達輝宗の死がお互いの謀略と匂わせる解釈は面白い。

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    2023年09月10日
  • 治部の礎

    ネタバレ 購入済み

    この国の礎、如何に為すべきか。

    2023年9月読了。

    個人的に、「石田三成」が大好きである。自身の論理が冴え渡り過ぎて、其を理解に及ばない人達と「仲良く」する事が苦手だった、戦に不器用な、同じ職場に居たらさぞかし煙たがられる人だったと思っているが、その一途さえ故の儚さが、この武将の堪らない魅力であろうとずっと思ってきた。

    秀吉の朝鮮出兵は、この小説にもある通り、秀吉独自の発案ではなく、当時から「遠い脅威」の予感がした〝南蛮〟と云う勢力が攻めてくる前に、日本,中国,朝鮮を一つの国として固めておくことが、未来の南蛮との戦いに「力を発揮する時が必ず来る」と云う、信長の発想が先にあったのだと感ずる。
    国内統一も終わりきらないまま

    #感動する #切ない #アツい

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    2023年09月07日
  • 関羽を斬った男

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    こんな三国志もたまにはいいかも?と言うより三国志はもともと大衆文学だったらしいからこの方が正解かも。ホラーあり、エロあり、まさに週刊誌三国志でした。

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    2023年04月02日
  • 決戦!賤ヶ岳

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    賤ヶ岳の七本槍を七人の作家が描く面白い構成。

    どの作家も、譜代の家臣がいなかった秀吉が、「うちにはこんな良い家臣がいるんだぞ!」と「七本槍」をでっち上げたような描き方が興味深かった。
    それによって多くの七本槍たちが悩むことなる。その苦悩の心理描写を、どの作家も上手く表現している。

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    2022年09月24日
  • 決戦!関ヶ原

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    関ヶ原の合戦をさまざまな人物の視点から描いたアンソロジー。それぞれの物語が最後に繋がるのかと思っていたけれど、結局は完全に独立したままだったのが少し残念ですが、短編程度の文章量で立場を変えて見ることができるのは興味深い。

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    2022年07月26日
  • 賤ヶ岳の鬼

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    佐久間盛政の話。柴田勝家に似てはいるが、彼ほど直情型ではないイメージ。
    この時代の感覚としては当たり前なんだろうけど、「差別」意識が滅びの要因となっていることがある。出自や容姿など、それだけのことで相手を侮り下に見る。結果、恨みを買ったり足をすくわれたりする。もちろん、差別されている側も、それを多分に意識はしているのだが。相手も人間。感情もあるし、考えもする。

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    2022年07月10日
  • 決戦!賤ヶ岳

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    木下昌輝さんが好きで読みましたが、他の方の小説の雰囲気が分かって、読みたい作品を開拓出来たところが1番良かった。
    敵陣の登場人物がまぁまぁ一緒なので、自分の担当する武将に花を持たせるために寄せて書いてるのが、歴史小説はフィクションとはいえ、続けて読むと寄せてる感が出るのだけが複雑な気分になった。それぞれ短編としては面白いものが多くて好きです。

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    2022年05月31日
  • 誉れの赤

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    物語は武田の赤備えとして長篠の戦いに敗れるところから始まる。勘五郎と藤太は戦国最強の山縣昌景の赤備えとして誇りを持っていたが織田徳川の鉄砲の前に敗れてしまう。徳川に降伏後は家康の意向もあり赤備えの再興を図るが赤備えを任されたのが井伊直政。旧主昌景とは違い直政は部下を苛烈に扱い藤太は直政に付いていけず武士を辞める。直政と家康から付けられた家臣との軋轢が深くなるばかり。勘五郎は赤備えとしての誇りを胸に直政に仕える。

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    2022年05月21日
  • 老侍

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    戦国武将好きには堪らないラインナップの短編集。
    ・意地の天寿- 龍造寺家兼
    ・勝てば良かろう- 朝倉宗滴
    ・不屈なれ- 長野業正
    ・捨て身の思慕- 宇佐美定満
    ・魂の檻- 武田信虎
    ・過ぎたるもの- 島左近

    火坂雅志さんの長野業正、島左近の作品、著者は忘れたが武田信虎の作品も読んだが、他の武将は今作で初めて読んだ。

    老将というか老侍は個人的には大好きで楽しませて貰いました。

    どれも面白くて満足でした。

    短編、長編問わないのでもっと全戦国武将の小説を読みたい。

    作家の先生方どうぞよろしくお願いします。

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    2022年05月16日
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録

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    「曹操」「袁紹」
    共に人の体温を感じられて良い読み物だった。

    演義で主人公とされる、
    劉備・関羽・張飛の評がなかなかツボでした。

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    2022年02月27日
  • 雷雲の龍 会津に吼える

