TKCは全国会とか名前を聞くけれどよくは知らなかった、その創業者のお話。
・特に渡辺美智雄さんや平岡忠次郎さんの国会答弁のあたりが痛快かつ面白かった。
旅費の支出のお仕事などやったけれども、正直何のためにどういう歴史で日当があるのかよくわかっていなかった。各国の比較なども作中ででてきて全体像が少し
...続きを読むわかってよかった。
・悪役の鳩山威一郎関東信越国税局長、木村秀弘長官、安井誠関東信越国税局直税部長、金子訟務官というのは実在の人物、金子氏以外?はwikiでも名前が確認できる。国会答弁や新聞記事や書類の文言は史実でしょうから、面白い。勧善懲悪は苦手だけれど国家権力はこわいなあとおもう。
学生のとき、歴史や刑法の授業で、いかに民が人権の脅威にさらされてきたか、それがほんの少しずつ、無数の人々の努力によって革命や判例で打ち勝ってきたか。尊属殺人、自白...。過去の蓄積に感謝しつつ、自分の身を守るために勉強したい。そして自分が立場が強くなった時(親になった、上司になった)には、よくよく己を律して気をつけなければならない。
自分たちの身を守るためには?勉強・相手を立てる態度・むやみに喧嘩しないなど、色々な手を使う必要がありそう。
・主人公の飯塚氏は、悪衣悪食を恥じず(論語。学問の道を志しながら粗末な衣服や食事に甘んじる事を恥じる様な人間は、学問を語り合うのに値しない)
自利利他(仏教用語。「利他」のまっただ中に「自利」を覚知すること。→自分の利益とは、他人の利益を実現することにある)の精神で生きた立派な方。
自分はグレーはわりと好む性格だし、こんなに清廉潔白にはなれないけれど。
消費を美徳とする風潮が苦手なので、非常に共感できる。
・長男に社長を譲るシーンで、刀を授けて、経営に失敗したらこの刀で腹を切るのだと言ったのがかっこ良すぎた。