杉井光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うわーめっちゃよかった。
これぞ僕の好きな杉井光だよ!
高校生の音楽と青春ということでもちろん「さよならピアノソナタ」を思い出したのだけど、最初のピアニストの凛子の話なんかもろ「ピアノソナタふたたび」だと思った。
そのまま彼女がヒロインになるのかなと思っていたら、次はドラマーの詩月でその次はヴォーカルの朱音と、一人だけじゃないんだ! と驚いてしまった(笑)
でも、みんなそれぞれに抱える悩みを主人公が次々に音楽の力で突き破っていく様は、どれもこれもグッとくる。
挙句の果てには音楽教師の美沙緒の想いさえ掬い上げるとは!
ラストの電光掲示板に写る奇跡の瞬間はほんと泣きそうになった。
杉井光らしい -
Posted by ブクログ
久しぶりの杉井光。
久しぶりのキリカ。
いやあ、やっぱり好きだなあ。
ライトノベル的軽ミステリーなんだけど、事件の真相のなんとも言えない滑稽さと、切なさと、あったかさ。
やっぱり僕はこの作家の書くお話がどうしようもなく好きなのだ。
今どきの言い方ならば、押しの作家と言うことになるのだろう。
その想いがとても好き。
そして相変わらず、周りがボケばかりと言う愉しさも健在。
ボケに対する主人公のツッコミがまた最高。
まだまだ続編が期待できそうでよかった。
そしてスピンオフが小説ならぬ政治教本だと!?
うん、とりあえず読ませてもらって、ひかげの驚愕を追体験したい(^ ^) -
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
続編が出るとは思ってなかったけど、いやあ、めちゃくちゃ面白かった。
なにが面白いって、主人公(たち)の廃課金スマホゲーマーのクズっぷりさが半端ない(笑)
とにかく一つ一つの会話に笑わせてもらった。
ヒロインと半ば同棲生活みたいなのにゲーム以外はとんと進む勇気がなくて、「俺達には会話はいらない。ゲームがあればいい」とか、かっこよく決め台詞言ってるけど、それ別にかっこよくないからね(笑)
でもね、そんな廃課金者のプライドというか矜持というか、熱く語る姿になぜかグッとくるんだよなあ。
グッとくる自分もどうかとは思うけど(爆)
物語的には新たな特殊能力(?)持ちのヒロイン登場でハ -
Posted by ブクログ
うーん、実に作者らしいお話。
もし作者を知らずに読み始めたとしても絶対わかってしまったであろうぐらい作者の刻印が刻まれている。
音楽(特にクラシック)とミステリーはそれだけ何度もテーマにしてきたし、この音楽にかかわるミステリーは「さよならピアノソナタ」のアンコールを思い出させる。
そして追い込まれて追い込まれて最後にたどり着く結末のやり切れなさと少しの救いと透明な明るさは「神様のメモ帳」のそれにも重なる。
そういった意味で、作者の得意分野で思う存分描いたお話は、ある意味マンネリと言われようがそれでも面白い。
今回もヘタレだけど突っ込み属性のいつもの主人公と傍若無人なヒロインの関係はある種の安心 -
Posted by ブクログ
うん、おもしろかった!
これぞラノベだよ(笑)
登場人物がスマホゲーに廃課金の主人公と、同じく課金しまくりのお嬢様のほとんど二人だけ。
しかも、やってることもゲームかそのウンチク語りだけなんだけど、でも面白いなあ。
この突き抜け方が愉しい。
作者の主人公にしては珍しく、それほどへたれでない。
かわりに、とことんゲーム脳の廃課金者なのだけど、その意地の張り方がすがすがしい(笑)
ラスト近く、ヒロインに対する啖呵も傍から聞いてると ゲームバカ丸出しだけど、胸にぐっと来てしまった(笑)
ラストのボス戦の盛り上がりもいい!
