高杉良のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
アサヒビールの中興の祖であり、現在のスーパードライ1強を実現した経営者である樋口廣太郎を題材にした経済小説が本作『最強の経営者 アサヒビールを再生させた男』だ。本人は実名で登場するものの周囲の人物は仮名という扱いになっているので、一応小説の部類に入るのだろうと思う。
本書の主人公である樋口廣太郎は、その強烈なキャラクターと押し出しの強さで、経済についてそれほど興味がない人でも知っている人物だとは思う。また会長になって以降は公職をたくさん勤めているので、その関係で知っている人も多いのではないだろうか。彼が活躍した時分にはまだ義務教育課程にいた自分でさえ、体の名前を知っていたのだから。
三井住友銀行からアサヒビールの社長職に移るというスタートからしてすでに時代を感じさせる設定ではあるが、とにかく出てくる人物やエピソードが皆令和の今からはとても想像できないもので、その辺りは昭和から平成にかけてのビジネス本としての楽しさが溢れている。
一方で日本の経済小説やビジネス本に共通する欠点である、ディテールの弱さや対象への過剰な忖度と思われる部分は本作も変わらず、その部分は翻訳ものになれた自分としてはかなり興ざめになる部分も多かった。 -
Posted by ブクログ
越谷を拠点とする、自転車とスポーツウェアを販売するホダカを立ち上げた武田光司。もともとは文化放送の報道に入ったが水が合わず、営業に転属して頭角を現す。一方で、起業をしたいという願望と、妻との折り合いが合わなくなったことが重なって退社し、一念発起してサンポールの子会社を立ち上げようとするが…。
経済新聞に載っていたらしい経済小説という事になっているが、要は武田光司のサクセスストーリーを伝記風にまとめ上げた一冊である。
昭和30~40年代、1970年前後の、まだ戦後で中小企業も軍事で培った技術で「ウチに任せな」と何でも引き受け、注文する側も良く言えば人情、悪く言えばコネの随意契約でなんとでもなった時代の話。ほとんど書かれてはいないが、今では考えられないパワハラや暴力沙汰も有ったのであろう。
おそらくほぼすべてが実話をベースにしているのであろうが、まず最初にでてきた"岡本太郎"が、我々の知っているような岡本太郎像ではないので、フィクションか?と疑ってしまう。調べてみると1960年代の岡本太郎はラジオ番組を持っていたり、バラエティ番組に精力的にでていたらしいので、事実なのかな。
一方で、なぜか「文華放送」と文化放送だけが伏せられているため、フィクションか否かわからないまま読み進めていった。
台湾でハズレの自転車を掴まされ、その後ベビーブームを自転車で乗り切って、他の業態に移っていくのかなあと思っていたが、実際にまだ自転車の大手なのね。マルキンブランドなのか。
ヨーカドーへの取り込み取り込まれのあたりが、まあ武勇伝として楽しめる世代もあるだろうが、まあすでに60歳を超えた人にしか楽しめないだろう。我々の世代からすると、コンプライアンスだのが気になってしまう。
最後の方は無理やり付けましたという情報が並んでいるので、力尽きたんかなという印象。
まあ、そういう世代向けですね。ビジネスに役に立つと読まされたら苦痛だと思う。
「子供時代から才覚があり」みたいなのはなかったので、それは良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小野健一
一九六九年九月十三日生まれ。神奈川県立平塚江南高校に進学。軟式野球部で野球を続けた。横浜市立大学商学部を一九九二年三月に卒業。五月にアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。七年半勤め、マーケティングの能力が必須と考え、P&Gへ転職。リーバイ・ストラウスジャパンへ転職。
福田幸弘
小野と同じグループで一緒に内定が出た。
小野正秋
小野健一の父。工作機械の設計事務所を営んでいる。厳格。
貴志
健一の一歳下の弟。
和宏
健一の五歳下の弟。
優子
健一の母。大らかな性格。
荒木望
