吉川永青のレビュー一覧

  • 第六天の魔王なり

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    ネタバレ

    尾張弁が良いスパイスだった。

    信長の心理を丁寧に描いていく。彼の信じる、皆が幸せで笑顔で過ごせる世の為に、彼自身は情を殺していく。哀しくも、苦しい過程であり、それを、光秀が無理やり救いに来る。

    組織の人間として、上に立つ者は時に非情にならなくてはならない時もあるだろう。自らの功を胸に、安寧としていたい時もあるだろう。時に、休みたくなる時もあるだろう。

    歴史小説を読むと、様々なことに思いを馳せる。

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    2019年02月01日
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録

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    曹操孟徳と名家の袁紹本初の官渡の戦いを描く、共に花嫁泥棒で過ごした青年時代の友がお互いに認め合いながら互い国の統一を目指し下に降られず官渡の戦いにもつれ込む。袁紹は絶対的な戦力で曹操を凌駕するも部下郭図の裏切りにより負ける。三国志(劉備、曹操、孫権)の前筋で呂布亡き後、関羽が一時曹操の下で戦い劉備がコウモリの如く曹操、袁紹に降り漁夫の利を獲るべく爪を研ぐ好感を持てない。

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    2019年01月12日
  • 決戦!川中島

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    決戦シリーズも段々と地味になっていくかと思いきや、小説としてはやはり面白い。
    武田・上杉の雌雄を決する川中島の戦いがあった事は知っているが、その仔細については知識不足だった。
    その戦いを知り、それぞれの違う人物から戦いを捉えていく事が出来るこのシリーズは好きだ。

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    2018年08月11日
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録

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    官渡の戦いまでを、孟徳と本初の視点から描く。
    互いの腹をさぐり合う訳だが、それに見合う心理描写も丁寧にされており、良き作品であった。

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    2018年07月14日
  • 決戦!関ヶ原

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    歴史小説は好きでこれは面白いと思って読んだが期待通りであった。7人の上手い書き手による人物ごとの短編である。それぞれが書き込まれているので、短編集にありがちな薄さ物足らなさはなかった。
    書き手の取り上げ方によって史実の見方を変えている所も興味深い。一番は「怪僧恵瓊」だった。
    このシリーズは追っかけたい。

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    2018年05月03日
  • 決戦!関ヶ原

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    関ヶ原の戦いを7人の武将の視点から、7人の小説家が描いたオムニバス短編。一つの事件でも、異なる立場から見たら別々の物語になる。ということを感じさせてくれる。

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    2018年03月11日
  • 決戦!三國志

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    戦国時代アンソロジーと思っていた「決戦!」シリーズですが、三国志でもやってくれました。ただ、三国志全体でくくられちゃっているのが残念かな、と。
    戦国時代に知名度の高低はあれど数々の戦いがあるように、三国志も同様。なので、こちらも一つの戦いをピックアップしてくれればいいのになぁ、と。「官渡」でも「赤壁」でも。ま、ゲームの三国無双みたくなりそうですが。
    とはいえ、「決戦!」シリーズの新しい時代を開く1冊。今後も歴史の横展開を期待します。

    『姦雄遊戯』が好きです。
    見事な伏線回収。曹操の策略と許猪の徹底がいいですね。

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    2018年02月02日
  • 決戦!関ヶ原

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    先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
    今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。

    2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。

    この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝

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    2017年12月05日
  • 決戦!関ヶ原

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    ありえないとも言い切れない設定、前提が面白い連作だった。冲方丁目当てで読んだが、どれも読み応え十分だった。

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    2017年09月19日
  • 決戦!関ヶ原

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    それぞれの関ヶ原。勝つものがいれば、当然負けるものもいる。領土への野心のため。天下のため。家を守るため。戦う理由はひとそれぞれ。

    怪僧恵瓊の毛利に対する態度。家康と三成との結託。面白かったけど、人間的に好きになったのは小早川秀秋。徳川と豊臣との間で揺れながら米のことを考える姿がよい。幼少より秀秋のことを考える家臣がいたなら世間の評価はまた変わったものになったかもと思う。

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    2017年07月26日
  • 闘鬼 斎藤一

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    斎藤一といえば、ついついアウトローで無口で…と少し実年齢より上を想像してしまうけれど、ここではまだ青く、フレッシュな印象で描かれている。沖田総司とは「総ちゃん」「一君」と呼び合うなど、お茶目な一面も。試衛館から会津戦争末期あたりまでを書かれているが、徐々に戦法が変化していき、「争い」ではなく、「闘い」にこだり続けたところがカッコいい!面白かった。

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    2017年05月08日
  • 戯史三國志 我が糸は誰を操る

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    2014.1.24
    若者?向けの表現でわかりやすく漫画みたいにサクサク読める、三国志の陳宮という軍師の物語。面白くて一気に読んだ。キャラの言動の表現が蒼天を彷彿させて小説版蒼天ぽいな〜と思ったら、あとがきに蒼天航路の4文字が。ライトノベルに近い印象。三国志はたくさんの作者に色んな媒体で、それぞれの表現で描かれているので興味が尽きないし作品に触れるごとに膨らむのでやめられない。
    三国志を一貫した小説をまだ読んでない(北方を2巻まで読んだけどハードボイルドなだけだった)ので吉川三国志をそのうち読みたい。