そしてお約束のきれいなオチ(笑)
いやあ、楽しかった。
続きが読みたいな -
Posted by ブクログ
いやあ、面白かった。
やっぱりいい。
久しぶりの杉井作品。
いつものちょっとへたれでツッコミ属性の主人公と女の子たちの話なんだけど、なんというか、このいつも通りさが実に安定の面白さだね。
それに今回は格闘ゲームの対戦と言うことでラストに向かってイイ具合に盛り上がっていって、うん、楽しかった。
ゲームセンターの常連たちがいい味出してて、主人公が最後の対戦に向かう場面の声援にが胸にグッと来てしまった。
いやあ、この熱さがとてもいい。
やっぱり好きだなあ。
元々マンガの原作を書いていることは知っていて、そのノベル版なのかと思ったら、後書きで別主人公のまったく独立した物語だと言うこと。
マンガの方 -
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Posted by ブクログ
うわー、なんと言うかすごい物語を読んでしまったなあ。
吸血鬼を題材にした話はあまたあるけれど、こんなに吸血鬼の悲哀を感じる話は初めてだ。
吸血鬼が伝染病の一種である世界で、それゆえに周りから忌避され、同族を葬ることを選択せざるを得なかったヒロイン倫子。
その苦しさが、悲惨さが、哀しさが、なんとも胸に迫って、息が詰まった。
もし、その病気が現実ならば、こんな世界になり得るんだろうなあと思わせるリアルさがあって、それがまたすごい。
そんな苦しい世界の中、唯一の希望は紅朗の存在。
そのバカだけどまっすぐな馬鹿さ加減がとてもいい。
最初、彼が本作の主人公だと思った。
いや、事実、前半のあるところ -
Posted by ブクログ
ネタバレラノベではよく見かける、主人公以外全員ぶっ飛んだキャラなのかと思っていたら、物語の後半主人公もぶっ飛びはじめて笑いました。
超巨大学園と、八億円ものお金を動かせる生徒会。現実離れしているこの手の学園ものは大好きです。
推理要素よりギャグ要素の方が強い印象ですが、真相究明までの過程を一番楽しめたのはやはり二十二万円騒動でしょうか。
日影と他の役員との繋がりが深まっていく様は、王道ですが読んでいて爽快でした。特に主人公・日影がヒロイン・キリカのために紛争する描写はテンポがよいですね。
最後の照れ隠しキリカちゃん、それにまったく気付かない日影…早くくっつけと思った私は男女カプ厨です。
最後に、書 -
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ネタバレ本作の特徴は、性欲を全く感じない主人公とヒロイン。
1~3巻ではその鈍感さとワガママっぷりに若干イラつく場面もあったが、4巻で二人の関係が動き出した瞬間、そんな事がどうでもよくなる程引き込まれてしまい、深夜に一気に読み込んでしまった。
最終巻の最後の最後まで、二人の関係に特筆すべき進展はない。「心からの願いの百貨店」から帰るラストシーンも、キスすらせずに手を繋いで帰るだけ。
中途半端な恋愛を描くのではなく、徹底的に"甘酸っぱい青春"を描いた事が、青春純愛物語として高い評価を得るに至った要因だろう。
失われた(そもそも存在しない?)甘酸っぱい青春を疑似体験するにはうってつ -
Posted by ブクログ
全校が化け物と戦うことになる『ゲーム』が毎週行われ、学校に馴染めずにいた主人公が自分のクラスの司令官となるという話です。
司令官といっても特別な権限が与えられているだけで、作中で主人公がリーダーとして活躍する場面はあまりありません。上級生の司令官や、正体不明の同学年の少女と協力しながらゲームの正体や『ゲーム』を終わらせる方法を探るのが物語のメインとなります。
先の展開がわかりそうでなかなかわからないので、続きが気になって一気に読みました。また、全体的に重い雰囲気の話ですが、変人に対する主人公の冴えたツッコミや、ヒロインの可愛らしい描写などあって、上手くバランスがとれていたと思います。