高杉良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前作『金融腐蝕列島』の続編。
メインの話は、主人公の竹中がまたしても頭取特命として、住宅金融債券管理機構の対応を命じられる。
不良債権問題をあくまで、銀行側とする住管機構に対して、徹底的に銀行の論理(貸し手責任)を提唱する銀行側との対立がメイン。
果たして、その行方は!?
住管機構対策に加えて、今回は前作で取相(取締役相談役)へと隠居した鈴木一郎-佐藤常務ラインと、現頭取斉藤-永井専務ラインとの実権争いが加わり、内部は大荒れ。
鈴木天皇とまで称される実質権力者とその権化である佐藤常務が未だに人事権を掌握しており、斉藤頭取との軋轢が生じるのか!?と言う部分も見逃せない!
ただ、住 -
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アサヒビールの中興の祖であり、現在のスーパードライ1強を実現した経営者である樋口廣太郎を題材にした経済小説が本作『最強の経営者 アサヒビールを再生させた男』だ。本人は実名で登場するものの周囲の人物は仮名という扱いになっているので、一応小説の部類に入るのだろうと思う。
本書の主人公である樋口廣太郎は、その強烈なキャラクターと押し出しの強さで、経済についてそれほど興味がない人でも知っている人物だとは思う。また会長になって以降は公職をたくさん勤めているので、その関係で知っている人も多いのではないだろうか。彼が活躍した時分にはまだ義務教育課程にいた自分でさえ、体の名前を知っていたのだから。
三井住 -
Posted by ブクログ
越谷を拠点とする、自転車とスポーツウェアを販売するホダカを立ち上げた武田光司。もともとは文化放送の報道に入ったが水が合わず、営業に転属して頭角を現す。一方で、起業をしたいという願望と、妻との折り合いが合わなくなったことが重なって退社し、一念発起してサンポールの子会社を立ち上げようとするが…。
経済新聞に載っていたらしい経済小説という事になっているが、要は武田光司のサクセスストーリーを伝記風にまとめ上げた一冊である。
昭和30~40年代、1970年前後の、まだ戦後で中小企業も軍事で培った技術で「ウチに任せな」と何でも引き受け、注文する側も良く言えば人情、悪く言えばコネの随意契約でなんとでもな