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    2014年01月24日
  • 義仲これにあり

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    勝てば官軍、負ければ賊軍…、
    世の歴史書の多くは、勝者の都合のよい内容で書かれており、
    これが平安時代ともなれば、それはその最たるものですが…、
    木曾義仲は、賊徒のレッテルを貼られた代表格の1人でそぅ。

    本作品では、義仲を、義の武将として主人公に置き、
    法皇と頼朝、それぞれの立場で覇権を窺ぅ二人の策略に陥り、
    もがき苦しみながら、賊徒として討たれるまでを描いており、
    都と鎌倉の魑魅魍魎が、物語として興味深く語られてました。

    ただ…、本作品の姉妹編の主人公となる弁慶を、
    異形・色物に描きすぎている点が、若干興醒めを誘ったかも。
    本作品の(悪い方の)キーマンとなった、源行家のその後は、
    引き続

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    2013年12月24日
  • 奪うは我なり 朝倉義景

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     実際のところはどうなのかと思うが、文中の義景に品がなく、ただただ腹黒い。そのせいか、なかなか感情移入しにくく、ページが進まなかった。他の歴史小説に見られる、行間からにじみ出てくるような古文的な情緒もないし、読んでいて不快指数も増してくる。
     それに歴史上の人物って漢字が読めない。この人なんて読むのかなぁ…と適当に自分でふり仮名つけて読んでいたら後からルビが振ってあったりして。そんな本はほかにもあるけど、これって出版社のせい? 読者に対して親切じゃないと思いけり。
     後半になって少しペースが上がったけれど、結構しんどい読書だった。それに腹黒い武将たちだらけで、武士道という凛々しさは最後の最後に

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    2025年11月10日
  • 華の蔦重

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    2025年大河ドラマで話題の蔦屋重三郎の一代記です。

    大火事のときに、人を注目させて導いた才覚は蔦重(蔦屋重三郎)が持っている天性のものだと思いました。天災や降りかかる災難にもめげず、常に民が求めるものを信じて突っ走った人生のようでした。

    版元となり、葛飾北斎、喜多川歌麿、山東京伝、曲亭馬琴、東洲斎写楽らを世に出し、ひとつの文化をつくった人物として興味深い人でした。

    当時の本や浮世絵にますます興味が増し、大河ドラマとはまた違った物語として楽しめた一冊でした。

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    2025年05月02日
  • 戦国・江戸 ポンコツ列伝

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     ポンコツどもが恥の跡…

     武士ってカッコいいだけじゃない。
     ポンコツな一面もある。
     だって人間だもの。

     ユーモア溢れる語り口で、戦国~江戸時代に生きたポンコツ著名人8人が紹介される。
     遊郭通いが過ぎて武士をやめて芸人として成功した者もいたり、千差万別だ。
     あの家康だって、政宗だって、英傑ながら英傑とは程遠いポンコツな部分があった。

     ポンコツたちの生涯に、何ものにも縛られずいろんな生き方があって良い、自分らしく生きて良いのだと教えられた。

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    2025年04月12日
  • 華の蔦重

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    今期の大河ドラマがなかなか面白い感じだったので、蔦重のお話を読んでみました。横浜流星の顔が浮かんでしまうのはやむなしとして、今後出てくる登場人物やエピソードの先取りができ、ドラマの方も大変期待が持てると感じました。

    ドラマとシナリオが違うところもあり、例えば、蔦重が最初に作った細見は、ドラマでは持ち運べるよう小さく薄くしていましたが、この本では版を大きくしていました。何が真実なのか、どこまで史実に基づくのかはわかりませんが、不思議な差分だと思います。
    同様に、『金々先生栄花夢』は、ドラマでは蔦重たちがいろんな人に聞きまわった話をベースにしていたはずが、この本でそういった逸話は全く出てこない。

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    2025年03月10日
  • 華の蔦重

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    ネタバレ

    華の蔦重

    著者:吉川永青(ながはる)
    発行:2024年12月10日
    集英社
    初出:
    集英社文庫web 2023年10月~2024年7月
    「本バカ一代記~花の版元・蔦屋重三郎」を改題、大幅加筆・修正

    とても読みやすく、学校の先生が書いたような優しい文章。もちろん、正しい日本語で決して格好つけてない。面白みがない文体かもしれないが、寝転んであっという間に読める。登場人物もそれなりにいるけれど、記憶から消えたり、こんがらがったりする展開ではないのでイージーに読める。著者は会社員から文学新人賞を経て小説家になったとあるが、文章構成というか、整理が上手い。

    蔦屋重三郎については、小説も何冊か読んだ

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    2025年01月14日
  • 毒牙 義昭と光秀

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    足利義昭を主人公にした物語。兄の足利義輝を討たれ義昭自身にも危機が迫るなか織田信長と言う庇護者の元将軍となるが義昭は将軍の名の下に統治を目論むが信長は義昭を信長の治世の道具として考えすぐに互いの齟齬を生む。物語では明智光秀は実直な武将として描かれており義昭の毒牙に少しずつ蝕まれてゆく

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    2024年08月16日
  • 虎と兎

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    幕末の頃のアメリカ。白虎隊で生き残った虎太郎と、シャイアンのルルの、冒険のお話。
    アメリカのインディアン戦争の事、詳しくないのでね、そこは興味深かった。ただ、まぁそこがメインではないので、なんとも。
    最後の戦いもスピード感あって良かったけど、如何せんそこまでが長い。
    結末はテンプレート通りで、まぁまぁ。

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    2024年08月13日