研修で小野と同じドベチーム。慶應義塾に幼稚舎から通っていたお坊ちゃん。
山瀬直樹
研修で小野と同じドベチーム。大学入学時に二浪し、さらに大学恩卒なのでほかのメンバーよりかなり年長。
宮田
東大卒で優秀。
浅倉奈緒
チューター。
土井雄一
製造業プロダクトグループ責任者。
杉野桂子
小野が当時付き合い始めた恋人。一九九四年三月二十六日に結婚。
藤岡貴之
費用管理担当。
山口
小野より一歳歳上。
寺本秀樹
小野と一緒にシカゴへ出向。京都大学出身。
跡部徹
富士ゼロックスのプロジェクトリーダー。社内で天才と呼ばれている。後に重役まで登りつめる。
原口
富士ゼロックスのプロジェクトの資金担当。
村上
富士ゼロックスのプロジェクトの資金担当。
加藤
富士ゼロックスのプロジェクトの物流担当。
健友
小野の息子。
乙武雅彦
P&Gの企業戦略担当。パンパース部門に異動。
衛藤
P&Gのディレクター。
東口譲治
P&Gのカレント部門のディレクター。
グレーロ
東口退社後に本社から出向してきたディレクター。
黒田裕一郎
P&Gの花形部署であるパンバース部門のディレクター。異動。
長谷部
小野の部下。乙武の右腕として仕事をまわしていった。
西岡
エグゼクティブサーチ会社、コーン・フェリー。
杉内和彦
リーバイスデザイナー部門トップ。
山本
リーバイ営業本部長。
ビビ・チョア
小野の上司でブランド事業本部長。フィリピン系アメリカ人。三十五歳。小柄で可愛らしい面立ち。
中谷慎太郎
リーバイスで小野の後継者。後に小野の相棒となる。
タガート
アジア本部副社長。
デイヴ
アジア本部社長。
高崎治雄
モルソン・クアーズ・ジャパン社長。
阿川裕子
モルソン・クアーズ・ジャパンブランドマネージャー。
先崎大輔
三十八歳。P&Gパンパース部門でアテンドを担当していたのを小野が自身のアシスタントとしてスカウトした。
アンドリュー・バルマス
ナガノトレーディング社長。
大林一郎
小野が採用したブランドマネージャー。
由佳
小野の長女。
石渡正一
ヘッドハンター。大手外資系のエグゼクティブサーチファームの取締役。
ケビン・ボウマン
米国本社のCFO。
岩崎愛
ブルーボトルコーヒージャパンの取締役。
遠藤秀一
ブルーボトルコーヒー店舗開発担当。
前川信也
京都店の店長を引き受ける。
宇月咲
ファイナンス担当。
-
Posted by ブクログ
小野健一。野球部で180センチ以上と体躯が良く、人当たりが良い男性。将来は社長になると目標を掲げて、6つ以上もの企業を転職。その都度自分に足りないものを学び吸収していき、少しずつ大企業の社長に上り詰めていくサクセスストーリー。
著者:高杉良の娘の夫をモデルにしたほぼノンフィクションらしい。小説にするにあたり着色はあるやろうけど、モデルになった人物がいるから、物語に超絶大ピンチ!みたいな描写は少ないように感じた。それでも大ピンチはしょっちゅう起きててその都度機転を効かしギリギリ乗り越えてきた。
田中修治の「破天荒フェニックス」と同じジャンルやな。
実際に社長になる人の人生の一端を覗いた気分。1日に2〜3時間しか眠れないような日が半年間続いたっていう描写あるけど、そんな日を半年間も過ごしたくないわ。この時点でふるいにかけられる感じがする。
ただ何にでも挑戦する姿は見ていて応援したくなるな。ほんの少しだけ仕事に対するモチベが上がった。
-
Posted by ブクログ
ネタバレノンフィクションみたいな感じの小説だった。
物語としてあまり感情の表現が書かれてなく、かなり淡々として話が進む。例えば仕切りに物語では北脇上司について嫌がらせや嫉妬の感情を向けられているがそこの原因ついてはあまり深掘りされず、なぜそこまで嫉妬に駆られるのか?何かコンプレックスを刺激されてるのか?等の小説ではかなり深掘りされそうなところをほぼスルーして主人公の悩みの種の一つとして書かれている。
他の人物もほぼそんなため、人物はかなり多く出てくるが一人一人に感情移入がしづらくいまいち物語に没入できなかった。それでもゼネコンという知らない業界や銀行とのやり取りは雑学としてみれば面白かった。
作者自身のこんなサラリーマンすごくね?みたいな主張が強く自分はあまり合わなかった小説だった。