あらすじ
この会社には将来があるのか――組織を見限り別の道に挑戦する男を描く「エリートの脱藩」。病魔に倒れた社長の後継人事に奔走する男の秘策「社長の遺志」。人員解雇に忙殺される人事部長を描く「人事部長の進退」。社内抗争に巻き込まれた男と同期の友情を描く「エリートの反乱」。社長の劇的な退任劇「社長、解任さる」。己れの矜持を賭けた決断の瞬間を経済小説の巨匠が鮮烈に描く名作。(解説・杉田健二)
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理想と現実、夢と生活、個人対社会、保身と挑戦、欲望。そのひび割れから浸透してゆく日々の軌跡。
やるせなさや怒り、屈辱、諦念、希望。それでも毎日働き続ける。そうした言葉もいつかは遠ざかってゆく毎日。
ぎゅっと凝縮された社会のひとこまひとこまを垣間見た気がします。
本当に名作揃いで読みでがありました。
昭和な世界
携帯のなかった時代だからこその緊迫感。深夜に自宅へ電話したり、家へ押しかけたりと、現代なら下手すると警察沙汰になりそうです。
最後の○越社長解任劇が印象に残りました。
Posted by ブクログ
傑作短編集と謳うだけあって、どれも楽しく読めた。人事という共通のキーワードで進むそれぞれの話、時代は違えども、どうしても「人事」というものに大きく左右されるサラリーマンの悲哀を感じてしまった。会社が大きくなればなるほど、そこには理不尽が散りばめられている。それと付き合いつつ時には我慢しながら生きるのか、もしくは脱藩の道を選ぶのか、人生それぞれ。(それにしても、あとがきを書いている人物には驚かされた。)