高杉良のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
名頭取として有名な中山素平氏を中心に、日本産業の発展を裏から支えた日本興業銀行を描いたもの。日本興業銀行は、経済界に長期資金を融通するだけではなく、様々な人材を供給し、「産業金融の雄」として日本産業の土台となっていた。
しかし、その道のりは平坦ではなく、終戦直後は戦犯銀行として、GHQから閉鎖命令を下されそうになる。また、昭電疑獄などもあり、銀行の存立が危ぶまれたりした。5冊の本のうち、2冊は戦後の混乱の時期から再建までを描いており、実はそのあたりのことは、知らなかったので、勉強になった。
3冊目以降は、海運再編や新日鉄誕生など、業界再編における影の主役として、興銀の活躍ぶりが描かれている。
-
Posted by ブクログ
やっと、下巻まで読み終わりました。
長きにわたって書きつづけられてきたシリーズの完結編。
サラリーマンの身として、登場人物(特に主人公)のそれぞれの場面でそれぞれの立ち居振る舞いは、
自分ならどうするだろう?と考えさせられることが多々ありました。
まあ、この小説に出てくるように、社内の人間に会うのに秘書をとさなくてはいけないような会社にいるわけではないですから(笑)ここまで、シリアスな場面に立ち会うこともないとは思いますが。しかし、どんな会社でも、社内政治は必要だとは思うので、大いに参考にすべきところはあると思います。
正直、主人公の竹中治夫のように実直でありながら、また、何度も左遷されなが