高杉良のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
テンポが良く、主人公小野健一の目標に向かって進んでいく様がとにかく気になり一日で読み終わってしまった。
解説にある通り、『青年社長』の姿を再び感じられる高杉良らしさを味わえる作品であった。
目標を持ち目指すこと、その為に必要なスキルを身につけること、身につけるまでの努力は惜しまないことを改めて学んだ。日々の仕事に忙殺され、こなすことに必死になってしまいがちだが、自身の将来ありたい姿をイメージしながら現状とのギャップを埋めていく努力が必要だと感じた。
加えて小野の仕事を一緒に取り組む仲間たちへの愛を感じられ、相手を尊重しながら働く姿勢に私も「ケンさん」と慕いながら読破した。
『青年社長』も大好きな作品だが『転職』と並ぶ作品になった。 -
Posted by ブクログ
高杉良さんが書いた、企業実名モデル 小説。
インスタント食品で名高い東洋水産を取り上げ、森社長がどのように会社を立ち上げ、苦労し、育て上げたかを詳細に記した、社史とでも言うべき一冊。
お金のやりくり、親会社との駆け引き、競合他社との熾烈な裁判。一世紀近く前のことにはなるが、リアルな会話と共に著者が現代に甦らせている。
東洋水産といえば、インスタントラーメン、マルちゃんの愛称でおなじみだが、なぜ「水産」の文字が入ってるのか、いまいち分からなかった。しかしこの本を読んで、合点がいった。東洋水産にとって、水産は「祖業」。外せないわけですね。
これも、時間を忘れて、読みふけった。 -
Posted by ブクログ
【転職】
高杉良さんの著書。
野球一筋で頑張ってきた主人公健一が、最初に就職先として選んだのは外資系コンサルティング会社。
そこから様々な課題をクリア、そして新たな会社に転職をして更なるキャリアアップをしながら、新人時代から『社長になる』という目標に向かう奮闘記です。
健一の凄いところは、仕事はもちろん家族のこともしっかり考えながら自身の目標に邁進するところです。
私も新たな地に活躍の場を求める者として、健一の生き方にとても共感、レベルは全然及びませんが自分を信じて前に進むところは同じです。
どの会社で仕事をするのも自分次第、そしてその経歴はその人にしか体験できないものです。
今の私にとてもハマる著書です。
これから転職を考えようとしている人、また今の仕事で悩んでいる人は必読していただきたいです。 -
ネタバレ 購入済み
日本の経済界の恐ろしき闇…。
もう10年以上昔に読んだ作品ですが、初めて読んだ時の衝撃度と、モデルとされた御本人側から著者への執拗な恐喝や妨害が有った経緯等を聞くにつれ、「現代の日本にも〝アンタッチャブル〟な存在は居るのだ」と、背筋が凍る思いがしました。
こんな極悪非道なやり方で、企業から金銭を掠め取りながら、政財界とのコネを最大限利用して、正に「鵺(ぬえ)」の如く現代日本を跋扈し続けた人物が〝自分と同時代に生きていた〟事、そのものがショックでした。
その御方はもう既に身罷られていますが、その雑誌は今尚発行され続けており、御本人に関する情報は現代のネット時代にも拘わらず、未だにまともな情報は「一切無い」儘に成っています。
被害に遭われた多くの企業の方々に「本当にお気の毒でした」と云う思いと、〝コネさえ有れば、ここまで好き放題しても、誰一人咎め立てすらしない〟日本の社会に読後、暗澹たる気持ちに成ったのは、今現在も変わらない気持ちです。
この本がより長く多くの人々に読まれることで、今後このような人物が二度と現れない事を心から願っています。
ちなみに、この小説の続編『首魁の宴』も有りますので、悪事の続きを読みたい方はw、是非お読みください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ経済小説、ビジネス小説なんてほとんど読んだことがなかったのですが、こんなに面白いとは。
「マルちゃん」で知られる東洋水産の創業者森和夫の生き様がかっこいいのです。
北海道ではインスタントラーメンといえば「サッポロ一番」より「マルちゃん」です。(個人の感想です)
カップ焼きそばといえばマルちゃんの「焼きそば弁当」。
うちの子たちは魚肉ソーセージもマルちゃんのが一番美味しいと言います。
そのくらい身近。
物心ついた時から、当たり前のようにあったので、まさかこんなに苦難続きの企業だったとは思いませんでした。
戦後4人で起業した零細企業ですから、大企業や商社から無理無体を押し付けられ、会社が大きくなったら今度は、つぶれそうな会社の再建を頼まれては引き受けています。
経営者ですからもちろん論理的ではあるのですが、行動の根本には「義」があります。
だから人がついてくるのだろうなあと思いました。
まあ、小説なので、すべてが事実ではないのかもしれません。
