吉川永青のレビュー一覧

  • 毒牙 義昭と光秀

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    足利義昭の視点で、光秀と信長、ひいては、戦国の世の移り変わりをみていくもの。
    なかなかに面白い。たしかに言い得ている。光秀を人が好く、細やかに過ぎる人として捉え、武士としては頼りなく映るほど優しい心根であるからこそ、信長を信じられなくなり、光秀は本能寺の変を引き起こす毒牙となったのだ。
    本能寺の変をある意味、よく描いている作品でしょうね。

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    2021年04月17日
  • 雷雲の龍 会津に吼える

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    内容も知らず読んだが、好きな幕末の剣豪物で面白く読めた。

    主人公は北辰一刀流の開祖・千葉周作のもとで四天王のひとりと謳われた大剣士・森要蔵。要蔵は大のお酒好きで小藩の剣術指南で江戸で道場を開き多くの門下生を持つ身。時は幕末、藩主が会津の容保と近く戊辰戦争へ移り己の信じる「誠」に従って江戸を出て、門弟や息子とともに会津藩に与し、白河城を奪還する戦に参陣するそこで、土方、斉藤等の新撰組等とも共闘。
    幕府側の新撰組に思い入れが有り多くの本を読むが、ここにも心打たれる生き様をされた剣豪を知れて完読する。
    時代の趨勢に抗い、誠を胸に新政府軍に立ち向かい
    ひとたび戦えば、「雷雲を纏った龍のよう」と称され

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    2021年02月20日
  • 治部の礎

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    秀吉が死ぬまでが面白い。此処が描きたかったんだろうな。関ヶ原は意外とあっさり。
    まぁ、描き尽くされた感が有るからね。でもクライマックスは其処なんだから、もう少し力を入れて欲しかったかな。

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    2020年06月18日
  • 決戦!三國志

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    「奸雄遊戯」許攸
    「天を分かつ川」周瑜
    「応報の士」法正
    「倭人操倶木」操倶木
    「亡国の後」劉禅
    5つのエピソードからなる短編集。ある程度三国志に知識がある人には登場人物の個性が足されより深く三国志が楽しめる作品。

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    2020年05月07日
  • 毒牙 義昭と光秀

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    義昭主役、コイツはポンコツじゃない
    御行書や会話を毒牙に一人の心を蝕む
    久秀はステレオタイプだったが最新の
    研究成果に基づいた事実にそい適度な
    想像を加えてステキな物語に仕上げた
    大河のおかげで時代背景本読んだ成果
    により、この本の面白さが増した
    主役の三人は全員天下静謐目指してる
    信長との亀裂原因を北畠攻めにしてて
    タイミングで言えばそうなのですが、
    5ヶ条覚書内容が御行書中心と思う
    (物語的には北畠問題が正解)

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    2020年02月16日
  • 悪名残すとも

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    ネタバレ

    大内家に忠誠を誓いながらも国を統治するために主を殺し、然るも大内という旧体制の中で西国支配、果ては天下を狙っていた陶晴賢。史実がどうあれ、勝手に抱いていた自分がのし上がるために礼を無視して上に立った男ではないということはよく分かった。そして、序盤からの毛利元就との太い絆がどう転じていくのが先をめくる手を進ませる大きなポイントだった。

    最後にある通り、晴賢が大内に拘ったのは常に天下を見据えていたからかもしれない。旧体制を壊すのは簡単だが、全国という広い世界を収めるに「名」は何よりも大事だろう。事実、毛利は西国を手中に入れるに留まったのだし、愚かと悪名を残すとも評価に値するのではないかと思う。

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    2019年11月16日
  • 決戦!川中島

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    数ある合戦の中でも知名度が高く、上杉謙信と武田信玄がしのぎを削った川中島。複数の作家のオムニバスで、上杉方と武田方の視点を入れ替えての作品を楽しめた。謙信、信玄が本人であったのか影武者であったのか、史実を同定することは難しいが故の各作家の視点。それぞれの作家が史料に基づき展開するフィクション。時代小説を堪能する真髄があるように感じた。

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    2019年10月18日
  • 第六天の魔王なり

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    ネタバレ

    ここで描かれる織田信長は情に厚く優しい、世間のイメージとは少し離れた人物。その信長が浅井長政の裏切りをキッカケに鬼へと変わっていく姿を描く。

    ポイントは明智光秀との関係だろう。何事も合理的に物事を捉える知将の光秀を信長は気に入り、光秀もまた信長の心の底にある情に惚れ忠臣として仕える。信長が心を鬼にしていく中で、光秀はその変化を憐れみ、心から本当の姿に戻るよう願い、諭す。一方で、信長は天下のために自ら選んで殺した心をグサリと直球で刺す光秀に苛立ちを覚える。光秀の信長への愛情が却って信長を傷つけるという実に皮肉的で悲劇的な関係。その結果が本能寺の変に繋がるという流れも納得できる部分が多い。

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    2019年07月01日
  • 誉れの赤

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    武田の赤備えから、井伊の赤備えへ。「矜恃」とは何かを考えさせられる小説だった。いつか報われると信じて、自らの思いを大切にしながら、生きていきたいと思う。

