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組合設立騒動に巻きこまれ左遷された若手エンジニア田崎。家族的経営の欺瞞に直面しながら田崎は自らの信念を貫こうとするが…。組織の旧弊や矛盾望に翻弄されるエリートを描いた高杉良のデビュー作。 ※本書は、1997年2月に小社より刊行された『高杉良経済小説全集 第1巻』所収「虚構の城」を改題のうえ、改訂したものです。
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Posted by ブクログ
海賊と呼ばれた男で賞賛された出光興産。 一方で、出光興産の裏の事情を小説化してデビューされたのが高杉良先生であり、今作は出光興産の裏の顔、内部事情の歪さを如実に描いている。 出勤簿がない。定年がない。大家族主義の闇を描いた作品は今ブラック企業に苦しめられている人に是非読んで欲しい。
海賊と呼ばれた男を読んで、出光興産に興味を持ったことから、この作品も読んでみました。 書かれている事実に大きな違いはないものの、捉え方によってこうも違うか!というくらい、両極端な作品でした。 例えば、「海賊と~」では、店員が自ら望んでタンクの底に潜り、どぶさらいの仕事をし、それがどんな辛いことで...続きを読むも乗り越えられるための根幹となっている、的な書かれ方してたけど、「虚構」では嫌々ながらにも崇められる存在である店主の言うことには逆らえず、どぶさらいをさせられたと書かれてていた。 個人的な見解を述べると、「海賊」に書かれていることは経営層の妄想、思い込み、理想であり、「虚構」に描かれていることが、実際の現場の本音やと思う。 自分が仕事をしていても、やっぱ経営層が考えている理想と現場の現状ってのは異なるものやし、それが極端に表れてたのが、この出光興産って会社なんやと思う。 なので、個人的には「虚構」に描かれている現実を支持するかな。 ストーリーとしては、どっちもとても面白いです。 石油という商材のダイナミズムを感じられるのは「海賊」かな。
若手エリート社員の挫折から成功までを辿った内容。昔の大企業内部がわかるが、いまも昔もそうかわらないな。違いとしたら、昔は交際費を自由に使った時代なんだなと思えた。
社労士の勉強をしてた時に専門学校の講師の方が紹介してた作品。不利益取り扱いとはどういうことかが肌感覚で理解できて良かった。
高杉氏の作品をはじめて読みました。かの出光興産の社風、文化等をリアルに描写している。75年に発表された本作だが、現在でも同社独特の考えは続いている。労働組合は今でも存在せず、創業家が影響力を持っている。 しかし出光のような大企業が残業無し、労働時間管理無しというのは驚かされた。時代の要請か少し変化...続きを読むしつつあるようだが、体質が変わるには時間がかかるだろう。 昨今話題となっている昭和シェルとの合併についてもこのような会社文化が強く影響してしるのは間違いないだろう。
封建的な会社に勤めるエンジニアが、経営層の反感を受け、転職する物語。伏線として家庭不和や悲壮な恋愛物が描かれている点が面白い。
海賊と呼ばれた男で描かれた出光興産を全く逆の視点から描写した作品。 一番の驚きは銀座のクラブで一目惚れした女性がまさかの父親の愛人。
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高杉良
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