一番びっくりしたのは日清食品の(作中では日華食品)の安藤百福(作中では安東福一)の姿です。
これまで私が見知ってきた安藤百福という人は、おなかをすかせた人がなくなるようにとチキンラーメンの特許をとらず、戦後の日本の食品業界をけん引した人、でした。
が、この作品を読むと、チキンラーメンは彼の発明ではなく、実際に発明した人から特許権を買い取ったらしい。
そればかりか、社員は使い捨て、権力者にはすり寄り、弱者を恫喝し、マスコミを使ったイメージ戦略に長け、えげつないほど金に汚い人物。
さすがにそれはないだろうと、読書の途中でちょっと中断し安藤百福氏を調べてみたら、結構黒い噂はあるみたい。
日清食品自体が、業界ではあまり評判が良くない。
だからドラマも小説も、フィクションであることを念頭に、あんまり信じすぎてはいけないなと思った次第。
でも道民だからマルちゃんが好きなのよ。
これからも食べると思うわ。 -
Posted by ブクログ
経済小説家の高杉良による実名小説。マルちゃんラーメンで有名な東洋水産の創設・拡大、アメリカ市場進出やそれに関わる日清食品との特許紛争などを通して、創設者である森和夫のフィロソフィーを描いている。経営判断、采配、人づきあいなどにおいて、仁義や筋を通すことを大切にして仕事に命をかけている姿や、人の良さが逆に仇となったような事例を見て、森の人となりを知ることができるほか、一人の職業人としてもまたこんな生き方をしたいと思わせてくれる。
なお同じ著者による実名小説で公認会計士事務所TKC創設者の飯塚毅を描く「不撓不屈」と比較して、本書の話の筋はよく似ている。両者とも、裕福ではない出身から努力して会社を興し、仁義や努力や熱意を大切にして会社を軌道に乗せていくが、当局や競合の巨大会社などの既得権益を持つ強大な敵から言われなき咎めを受け、苦しみながらも、諦めず、一所懸命に立ち続け勝利する、というストーリーである。
高杉小説の魅力は仕事に命をかける人の生き様だと思うが、同時に仕事に命をかけることが非常に難しいしそれだけが価値ではないということも思わされる。命をかけられるだけの仕事をしてきた覚悟の強さや、そういう仕事を作ったり見つけてきた人としての強さなどは魅力的だが、これを読んで「じゃあ私も命をかけよう」とすぐに思えるものがあるわけではない、覚悟をできない、というのが感想である。また、同様のテーマに触れていた小説として、城山三郎の「官僚たちの夏」があるが、熱血官僚が前時代的になり、ワークライフバランスをとりなが、仕事に命はかけないクールな若者たちが台頭してゆく姿が描かれていたように、仕事以外の部分にも楽しみを持つ生き方にむしろ共感する面もあるのもまた素直な感想である。 -
購入済み
三木さん幸せに
雑誌連載中から毎号楽しみに購読していたが、雑誌本編が突然終わってアレって感じで虚無感に襲われた。だが単行本化して電子版で読んだ時。巻末におまけがあって治夫と三木さんが結ばれていた、仲睦まじい感じ。本当におめでとうと思った。続編を期待したい。
-
Posted by ブクログ
TKCは全国会とか名前を聞くけれどよくは知らなかった、その創業者のお話。
・特に渡辺美智雄さんや平岡忠次郎さんの国会答弁のあたりが痛快かつ面白かった。
旅費の支出のお仕事などやったけれども、正直何のためにどういう歴史で日当があるのかよくわかっていなかった。各国の比較なども作中ででてきて全体像が少しわかってよかった。
・悪役の鳩山威一郎関東信越国税局長、木村秀弘長官、安井誠関東信越国税局直税部長、金子訟務官というのは実在の人物、金子氏以外?はwikiでも名前が確認できる。国会答弁や新聞記事や書類の文言は史実でしょうから、面白い。勧善懲悪は苦手だけれど国家権力はこわいなあとおもう。
学生のとき、歴史や刑法の授業で、いかに民が人権の脅威にさらされてきたか、それがほんの少しずつ、無数の人々の努力によって革命や判例で打ち勝ってきたか。尊属殺人、自白...。過去の蓄積に感謝しつつ、自分の身を守るために勉強したい。そして自分が立場が強くなった時(親になった、上司になった)には、よくよく己を律して気をつけなければならない。
自分たちの身を守るためには?勉強・相手を立てる態度・むやみに喧嘩しないなど、色々な手を使う必要がありそう。
・主人公の飯塚氏は、悪衣悪食を恥じず(論語。学問の道を志しながら粗末な衣服や食事に甘んじる事を恥じる様な人間は、学問を語り合うのに値しない)
自利利他(仏教用語。「利他」のまっただ中に「自利」を覚知すること。→自分の利益とは、他人の利益を実現することにある)の精神で生きた立派な方。
自分はグレーはわりと好む性格だし、こんなに清廉潔白にはなれないけれど。
消費を美徳とする風潮が苦手なので、非常に共感できる。
・長男に社長を譲るシーンで、刀を授けて、経営に失敗したらこの刀で腹を切るのだと言ったのがかっこ良すぎた。