高杉良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京オリンピックを読んだ男、というテレビドラマが、2014年の10月頃に放送されました。そのドラマに感動して、その原作を買い求めたのが、今年(2015年)の初めころです。
普段は読みたい本がどんどん出てくるので、海外出張の飛行機の中で少しずつ読み進めました。映画を先に見ているからでしょうか、途中から読み始めても、すぐにその映画を見ている気分になれる、不思議な体験をしました。
この本は、フレッド和田という太平洋戦争が始まる前から米国に移民していた日本人が、自らの苦しい経験をバネにして事業を成功させるだけにとどまらず、自分の時間や資産を割いて、焼け野原になった東京へオリンピックを誘致した男の物語です。
テレビドラマは東京オリンピックまでの誘致に焦点が当てらていますが、原作であるこの本は、その後のフレッド和田氏の様々な活躍も詳しく述べています。
自分の寿命が尽きるまで、米国で働く日系人の幸せを願うだけでなく、それに向かって実行した力には頭がさがります。素晴らしい日本人を持つことができた我々の誇りですね。
感動した素晴らしい本でした。
2015年6月28日作成 -
Posted by ブクログ
和民の渡邉社長を描いた「青年社長」に似ているスタイル。
今回はホダカとイトーヨーカドーが主な登場人物。
ベンチャーからバブルを乗り越え会社を大きくしていく
サクセスストーリーの姿を叙述に描いている。
成功へと導くまでの失敗談や裏切りなどもリアルで
勉強になるが、やはり重要なのはキーとなる人との
出会いとその後の付き合いの仕方。その部分を
非常に強く主張しているような作品だったかなと。
ただこういったノンフィクション作品は登場人物の
功績などの要約が通常よりも増えて、小説としては
ストーリー展開も踏まえあまり読みやすいものでは
なくなってしまうのが少し残念。 -
Posted by ブクログ
燃ゆる時の続編。東洋水産がアメリカに進出し、インスタント麺市場でNo1メーカーになるまでの軌跡をつづったもの。苦労を跳ね返し、成果を上げて内容に、元気をもらえる一冊。
文化や考え方が異なる国で、いかにして東洋水産は快進撃を進められたのか、それは「人を大事にする」という日本企業が持つ強みを十二分に活かしたから。理解に苦しむ出来事に七転八倒しながらも、失敗した人にもチャンスを与え、人を信じ、人に任せることが成長に繋がる。文化の壁はコミュニケーションで乗り越える。文字にすると当たり前なことかもしれないが、この当たり前のことを非凡なレベルで愚直に追い続けたことが、成功の要諦。
組合対策の詳細記述何かは、海外勤務をする際に非常に役立ちそう。 -
Posted by ブクログ
2013年9月8日、朝からテレビやマスコミでは、
「2020年東京オリンピック決定」の報道を流していた。
この時話題を呼んだのが、オールジャパン態勢で挑んだというプレゼン作戦。日本からのプレゼンター、一人一人がそれぞれの想いを精一杯語りかけ、ゼスチャーを使って表現することで、IOC委員たちの心をつかんだといえるだろう。
笑顔と「おもてなし」精神。これが効いたのか、2020年に東京でオリンピックが開催されることとなった。実に1964年の東京オリンピック以来、56年ぶりということだ。
全員一致で取りに行った今回のオリンピック開催地だが、前回の東京オリンピックの時には、戦後の日本でぜひオリンピックをしたいと活動したアメリカ在住の日系二世がいたという。
それがこの作品の主人公、フレッド・和田勇だった。
1949年。アメリカで暮らす日系二世の和田は、商売で成功して社会的にある程度の地位にあった。全米水泳選手権大会に出場する日本の水泳選手たち(当時の世界的スイマー「フジヤマのトビウオ」の名を持つ古橋広之進など)の宿泊所を用意したりと、日米両国の行事に貢献していた。
そんな和田も第2次世界大戦中は、日本との関わりを疑われていた。彼は強制収容所入りを拒絶し、ロサンゼルスから追い出されるように、ユタ州キートリーの農場へ転居する。そこでなれない農業暮らしをしながらも、彼を頼ってくる日本人の面倒をみていた。
戦争が終わり日本の復興も整ってきたころ、和田の胸にはオリンピックを祖国日本で開催したいという想いが強くなり、あちこち奔走するようになった。結果的には、和田の祖国への想いは実を結び、1964年東京オリンピックが開催されたのだ。
半世紀前の東京オリンピック開催の裏には、日系二世の人々の祖国への想いが隠されていたのだと初めて知った。国をあげてのスポーツの祭典だからこそ、この時ばかりは普段あまり見もしない国旗がシンボルとして大空に翻る。選手たちも「国の名誉のため」に、力を振りしぼる。
和田は遠ざかりつつある祖国への愛着を常に感じていたのだろう。
企業家として成功した和田の人生で、特に東京オリンピック関与はクローズアップされている。半世紀前のオリンピック決定には、日系二世が働きかけていたというのだ。
当時の日系二世だからこそ、まだ日本とは近い距離だったが、今ではもう日系何世と言っても、現地の人と変わらないだろう。
「東京でオリンピックを」という想いは、半世紀前だからこその日系人の「郷愁」だったと思う。
考えれば日系人問題も当時はいろいろあったに違いない。
その話ももっと知りたいと思うが、
今はとにかく「2020年のオリンピック決定おめでとう」と言いたい。
関係者のたゆまぬ努力を引き継いで、2020年東京オリンピックで、どんなドラマが待っているのか、今からとても楽しみにしている。