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    ネタバレ

    明治維新の話は、読んでいて辛い話が多いです。
    何故、戦わなければならなかったのか、何の為に戦うのか、殺し合うことしか道は無かったのか。

    正義と誠とは何なのか、考えさせられました。

    新選組も、これまで読んでいた本のイメージとは違った形で出てきたので、興味深かったです。

    立場は人を作る、という言葉が印象に残りました。

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    2022年02月25日
  • 治部の礎

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    ネタバレ

    多くの作品の中で描かれがちな豊臣第一としての姿ではなく、見方によっては豊臣家さえも道具として使っているように描かれており、全く新しい石田三成像だった。

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    2021年11月28日
  • 悪名残すとも

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    陶晴賢の一生を題材にした小説。
    敬愛していた主君が汚名を残さない為に謀反を起こして自分が悪名を被るという、一見矛盾した動機にも見えるがそこに至るまでの過程を通じて陶晴賢を作者独自の解釈で描いている。また当時の領国経営の実態や家臣団との派閥争いなど合戦以外にも見所が多い。毛利元就との関係が変化していく様は時代の流れに適応する者とそうでない者の比較になっていたと思う。

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    2021年11月08日
  • 毒牙 義昭と光秀

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    室町幕府最後の将軍、足利義昭を主人公とする歴史小説。

    織田信長にいいように利用され、逆ギレして自滅した暗愚な将軍というイメージの足利義昭。が、本小説の義昭は知略に富み、時代を先読みし、信長と対等に敵対する。兵を持たない義昭は将軍の威光と書状で戦国時代の勝者を目指す。

    特に将軍を心底、崇拝する者へのマインドコントロールは天才的。その術中にはまってしまったのが明智光秀。義明は光秀の心を巧みに操り、信長への猜疑心を植え付け、やがて本能寺の変へ。

    足利義昭が優れた策略家であり、明智光秀は気が弱いお人好し。架空の設定ではあるが、義昭が戦国武将たちを言葉巧みに操って、世の中を渡っていく様は痛快。

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    2021年09月25日
  • 新風記 日本創生録

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    神武天皇の東征と日本建国まで。清らかで志高い青年がやがて大王となるまでの話なのだが、戦の描写に難があり、キャラが少年漫画ぽい。ただ主人公の心の立て直しかたには惹かれる。関西弁をしゃべるキャラがいて弥生時代らしさがなく、邪馬台国の扱いも他の小説で読んだので斬新さがなかった。学説を取り込んだ歴史ファンタジーといった軽さ。展開が ラノベに近い。
    この著者の石田三成の小説もそうだが、やたらと溜め息をつくキャラがいて、爺むさい感じが鼻につく。
    古典の薫りに親しんだのでなくて、ゲームやアニメから歴史小説に入った作家さんなのかな?

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    2021年08月26日
  • 独眼竜と会津の執権

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    主人公の一人である金上盛備は、この小説で初めて知ったが、老獪でありながらうちに秘めたものの熱さも感じられ、とても興味をそそられる人物だった。また、もう一人の主人公である伊達政宗からの視点も描かれており、謀将と天才との知恵試しのように感じた。

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    2021年08月20日
  • ぜにざむらい

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    岡左内。蒲生氏郷、上杉景勝に仕えた。金が何よりも大好き。野山を駆け回り、猪を仕留めていたこともあり、感が鋭く、戦にはめっぽうつよい。
    生きたお金の使い方のわかる武将であり、あの直江兼続にその才能を惜しまれた。
    戦国時代、あまり他にみないタイプの武将であり、その生き様は、ある意味感動させられる。

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    2021年07月12日
  • 第六天の魔王なり

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    織田信長の小説は数あるが、これは信長の心境を切り口とした小説。
    うつけと呼ばれていたとき、人懐っこくもあり思いやりも豊かだった織田信長は、世の中の土台であろうとし、他人への情、人であれこても捨て去ろうとした。
    織田信長の心情の全てを察して、明智光秀は、お救いいたします、と優しねな声で、織田信長を討ち果たし、信長もまた、これで人間に戻れると微笑みながら死んでいく。
    新しい解釈、非常に面白い。

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    2021年06月21日
  • 闘鬼 斎藤一

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    新選組に関与するキャラクターとして、斎藤一は謎めいていて、個人の高いスキルの伝説だけが残っており、歴史の進行に個人として意味をなした人物でもないゆえに、小説家にとっては造形の自由度が大きいだろう。乾いてやや軽いタッチの現代的な剣戟シーンの書き方が印象的だった。
    その他、永倉、原田と近藤の反目についてこれだけ描写した小説は珍しいと思う。ただ、沖田と斎藤の「友情」めいたものがあったかのように描くのは、ちと違和感があり、現代受けを狙いすぎの気がする。

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    2021年05月15日
  • 闘鬼 斎藤一

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    ネタバレ

    余り描かれる事のない斎藤一の新選組物語。

    私は歴史を含めて新選組が好きなので、近藤勇が芹沢鴨亡きあと、増長した話等も知っていますが、改めて活字にされると(−_−;)

    人を斬ることに長けた男が組織の中で葛藤し、たどり着いた境地。それへ導いた友沖田総司も師である近藤勇もないのは、やはり切ない。

    生き残った隊士達はそれぞれの余生を過ごす中で、彼が残された事がよかったのか、悪かったのかはわかりませんが……。

    解説にもありましたが、るろうに剣心の斎藤さんに近いイメージがありました。

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    2021年05月01日