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“その後”の軌跡も活写した完全版!!
三行統合なら生き残れる! 第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の各トップは世界でも例のない大再編に向け猛スピードで走り出した。困難な調整や会談の内幕など、最後の決断までの日々を圧倒的な情報量とリアリティで描いた実名企業小説。その後の迷走と再生のドラマも収録した完全版でついに文庫化!
三行統合なら生き残れる!第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の各トップは世界でも例のない大再編に向け猛スピードで走り出した。困難な調整や会談の内幕など、最後の決断までの日々を圧倒的な情報量とリアリティで描いた実名企業小説。その後の迷走と再生のドラマも収録した完全版。
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銀行大統合 小説みずほFG
日本興銀、第一勧銀、富士銀の世紀の大統合の話。ちょうど20年前の1999年のGW、興銀の西村頭取が文字通り音頭を取り、一勧の杉川頭取、富士の山本頭取を巻き込んで、強力なリーダーシップで統合までこぎつけたという話。あくまで小説ではあるが、システムトラブルの原因について、実名で一勧の副頭取・西之原氏を挙げているのは興味深い。大規模システムトラブルは20年経った今も、未だに尾を引く問題となっているが、これまた第一と勧銀の出身行意識の中で、情報提供や試験を徹底していこなっていなかったヒューマンエラーであったと断罪している。いずれにせよ、旧行意識や、システムの中心をどの銀行に置くか等々の人間臭い話もあり、世界一の総合金融サービスという崇高な理念を掲げる中で、みずほFGがいかに人間がハンドメイドで作っているのかというのがひしひしと伝わってくる。ちなみに、冒頭出てくる第一勧銀の近藤克彦・前頭取は私の大学バレー部の先輩でもあり、何度かお話ししたことがある。とてもやさしい笑顔が印象的な方であると以前より感じていたが、総会屋事件等、非常に荒苦しい世界で身心を削られた方であることが、今回の小説を読んでわかった。
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3行統合という空前スケールの再編劇で誕生したみずほファイナンシャルグループ。統合当初に発生したシステム障害は当時テレビや新聞のニュース等で観て覚えていますが、本書では3行統合という大再編劇の舞台で繰り広げられた当事者たちの苦闘や苦悩がノンフィクションということでリアルに描かれています。当時駆け出しの20代社会人だった私は改革に対して気概あふれる小泉政権やその政策を応援していました。本書ではみずほFG国有化の危機が日本の国益を損ねるという立場で作者の思いや視点も加味しつつ描かれていますが、大統合の頃から15年経った2014年現在で考えてみると当時の竹中・木村金融チームが日本の金融機関が外資に喰い物にされることに加担していることに他ならないという見方も間違いではなかったかと思います。DKB(第一勧業銀行)が合併銀行であるがゆえに3行統合の足を引っ張ったというのは皮肉ではありますが、未曽有の事態にすごい決断と根回し・迅速な実行をした当時の統合3行の頭取はすごいと思います。
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1999年8月20日に発表され、その後の日本金融業界の方向性を大きく左右した第一勧銀、富士銀、興銀の三社大合併の内幕を、綿密な取材に基づいて描く実名企業小説。
高杉良の小説を読んだのは実は初めてだった。実在の企業と実在の人物を使って現代の事件を再構成する実名企業小説の手法は、歴史小説の現代版といった趣きで、どこまでが取材に基づいた事実で、どこまでが著者の想像の産物なのか、わけのわからぬままに小説世界に巻き込まれてしまう。
企業統合におけるトップ(特に興銀の西村頭取)の決断の速さによって電撃的な三行統合が実現する様が描かれる一方で、逆に、トップの IT の重要性に対する致命的な意識の低さが日本金融史上最悪のシステムトラブルを引き起こすまでの経緯も描かれる。旧態依然とした出自主義の権化、第一勧銀の西之原や、みずほを陥れようとする売国奴、竹中金融相など「悪役」も登場してストーリーに華を添える。描き方によってはもうちょっとドラスティックな物語に仕立て上げることもできたかもしれないが、あえてそれをせず、淡々とした筆致に固執したところに、リアリティが生まれた。
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