    吉川永青さんのスタートとも言える作品。三国志物も読んでみたい。

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    2019年04月28日
  • 悪名残すとも

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    中国地方の雄大内家(義隆)、の家老:陶隆房(晴賢)が尼子氏との戦いの中武勇を捨て遊楽に勤む姿を憂い、力を付けた盟友-毛利元就(外様)との内通で悪名覚悟で主の義隆を亡き者にして大友家に出した義隆の養子の大友晴英を戻し担ぎ大内家の再興に努めるも当初お互いに認め合った毛利元就との考え方の違いから袂を分かち戦う。戦国時代西国の毛利元就の成上りを学べた子の戦略結婚での小早川、吉川との繋がり、家臣に福原貞俊が居た様だ。

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    2019年04月21日
  • 第六天の魔王なり

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    ネタバレ

    尾張弁が良いスパイスだった。

    信長の心理を丁寧に描いていく。彼の信じる、皆が幸せで笑顔で過ごせる世の為に、彼自身は情を殺していく。哀しくも、苦しい過程であり、それを、光秀が無理やり救いに来る。

    組織の人間として、上に立つ者は時に非情にならなくてはならない時もあるだろう。自らの功を胸に、安寧としていたい時もあるだろう。時に、休みたくなる時もあるだろう。

    歴史小説を読むと、様々なことに思いを馳せる。

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    2019年02月01日
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録

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    曹操孟徳と名家の袁紹本初の官渡の戦いを描く、共に花嫁泥棒で過ごした青年時代の友がお互いに認め合いながら互い国の統一を目指し下に降られず官渡の戦いにもつれ込む。袁紹は絶対的な戦力で曹操を凌駕するも部下郭図の裏切りにより負ける。三国志(劉備、曹操、孫権)の前筋で呂布亡き後、関羽が一時曹操の下で戦い劉備がコウモリの如く曹操、袁紹に降り漁夫の利を獲るべく爪を研ぐ好感を持てない。

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    2019年01月12日
  • 決戦!川中島

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    決戦シリーズも段々と地味になっていくかと思いきや、小説としてはやはり面白い。
    武田・上杉の雌雄を決する川中島の戦いがあった事は知っているが、その仔細については知識不足だった。
    その戦いを知り、それぞれの違う人物から戦いを捉えていく事が出来るこのシリーズは好きだ。

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    2018年08月11日
  • 孟徳と本初 三國志官渡決戦録

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    官渡の戦いまでを、孟徳と本初の視点から描く。
    互いの腹をさぐり合う訳だが、それに見合う心理描写も丁寧にされており、良き作品であった。

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    2018年07月14日
  • 決戦!関ヶ原

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    歴史小説は好きでこれは面白いと思って読んだが期待通りであった。7人の上手い書き手による人物ごとの短編である。それぞれが書き込まれているので、短編集にありがちな薄さ物足らなさはなかった。
    書き手の取り上げ方によって史実の見方を変えている所も興味深い。一番は「怪僧恵瓊」だった。
    このシリーズは追っかけたい。

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    2018年05月03日
  • 決戦!関ヶ原

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    関ヶ原の戦いを7人の武将の視点から、7人の小説家が描いたオムニバス短編。一つの事件でも、異なる立場から見たら別々の物語になる。ということを感じさせてくれる。

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    2018年03月11日
  • 決戦!三國志

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    戦国時代アンソロジーと思っていた「決戦!」シリーズですが、三国志でもやってくれました。ただ、三国志全体でくくられちゃっているのが残念かな、と。
    戦国時代に知名度の高低はあれど数々の戦いがあるように、三国志も同様。なので、こちらも一つの戦いをピックアップしてくれればいいのになぁ、と。「官渡」でも「赤壁」でも。ま、ゲームの三国無双みたくなりそうですが。
    とはいえ、「決戦!」シリーズの新しい時代を開く1冊。今後も歴史の横展開を期待します。

    『姦雄遊戯』が好きです。
    見事な伏線回収。曹操の策略と許猪の徹底がいいですね。

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    2018年02月02日
  • 決戦!関ヶ原

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    先に「決戦!関ケ原2」を読んでしまったので、こちらも。
    今回は徳川家康(伊東潤)、可児才蔵(吉川永青)、織田有楽斎(天野純希)、宇喜多秀家(上田秀人)、島津義弘(矢野隆)、小早川秀秋(沖方丁)、石田三成(葉室麟)。

    2を読んだ時も感じたが、この戦いほど様々な思惑が交錯した戦いもないように思える。裏切りや傍観や致したかなく、という気持ちで参戦する者、戦いが終わった途端に保身や論功行賞に走る者、純粋に戦うことを突き詰める者、自分自身でなく自分の国をどう守るかに徹する者…。

    この戦いでの勝者と敗者ははっきりとあるものの、その後の人生や評価、あるいは自分自身が顧みての勝者と敗者はそれぞれで、何が勝

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    2017年12月05日
  • 決戦!関ヶ原

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    ありえないとも言い切れない設定、前提が面白い連作だった。冲方丁目当てで読んだが、どれも読み応え十分だった。

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    2017年09月19日
  • 決戦!関ヶ原

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    それぞれの関ヶ原。勝つものがいれば、当然負けるものもいる。領土への野心のため。天下のため。家を守るため。戦う理由はひとそれぞれ。

    怪僧恵瓊の毛利に対する態度。家康と三成との結託。面白かったけど、人間的に好きになったのは小早川秀秋。徳川と豊臣との間で揺れながら米のことを考える姿がよい。幼少より秀秋のことを考える家臣がいたなら世間の評価はまた変わったものになったかもと思う。

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    2017年07月26日